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報酬
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「はい、これが今回の報酬になります」
シーラさんからダンジョン調査の報酬を受け取り、それを5等分に分ける。
ダンジョンの宝箱に入っていた腕輪に関しては、現在鑑定士がギルド内にいないので後日鑑定に来てほしいと言われた。
この世界の装備は見た目と効果が一致していないらしく、同じ見た目でも効果は物によって違うらしい。
「鑑定は後日にするとして、この腕輪はどうする?」
ダンジョンの宝箱から取り出した腕輪をテーブルに置く。
「俺たちはいらねぇからカシュがもらってくれ。カシュのおかげで調査も捗ったし、初依頼達成の祝いとでも思ってくれ」
「やったあああああああ!!!!!」
肩に乗っているアトが急に叫んだ。
耳元で急に叫ばれて体がビクっと反応してしまう。
「どうした?」
アトの声にびっくりした俺を見たバートンが不思議そうな顔をしている。
「な、なんでもない……ありがたく受け取っておくよ」
「え! ずるい! 私も欲しい!」
一人厄介なやつがいた。
どうやらエリーも腕輪が欲しいらしい。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
俺はみんなから少し離れる。
「おいアト、この腕輪って何か効果あるのか?」
「あるわよ! その腕輪は魔力吸収の効果がついてるわ。腕輪をつけた手で対象に触れると、その対象の魔力を吸い取ることができるのよ。売れば金貨100枚ぐらいになるわ!」
それで叫んでいたのか。
というか金貨100枚って……。
武具屋で装備見てた時だって、一番高いやつで金貨3枚ぐらいだったぞ。
「絶対エリーには渡せないわ。死守しなさい! 死守! てか、私に頂戴!」
「わかった。お前にあげるかどうかは置いておくとして、とりあえずエリーに渡さないように力を貸してくれ」
俺とアトは目を合わせて頷き合った。
「わるいわるい、お待たせ」
「なにしてるのよ! 早く腕輪頂戴!」
エリーが両手を差し出してくる。
もう自分がもらえるものだと思ってるな。
「ここは一つ勝負と行こうぜ」
「勝負?」
「今からこの銅貨を上に弾いて、わからないようにどっちかの手で掴むから、どっちの手で掴んだかを当ててくれ」
そう言いながら、ポケットから銅貨を取り出す。
「銅貨を掴んだ手を当てられたらエリーの勝ち。はずれだったら俺の勝ち。わかりやすいだろ?」
「わかった、それでいいよ!」
親指で銅貨を弾き、落ちてきたところをエリーにわからないように手で掴む。
「さぁ、どっちだ?」
エリーは俺の左右の手をじーっと見つめ悩んでいる。
10秒ほど悩んでいると「よしっ!」と小さく呟いた。
「こっちにするわ!」
俺はエリーが指を差した左手を開いて見せる。
手の中には銅貨はなく空っぽだった。
「どうやら俺の勝ちだな。腕輪はもらっとくぞ」
「えー! 絶対こっちだと思ったのにー!」
「勝ちは勝ちだからな」
エリーは悔しそうだったが、勝負とあっては引き下がるしかない様子だった。
悪いなエリー。魔力吸収アイテムって言ったら、魔法を使う人間にとっては必需品だ。
特に俺みたいな魔力量がほとんどないやつには、夢のようなアイテムだからな。
俺は下に落とさないように左手の中にある銅貨を握り込む。
アトに透明化してもらった銅貨を。
「後であたしにも分け前よこしなさいよね!」
腕輪に関しては売る気がないので、アトの分け前に関しては何か考えないといけないかもしれない。
「よし、報酬の分配も全て終わったことだし、ここいらで解散だな」
「お前らとパーティー組めて楽しかったぜ! また何かあればよろしくな」
「2人とも仲良くしなきゃだめよ。またね」
3人とはここで別れることになった。
「みんなありがと、また何かあればよろしく!」
