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第一章
佐藤は影薄モンスター。ステータスは(涙)
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「さて、準備はいいな。おやじ狩りの旅⋯⋯じゃない、物流正常化の旅に出発だ!バンバン狩るぞ~!」
おやじゲットだぜ!じゃない。おやじコレクションは趣味が特殊だから、おやじボールもいらない。
だが野生の悪おやじをボール内に収納できれば簡単にギルドまで持ち運べるな⋯⋯
おやじも、モンスターも大して変わらんだろう?パワハラモンスターにセクハラモンスター。たまに善良モンスターもいて、お小遣いをくれる⋯⋯
ちなみに佐藤は影薄ブサ⋯⋯⋯⋯誰もゲットしてくれなかった。
なぜかシュクルの視界がじんわりと滲んだ。
そんなどうでもいい事を考えながら代わり映えのない道を進む。
本日は私の相棒であるチェリーの種が無いので、そこら辺にあった食べられない木の実を懐に入れておく。 モンスター対策は万端だ。
泥濘が所どころあるので気を付けて進む。朝の清々しい空気はまだ冷たいが、南に進むにつれて道の脇に少しずつ雑草が生えてきているのが目に見えて分かるので面白い。
「しかし全く他の馬車とすれ違わないな。だが道には馬車が通過した跡が残っている」
はて?馬車はどこへ向かってどこへ行ったのだろうか。 道の選択肢はそれほどない。
しばらく行くと不自然に止まっている馬車があったので、シュクルは馭者台から降りて近づいてみた。だが馬はいないし、人もいない。
「ん?長時間ここに荷台が放置されていた感じだな。中は⋯⋯うぇぇぇ?!ギャア!!」
荷台にご遺体があった。シュクルは急いで近くの町に寄り、その地の自警団に伝えた。
「通報ありがとうございます。最近多いんですよ」
「な、何が多いんですか?!殺人ですか?」
殺人が多いだなんて恐ろしすぎる。それをカジュアルに伝えてくるあなたも怖い。
「あの街道を通る商人や旅人達の変死ですね。物盗りじゃなくて、ただ殺害されているんです。そのせいで最近は誰も街道を通りませんよ」
なんと商人がムース辺境伯領に来ないのは盗賊のせいではなくて、謎の殺人犯が街道にいるからだった。超怖い⋯⋯犯人の目的がわからない事が。
「困ったな。今回の任務は流通の正常化が目的だし、どうするべきか⋯⋯」
スマホがあればすぐにギルド長に指示を仰げるのだがな。こういう時に不便だ。
しかしこのまま放置できる問題ではない。善良な市民の安全な生活のためにも早期解決するべきだろう。
「すみません、詳しく教えてもらえますか?」
ここはムース辺境伯領を抜け、モーザン辺境伯領に入った所だそうだ。モーザン辺境伯領は南北に長い領地で、東側はアーディ王国と接している。
この辺りも厳しい冬だったそうで、やっと春になり、これからどんどん商人が訪れるのを皆が待っていたのだが、ここにきて街道を通る人々を狙った殺人事件が多発。
その殺人犯は物盗りではなようで、馬車内に商品や現金も残っていたそうだ。
「街中で殺人事件は起きていないのですよね?街道だけですか?」
「はい。もうかなりの数の行方不明者が出ています。この町は小さいので一応隣町にあるローヌの冒険者ギルドに話はしましたが⋯⋯現在このモーザン辺境伯領は領主不在の状態なので、どこを頼ったらいいのか正直困っていまして」
シュクルは隣町のローヌの冒険者ギルドへ向かう事にした。
ちょっと嫌だが、殺人犯が潜む街道に戻り南のローヌに向かう。シュクルは五感を最大限使い、森を探りながら進む。小一時間程でローヌに着いた。
「はぁ、嫌な仕事になりそうだな⋯⋯」
「ウーウ?(大丈夫?)」
「うん」
気分が酷く悪いが急いだ方がいいので、寄り道もせず冒険者ギルドで話を詳しく聞く事にした。
「すみません。街道で起きている事件についてお話を伺えますか?」
「あら?超かわいい~どうしたの?家族でも行方不明になっちゃったのかしら?」
「あ、いや、ギルド長とお話出来ますか?」
私の事を知らない人からすれば可愛いうさぎ獣人であって、ギルドのクエストを熟すより、クエストの依頼に来たと思われがちだ。
「うーんギルド長とお話したいの?でもギルド長は忙しいのよ。私が聞くわ」
うぇ。面倒だな。だがいきなり見知らぬ者が来て、ギルド長を出せ!なんて言う方が怪しいわな。
だがこのギルド員は獣王のバッジは知っているのだろうか。絶対に知らないよな。なら一から説明かぁ⋯⋯時間がかかってしまうな。どうしょう気分が悪いのに⋯⋯
