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第一章
佐藤は財布とスマホ、シュクルは武器がないと落ち着かない
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「ノエル、シュクル、これから剣術を教えるよ。いい?剣は大切な物を守るためにあるんだ。君たちがこれから習うこの剣は人を傷つけるのではなく、守るために振るって欲しい」
「「はい」」
私は剣術を父から習い始めた。クラリスはいない。私とノエルで行う。初めて握った練習用の剣は小さいくせに思ってたよりも重かった。鉄は重い。歴代の異世界転生人が言う通りだった。切実にステンレス製が欲しい。セラミックでもいい。無いけど。
「まずは姿勢だよ。姿勢はとても大切。それを意識しながら素振りだ」
「父よ素振りは鍛錬の基本ですね?まずは朝、夜千回ずつくらいですか?」
「え?千回?!いや、それは⋯⋯⋯⋯」
「足りませんでしたか。初心者ですので徐々に増やす感じでいきます」
「シュクル⋯⋯⋯⋯何か人格変った?あ、ノエル大丈夫かい?咳が出てるよ、少し休もうか。シュクル、ちょっとノエルをベッドへ運んでくるね」
「イエス・サー」
「え?」
うむ。剣か。これはこれで異世界っぽい。できれば光るサーベルとか、レーザーが出る剣がかっこいいと思っていたけれど、これはこれで。
佐藤は弱小剣道部にいた。あの頃は武士っぽい漫画キャラに憧れて剣道部に入部したが人気のない部で、体育館のほとんどを人気のバスケ部やバレー部に取られ、体育館のジメジメした片隅で活動していた。クソリア充達め。ヤツらは流れる汗が爽やかだったが剣道部は臭そうだった。
「フンフン、剣道部はこんな感じだった気がする。あれ?準備体操したっけ?少し走るか」
「シュクルー?シュクルー?どこだい?あれ?どこへ行ったのかな」
その後、父から多分西洋的と思われる力こそ命の剣術を教わったが、ふと気を抜くと、どうしても剣道の動きが出てしまう。それに事あるごとに礼をしてしまう。父はいつも首を捻っていた。
「父は剣術を子供の頃から習っていたのですか?」
「まぁ一応ね。それが貴族の教育だから。僕は子爵家の三男だったから将来家を出る予定だったんだ。一応騎士も目指したけど向いていなくて、どちらかと言うと学問や魔法の方が得意だったよ。王宮文官を目指していた」
「なるほど。道半ばで美人うさぎ獣人のハニートラップにかかり北に拉致されたと」
「え?拉致?!」
「三人とも準備はいい?今日から町の学校に通うのよ」
七歳になった三人は学校に通う事になった。
「シュクル、その斧はダメよ。危険物は持っていけないの」
「母よ!それは危険です!私が鬼畜に攫われてしまいます!父が言ってました、守るための剣ならブッコロもいいと」
「言ってないよ!解釈おかしいよ!」
「シュクル、学校内は一応安全なはずよ。あなたはこの土地の男爵家の娘だし、クラリスもノエルもいるから一緒にいれば大丈夫よ。先生にも話しておいたから」
「しかし平穏な日常は突然壊されるのですよ!あの壁のように!」
「どの壁よ?この間シュクルが叩き壊した納屋の壁?あれはあなたが悪いでしょ?もういい加減にしなさい。行きますよ。はぁ少し脅しすぎたかしら⋯⋯」
「そ、外へ行くのですか?!圧倒的に装備が足りない⋯⋯⋯⋯」
「あなたね、棒切れ片手に毎日森の奥深くまで行ってるくせに何なのよ。あんたが一番危険よ」
「シュクル大丈夫だよ?私と行こうね」
「クラリス⋯⋯天使!私は天のご加護を得た」
「僕も頼りないお兄ちゃんだけど、シュクルのそばにいるね」
「おぉ両手に花。やって行けそうだ」
私は初めて家に尋ねて来る近所の人や男爵家へ手紙などを届ける配達員以外の人間を見た。
「あれが噂の三つ子ちゃん?」「こりゃ⋯⋯」「ほう⋯⋯」「うわー」「スゲー」
めっちゃ注目されている。こんな時は少し気配を消そう。私は気配を消したり弱めたりできるようになっていた。
「シュクル気配を消さないで。顔を覚えてもらうのよ。そうすれば男爵家の子だと町の人もわかるでしょ?その方が安全につながるわ」
「確かに」
獣人の私は差別されるかもしれないけれど、父や兄弟達は人間だからちょっとはマシな対応になるかもしれない。
私達は学校に着いた。これは!
