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第一章
佐藤はギリ昭和生まれだが、昭和に詳しくない
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「シュクル~西のヴィアンネイ辺境伯領の辺りに魔獣被害が出ているのよ~ちょっと狩に行きましょ~」
「え?いいですけど」
このヴィクトワール王国の西、ヴィアンネイ辺境伯領で魔獣被害が多発しているらしい。厳しかった冬の間に魔獣が北から南下した事が原因で、例年よりも南側での魔獣被害が今年は多いらしい。
初春にクロワサント伯爵がギルド長を通し、シュクルに魔獣の説得を頼んできたが、卵騒動に巻き込まれて話が流れたのだ。
「カミーユはちゃんと王国北方面の見回りをしてくれているそうよ~最近は見回り範囲を広げているって~」
「それはよかったです」
ギルド長から魔術師団を通し、正式に双子に精霊のお世話を依頼してシュクルは魔獣狩りにギルド長と出かける事になった。
「シュクル~ポワールじゃなくて私の馬の方が速かったんじゃない~?」
「ポワールもたまにはお出かけが必要ですから」
久しぶりの長旅にポワールは楽しそうだ。ニーチェも森に行けるので喜んでいる。
長閑な田園風景を進む。街道の左右には大きな木が植えてあって、道を行き来する人に日陰を提供してくれている。シュクルは苺さんが開発した日焼け止めをきっちりと塗って馭者を楽しみながら田舎の風景を眺める。
「おぉ~風車だ!かっこいい~」
「えぇ~?どこがかっこいいのよ~?小麦粉の粉ひき用でしょ~?」
「羊が一杯いる!すごく群れている!あ?ヤギも混ざっとると?」
「⋯⋯普通よ~草を食べさせながら移動するのよ~」
「小さい村がある!こ、これだけ土地が有り余っているくせにアパートが一か所に立ち並んでいる!」
「⋯⋯普通よ⋯⋯」
「山の頂上に怪しい建物があります!」
「⋯⋯⋯⋯よくある神殿よ⋯⋯あなたが世間知らずなのがよ~く分かったわ~」
そんな感じで楽しくヴィアンネイ辺境伯領に入った。
まずはあのヴィアンネイのギルドに行ってみる。これは視察でもあるのだ。
「こんにちは」
普通の冒険者を装いギルドに入ると、見覚えのあるカウンターに掲示板、軽食を提供する奥のレストラン兼バーが見えた。昼間なのであまり冒険者はいない。
シュクルは掲示板を確認し、ギルド長はバーで情報収集を始めた。
「魔獣被害報告?何だこれは?」
魔獣駆除の依頼ではなくて注意勧告だ。並みの冒険者では太刀打ちできない魔獣の出没場所が書かれている。シュクルはあまり魔獣の名前には詳しくないので、よくわからなかった。
そしてシュクルが他の掲示物を見ていると⋯⋯
「お嬢さん冒険者かい?森は魔獣だらけで危ないよ?君みたいな可愛い子は薬草摘みでも危険なんだ。どうだい?僕らと一緒に魔獣狩りをしないかい?
