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貴族学院編
シュクルだけじゃない。オーギュもサバンの鬼門だ
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「おい!聞こえるか?おい!」
目は開いたり閉じたりしているが反応が薄い。
「まずいな。何かの事件だ」
昨日の夜会で何かあったのだろう。あんなに監視していたのに。悔しい。
「すみません!すぐに魔術師団と医師、それに騎士団も呼んで下さい!多分何か、魔術や犯罪が絡んだ事件だと思われます!」
「は、はい」
とりあえず次に大臣が使用した部屋を確認する。
「失礼します!大丈夫ですか?!」
すぐにベッドへ向かい確認すると、そこに大臣はいなかったが、皇弟と王子と男が一人、裸で寝ていた。
「聞こえますか?起きていますか??」
三人ともポワンとした顔をしていて返事はない。命に別状はないので他の部屋も次々と確認していく。結局二十部屋のお泊り客が同じ様な状態で寝ていた。
「シュクルさん、お久しぶりですね。娘がお世話になっています」
「クロワサント伯爵、お久しぶりです」
タチアナさんの父であるクロワサント医療騎士が来てくれた。
「それで伯爵、治療はできますか?そもそもこれは一体何事ですか?」
「全員を医務室に連れて行くわけにはいきませんから、こちらで治療する予定です。ただ原因はよくわかりません」
意識はあるが意思の疎通は出来ないみたいだ。数人の体を見た所、昨晩性交があった事は確認できるが、怪我や暴行を受けた跡は無い。 脈も正常、嘔吐の症状や熱もない。
「ん?何か匂うな⋯⋯」
どこからか甘い匂いがする。どこからだ?
「ここら辺だな。クンクン、み~つけた」
ゴミ箱の中から空の媚薬の入れ物が出てきた。
「クンクン⋯⋯⋯⋯ん。この女性から媚薬の匂いがする」
「媚薬ですか。夜会ではよくある事ですよ」
すべての部屋を確認して、六本の同じ媚薬の入れ物をゴミ箱やテーブルから見つけた。
その後すぐに緊急会議が行われた。
――会議室――
オネェ大臣と初めて見る魔術師団団長、それに第一王宮騎士団団長が揃った。オネェ大臣は王宮で行われる夜会や式典など、各種行事を統括する大臣らしい。 第一王宮騎士団は主に王宮を守っている騎士団である。
シュクルは場違いな感じがするので帰りたいが、不思議とオヤジ共といる空間に馴染んでいた。 むしろ学院の生徒達よりも⋯⋯
「ではまず、第一発見者であり、会場内警備を担当していた次期獣王よ、昨日提供された飲食物に何か変わった物はあったのだろうか」
「当日に配膳された飲食物に変わった所はありませんでした。夜会前、夜会中も常に確認しておりました」
正直に告白すると、夜会で出された食品の半分はシュクルが食べた。酒も樽単位で飲んだ。多分シュクルは毒が効かないのでアルコールも効かない。非常に残念である。
「では騎士団から報告します――」
夜会用に用意した三十二部屋中、二十部屋に被害者がいたそうだ。
女性が十六人、男性が九人保護された。
一人で部屋のベッドに寝ていた女性は十四人、男性がサバンを含めた三人。
男女ペアが三組。それに謎の男三人組⋯⋯
「全員が今の所、命に別状はありませんが、意思の疎通はできません」
女性が圧倒的に多い。だが男女のペアもいる。
「私はこの媚薬が怪しいと思っております」
「次期獣王よ、サバン魔術師は闇属性を持つので普通の媚薬などは効かない。それはどう解釈する?それに皇弟も事件に巻き込まれたのだ。このままでは国交関係にヒビが入るぞ」
それは困るな。シュクルはさりげなく大臣を見る。私より大臣の方が今回の経緯に詳しいと思われる。
「コホン。その部屋は裸の男性三人がいた部屋だったな。なら、そういう関係ではないか?我が国の第三王子もいたのだし、絶対に公にはできまい。この件については口外禁止だ」
さすが大臣。これ以上皇弟と第三王子の部屋には触れられない。助かった⋯⋯私は近衛に顔を見られていたからな。てか、3Pじゃなくて4Pだったのか。まぁ奇数よりは偶数の方が好いだろう。わかんないけど。
会議は進んでゆく。騎士団は昨日の参加者リストから被害者を割り出し、魔術師は被害者の魔力の確認や部屋に残された体液から魔力を探し、部屋を去った人物の特定を行う。
「失礼します!サバン魔術師の意識が戻りました」
「おぉ!すぐに連れて来い!」
魔術師団団長は結構酷いな。被害者であるサバンの容態も聞かず、すぐに動かすなど⋯⋯大丈夫なのか?
