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アルベルト・グティエレス 38歳
Lv71 カディス公国 男爵 近衛第1騎士団 団長
慌てて鑑定スキルを中断した。
ただのごつい門番兵さんじゃなかったわ…。
お偉い騎士団団長様でした。それも男爵様、お貴族様だよ。
近衛って事は、エリート中のエリート。強さだけではなく特に人格も問われるからなぁ。
って事は…単なるお人好しのお節介大好きさんか。
俺が返事もしないで黙り込んでいると、ごつい門番兵さん…じゃなくて団長様はハッとした表情になる。
なんか気がついたぽい?
「名も知れない者の提案に頷ける筈が無いな…私はアルベルト・グティエレス。この国の騎士だ。だから、君を騙してどうこうする気はないので信用して欲しい」
うん、わかってます。
団長様を信用しましょう。
でも何で近衛騎士団の団長って言わないんだ?
つか、何で近衛騎士団の団長が門番兵紛いな事してんだろ…。
俺は深く考えるのを止める。
大体深く考え過ぎて、結局首を突っ込んでトラブルに巻き込まれる事が俺は多いのだ。
「騙すなど…グティエレス様を信用します。私のような下賤な者へのお心遣いに感謝します。では、グティエレス様のご提案に甘えさせて頂きますので、よろしくお願いします」
にこにこと俺は出来るだけ愛想良く笑って見せたが、団長様は何とも微妙な顔をした。
あぁ、そうか。火傷の痕が醜くてドン引きしたか。
「では、ドーン君…門を入って真っ直ぐ行けば街の広場に出る。広場の左側に『アルゲントゥム』と言う酒場で待っいてくれないか?その、丁度もうすぐ上がりの時間なんだが…換金する場所を君も知っておいた方がいいだろ?」
ん?んん?
微妙に誘われている様な気がしないでもないが…。
まさかね…まさかだよなぁ。
俺、男だし!
気のせい、気のせいだ、うん。
「それは構いませんが、酒場では薄気味悪く思われるかと…」
ワザとらしく火傷の痕に触れる。ついでにシールが剥がれかけてないかチェック。
「あ、あぁ…そうか。無神経だったな、すまない。人が多い場所は控えた方がいいか…」
詫びる必要はないんだけどね。
でも、500年もヒッキーしてたから酒場とか賑々しい場所はちょっとハードル高いわ。
「そうだな…では、ここで待っていてくれ」
は?駄目でしょ。
ここ門番兵さんたちの詰所でしょ。俺、部外者よ?一般ピープルよ?それに門番兵さんたちも事務仕事あるでしょ。
私用で仕事の邪魔駄目、良くない!
「それは如何かと…お仕事のお邪魔になりますので…では、教会はどうですか?近くに教会があるのなら、そちらでお待ちします」
「なるほど、教会か…。この近くの教会となると、門の塀を右沿い行けはセクアナ神の教会がある。ではそこで待っていてくれ」
「はい、そうさせて頂きます。それではグティエレス様、また後ほど。失礼致します」
仮身分証のプレートを受け取り、団長様に一礼。
フードを目深に被って、そそくさと詰所を出て検問している門番兵さんに仮身分証を見せると、直ぐに街の中に入れた。
街の中は人がいっぱいだった。
見ただけで人酔いしそう。
こりゃ駄目だ。
セクアナ神の教会に行こう。
教会はすぐにわかる場所にあった。
こじんまりとした木造の建物だった。敷地内に入ると神聖さが満ちている気がして心が凄く落ち着く。
「失礼します」
教会の中に入ると、正面にセクアナ神の像が祀られていた。
水の神・セクアナに厳かな気持ちで両膝を床につき両手を組んで祈りを捧げた。
『スルジェ…我らの愛し子よ…』
頭の中に若い女性の清らかな声が響く。
それがセクアナ神の声だと直ぐに理解した。
『その様子では、前世の記憶が蘇りましたね…』
今さ、前世の記憶って言ったよね?
じゃ、俺が何故転生したのか聞いてみてもいいよね?
