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第一章
佐藤は強マイナス+強マイナス=脳筋++に進化した
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そして私は母から処世術を教わる事となった。
まず母から教わったのは気配を消す事。
「いい?シュクル、お母さんは男爵家の跡継ぎだったから王都の学院に通っていたのよ。その頃は本当に毎日が戦争だったわ。私の容姿と最下層の身分。学園中の発情オス猿のみならず嫉妬に狂ったメス豚共も敵だったの」
「⋯⋯⋯⋯」
「そういう場合はとにかく気配を消して脱兎のごとく逃げる事」
私は母に習い、気配を消す練習を始めた。
「なかなかいいわ。でもまだ獣人には見つかってしまう。もっとよ。陽炎以下の存在になるのよ」
「精進します!」
私は気配を消す鍛錬のために気配を消して森へ向かった。きちんと消えていれば、ねずみは来ないはずだ。
「全然来ないね。成功か?ん?うわぁぁぁぁぁぁぁ」
ヘビだ!蛇!
「エイエイエイエイ!!!うわぁ!ねずみぃ!!エイエイエイ!!!」
はぁ。気配を消すと、普段は人を恐れて逃げてくれるはずの動物にも注意が必要なのか。それに蛇に驚いて途中から気配が消せていなかったな。これは要注意だ。 私がドナドナされてしまう日がくるかもしれない。悲しそうな瞳はダメだ。
「蛇食べられるかな?ねずみ捌かなきゃ」
「シュクル、次はウサジャンプよ。いい?危険な鬼畜共の気配を感じたら建物や木に飛び移って災害が過ぎるのを待つのよ。たとえば廊下のような狭い場所で鉢合わせたら危険ね。廊下で気配を感じた瞬間に窓からそばの木に飛び移るの。これで鉢合わせは回避できるわ」
「はい!」
私は足を鍛える。ねずみ肉を貪りながら来る日も来る日もうさぎ跳びを繰り返す。ビビり過ぎたせいで夢に見た、ウサギ獣人闇売買ルートがかなりリアルで怖すぎたので過剰な鍛錬を止められない。
そして気づかぬ間に立派な腿肉を育てていた。
「ほう?木から木に飛び移るのは合格ね。でも飛ぶ瞬間だけ気配が隠しきれていないわ。これでは木に登るおかしなウサギよ」
「な、なんと!」
「木から木に移る時に音を出してはダメ。気配の乱れも起こしてはダメよ」
「難易度が高いですね」
「いい?この家は王国の北端にあるべレンガー辺境伯家に、うちの男爵家が管理を任されている土地なの。辺境伯家は獣人よ。北一帯は元々獣人国があったのよ。それが百年ほど前、争いに負けて人間の国に合併されたの。だからまだこの場所は私たちにとって過ごしやすいわ」
なるほど。獣人国と人間国の戦争があって、人間が勝利した感じですかね。そりゃ獣人差別も起こるでしょう。家族を戦争中に獣人に殺されたとか、生活が戦争で苦しくなったとか。少なからずヘイトは残ると思う。
そう考えるとここは安全だ。同じ獣人達の土地なら弱いウサギでもコソコソやって行けるかもしれない。
「でもね、さすがに戦後百年も経つとこの辺りにも人間がかなり移住しているの。むしろ日々増加しているわ。商人はほとんど人間よ。あなた達のお父さんだってそうでしょ?」
「そうだったー」
「いい?もう安住の地なんて無いのよ。これくらいの難易度なんて余裕じゃないと成金豚の愛人になってしまうわよ?」
「嫌です!!鍛錬を増やします!!」
「よろしい。次!ウサキック!」
元々小心者だった佐藤+弱弱ウサギ獣人の超怖がりメンタルだ。私は恐怖に駆られて一日中鍛錬に明け暮れた。そして気づいた時にはもう⋯⋯⋯⋯
「こらぁ!ネズ公出てこいや!プロテインが足りんのじゃあ!!!」
完全な脳筋ウサギ獣人に成長していた。そして森のねずみを刈りつくしていた。
「なぁラリッサ、シュクル大丈夫か?毎日森で暴れているけど」
「え?うーん⋯⋯⋯⋯少し間違えたかもしれないわね。あの子ウサギ獣人ぽくないのよ。普通のうさぎ獣人は我が家の心得を教えた後、行動や発言に慎重になったり、危機管理力を高めたりするのだけれど⋯⋯⋯⋯
シュクルはなぜかしらね?草食獣人らしからぬ戦闘力を、恐ろしい勢いで上げているわね。もうこの方向性で行こうかしら?
はぁ、正直あれだけの見た目よ?あの子が嫁ぐまで、何が何でも悪の手から守り切って、できれば優しくてお金のありそうな家へ嫁がせてあげたかったんだけど」
「戦闘力で生きていかせるの?うーん、じゃあ僕からも教えようかな?もうすぐ子供達も町の学校へ通うし、そろそろノエルにも剣術を教えようと思っていたんだ」
「それがいいわ。ただノエルが落ち込まないようにしてあげてね。シュクルはきっと剣をすぐに使いこなすわよ。ロバートも見たでしょ?あの斧使い。あんな薪割り見た事ないわよ」
「僕より上手だからね。一本ずつ薪を割るんじゃなくて、十本くらい並べてダンダンダンダンってさ、見た事ないよ」
「あら?私は左手にねずみのお肉持ちながら片手で割っていたわ。しかも薪を並べる時、斧を銜くわえていたわ。もう完全な悪役肉食獣人よ」
「それはシュクルの見た目に騙される男の子達に一泡吹かせられるね」
「それは少し楽しみだわ」
まず母から教わったのは気配を消す事。
「いい?シュクル、お母さんは男爵家の跡継ぎだったから王都の学院に通っていたのよ。その頃は本当に毎日が戦争だったわ。私の容姿と最下層の身分。学園中の発情オス猿のみならず嫉妬に狂ったメス豚共も敵だったの」
「⋯⋯⋯⋯」
「そういう場合はとにかく気配を消して脱兎のごとく逃げる事」
私は母に習い、気配を消す練習を始めた。
「なかなかいいわ。でもまだ獣人には見つかってしまう。もっとよ。陽炎以下の存在になるのよ」
「精進します!」
私は気配を消す鍛錬のために気配を消して森へ向かった。きちんと消えていれば、ねずみは来ないはずだ。
「全然来ないね。成功か?ん?うわぁぁぁぁぁぁぁ」
ヘビだ!蛇!