「またねー、今度までには絶対魔法使えるようにしとくから!」
俺とエリーはギルドを後にした。
シーラさんからダンジョン調査の報酬を受け取り、それを5等分に分ける。
ダンジョンの宝箱に入っていた腕輪に関しては、現在鑑定士がギルド内にいないので後日鑑定に来てほしいと言われた。
この世界の装備は見た目と効果が一致していないらしく、同じ見た目でも効果は物によって違うらしい。
「鑑定は後日にするとして、この腕輪はどうする?」
ダンジョンの宝箱から取り出した腕輪をテーブルに置く。
「俺たちはいらねぇからカシュがもらってくれ。カシュのおかげで調査も捗ったし、初依頼達成の祝いとでも思ってくれ」
「やったあああああああ!!!!!」
肩に乗っているアトが急に叫んだ。
耳元で急に叫ばれて体がビクっと反応してしまう。
「どうした?」
アトの声にびっくりした俺を見たバートンが不思議そうな顔をしている。
「な、なんでもない……ありがたく受け取っておくよ」
「え! ずるい! 私も欲しい!」
一人厄介なやつがいた。
どうやらエリーも腕輪が欲しいらしい。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
俺はみんなから少し離れる。
「おいアト、この腕輪って何か効果あるのか?」
「あるわよ! その腕輪は魔力吸収の効果がついてるわ。腕輪をつけた手で対象に触れると、その対象の魔力を吸い取ることができるのよ。売れば金貨100枚ぐらいになるわ!」
それで叫んでいたのか。
というか金貨100枚って……。
武具屋で装備見てた時だって、一番高いやつで金貨3枚ぐらいだったぞ。
「絶対エリーには渡せないわ。死守しなさい! 死守! てか、私に頂戴!」
「わかった。お前にあげるかどうかは置いておくとして、とりあえずエリーに渡さないように力を貸してくれ」
俺とアトは目を合わせて頷き合った。
「わるいわるい、お待たせ」
「なにしてるのよ! 早く腕輪頂戴!」
エリーが両手を差し出してくる。
もう自分がもらえるものだと思ってるな。
「ここは一つ勝負と行こうぜ」
「勝負?」
「今からこの銅貨を上に弾いて、わからないようにどっちかの手で掴むから、どっちの手で掴んだかを当ててくれ」
そう言いながら、ポケットから銅貨を取り出す。
「銅貨を掴んだ手を当てられたらエリーの勝ち。はずれだったら俺の勝ち。わかりやすいだろ?」
「わかった、それでいいよ!」
親指で銅貨を弾き、落ちてきたところをエリーにわからないように手で掴む。
「さぁ、どっちだ?」
エリーは俺の左右の手をじーっと見つめ悩んでいる。
10秒ほど悩んでいると「よしっ!」と小さく呟いた。
「こっちにするわ!」
俺はエリーが指を差した左手を開いて見せる。
手の中には銅貨はなく空っぽだった。
「どうやら俺の勝ちだな。腕輪はもらっとくぞ」
「えー! 絶対こっちだと思ったのにー!」
「勝ちは勝ちだからな」
エリーは悔しそうだったが、勝負とあっては引き下がるしかない様子だった。
悪いなエリー。魔力吸収アイテムって言ったら、魔法を使う人間にとっては必需品だ。
特に俺みたいな魔力量がほとんどないやつには、夢のようなアイテムだからな。
俺は下に落とさないように左手の中にある銅貨を握り込む。
アトに透明化してもらった銅貨を。
「後であたしにも分け前よこしなさいよね!」
腕輪に関しては売る気がないので、アトの分け前に関しては何か考えないといけないかもしれない。
「よし、報酬の分配も全て終わったことだし、ここいらで解散だな」
「お前らとパーティー組めて楽しかったぜ! また何かあればよろしくな」
「2人とも仲良くしなきゃだめよ。またね」
3人とはここで別れることになった。
「みんなありがと、また何かあればよろしく!」
「またねー、今度までには絶対魔法使えるようにしとくから!」
俺とエリーはギルドを後にした。
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