しばらくすると昨日の夜会の服を着たサバンがやってきた。
「サバン魔術師、大丈夫か?そこに座ってくれ」
「はい。失礼しま⋯⋯イタ⋯⋯あぁ⋯⋯はぁ、何でだろ?」
サバン止めろ!その顔と声で尻を痛がるのは!真面目な会議なのに笑ってしまうじゃないか!シュクルは疲れ目を擦るふりをしてニヤつく顔を隠した。
「す、すまないが昨日の事について話してくれっ⋯⋯」
おい!魔術師団の団長自ら笑うなよ。大臣は厳めしい顔して微笑むな。騎士団長は資料読むフリして誤魔化すな。資料が小刻みに震えてるんだよ!しょうもないおっさん共め。サバンが可哀そうじゃないかぁ!頭ではサバンに同情しているはずが、シュクルの長い耳はプルプルと震えていた。
「さ、昨夜について教えてくれっ⋯⋯プッ」
「は?えー、夜会が始まって、安全確認を再度して⋯⋯特に変わった事はありませんでした――」
サバンの仕事には何も不審な点はなかった。
「ではどこで意識を失った?最後に何をしていた?」
「確か⋯⋯オーギュスト様が目の前におられて、私から話しかけました――」
『オーギュスト様!こんばんは!』
『あぁ君は⋯⋯貴族学院の卒業生だね?そうだ、これあげるよ』
『あ、ありがとうございます!』
オーギュ様?そういえばサバンは変人理事長のファンだったな。そのオーギュ様はサバンの事を覚えてなさそうだが。
「で、オーギュスト様から何をもらったんだ?」
「ワインです。それを飲んで、そこからは記憶がありません」
あれ?どこかで聞いた話⋯⋯⋯⋯
「サバン、お前まさか、『ギンギン媚薬』を飲んだのか?!」
「何だそれ?」
目は開いたり閉じたりしているが反応が薄い。
「まずいな。何かの事件だ」
昨日の夜会で何かあったのだろう。あんなに監視していたのに。悔しい。
「すみません!すぐに魔術師団と医師、それに騎士団も呼んで下さい!多分何か、魔術や犯罪が絡んだ事件だと思われます!」
「は、はい」
とりあえず次に大臣が使用した部屋を確認する。
「失礼します!大丈夫ですか?!」
すぐにベッドへ向かい確認すると、そこに大臣はいなかったが、皇弟と王子と男が一人、裸で寝ていた。
「聞こえますか?起きていますか??」
三人ともポワンとした顔をしていて返事はない。命に別状はないので他の部屋も次々と確認していく。結局二十部屋のお泊り客が同じ様な状態で寝ていた。
「シュクルさん、お久しぶりですね。娘がお世話になっています」
「クロワサント伯爵、お久しぶりです」
タチアナさんの父であるクロワサント医療騎士が来てくれた。
「それで伯爵、治療はできますか?そもそもこれは一体何事ですか?」
「全員を医務室に連れて行くわけにはいきませんから、こちらで治療する予定です。ただ原因はよくわかりません」
意識はあるが意思の疎通は出来ないみたいだ。数人の体を見た所、昨晩性交があった事は確認できるが、怪我や暴行を受けた跡は無い。 脈も正常、嘔吐の症状や熱もない。
「ん?何か匂うな⋯⋯」
どこからか甘い匂いがする。どこからだ?