「エイエイエイエイ!!!うわぁ!ねずみぃ!!エイエイエイ!!!」
はぁ。気配を消すと、普段は人を恐れて逃げてくれるはずの動物にも注意が必要なのか。それに蛇に驚いて途中から気配が消せていなかったな。これは要注意だ。 私がドナドナされてしまう日がくるかもしれない。悲しそうな瞳はダメだ。
「蛇食べられるかな?ねずみ捌かなきゃ」
「シュクル、次はウサジャンプよ。いい?危険な鬼畜共の気配を感じたら建物や木に飛び移って災害が過ぎるのを待つのよ。たとえば廊下のような狭い場所で鉢合わせたら危険ね。廊下で気配を感じた瞬間に窓からそばの木に飛び移るの。これで鉢合わせは回避できるわ」
「はい!」
私は足を鍛える。ねずみ肉を貪りながら来る日も来る日もうさぎ跳びを繰り返す。ビビり過ぎたせいで夢に見た、ウサギ獣人闇売買ルートがかなりリアルで怖すぎたので過剰な鍛錬を止められない。
そして気づかぬ間に立派な腿肉を育てていた。
「ほう?木から木に飛び移るのは合格ね。でも飛ぶ瞬間だけ気配が隠しきれていないわ。これでは木に登るおかしなウサギよ」
「な、なんと!」
「木から木に移る時に音を出してはダメ。気配の乱れも起こしてはダメよ」
「難易度が高いですね」
「いい?この家は王国の北端にあるべレンガー辺境伯家に、うちの男爵家が管理を任されている土地なの。辺境伯家は獣人よ。北一帯は元々獣人国があったのよ。それが百年ほど前、争いに負けて人間の国に合併されたの。だからまだこの場所は私たちにとって過ごしやすいわ」
なるほど。獣人国と人間国の戦争があって、人間が勝利した感じですかね。そりゃ獣人差別も起こるでしょう。家族を戦争中に獣人に殺されたとか、生活が戦争で苦しくなったとか。少なからずヘイトは残ると思う。
そう考えるとここは安全だ。同じ獣人達の土地なら弱いウサギでもコソコソやって行けるかもしれない。
「でもね、さすがに戦後百年も経つとこの辺りにも人間がかなり移住しているの。むしろ日々増加しているわ。商人はほとんど人間よ。あなた達のお父さんだってそうでしょ?」
「そうだったー」
「いい?もう安住の地なんて無いのよ。これくらいの難易度なんて余裕じゃないと成金豚の愛人になってしまうわよ?」
「嫌です!!鍛錬を増やします!!」
「よろしい。次!ウサキック!」
元々小心者だった佐藤+弱弱ウサギ獣人の超怖がりメンタルだ。私は恐怖に駆られて一日中鍛錬に明け暮れた。そして気づいた時にはもう⋯⋯⋯⋯
「こらぁ!ネズ公出てこいや!プロテインが足りんのじゃあ!!!」
完全な脳筋ウサギ獣人に成長していた。そして森のねずみを刈りつくしていた。
「なぁラリッサ、シュクル大丈夫か?毎日森で暴れているけど」
「え?うーん⋯⋯⋯⋯少し間違えたかもしれないわね。あの子ウサギ獣人ぽくないのよ。普通のうさぎ獣人は我が家の心得を教えた後、行動や発言に慎重になったり、危機管理力を高めたりするのだけれど⋯⋯⋯⋯
シュクルはなぜかしらね?草食獣人らしからぬ戦闘力を、恐ろしい勢いで上げているわね。もうこの方向性で行こうかしら?
はぁ、正直あれだけの見た目よ?あの子が嫁ぐまで、何が何でも悪の手から守り切って、できれば優しくてお金のありそうな家へ嫁がせてあげたかったんだけど」
「戦闘力で生きていかせるの?うーん、じゃあ僕からも教えようかな?もうすぐ子供達も町の学校へ通うし、そろそろノエルにも剣術を教えようと思っていたんだ」
「それがいいわ。ただノエルが落ち込まないようにしてあげてね。シュクルはきっと剣をすぐに使いこなすわよ。ロバートも見たでしょ?あの斧使い。あんな薪割り見た事ないわよ」
「僕より上手だからね。一本ずつ薪を割るんじゃなくて、十本くらい並べてダンダンダンダンってさ、見た事ないよ」
「あら?私は左手にねずみのお肉持ちながら片手で割っていたわ。しかも薪を並べる時、斧を銜くわえていたわ。もう完全な悪役肉食獣人よ」
「それはシュクルの見た目に騙される男の子達に一泡吹かせられるね」
「それは少し楽しみだわ」
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