「俺たち強いから安心して!守ってあげるよ」
「俺達がいれば安全だよ?心配ないよ?」
「はぁ⋯⋯⋯⋯」
どうしょう。一秒で無力化できそうなトリオなのだが。まぁ仕事だしな。
「魔獣多いんですかぁ?どんな魔獣がいるのでしょう?怖いわ~」
情報収集すんべ。久しぶり過ぎて媚び売る自分が気持ち悪い。パンイチ・デス・マラソンより心がすり減る。いや、アレはアレで楽しかったのかもしれない。
「大蛇が出るとかサラマンダーを見たヤツがいるとか聞いたよ。今年は辺境伯家の騎士がいないからな」
「最近では森に入った瞬間から襲われる事もあるらしい。冒険者以外は森に近寄らないよ」
どうやらヴィアンネイの新しい辺境伯が決まったみたいだが、以前より辺境伯家の騎士や兵士達が半数近く減ったので、村近くに出没する魔獣退治で手一杯。なかなか森の中の魔獣討伐まで手が回っていないみたいだ。
運悪く今年は北から魔獣の大群が来てしまったのだから仕方がない。
「大蛇とサラマンダーは強いんですかぁ?」
「そりゃ強いと思うよ。でも大丈夫!俺が君を守るよ」
うぉぉぉええええヤメロ!なんだそのセリフは!言っていて恥ずかしくないのか?!佐藤なら恥か死ねるし、言われるのがこんなに気持ち悪いなんて知らなかった。天の裁判官⋯⋯可哀そうな私にポイント十倍でお願いします⋯⋯
「ピュ~!ジョージ言ってくれるぜ~!」
「抜け駆けかよ~ずるいぜ!」
おぃぃぃ?!二人もそれに乗るのかよ?乗り方が古きダサき時代風だな!しかもピュ~は口笛じゃなくて、ピュ~って言いやがった。細かいがなんかムカつく。
誰かダサいジョージ共を止めよ。アレだな、昭和な熱血教師とかが止めて欲しい。その間にフェードアウトするが。
「き、君は彼氏とかいるの?」
「いません。私まだ十一歳だから」
「「「え?!」」」
「十一歳ですから!」
「あ、ごめん」「じ、じゃあね」「気を付けて⋯⋯」
昭和トリオは消えていった。 だが大人なら『幼い十一歳ならより森は危険だ、同行するよ』って言えよ。
「まぁ年齢を告げるのはナンパ対策にいいな。ロリコン以外には効果抜群だ。永遠に十一歳でいくか」
背が伸びた途端にコレだもんな。私は強いからいいが、ノエルとクラリスはかなり注意しないと危険だな。特にクラリスは魔力も無い、ただ可愛いだけの存在だ。
「シュクル~何か分かった~?」
「噂の範囲でしか分かりませんでした」
トリオは実際に強い魔獣を見たわけではなかったので事実かどうかはわからない。ただ魔獣が相当多いのだけはわかった。
「こっちもよ~行ってみるのが一番ね~」
荷馬車とポワールをギルドに預けて森へ向かった。
「え?いいですけど」
このヴィクトワール王国の西、ヴィアンネイ辺境伯領で魔獣被害が多発しているらしい。厳しかった冬の間に魔獣が北から南下した事が原因で、例年よりも南側での魔獣被害が今年は多いらしい。
初春にクロワサント伯爵がギルド長を通し、シュクルに魔獣の説得を頼んできたが、卵騒動に巻き込まれて話が流れたのだ。
「カミーユはちゃんと王国北方面の見回りをしてくれているそうよ~最近は見回り範囲を広げているって~」
「それはよかったです」
ギルド長から魔術師団を通し、正式に双子に精霊のお世話を依頼してシュクルは魔獣狩りにギルド長と出かける事になった。
「シュクル~ポワールじゃなくて私の馬の方が速かったんじゃない~?」
「ポワールもたまにはお出かけが必要ですから」
久しぶりの長旅にポワールは楽しそうだ。ニーチェも森に行けるので喜んでいる。
長閑な田園風景を進む。街道の左右には大きな木が植えてあって、道を行き来する人に日陰を提供してくれている。シュクルは苺さんが開発した日焼け止めをきっちりと塗って馭者を楽しみながら田舎の風景を眺める。
「おぉ~風車だ!かっこいい~」
「えぇ~?どこがかっこいいのよ~?小麦粉の粉ひき用でしょ~?」
「羊が一杯いる!すごく群れている!あ?ヤギも混ざっとると?」
「⋯⋯普通よ~草を食べさせながら移動するのよ~」
「小さい村がある!こ、これだけ土地が有り余っているくせにアパートが一か所に立ち並んでいる!」
「⋯⋯普通よ⋯⋯」
「山の頂上に怪しい建物があります!」
「⋯⋯⋯⋯よくある神殿よ⋯⋯あなたが世間知らずなのがよ~く分かったわ~」
そんな感じで楽しくヴィアンネイ辺境伯領に入った。
まずはあのヴィアンネイのギルドに行ってみる。これは視察でもあるのだ。
「こんにちは」
普通の冒険者を装いギルドに入ると、見覚えのあるカウンターに掲示板、軽食を提供する奥のレストラン兼バーが見えた。昼間なのであまり冒険者はいない。
シュクルは掲示板を確認し、ギルド長はバーで情報収集を始めた。
「魔獣被害報告?何だこれは?」
魔獣駆除の依頼ではなくて注意勧告だ。並みの冒険者では太刀打ちできない魔獣の出没場所が書かれている。シュクルはあまり魔獣の名前には詳しくないので、よくわからなかった。
そしてシュクルが他の掲示物を見ていると⋯⋯
「お嬢さん冒険者かい?森は魔獣だらけで危ないよ?君みたいな可愛い子は薬草摘みでも危険なんだ。どうだい?僕らと一緒に魔獣狩りをしないかい?