「はい、セクアナ様。何故私はこのゲーム世界に転生したのでしょうか?」
『全てはスルジェ…貴方の為。仮想世界で遊戯の延長であっても貴方は誰よりも我ら神々を信仰し、全てを捧げてくれました。不遇であった前世の命が費えた時、我ら神々は総意であの仮想世界を現実世界として創造しました。それが今いるこの世界です。そして貴方を転生させました。前世で果たせなかった自由を楽しみなさい。自由に生きなさい。我らの愛し子よ…』
Lv71 カディス公国 男爵 近衛第1騎士団 団長
慌てて鑑定スキルを中断した。
ただのごつい門番兵さんじゃなかったわ…。
お偉い騎士団団長様でした。それも男爵様、お貴族様だよ。
近衛って事は、エリート中のエリート。強さだけではなく特に人格も問われるからなぁ。
って事は…単なるお人好しのお節介大好きさんか。
俺が返事もしないで黙り込んでいると、ごつい門番兵さん…じゃなくて団長様はハッとした表情になる。
なんか気がついたぽい?
「名も知れない者の提案に頷ける筈が無いな…私はアルベルト・グティエレス。この国の騎士だ。だから、君を騙してどうこうする気はないので信用して欲しい」
うん、わかってます。
団長様を信用しましょう。
でも何で近衛騎士団の団長って言わないんだ?
つか、何で近衛騎士団の団長が門番兵紛いな事してんだろ…。
俺は深く考えるのを止める。
大体深く考え過ぎて、結局首を突っ込んでトラブルに巻き込まれる事が俺は多いのだ。
「騙すなど…グティエレス様を信用します。私のような下賤な者へのお心遣いに感謝します。では、グティエレス様のご提案に甘えさせて頂きますので、よろしくお願いします」
にこにこと俺は出来るだけ愛想良く笑って見せたが、団長様は何とも微妙な顔をした。
あぁ、そうか。火傷の痕が醜くてドン引きしたか。
「では、ドーン君…門を入って真っ直ぐ行けば街の広場に出る。広場の左側に『アルゲントゥム』と言う酒場で待っいてくれないか?その、丁度もうすぐ上がりの時間なんだが…換金する場所を君も知っておいた方がいいだろ?」
ん?んん?
微妙に誘われている様な気がしないでもないが…。
まさかね…まさかだよなぁ。
俺、男だし!
気のせい、気のせいだ、うん。
「それは構いませんが、酒場では薄気味悪く思われるかと…」
ワザとらしく火傷の痕に触れる。ついでにシールが剥がれかけてないかチェック。
「あ、あぁ…そうか。無神経だったな、すまない。人が多い場所は控えた方がいいか…」
詫びる必要はないんだけどね。
でも、500年もヒッキーしてたから酒場とか賑々しい場所はちょっとハードル高いわ。
「そうだな…では、ここで待っていてくれ」
は?駄目でしょ。
ここ門番兵さんたちの詰所でしょ。俺、部外者よ?一般ピープルよ?それに門番兵さんたちも事務仕事あるでしょ。
私用で仕事の邪魔駄目、良くない!
「それは如何かと…お仕事のお邪魔になりますので…では、教会はどうですか?近くに教会があるのなら、そちらでお待ちします」
「なるほど、教会か…。この近くの教会となると、門の塀を右沿い行けはセクアナ神の教会がある。ではそこで待っていてくれ」
「はい、そうさせて頂きます。それではグティエレス様、また後ほど。失礼致します」
仮身分証のプレートを受け取り、団長様に一礼。
フードを目深に被って、そそくさと詰所を出て検問している門番兵さんに仮身分証を見せると、直ぐに街の中に入れた。
街の中は人がいっぱいだった。
見ただけで人酔いしそう。
こりゃ駄目だ。
セクアナ神の教会に行こう。
教会はすぐにわかる場所にあった。
こじんまりとした木造の建物だった。敷地内に入ると神聖さが満ちている気がして心が凄く落ち着く。
「失礼します」
教会の中に入ると、正面にセクアナ神の像が祀られていた。
水の神・セクアナに厳かな気持ちで両膝を床につき両手を組んで祈りを捧げた。
『スルジェ…我らの愛し子よ…』
頭の中に若い女性の清らかな声が響く。
それがセクアナ神の声だと直ぐに理解した。
『その様子では、前世の記憶が蘇りましたね…』
今さ、前世の記憶って言ったよね?
じゃ、俺が何故転生したのか聞いてみてもいいよね?
「はい、セクアナ様。何故私はこのゲーム世界に転生したのでしょうか?」
『全てはスルジェ…貴方の為。仮想世界で遊戯の延長であっても貴方は誰よりも我ら神々を信仰し、全てを捧げてくれました。不遇であった前世の命が費えた時、我ら神々は総意であの仮想世界を現実世界として創造しました。それが今いるこの世界です。そして貴方を転生させました。前世で果たせなかった自由を楽しみなさい。自由に生きなさい。我らの愛し子よ…』
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