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Episode2
追い詰める勇者
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ラスキャブは皆と別れた後、追跡の気配が自分に向いたことに驚き、そして焦っていた。すぐに来た道を戻り、アーコとでも合流しようと考えていたので泥沼に嵌っていくような得体の知れない感覚に陥っている。
路地からどんどんと人気がなくなっていき、更に運の悪い事に袋小路に入り込んでいた。行き止まりを確認して戻ろうとすると、とうとう追跡者が姿を現した。
ボロボロのマントを頭から被っていて顔はよく見えない。大人用のサイズのマントが大分余っているので、体躯は小さくラスキャブと大して変わらない。それでも感じ取られる相手のポテンシャルは自分よりも上であることを見抜いていた。
ラスキャブは持っている槍を構えることすら忘れていた。というよりも、杖のように自重を支えるのに使っていてそれが槍であるという事も失念しているようだった。
追跡者はラスキャブの事を一度だけ目視すると、何故だかキョロキョロと自分の周りの様子を伺いながら近づいてきた。そして小さいがしっかりとした芯の通った声で言った。
「ラスキャブ、だよな?」
「え?」
まさか自分の名を呼ばれると思っていなかったラスキャブは、驚いて相手の事をマジマジと見た。この距離になるとマントの隙間から自分と同い年くらいの少女の顔が見えた。すると、ラスキャブの「目視したモノの名前が分かる」という能力が勝手に働き少女の名前が脳裏に浮かぶ。そしてつい、それを口にしてしまう。
「・・・ピオンスコ?」
ピオンスコと呼ばれた少女の顔は警戒の色から、安堵の色になった。そして涙を堪えた様な笑顔でラスキャブに抱きついた。
「良かった。ホントにラスキャブだ」
再会を喜ぶピオンスコとは反対にラスキャブは困惑する事しかできないでいた。ラスキャブには自分についてのほとんどの記憶が残っていないのだから仕方のないことである。
やがてピオンスコは、少しだけ落ち着きを取り戻した。そしてラスキャブの首についたチョーカー型の登録印を見て歯噛みをした。
「ちくしょう。やっぱり一緒にいたフォルポスの男に捕まってんのか・・・けど、大丈夫だ。登録印は何とか外す方法がある。とにかく、あいつらがいない隙に逃げよう」
「え、ちょ」
ラスキャブは動転した。相手のことも、何をしようとしているのかもてまるで分からなかった。それでも自分に危害を加えるつもりはないという事実で安心していた。
逃げるのを渋るラスキャブの様子に、ピオンスコは怪訝な表情になる。
「どうしたんだよ、ラスキャブ」
「えと、ごめんなさい。私、あなたと行くわけには行かないの」
「何でだよ。アタシと一緒に逃げよう」
ラスキャブの手を握るピオンスコの手がさらに強くなった。何をどう説明したらいいのかと考えるうちに、結局慌てふためくしかできないラスキャブに上から助け船が入った。
「ラスキャブはな、多分お前の事を覚えてないんだよ」
ピオンスコは内容よりもその声の出所に驚いて、ラスキャブを引っ張りながら大きく身を引いた。見ればさっきまでいたところの頭上に逆さまになりながら、悪戯に笑うアーコが浮かんでいる。
「アンタ、ラスキャブの仲間の魔族だな」
「魔族・・・とも微妙に違うんだけど・・・まあ、今は良いや。ともかくラスキャブの仲間だよ」
「覚えてないってどういう事だ。ラスキャブに何かしたのか!」
「違う違う。俺達と会う前から記憶喪失なんだよ。自分の名前以外の事は大して覚えてない」
「嘘だ。ラスキャブはさっきアタシの名前を呼んだ」
「それも・・・説明すると長ぇんだよ。ひとまず分かってほしいのは、ラスキャブは嫌々あのフォルポスの傍にいるって訳じゃない。望んで一緒に旅をしている」
「そんな言葉に騙されるか。ラスキャブ、逃げろ。アタシがやっつけるから」
ピオンスコは目にも止まらぬ俊敏さを発揮して一気にアーコとの距離を詰めた。マントの下の両手にはそれぞれ短剣が握られており、その刃がアーコの喉を狙う。
アーコは反応できたが、あえて避けなかった。そもそも、アーコには避ける必要がない。ピオンスコの短剣は空しくすり抜けて空を切るばかりだった。
「いいね、喧嘩っ早いのは嫌いじゃないぜ」
「な、何なんだコイツ」
ピオンスコは本能的にアーコの危険さを感じ取った。