「ここら辺だな。クンクン、み~つけた」
ゴミ箱の中から空の媚薬の入れ物が出てきた。
「クンクン⋯⋯⋯⋯ん。この女性から媚薬の匂いがする」
「媚薬ですか。夜会ではよくある事ですよ」
すべての部屋を確認して、六本の同じ媚薬の入れ物をゴミ箱やテーブルから見つけた。
その後すぐに緊急会議が行われた。
――会議室――
オネェ大臣と初めて見る魔術師団団長、それに第一王宮騎士団団長が揃った。オネェ大臣は王宮で行われる夜会や式典など、各種行事を統括する大臣らしい。 第一王宮騎士団は主に王宮を守っている騎士団である。
シュクルは場違いな感じがするので帰りたいが、不思議とオヤジ共といる空間に馴染んでいた。 むしろ学院の生徒達よりも⋯⋯
「ではまず、第一発見者であり、会場内警備を担当していた次期獣王よ、昨日提供された飲食物に何か変わった物はあったのだろうか」
「当日に配膳された飲食物に変わった所はありませんでした。夜会前、夜会中も常に確認しておりました」
正直に告白すると、夜会で出された食品の半分はシュクルが食べた。酒も樽単位で飲んだ。多分シュクルは毒が効かないのでアルコールも効かない。非常に残念である。
「では騎士団から報告します――」
夜会用に用意した三十二部屋中、二十部屋に被害者がいたそうだ。
女性が十六人、男性が九人保護された。
一人で部屋のベッドに寝ていた女性は十四人、男性がサバンを含めた三人。
男女ペアが三組。それに謎の男三人組⋯⋯
「全員が今の所、命に別状はありませんが、意思の疎通はできません」
女性が圧倒的に多い。だが男女のペアもいる。
「私はこの媚薬が怪しいと思っております」
「次期獣王よ、サバン魔術師は闇属性を持つので普通の媚薬などは効かない。それはどう解釈する?それに皇弟も事件に巻き込まれたのだ。このままでは国交関係にヒビが入るぞ」
それは困るな。シュクルはさりげなく大臣を見る。私より大臣の方が今回の経緯に詳しいと思われる。
「コホン。その部屋は裸の男性三人がいた部屋だったな。なら、そういう関係ではないか?我が国の第三王子もいたのだし、絶対に公にはできまい。この件については口外禁止だ」
さすが大臣。これ以上皇弟と第三王子の部屋には触れられない。助かった⋯⋯私は近衛に顔を見られていたからな。てか、3Pじゃなくて4Pだったのか。まぁ奇数よりは偶数の方が好いだろう。わかんないけど。
会議は進んでゆく。騎士団は昨日の参加者リストから被害者を割り出し、魔術師は被害者の魔力の確認や部屋に残された体液から魔力を探し、部屋を去った人物の特定を行う。
「失礼します!サバン魔術師の意識が戻りました」
「おぉ!すぐに連れて来い!」
魔術師団団長は結構酷いな。被害者であるサバンの容態も聞かず、すぐに動かすなど⋯⋯大丈夫なのか?
しばらくすると昨日の夜会の服を着たサバンがやってきた。
「サバン魔術師、大丈夫か?そこに座ってくれ」
「はい。失礼しま⋯⋯イタ⋯⋯あぁ⋯⋯はぁ、何でだろ?」
サバン止めろ!その顔と声で尻を痛がるのは!真面目な会議なのに笑ってしまうじゃないか!シュクルは疲れ目を擦るふりをしてニヤつく顔を隠した。
「す、すまないが昨日の事について話してくれっ⋯⋯」
おい!魔術師団の団長自ら笑うなよ。大臣は厳めしい顔して微笑むな。騎士団長は資料読むフリして誤魔化すな。資料が小刻みに震えてるんだよ!しょうもないおっさん共め。サバンが可哀そうじゃないかぁ!頭ではサバンに同情しているはずが、シュクルの長い耳はプルプルと震えていた。
「さ、昨夜について教えてくれっ⋯⋯プッ」
「は?えー、夜会が始まって、安全確認を再度して⋯⋯特に変わった事はありませんでした――」
サバンの仕事には何も不審な点はなかった。
「ではどこで意識を失った?最後に何をしていた?」
「確か⋯⋯オーギュスト様が目の前におられて、私から話しかけました――」
『オーギュスト様!こんばんは!』
『あぁ君は⋯⋯貴族学院の卒業生だね?そうだ、これあげるよ』
『あ、ありがとうございます!』
オーギュ様?そういえばサバンは変人理事長のファンだったな。そのオーギュ様はサバンの事を覚えてなさそうだが。
「で、オーギュスト様から何をもらったんだ?」
「ワインです。それを飲んで、そこからは記憶がありません」
あれ?どこかで聞いた話⋯⋯⋯⋯
「サバン、お前まさか、『ギンギン媚薬』を飲んだのか?!」
「何だそれ?」
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