ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める

亀野内アンディ

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第一章

佐藤は大砲よりも宇宙空間のビームの方が滾る

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 「おいおい勘弁してくれよ~俺が子供を保管庫に連れ込んでイタズラする変態教師に見えたのかよ?!泣くぞ!」

「「「「いや、スンマセンでした」」」」

乗り込んで来た先輩達から一連の事情を先生が聞くと、どうやら私を助けに来てくれた方達らしい。

確かに放課後の保管室に教師と生徒の二人きりでコソコソ入って行ったら怪しいかもしれないな。自分は男子学生だと思い込んでいたのでソレ系の危険なんて考えていなかったが、騎士の世界には男色とかあるのかもしれない。注意しなくては。あれ?でも実際は女だからむしろ男色家は安全?

「あの、ありがとうございました。それに昨日のフルーツや今朝の蜂蜜瓶も。家は貧乏なのでどちらも買えなくて⋯⋯筆記用具も大事に使いますね。それで何かお礼をしたいのですが⋯⋯」

「そ、そんなのいらねぇよ!俺達がしたくてしてるだけだからな!」

「そうだぜ!蜂蜜食えよ?またやるからな!」

「うわ~ありがとうございます!いい人達ですね~!優しい」

「「「いい人?!⋯⋯優しいだと?!うぅぅぅ⋯⋯」」」」

口は悪いし、見た目は厳ついが滅茶滅茶いい先輩達だった。




「それでこの大砲はイケるかカイザー?」

「そうですね、弄ってみて大分仕組みは分かりましたが、安全の為にも誰もいない広い場所で試しましょうか」

アベル先生は魔力が無いらしく、この武器保管庫に眠る大砲をブッ放つことが出来なかったらしい。毎年魔力のある新入生を見つけては大砲を見てもらっているのが未だに成功していないのだとか。そんな感じで年々この大砲をぶっ放したい欲求は高まり、最早先生がブッ飛びそうな勢いなのだとか。

「よし!じゃあこれを訓練場へ持って行こう!周りに誰もいないか確認してドカン!!だ!」

「面白そうじゃねぇか!やろうぜ!」



「うーんこのレバーで角度を決めるのだろうが、魔力で打ち出す大砲は何がどう進むんだろ?直線?放物線?」

先生は大砲を扱った事が無く、この大砲に弾丸火薬のどちらか、又は両方必要なのか、それとも弾丸火薬は必要なく魔力を弾丸にして打ち出す大砲なのかすら知らないらしい。だが操作に魔力を必要とするのだけはわかる。

「うーんまずは弾丸も火薬も無しで、砲身を全開まで下向きにして森に向かって打ち出しますか。ここが魔力を込める所っぽいので込めます。多分満タンですね。周囲の安全OK!ではこの発射レバーをえい!発射!」

――ドゴーン――ベキベキ――ドガン――

「お?⋯⋯おぉぉ~」

強烈な爆音と爆風が起きた。目が開けられず耳がキーンとして、体にパツパツと何かが当たる。

「「「「⋯⋯ヒィ」」」」

数秒後、舞い上がった埃が風に流されて目の前の状況が見えてきた⋯⋯


この大砲はイカん。これ堅固な城攻め用だろ?間違ってもよい子の学校に置いてはいけない代物だ。誰だよこんな物保管したヤツは!鬼畜だろ。そいつがすべて悪いのだから私は悪くない。

例え地面が抉れて森を木っ端微塵にしてしまったのが私の魔力であっても、私は悪くないのだよ。


「こら!何事だ?!」

「あ、理事長?!いや~これはですね、大砲の課外実習をしておりまして⋯⋯」

「アベル先生、この大砲は元艦隊に積んでいた対戦艦用の大砲ですぞ!鉄をも貫くね。全く、校内での危険行為は止めなされ!」

「すみません!!」

「だが誰だね?この大砲に魔力を注いだ者は?これは高位貴族の魔術師が撃つ物だ。普通の平民や低位貴族が撃てる物じゃないんだよ。だからこそ危険はないだろうと、そこの保管庫に見本として置いて置いたのだがな」

「「「「⋯⋯」」」」

「ほう?だんまりか。随分と危険な魔術師が我が学び舎に隠れていたもんだ」

なるほどこいつが大砲の持ち主か。己が危険物を学校に保管してたにも関わらず、責任転嫁して私を攻めるなど性格が歪んだジジイだ。 どうせお前のコレクションだろ?妻に『こんな邪魔な物うちに置かないでちょうだい!』とか言われてここに保管したんだろ?

「アベル先生は魔力が無いから犯人は生徒だな。だがうさぎ獣人はありえない。そうなるとお前達五人組だろ?見た目からして素行も悪そうだ」

「なっ⋯⋯」

どうしょう?食べ物をくれる親切な先輩方が私の代わりに疑われている。このままでは彼らに対して不義理になってしまう⋯⋯嫌だが名乗り出るしかないな。

「全く、この被害をどうするんだね?見たまえ!消えた森――な、何だあれは!!こっちに来る!うわ~!!」

いきなりジジイが騒いで逃げ出した。森に何があるんだ?


「理事長はいきなりどうしたんだ?森がどうしたんだ?」

みんな一斉に背後の森へ振り返ると⋯⋯

「ん?あれ?ニーチェ!来ちゃったのか?」

夕日を背後に背負いながら森からニーチェが歩いて来た。若干映画の宣伝ポスターっぽい。

もしかすると大砲の魔力で私がここにいると気づいたのかもしれないな。うちの子天才ですからね。

「キーキー(呼んだ?)」

「いいや、呼んではないけどちょうどいい時間だな。帰ろうか。アベル先生帰ります。先輩方も今日はありがとうございました。さようなら~また明日~」


騎士学校二日目がこうして終わった。
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