そして怯えたような演技をしながら、マントの下に隠してある奥の手を誰にも気が付かれぬように準備し始めた。
だが、アーコが妙な事を喋りはじめたので、一瞬思考が停止した。
「そう。そこを真っすぐ、んでもって突き当りを右」
「・・・何言ってんだ?」
「お前じゃない。後ろの奴にここの場所を教えてたんだ」
その言にピオンスコは嫌な気配を感じ取り、慌てて振り返る。瞬時にこの場から逃げ出すための計算や作戦を巡らせるが遅かった。
さっき自分が現れたのと同じ角から、フォルポスの男が現れたのだった。
路地からどんどんと人気がなくなっていき、更に運の悪い事に袋小路に入り込んでいた。行き止まりを確認して戻ろうとすると、とうとう追跡者が姿を現した。
ボロボロのマントを頭から被っていて顔はよく見えない。大人用のサイズのマントが大分余っているので、体躯は小さくラスキャブと大して変わらない。それでも感じ取られる相手のポテンシャルは自分よりも上であることを見抜いていた。
ラスキャブは持っている槍を構えることすら忘れていた。というよりも、杖のように自重を支えるのに使っていてそれが槍であるという事も失念しているようだった。
追跡者はラスキャブの事を一度だけ目視すると、何故だかキョロキョロと自分の周りの様子を伺いながら近づいてきた。そして小さいがしっかりとした芯の通った声で言った。
「ラスキャブ、だよな?」
「え?」
まさか自分の名を呼ばれると思っていなかったラスキャブは、驚いて相手の事をマジマジと見た。この距離になるとマントの隙間から自分と同い年くらいの少女の顔が見えた。すると、ラスキャブの「目視したモノの名前が分かる」という能力が勝手に働き少女の名前が脳裏に浮かぶ。そしてつい、それを口にしてしまう。
「・・・ピオンスコ?」
ピオンスコと呼ばれた少女の顔は警戒の色から、安堵の色になった。そして涙を堪えた様な笑顔でラスキャブに抱きついた。
「良かった。ホントにラスキャブだ」
再会を喜ぶピオンスコとは反対にラスキャブは困惑する事しかできないでいた。ラスキャブには自分についてのほとんどの記憶が残っていないのだから仕方のないことである。
やがてピオンスコは、少しだけ落ち着きを取り戻した。そしてラスキャブの首についたチョーカー型の登録印を見て歯噛みをした。
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「え、ちょ」
ラスキャブは動転した。相手のことも、何をしようとしているのかもてまるで分からなかった。それでも自分に危害を加えるつもりはないという事実で安心していた。
逃げるのを渋るラスキャブの様子に、ピオンスコは怪訝な表情になる。
「どうしたんだよ、ラスキャブ」
「えと、ごめんなさい。私、あなたと行くわけには行かないの」
「何でだよ。アタシと一緒に逃げよう」
ラスキャブの手を握るピオンスコの手がさらに強くなった。何をどう説明したらいいのかと考えるうちに、結局慌てふためくしかできないラスキャブに上から助け船が入った。
「ラスキャブはな、多分お前の事を覚えてないんだよ」
ピオンスコは内容よりもその声の出所に驚いて、ラスキャブを引っ張りながら大きく身を引いた。見ればさっきまでいたところの頭上に逆さまになりながら、悪戯に笑うアーコが浮かんでいる。
「アンタ、ラスキャブの仲間の魔族だな」
「魔族・・・とも微妙に違うんだけど・・・まあ、今は良いや。ともかくラスキャブの仲間だよ」
「覚えてないってどういう事だ。ラスキャブに何かしたのか!」
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「嘘だ。ラスキャブはさっきアタシの名前を呼んだ」
「それも・・・説明すると長ぇんだよ。ひとまず分かってほしいのは、ラスキャブは嫌々あのフォルポスの傍にいるって訳じゃない。望んで一緒に旅をしている」
「そんな言葉に騙されるか。ラスキャブ、逃げろ。アタシがやっつけるから」
ピオンスコは目にも止まらぬ俊敏さを発揮して一気にアーコとの距離を詰めた。マントの下の両手にはそれぞれ短剣が握られており、その刃がアーコの喉を狙う。
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その言にピオンスコは嫌な気配を感じ取り、慌てて振り返る。瞬時にこの場から逃げ出すための計算や作戦を巡らせるが遅かった。
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