「まずはこれを見て下さい」
説明より直接見てもらおう。そうすればギルド長と話し合いが必要な程の、事の重大さがわかるだろう。シュクルは手に持っていた布袋をひっくり返すとジャラジャラとギルドタグがカウンターに落ちた。
私が街道沿いで見つけたご遺体から取ってきたギルドタグだ。
「え?!え?何?これ全部ギルドタグなの?」
大声をあげたギルド員にビックリしたのか、ギルド内にいた人が皆こちらに注目して向かって来る。
「何だこのタグ?どうしたんだ?誰のだよ?⋯⋯ん?アイザック?え?何で?」
一人の男がカウンターにあった一つのタグを手にして驚いたみたいだ。知り合いだったのだろうか。
「おい!嬢ちゃん!これどうしたんだよ!何なんだよ!このタグどこで手に入れたんだよ!」
はぁ⋯⋯だからここのギルド長と二人で話がしたかったのに。
⋯⋯ヤバいな予想以上の大騒ぎになってしまった。 頭痛がする。
「だからその説明をギルド長にする為に来たのですよ。ギルド長はいらっしゃいますか?」
「それより答えろよ!!」「おい!カーズのタグだぞ!何でここにあるんだよ!」
「お前何者だ?!見た事ねぇな!まさか盗賊じゃねぇだろうな!?」
「てめぇ許さねぇぞ!」「おい!聞いてんのか?」「お前売り飛ばすぞ!」
あぁ収拾がつかないな。アルコールでも入ってるのかな?この興奮したおっさん達どうしよう?怪我人は出したくないしなぁ⋯⋯それならこれかな?
「お静かに」
「う⋯⋯」「ガッ⋯⋯」「な⋯⋯」
久々に威圧を使う。一応倒れない程度に。だが『お前売り飛ばすぞ』って言ったヤツは嫌だな。膝を地面につかせてやるか。頭に血が上っていてもそれは言ってはいけない。その言葉を二度放ったら三角木馬でドナドナの刑だ⋯⋯だがヤツは場末行きな容姿じゃないか⋯⋯安そうだ。残念。
「何事ですか?私がこのローヌの冒険者ギルドのギルド長ですが⋯⋯」
威圧に驚いたのか、ギルド員室の奥から細身なギルド長が出てきた。
「すみません、皆さん少し暴走気味でしたので対応させていただきました。ギルド長とお話したいのですが、よろしいですか?」
ちらりと上着をめくり、獣王バッジを見せた。何故か一瞬、刑事ドラマの警察手帳チラ見せ場面を思い出した。あらヤダ、ちょっとかっこいいかも⋯⋯ シュクルは自身のかっこいい仕草を発見した。
体調の悪いシュクルはやっとギルド長とお話できる事になった。
おやじゲットだぜ!じゃない。おやじコレクションは趣味が特殊だから、おやじボールもいらない。
だが野生の悪おやじをボール内に収納できれば簡単にギルドまで持ち運べるな⋯⋯
おやじも、モンスターも大して変わらんだろう?パワハラモンスターにセクハラモンスター。たまに善良モンスターもいて、お小遣いをくれる⋯⋯
ちなみに佐藤は影薄ブサ⋯⋯⋯⋯誰もゲットしてくれなかった。
なぜかシュクルの視界がじんわりと滲んだ。
そんなどうでもいい事を考えながら代わり映えのない道を進む。
本日は私の相棒であるチェリーの種が無いので、そこら辺にあった食べられない木の実を懐に入れておく。 モンスター対策は万端だ。
泥濘が所どころあるので気を付けて進む。朝の清々しい空気はまだ冷たいが、南に進むにつれて道の脇に少しずつ雑草が生えてきているのが目に見えて分かるので面白い。
「しかし全く他の馬車とすれ違わないな。だが道には馬車が通過した跡が残っている」
はて?馬車はどこへ向かってどこへ行ったのだろうか。 道の選択肢はそれほどない。
しばらく行くと不自然に止まっている馬車があったので、シュクルは馭者台から降りて近づいてみた。だが馬はいないし、人もいない。
「ん?長時間ここに荷台が放置されていた感じだな。中は⋯⋯うぇぇぇ?!ギャア!!」
荷台にご遺体があった。シュクルは急いで近くの町に寄り、その地の自警団に伝えた。
「通報ありがとうございます。最近多いんですよ」
「な、何が多いんですか?!殺人ですか?」
殺人が多いだなんて恐ろしすぎる。それをカジュアルに伝えてくるあなたも怖い。
「あの街道を通る商人や旅人達の変死ですね。物盗りじゃなくて、ただ殺害されているんです。そのせいで最近は誰も街道を通りませんよ」
なんと商人がムース辺境伯領に来ないのは盗賊のせいではなくて、謎の殺人犯が街道にいるからだった。超怖い⋯⋯犯人の目的がわからない事が。
「困ったな。今回の任務は流通の正常化が目的だし、どうするべきか⋯⋯」
スマホがあればすぐにギルド長に指示を仰げるのだがな。こういう時に不便だ。
