ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める

亀野内アンディ

文字の大きさ
177 / 206
貴族学院編

転生美少女キャサリン・ラ・ニースとクラッシャーシュクル

しおりを挟む
それから精霊達が学院を我が物顔で徘徊し始めた。 

「くぅう~ん」 

「可愛い!」「フワフワね~」「精霊なんて初めてだわ~」 

「⋯⋯⋯⋯」 

まあいいか。 

「ヒヒン!!(牝馬!!)」 

「フシュ(また?)」「ヒヒヒン(嫌ね)」「シュッ(ウザい)」

「⋯⋯⋯⋯」 

エロ馬には絶対に女生徒を襲うな!と命令したら学院の厩に通うようになってしまった。 
まあいいか。 

そんな平和なある日。 

「ちょっと!アンタでしょ!!アンタがヒロインである私に代わって攻略してるんでしょ!!」 

「はぁ??」 

目を鬼のように釣り上げたピンクの髪の生徒がシュクルに向かって叫んだ。 

ピンクの髪なんて父とノエルと私以外で初めて見た。顔もまぁ可愛いか。 

シュクルの家族は顔面偏差値が最高峰なので顔面評価は厳しいが、シュクルからまぁ可愛い評価を受けた彼女は一般的には美少女であろう。ちなみに佐藤の顔は蛾の幼虫レベルだ。 

だが⋯⋯彼女はオツムに問題がありそうだ。何を言っているのか分からない。 

「アンタ転生者でしょ!モブは引っ込んでなさいよ!」 

「えぇぇ?!」 

転生者だってバレたんかい。何で?もしかして年に似合わず加齢臭とか出ていたりして?今夜枕の臭いを確かめよう⋯⋯もし臭かったらどうし―― 

「シルヴァンもローランもマシューだって私のなの!それにシークレットなオーギュ様にどうやって近づいたのよ!!」 

「はぁ?汁?ローランド?マッシュ?」 

理事長オーギュストは知ってるが、それ以外は知らない。彼女は私を誰かと勘違いしているのではないか。 

「あら?シュクルじゃない」「何してるの?」「今日はどこで放浪していたの?」 

「あ、皆さん」 

丁度いい所に来てくれた! 

 

「へぇ~あなた転生者なの」 

「そうよ!せっかく大好きな世界に転生できたのに、この女が邪魔するの!」 

私たちは彼女の話を聞くためにカフェにやって来た。今日のデザートはミルフィーユだ。いつもの百合豚三兄弟に感謝を捧げよう。 

「うむ。少女よ、あ~ん」 

「はぁ?!何でアンタに食べさせられなきゃいけない⋯⋯ゴフ⋯⋯っちょっと!勝手に口に入れないで!」 

おぉ?百合豚が小躍りしておる。喜んでいただけたみたいだ。 これこそウインウインだろう?

「で、シュクルが邪魔したって何を?」 

「聞いてよ!あのね――――」 


――転生美少女キャサリン・ラ・ニース―― 

「あれ?!」 

実家のパン屋で働いていたキャスは棚の下に落ちた小銭を拾おうとして棚に頭を強打した。 

「どういう事?!私って⋯⋯え?これって異世界転生?!」 

頭を打った衝撃で日本人だった過去を思い出した。今のキャスは十四歳。その十四年間の人生も覚えているのでキャスも私自身だから、魂が入れ替わった訳ではなく、転生したのだと思う。 

「そう。あの日に前世の私は死んだのよね⋯⋯」 

あの日、会社に出社した私は会社のビルの倒壊に巻き込まれて即死した。 

「あんな糞みたいな会社早く辞めておけばよかったよ」 

新入社員として働き始めたばかりだったが、仕事はブラックで社内には癒しのイケメンもいなかった。いたのは既婚者のおっさん達と独身のサイレンヘッドみたいな上司だけだった。 

「ま、前世はどうでもいいけど。この世界ってよくある小説の世界かな?って思った訳よ」 

キャスはピンクの髪に両親とは似つかない可愛い顔をしていた。それに定番設定であるパン屋の娘。これはヒロインに転生したに違いないと思った。
 だがキャスも前世では乙女ゲーや異世界転生小説をそれなりに楽しんだ口だったが、この世界がどの作品なのかまではわからなかった。