「廃校ではないのに、学校が木でできている!」
凄い。木造の学校だ。テレビで見たノスタルジーな廃校を思い出す。
「シュクル変な事言わないの!あなた頭を森ねずみに齧られてない?さっきから変よ」
「いえ、最近は森ねずみが絶滅しまして。少し大きい鹿などを私が食べていますね。ふふふ食べても食べられるつもりは無いです。私は」
「そう。もういいわ。行くわよ」
私達は最年少の七歳児クラスへ行く。教室の中にはすでに何人か生徒がいた。私は少し緊張しながらどんな子がいるのか伺う。みんな子供らしく教室やクラスメイトに興味津々だ。
「ここに三人で座りなさいね」
クラスメイト達も親と一緒に来ている。やっぱりと言うか、多胎児ではなく単体児を産んでいる。そうなると母にどうしても聞きたくなる。
「母よ、どうやって三つ子を妊娠したの?よくある事では無いよね?獣人だから?卵子三つ同時に出せるの?」
「ちょ、今聞く話?!本当何言ってるのよ!先生来るまで口閉じてなさい!」
「ここは学び舎ですからつい質問してしまった。母よ失礼しました」
「あ、シュクル、女の子がこっち見てるよ?」
「可愛らしいね。でも私はロリコンではない」
「あ、あっちの男の子も見てるね」
「うむ。羊みたいな男の子だな。だが私はショタだかショーンだかは好きでもない」
「シュクルは難しい言葉を知ってるんだね。僕にも教えてよ」
「ノエル、沼地は危険なんだ。興味本位で近づくと沼る。近づかぬ方がよい」
「危ないの?うーん、よくわかんないけど、じゃあ沼地へは行かないよ」
「賢い」
「初めまして。このクラスの担当のガエル先生です。よろしくね」
人間の女性、ガエル先生だ。可愛い系だし優しそうでよかった。
「シ、シュクル君、ち、ちょっと資料の片付け手伝ってくれるかな?もちろん理科準備室までね。ハアハアハア」とか言う古典的なロリコンエロ教師じゃなくて本当に助かった。
こうして私は学校へ通い始めた。
「「はい」」
私は剣術を父から習い始めた。クラリスはいない。私とノエルで行う。初めて握った練習用の剣は小さいくせに思ってたよりも重かった。鉄は重い。歴代の異世界転生人が言う通りだった。切実にステンレス製が欲しい。セラミックでもいい。無いけど。
「まずは姿勢だよ。姿勢はとても大切。それを意識しながら素振りだ」
「父よ素振りは鍛錬の基本ですね?まずは朝、夜千回ずつくらいですか?」
「え?千回?!いや、それは⋯⋯⋯⋯」
「足りませんでしたか。初心者ですので徐々に増やす感じでいきます」
「シュクル⋯⋯⋯⋯何か人格変った?あ、ノエル大丈夫かい?咳が出てるよ、少し休もうか。シュクル、ちょっとノエルをベッドへ運んでくるね」
「イエス・サー」
「え?」
うむ。剣か。これはこれで異世界っぽい。できれば光るサーベルとか、レーザーが出る剣がかっこいいと思っていたけれど、これはこれで。
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「フンフン、剣道部はこんな感じだった気がする。あれ?準備体操したっけ?少し走るか」
「シュクルー?シュクルー?どこだい?あれ?どこへ行ったのかな」
その後、父から多分西洋的と思われる力こそ命の剣術を教わったが、ふと気を抜くと、どうしても剣道の動きが出てしまう。それに事あるごとに礼をしてしまう。父はいつも首を捻っていた。
「父は剣術を子供の頃から習っていたのですか?」
「まぁ一応ね。それが貴族の教育だから。僕は子爵家の三男だったから将来家を出る予定だったんだ。一応騎士も目指したけど向いていなくて、どちらかと言うと学問や魔法の方が得意だったよ。王宮文官を目指していた」