しかしこのまま放置できる問題ではない。善良な市民の安全な生活のためにも早期解決するべきだろう。
「すみません、詳しく教えてもらえますか?」
ここはムース辺境伯領を抜け、モーザン辺境伯領に入った所だそうだ。モーザン辺境伯領は南北に長い領地で、東側はアーディ王国と接している。
この辺りも厳しい冬だったそうで、やっと春になり、これからどんどん商人が訪れるのを皆が待っていたのだが、ここにきて街道を通る人々を狙った殺人事件が多発。
その殺人犯は物盗りではなようで、馬車内に商品や現金も残っていたそうだ。
「街中で殺人事件は起きていないのですよね?街道だけですか?」
「はい。もうかなりの数の行方不明者が出ています。この町は小さいので一応隣町にあるローヌの冒険者ギルドに話はしましたが⋯⋯現在このモーザン辺境伯領は領主不在の状態なので、どこを頼ったらいいのか正直困っていまして」
シュクルは隣町のローヌの冒険者ギルドへ向かう事にした。
ちょっと嫌だが、殺人犯が潜む街道に戻り南のローヌに向かう。シュクルは五感を最大限使い、森を探りながら進む。小一時間程でローヌに着いた。
「はぁ、嫌な仕事になりそうだな⋯⋯」
「ウーウ?(大丈夫?)」
「うん」
気分が酷く悪いが急いだ方がいいので、寄り道もせず冒険者ギルドで話を詳しく聞く事にした。
「すみません。街道で起きている事件についてお話を伺えますか?」
「あら?超かわいい~どうしたの?家族でも行方不明になっちゃったのかしら?」
「あ、いや、ギルド長とお話出来ますか?」
私の事を知らない人からすれば可愛いうさぎ獣人であって、ギルドのクエストを熟すより、クエストの依頼に来たと思われがちだ。
「うーんギルド長とお話したいの?でもギルド長は忙しいのよ。私が聞くわ」
うぇ。面倒だな。だがいきなり見知らぬ者が来て、ギルド長を出せ!なんて言う方が怪しいわな。
だがこのギルド員は獣王のバッジは知っているのだろうか。絶対に知らないよな。なら一から説明かぁ⋯⋯時間がかかってしまうな。どうしょう気分が悪いのに⋯⋯
「まずはこれを見て下さい」
説明より直接見てもらおう。そうすればギルド長と話し合いが必要な程の、事の重大さがわかるだろう。シュクルは手に持っていた布袋をひっくり返すとジャラジャラとギルドタグがカウンターに落ちた。
私が街道沿いで見つけたご遺体から取ってきたギルドタグだ。
「え?!え?何?これ全部ギルドタグなの?」
大声をあげたギルド員にビックリしたのか、ギルド内にいた人が皆こちらに注目して向かって来る。
「何だこのタグ?どうしたんだ?誰のだよ?⋯⋯ん?アイザック?え?何で?」
一人の男がカウンターにあった一つのタグを手にして驚いたみたいだ。知り合いだったのだろうか。
「おい!嬢ちゃん!これどうしたんだよ!何なんだよ!このタグどこで手に入れたんだよ!」
はぁ⋯⋯だからここのギルド長と二人で話がしたかったのに。
⋯⋯ヤバいな予想以上の大騒ぎになってしまった。 頭痛がする。
「だからその説明をギルド長にする為に来たのですよ。ギルド長はいらっしゃいますか?」
「それより答えろよ!!」「おい!カーズのタグだぞ!何でここにあるんだよ!」
「お前何者だ?!見た事ねぇな!まさか盗賊じゃねぇだろうな!?」
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あぁ収拾がつかないな。アルコールでも入ってるのかな?この興奮したおっさん達どうしよう?怪我人は出したくないしなぁ⋯⋯それならこれかな?
「お静かに」
「う⋯⋯」「ガッ⋯⋯」「な⋯⋯」
久々に威圧を使う。一応倒れない程度に。だが『お前売り飛ばすぞ』って言ったヤツは嫌だな。膝を地面につかせてやるか。頭に血が上っていてもそれは言ってはいけない。その言葉を二度放ったら三角木馬でドナドナの刑だ⋯⋯だがヤツは場末行きな容姿じゃないか⋯⋯安そうだ。残念。
「何事ですか?私がこのローヌの冒険者ギルドのギルド長ですが⋯⋯」
威圧に驚いたのか、ギルド員室の奥から細身なギルド長が出てきた。
「すみません、皆さん少し暴走気味でしたので対応させていただきました。ギルド長とお話したいのですが、よろしいですか?」
ちらりと上着をめくり、獣王バッジを見せた。何故か一瞬、刑事ドラマの警察手帳チラ見せ場面を思い出した。あらヤダ、ちょっとかっこいいかも⋯⋯ シュクルは自身のかっこいい仕草を発見した。
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