そしてやっぱりその日が来た。 
昼下がり、実家のパン屋で働いていたら場違いな貴族の男性が入店してきた。

「き、君は可愛いねぇ~僕ちゃんの家族になる?ハァハァ」 

「なるわ。あなたの妹にね」 

「い、妹かぁ~でもいいかな?ハァハァ可愛いね。妹もいいねぇ。兄妹だし、お風呂は一緒に入ろうかぁ?ハァハァ」 

「あなたがイケメンになったらね」 

「あれ?まだイケメン度が足りなかったかなぁ~?ちょっと髪の毛を切ってみようか~」 

そしてエロ貴族の妹、キャサリン・ラ・ニースとなり、この学院に入学した。 


「入学式といえば遅刻か迷子よね!出会いの定番は!」 

キャサリンことキャスは学院内を迷子を装って歩いていたが、なかなか攻略対象と思わしき男性とは会えなかった。このままでは入学式が始まってしまう⋯⋯ 

「あ!あそこにイケメンがいる!」 

時間ギリギリでやっと見つけたキラキラ金髪の正統派イケメン。通例ならきっと王子ね!それに生徒会長だったりして! 
キャスは迷子を装って声をかけてみた。 

「すみま⋯⋯⋯⋯」 

「お、おっぱぃ⋯⋯ブラウスからはみ出て⋯⋯僕が掬って下着に戻してあげないと⋯⋯」 

「?!」 

キャスがイケメン王子だと思った人物は、ニヤニヤとエロ爺みたいな顔をして、路上でいかがわいい言葉を吐く変態だった。怖くなったキャスは急いで入学式に向かった。 


「はぁ。信じられない。あんな変態が生徒会長で第二王子だったなんて」 

入学式の生徒会長挨拶で、先ほどの変態の正体がわかってショックを受けたが、次の新入生挨拶でイケメンな第三王子を見つけたのでテンションは戻った。 

その後、新入生が群がる掲示板で自身の名前を探した。淑女科に入れるだけの教養もないキャスは文系のクラスだった。
皆の流れに乗って学食へ行き、食事を取りながら今後について考える。 

「そういえば廊下で攻略対象とぶつかるのが定番よね」 

多分頭脳派な次期宰相とかとの出会いがあるはず。食事を終えたキャスは学院中を歩き回って出会いを探してみたが⋯⋯ 

「あ、もう予鈴が鳴ってる!教室に行かなきゃ!」 

結局誰にも会えず、急いでクラスに向かっていると、前から群青色の髪のイケメンが走ってきた。 

「え?でも⋯⋯⋯⋯」 

なぜかな?彼はひび割れた眼鏡に裸ブレザーの姿で⋯⋯⋯⋯ 

「悪いうさたんだぁ~!!もて遊ばれたぁ~!」 

と叫びながらネクタイを片手に走り抜けて行った。 

「一体何なのよ?」 

この世界はバグっているのかもしれないと思った。 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない

紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。 完結済み。全19話。 毎日00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました

おーるぼん
ファンタジー
主人公は俺、43歳独身久保田トシオだ。 人生に疲れて自ら命を絶とうとしていた所、それに失敗(というか妨害された)して異世界に辿り着いた。 最初は夢かと思っていたこの世界だが、どうやらそうではなかったらしい、しかも俺は魔物使いとか言う就いた覚えもない職業になっていた。 おまけにそれが判明したと同時に雑魚魔物使いだと罵倒される始末……随分とふざけた世界である。 だが……ここは現実の世界なんかよりもずっと面白い。 俺はこの世界で仲間たちと共に生きていこうと思う。 これは、そんなしがない中年である俺が四苦八苦しながらもセカンドライフを楽しんでいるだけの物語である。 ……分かっている、『図鑑要素が全くないじゃないか!』と言いたいんだろう? そこは勘弁してほしい、だってこれから俺が作り始めるんだから。 ※他サイト様にも同時掲載しています。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

最安もふもふ三匹に名前をつける変な冒険者ですが、この子たちの力を引き出せるのは私だけです ~精霊偏愛録~

Lihito
ファンタジー
精霊に名前をつける冒険者は、たぶん私だけだ。 うさぎのノル、狐のルゥ、モモンガのピノ。三匹とも最安の契約で、手のひらに乗るサイズ。周りからは「手乗り精霊で何ができる」と笑われている。 でも、この子たちへの聞き方を変えるだけで、返ってくる答えはまるで違う。三匹の情報を重ねれば、上位の精霊一体では見えないものが見える。 上位パーティが三度失敗した大型討伐。私は戦わない。ノルに地中を、ピノに上空を、ルゥに地上を調べさせて、答えを組み上げる。 ——この世界の精霊の使い方、みんな間違ってませんか?

異世界で俺の初級魔法が最強でした。無自覚に絶望から救った美女やエルフたちに溺愛されています

仙道
ファンタジー
やり込んでいたゲームの世界に転移した俺、渉。この世界では、俺にとっての「初級魔法」が最高峰の威力だった。しかし、他の冒険者たちが雑魚モンスター1匹に苦労しているのを見て、「みんなわざと弱い魔法を使って戦闘を楽しんでいるんだな」と思い込む。空気を読んだ俺は、手加減をして平凡な冒険者を演じることにした。街で出会った気品ある貴族の娘セリアに猛アタックするも振られ、俺はすっぱりと諦める。 そんな中、歩くたびに大きく揺れる豊満な胸と、吸い付くような肉感的な太ももを持つ冒険者リナと出会う。彼女がモンスターに武器を壊され、冒険者としての誇りを踏みにじられそうになる絶望的な場面に遭遇。俺はつい初級魔法を放ち敵を一掃してしまう。「獲物を横取りしてしまった」と激しく後悔してそっけない態度をとる俺。だが、その態度が逆に「プライドを傷つけない大人の余裕」と誤解され、リナに激しく惚れられてしまう。彼女は柔らかく熱い体をためらいなく俺に押し付け、甘い吐息がかかる距離で猛烈なスキンシップをしてくるようになった。 その後も、俺は手加減を続けながら、絶望の淵にいたセリアや、可憐なエルフのエル、活発なエルフのルミを無自覚に救い出していく。俺は毎回「余計な手出しをしてしまった」と激しく後悔するが、ヒロインたちはそんな俺の強さと優しさにますます惹かれ、激しく溺愛してくる。なぜこんなに好かれるのか全く理解できないまま、俺は柔らかくていい匂いのする女の子たちに囲まれ、この異世界で生きていくことを決める。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!

川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。 だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。 だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。 馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。 俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??

処理中です...