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第3章 城壁都市ウォール
寝ている時は仕方ないこととはいえ、やっぱり恥ずかしいようです
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身体が重い。
沈み込むような感覚が僕を襲い、抗うことが億劫に感じてしまう。
起き上がろうと思いつつも、瞳は開けることを拒み、意識はまどろみの中へと沈み込もうとする。
思い出さなくてはいけないことがある気がしたが、兎にも角にも眠気が酷かった。
ふわりとした身体が揺れる感覚に身を任せるように、再び僕の意識は夢の中へと落ちていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
──声が聞こえる。
もそもそと遠くに声が聞こえるのは、僕の意識が未だ眠気に引きずられているせいなのか?
ゆっくりと息を吸い込み意識を集中させると、より鮮明に周囲の音を聞くことができた。
何かが軋むような物音と共に水の音が聞こえる。
音に気を取られていたが、やはり僕の身体はゆっくりと上下に揺れているようだ。
奇妙な浮遊感が僕の身体を包み込む。
「──だから、そのようなことはレディーにはさせられません」
耳に届く声には聞き覚えがあった。
そう、ローガンの声だ。
「身の回りのことをやるのも仲間の努め。私がやっても問題はない」
──この声はフーシェかな?
瞳を開けたいところだが、未だ強く残る眠気は僕の瞼を開かせてはくれない。
「ふむ、困ったものですな。下のお世話くらいは同姓がやった方がよろしいでしょう」
⋯⋯?
ちょっと待って、何て言った?
ローガンの言葉に僕は血の気が引いていくのを感じた。
僕は一体何日間眠っていたんだ?
ローガンの口ぶりからすれば、僕は何回かローガンの世話になっているようだ。
んんっ!
起き上がりたいけど、全身が脱力したかのように力が入らない。
恥ずかしさと焦燥感が僕の胸に去来する。
「大丈夫、もう何回か覗いているため手順は問題ない」
フーシェの言葉は、僕の意識に衝撃を与えるには十分すぎた。
「ふむ、『隠密』スキルをそのように使うのは感心しませんぞ。とはいえ、それに気づけなかった私が未熟なのもまた真実。まぁ、異性の秘部など今見るものではないでしょう。さぁ、出て行きなさい。恥じらって入らなかったイスカ様の方が、よっぽどレディーでございますぞ」
ありがとう!ローガン!
そのまま押し切ってくれ!
声が出せない今は、心の中で叫ぶことが僕の精一杯だ。
「ん。今後のために実物を触っておきたかったが仕方ない」
ちょっと待って、今後のためって何?
何か恐ろしいことを聞いた気がしたが、ローガンの態度にフーシェも諦めがついたのか。ベッド際から去ろうとする音が聞こえた。
「そうです、そうです。少しは、イスカ様やリズ様のおしとやかさを見習ったほうが、ユズキ様にも好感を持たれますぞ」
ローガンの言葉に、立ち去ろうとしていたフーシェの足がピタリと止まったようだ。
そして、次に聞こえてきたのは、少し気分を悪くしたようなフーシェの口調だった。
「それは、変。ユズキの身体からは、かなりイスカとリズの香りがする。密着でもしてないとそんな匂いしない。⋯⋯二人の方がよっぽど、大胆」
その言葉に、ローガンはたじろいでしまったようだ。次に出す言葉に詰まったような音が僕の耳に聞こえてきた。
一体、僕は寝ている間に何をされたんだ?
おーい、セラ様!!
僕は慌てて脳内のセラ様AIに声をかける。僕が覚醒したのだ、きっとセラ様なら答えてくれるはずだ。
『⋯⋯』
しかし、僕の期待に反して返答はなかった。
「ん。まぁ、いい。今は出ていく」
今度こそ、フーシェは部屋を出て行ってしまったようだ。
僕は、残された謎と共に、一先ず意識がある中で自分の大事なところが見られなかったことに安堵する。
しかし、本当に僕が意識を失っている間に何が行われたのだろう?
いろいろ、思考を張り巡らしてみるが、そんな僕の考えは一つの物音によってかき消されてしまうこととなった。
カチャ、カチャ
ローガンの足音と共に聞こえてきた音は、何となくガラスの音のようにも聞こえる訳で──。
いや、待って?
そんな、まさかだよね?
僕は、ローガンがこれから行おうとしていることに気づいてしまい、言葉にならない思考の中で絶叫をあげた。
「さてと、ユズキ様、今日で3回目の排尿ですぞ。──さて、手で押さえて出てくればいいのですが⋯⋯。出なかったら、フイの茎を使わねばならないですからなぁ──」
何?フイって何?
言葉からして、導尿だよね?
え、この世界って植物の茎を導尿のカテーテルに使っているの?
本当に怖いんだけど。
「──!!」
起きる!起きます!!