「なるほど。道半ばで美人うさぎ獣人のハニートラップにかかり北に拉致されたと」
「え?拉致?!」
「三人とも準備はいい?今日から町の学校に通うのよ」
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「シュクル、その斧はダメよ。危険物は持っていけないの」
「母よ!それは危険です!私が鬼畜に攫われてしまいます!父が言ってました、守るための剣ならブッコロもいいと」
「言ってないよ!解釈おかしいよ!」
「シュクル、学校内は一応安全なはずよ。あなたはこの土地の男爵家の娘だし、クラリスもノエルもいるから一緒にいれば大丈夫よ。先生にも話しておいたから」
「しかし平穏な日常は突然壊されるのですよ!あの壁のように!」
「どの壁よ?この間シュクルが叩き壊した納屋の壁?あれはあなたが悪いでしょ?もういい加減にしなさい。行きますよ。はぁ少し脅しすぎたかしら⋯⋯」
「そ、外へ行くのですか?!圧倒的に装備が足りない⋯⋯⋯⋯」
「あなたね、棒切れ片手に毎日森の奥深くまで行ってるくせに何なのよ。あんたが一番危険よ」
「シュクル大丈夫だよ?私と行こうね」
「クラリス⋯⋯天使!私は天のご加護を得た」
「僕も頼りないお兄ちゃんだけど、シュクルのそばにいるね」
「おぉ両手に花。やって行けそうだ」
私は初めて家に尋ねて来る近所の人や男爵家へ手紙などを届ける配達員以外の人間を見た。
「あれが噂の三つ子ちゃん?」「こりゃ⋯⋯」「ほう⋯⋯」「うわー」「スゲー」
めっちゃ注目されている。こんな時は少し気配を消そう。私は気配を消したり弱めたりできるようになっていた。
「シュクル気配を消さないで。顔を覚えてもらうのよ。そうすれば男爵家の子だと町の人もわかるでしょ?その方が安全につながるわ」
「確かに」
獣人の私は差別されるかもしれないけれど、父や兄弟達は人間だからちょっとはマシな対応になるかもしれない。
私達は学校に着いた。これは!
「廃校ではないのに、学校が木でできている!」
凄い。木造の学校だ。テレビで見たノスタルジーな廃校を思い出す。
「シュクル変な事言わないの!あなた頭を森ねずみに齧られてない?さっきから変よ」
「いえ、最近は森ねずみが絶滅しまして。少し大きい鹿などを私が食べていますね。ふふふ食べても食べられるつもりは無いです。私は」
「そう。もういいわ。行くわよ」
私達は最年少の七歳児クラスへ行く。教室の中にはすでに何人か生徒がいた。私は少し緊張しながらどんな子がいるのか伺う。みんな子供らしく教室やクラスメイトに興味津々だ。
「ここに三人で座りなさいね」
クラスメイト達も親と一緒に来ている。やっぱりと言うか、多胎児ではなく単体児を産んでいる。そうなると母にどうしても聞きたくなる。
「母よ、どうやって三つ子を妊娠したの?よくある事では無いよね?獣人だから?卵子三つ同時に出せるの?」
「ちょ、今聞く話?!本当何言ってるのよ!先生来るまで口閉じてなさい!」
「ここは学び舎ですからつい質問してしまった。母よ失礼しました」
「あ、シュクル、女の子がこっち見てるよ?」
「可愛らしいね。でも私はロリコンではない」
「あ、あっちの男の子も見てるね」
「うむ。羊みたいな男の子だな。だが私はショタだかショーンだかは好きでもない」
「シュクルは難しい言葉を知ってるんだね。僕にも教えてよ」
「ノエル、沼地は危険なんだ。興味本位で近づくと沼る。近づかぬ方がよい」
「危ないの?うーん、よくわかんないけど、じゃあ沼地へは行かないよ」
「賢い」
「初めまして。このクラスの担当のガエル先生です。よろしくね」
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