ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める

亀野内アンディ

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貴族学院編

シュクルのお友達はブッ飛んでる

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「確かにライオンの獣人は弱いな。ギルド長の言っていた通りだ」 

先生が沈んでしまったので一応保健室に連れて行くか。まずは尻尾を持って廊下まで引っ張る。 

――ズリズリ―― ズリズリ――

だが保健室はどこだろうか?道行く人に尋ねてみる。 

「すみません、保健室はどこですか?」 

「え?あぁ、まっすぐ行って右ですよ⋯⋯⋯⋯」 

「ありがとうございます」 

――ズリズリ―― ズリズリ――ズリ

「保健室があった。すみませ~ん、失礼します」 

「どうぞ。今日はどうしたのかな?怪我ですか?病気ですか?」 

「意識が戻らないんです。これの」 

――ズリ―― 

「え?カンタン先生!!!」 



訓練場に戻ると生徒達は遊んでいた。先生がいなくなったのだから普通だな。 なんだか懐かしい光景だ。

「あ、シュクル、お茶にしましょう?もう先生は戻らないでしょうし」 

「お菓子もあるよ。行こう~」 

「はい!」 

お菓子だ!シュクル達女子四人は着替えてからお茶に出かけた。 

この学院の敷地内にお洒落なカフェテラスがあった。
なんと公爵家アンジェラさんの親戚が出店しているらしく、お茶を無料でいただける事になった。 神か?

綺麗な花が咲き乱れるテラス席に、ふわりと春の風が通り抜ける。テーブルには可愛いテーブルセットに色とりどりのお菓子達⋯⋯ 

「実はコーヒーがあるのよ。シュクルはコーヒー派?紅茶派?」 

「嘘?!コーヒーですか?コーヒーをお願いします!」 

「私も~」 

「私は緑茶で」 

「緑茶?!」 

転生者が四人揃うと驚きが半端ない事に気づいた。 

「シュクル、紅茶があるんだから緑茶だって作れるじゃん?」 

「そうですね⋯⋯タチアナさんのおっしゃる通りです⋯⋯」 

そうだった⋯⋯帝国でも作ればよかった。 


「そういえば皆さんは数学のクラスは一緒ですか?私はクラス三ですが、チラ見されていて微妙なんです」 

シュクルは疑問に思っている事を聞いてみた。 

「私たちはクラス一だよ。入試も簡単だったしね。高位貴族は大体クラス一だよ。みんな家庭教師に習っているし」

へぇ~やっぱりそうなんだ。 じゃあ貧乏男爵家なシュクルはクラス三で正解だな。

「チラ見ね~それじゃない?そのYシャツ。ブラウスじゃないから」 

「え?Yシャツもブラウスも大して変わりませんよね?」 

そこまでの差は感じないぞ。そもそも皆が着用している制服も一人一人微妙にデザインが違うし。この違いはそれぞれの経済力とブティックの差だと思う。 

「シュクルはそのYシャツを着る時、何も思わなかったの?着づらいとか」 

「ん?いえ、むしろ着やすかったですね。ブラウスの方が着るのに時間かかりました」 

「そう?じゃあシュクルの前世はおっさんね」 

「ブッフォ」 

コーヒーをこぼした。もったいない。何で?どうしてバレた?何を根拠におっさんだってバレる? 

「ボタンが男女で逆なのよ。シュクルが男物の方が留めやすいと言うのだから、Yシャツに着なれたおっさんでしょ?リーマンじゃない?」 

「えぇぇぇ考えた事も無かった⋯⋯⋯⋯」 

「知らなかったのなら、彼女もいない独身かしら?おしゃれにも興味なさそうな」 

「あぁぁぁぁぁ」 

アンジェラさんのプロファイリングが恐ろしすぎる。苺さん並みだ。 

「まあお菓子でも食べなよ!おっさんの好きな発泡酒はないけど、社畜の友、コーヒーも好きでしょ?」 

「イレーヌさん⋯⋯」 

笑顔の可愛いイレーヌさんが天使に見えた。 

「いい?シュクルは入学式の次の日に男物のYシャツ、しかも高級素材のを着て現れたわけよ」 

そうだな。 正確には昨日の午後からだが、他の科の人は知らない。

「そこから導き出せる答えは!入学早々、男の部屋から朝帰りして、シャツを貸してもらった!」 

「うさぎ獣人シュクルは高位貴族の愛人だ!よ」 

「うっそおおおお?!」 

なんてこった。そんなの想像もしていなかった。確かにそれならあの目線の意味もわかる。 

「そして最も注目すべきはそのカフスボタンよ」 

ん?よく見たら高そうな青い宝石でできているな。あれ?これってシュクル帝国の星の癒しの空間に散りばめられている石に似ている気がする。じゃあ元々私の物じゃないか。泥棒め。 

「それに分かりやすくロワレ家の色と紋章が入っているわよ。そもそもどこでそのYシャツを手に入れたの?」 

「ロワレ?これは昨日――」 

シュクルはブラウスが紺色の眼鏡ヤローに壊されたのでYシャツを頂いた話をした。 

「ウケる!!完全に当たり屋じゃん!でも元おっさんに襲われる美男子?!いい!!」 

「あの男はレプティリアンでは?って噂があるけど、どうだった??ゴムマスク説もあるの!」 

「えええええ??」 

「へぇ~あの男いつもツンツンすまし顔だけど、結構Mの可能性アリ?」 

「え?M?」 

この三人はそれぞれ滅茶苦茶キャラが濃い事に気づいた。 

「ねぇ!その物置でどんな風に脱がせたの?!元おっさんが!!受けはどんな顔してたの!?」 

「ゴムマスクはこの耳の辺りに違和感があるからね!レプは目が縦目になるからね!で、どうだった?!」 

「あの男は抵抗しなかったのね??無言でさせるがまま??股間のレスポンスはどうだったのかしら?!」 

シュクルは完全に言葉を失った⋯⋯⋯⋯元非モテ男が女性三人を同時に相手するなどキャパオーバーも甚だしい。 


テーブルの上のお菓子を口に入れる。何とも繊細な味だ。あちらのクッキーは砂糖をふんだんに使っているではないか。全く贅沢な。あ~ブラックコーヒーと良く合う。エトワール寮で砂糖でもパクるか。コーヒーもあるかな?ついでに魔獣肉もあるかな?今からもらいに行くか。あ、そうだ、タオルも欲しいな~洗面器も⋯⋯⋯⋯ 

「まぁ~優雅ね~」「美人な四人だ」「楽しそうね~恋の話でもしているのかしら?」 

傍から見ると優雅なアフタヌーンティー。だが現実はそれぞれが吹っ飛んだ思考を繰り広げているのだった。
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