声にならない声で雄たけびを上げる。
しかし、いくら力を振り絞っても、身体が反応することはなかった。
「さぁて。下の服を脱がせますぞ」
目は開くことができないが、ローガンの手が僕のズボンに手をかけた感触が伝わってきた。
「今日は、フイを使わなくて済みますかな?」
経験済みかよ!
心の中でツッコミを入れるが、容赦なくローガンの手は、僕のズボンをずらしていく。
「──」
止めてくれぇ!!
心の絶叫と共に、この時僕は何か大切なものを失ってしまったように感じるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ!起きましたか!」
僕の耳元に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
声の主は、エルフクォーターの彼女であるイスカだ。
結局、僕はあの後ローガンによって陰部を掴まれた瞬間に気を失ってしまったようだ。
実際フイとやらの植物性カテーテルを使われてしまったのか?
今となっては知る由もないが、絶対に聞くことはやめておこう。
僕は、そう心に誓う。
真実を聞いてしまえば、しばらくは立ち直れない。
あんなに、開けようと思っていた瞳が今はやけに簡単に開きそうなのが、逆に憎らしい。
ゆっくりと視界が開ける。
久方ぶりに飛び込んできた光は、決して強くはないが僕の目を射抜くには十分だった。
「うっ、眩しい⋯⋯」
口は開くが、その唇は乾燥しているのかパリパリと唾液が固まったような感触が伝わってくる。
少ない光量が僕の視界を白く染めあげたが、その光はすぐに人影によって覆い隠されることになった。
両目ががぼんやりと、何とか像を結ぼうと動き始める。
視界が元通りになる前に、懐かしい匂いが僕の鼻をくすぐった。
イスカの香りだ。
朧げな視界に、ようやく焦点が像を結ぶと、そこには涙目のイスカの顔があった。
視線が重なるとすぐに、ポロポロと彼女の両の瞳から大粒の涙が溢れ出す。
雫は頬を伝い、僕の顔へと降り注いだ。
熱い雫が、生の実感を与えてくれるように僕の頬の上で小さく跳ねた。
「よかっ⋯⋯本当に良かったです」
抱き着くように覆いかぶさってきたイスカの身体を僕は抱き留める。
イスカの身体を支えた瞬間、両手にはっきりとした重量を感じ、僕は自分の体力が一気に落ちてしまったかのような錯覚を覚えた。
その力加減を見誤り、イスカの身体は僕の両手をすり抜けて、横になっている僕の身体に重なってしまった。
「キャッ!」
少し驚いたような声をイスカがあげた。
布団越しにでも感じる、柔らかいイスカの身体の感触と温もりから、僕はようやく目覚めを実感した。
「おはよう、イスカ」
優しく、右手でイスカの頭を撫でると、胸の中でイスカが小さく嗚咽を漏らしながらも、嬉しさからか僕の胸元に、その形の整った鼻をすりつけた。
「もう⋯⋯4日も寝たきりだったんですよ!このまま、目覚めないかと思ったら心配で……」
胸に顔を押し付けたままイスカが言葉を綴る。
──4日!
そうだ!
レグナント号の出航!
2日後に船を出すと約束していたビビ船長の言葉が脳裏をよぎった。
しかし、焦点を結んだ僕の視界に見えてきたのは、明らかに船内と思われる狭い船室だった。
見れば、天井に吊り下げられた光源は、波によって揺られるのかユラユラと不安定な明かりを室内に投げかけていた。
その時僕の脳内に、聞き覚えのあるセラ様AIの声が響き渡った。
『ユズキ様、おはようございます。最低限の生命維持ができるまで『譲渡』を実行した結果、本スキルも休止モードに入っておりました』
だから前に目覚めた時は、僕の問いかけにセラ様AIは反応しなかったのか。
納得はできたが、意識が戻ってしまったあの場合、あの瞬間に覚醒したかったことは否めない。
うーん、ローガンが現れたら僕はどんな顔をして会えばよいのだろうか。
そんな僕の心配を察するより、重要なことがあると言ったように、セラ様AIが話しかけてきた。
『ユズキ様、伝達事項です。急激な『譲渡』を行った結果、ユズキ様の現状は『枯渇』状態となっております。この状態は、時間経過と共に回復しますが、現在の状態はレベル換算で推定『4』。健常な成人人族が体調を崩された時と同様であることをお伝え致します』
どうやら僕は、『譲渡』を行いすぎたせいで、レベルを9995分使い切ってしまったようだ。
疲労と脱力感が残る僕の耳に、通路を歩く複数の足音が聞こえてくる。
規則正しく歩く足音はローガンだろうか?
──どんな顔をして会えばよいかな?下のお世話をありがとうございました?