「俺たち強いから安心して!守ってあげるよ」
「俺達がいれば安全だよ?心配ないよ?」
「はぁ⋯⋯⋯⋯」
どうしょう。一秒で無力化できそうなトリオなのだが。まぁ仕事だしな。
「魔獣多いんですかぁ?どんな魔獣がいるのでしょう?怖いわ~」
情報収集すんべ。久しぶり過ぎて媚び売る自分が気持ち悪い。パンイチ・デス・マラソンより心がすり減る。いや、アレはアレで楽しかったのかもしれない。
「大蛇が出るとかサラマンダーを見たヤツがいるとか聞いたよ。今年は辺境伯家の騎士がいないからな」
「最近では森に入った瞬間から襲われる事もあるらしい。冒険者以外は森に近寄らないよ」
どうやらヴィアンネイの新しい辺境伯が決まったみたいだが、以前より辺境伯家の騎士や兵士達が半数近く減ったので、村近くに出没する魔獣退治で手一杯。なかなか森の中の魔獣討伐まで手が回っていないみたいだ。
運悪く今年は北から魔獣の大群が来てしまったのだから仕方がない。
「大蛇とサラマンダーは強いんですかぁ?」
「そりゃ強いと思うよ。でも大丈夫!俺が君を守るよ」
うぉぉぉええええヤメロ!なんだそのセリフは!言っていて恥ずかしくないのか?!佐藤なら恥か死ねるし、言われるのがこんなに気持ち悪いなんて知らなかった。天の裁判官⋯⋯可哀そうな私にポイント十倍でお願いします⋯⋯
「ピュ~!ジョージ言ってくれるぜ~!」
「抜け駆けかよ~ずるいぜ!」
おぃぃぃ?!二人もそれに乗るのかよ?乗り方が古きダサき時代風だな!しかもピュ~は口笛じゃなくて、ピュ~って言いやがった。細かいがなんかムカつく。
誰かダサいジョージ共を止めよ。アレだな、昭和な熱血教師とかが止めて欲しい。その間にフェードアウトするが。
「き、君は彼氏とかいるの?」
「いません。私まだ十一歳だから」
「「「え?!」」」
「十一歳ですから!」
「あ、ごめん」「じ、じゃあね」「気を付けて⋯⋯」
昭和トリオは消えていった。 だが大人なら『幼い十一歳ならより森は危険だ、同行するよ』って言えよ。
「まぁ年齢を告げるのはナンパ対策にいいな。ロリコン以外には効果抜群だ。永遠に十一歳でいくか」
背が伸びた途端にコレだもんな。私は強いからいいが、ノエルとクラリスはかなり注意しないと危険だな。特にクラリスは魔力も無い、ただ可愛いだけの存在だ。
「シュクル~何か分かった~?」
「噂の範囲でしか分かりませんでした」
トリオは実際に強い魔獣を見たわけではなかったので事実かどうかはわからない。ただ魔獣が相当多いのだけはわかった。
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