少し小刻みな足音はフーシェだ。
──これは、うーん。いや、もう見られてしまったと思うと恥ずかしすぎるよ。
規則正しくも軽快な足取りはリズだろう。
──フーシェが言っていた言葉の真実は、イスカと共に聞きたいところだ。僕の身には一体何が起こったんだ?
そんなことを思いつつも、近づいてくる足音に僕はたまらなく嬉しくなる。
久々に会える仲間たちの顔、その顔を思い出すと自然と口元がほころぶのを僕は感じていた。
沈み込むような感覚が僕を襲い、抗うことが億劫に感じてしまう。
起き上がろうと思いつつも、瞳は開けることを拒み、意識はまどろみの中へと沈み込もうとする。
思い出さなくてはいけないことがある気がしたが、兎にも角にも眠気が酷かった。
ふわりとした身体が揺れる感覚に身を任せるように、再び僕の意識は夢の中へと落ちていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
──声が聞こえる。
もそもそと遠くに声が聞こえるのは、僕の意識が未だ眠気に引きずられているせいなのか?
ゆっくりと息を吸い込み意識を集中させると、より鮮明に周囲の音を聞くことができた。
何かが軋むような物音と共に水の音が聞こえる。
音に気を取られていたが、やはり僕の身体はゆっくりと上下に揺れているようだ。
奇妙な浮遊感が僕の身体を包み込む。
「──だから、そのようなことはレディーにはさせられません」
耳に届く声には聞き覚えがあった。
そう、ローガンの声だ。
「身の回りのことをやるのも仲間の努め。私がやっても問題はない」
──この声はフーシェかな?
瞳を開けたいところだが、未だ強く残る眠気は僕の瞼を開かせてはくれない。
「ふむ、困ったものですな。下のお世話くらいは同姓がやった方がよろしいでしょう」
⋯⋯?
ちょっと待って、何て言った?
ローガンの言葉に僕は血の気が引いていくのを感じた。
僕は一体何日間眠っていたんだ?
ローガンの口ぶりからすれば、僕は何回かローガンの世話になっているようだ。
んんっ!
起き上がりたいけど、全身が脱力したかのように力が入らない。
恥ずかしさと焦燥感が僕の胸に去来する。
「大丈夫、もう何回か覗いているため手順は問題ない」
フーシェの言葉は、僕の意識に衝撃を与えるには十分すぎた。
「ふむ、『隠密』スキルをそのように使うのは感心しませんぞ。とはいえ、それに気づけなかった私が未熟なのもまた真実。まぁ、異性の秘部など今見るものではないでしょう。さぁ、出て行きなさい。恥じらって入らなかったイスカ様の方が、よっぽどレディーでございますぞ」
ありがとう!ローガン!
そのまま押し切ってくれ!
声が出せない今は、心の中で叫ぶことが僕の精一杯だ。
「ん。今後のために実物を触っておきたかったが仕方ない」
ちょっと待って、今後のためって何?
何か恐ろしいことを聞いた気がしたが、ローガンの態度にフーシェも諦めがついたのか。ベッド際から去ろうとする音が聞こえた。
「そうです、そうです。少しは、イスカ様やリズ様のおしとやかさを見習ったほうが、ユズキ様にも好感を持たれますぞ」
ローガンの言葉に、立ち去ろうとしていたフーシェの足がピタリと止まったようだ。
そして、次に聞こえてきたのは、少し気分を悪くしたようなフーシェの口調だった。
「それは、変。ユズキの身体からは、かなりイスカとリズの香りがする。密着でもしてないとそんな匂いしない。⋯⋯二人の方がよっぽど、大胆」
その言葉に、ローガンはたじろいでしまったようだ。次に出す言葉に詰まったような音が僕の耳に聞こえてきた。
一体、僕は寝ている間に何をされたんだ?
おーい、セラ様!!
僕は慌てて脳内のセラ様AIに声をかける。僕が覚醒したのだ、きっとセラ様なら答えてくれるはずだ。
『⋯⋯』
しかし、僕の期待に反して返答はなかった。
「ん。まぁ、いい。今は出ていく」
今度こそ、フーシェは部屋を出て行ってしまったようだ。
僕は、残された謎と共に、一先ず意識がある中で自分の大事なところが見られなかったことに安堵する。
しかし、本当に僕が意識を失っている間に何が行われたのだろう?
いろいろ、思考を張り巡らしてみるが、そんな僕の考えは一つの物音によってかき消されてしまうこととなった。
カチャ、カチャ
ローガンの足音と共に聞こえてきた音は、何となくガラスの音のようにも聞こえる訳で──。
いや、待って?
そんな、まさかだよね?
僕は、ローガンがこれから行おうとしていることに気づいてしまい、言葉にならない思考の中で絶叫をあげた。
「さてと、ユズキ様、今日で3回目の排尿ですぞ。──さて、手で押さえて出てくればいいのですが⋯⋯。出なかったら、フイの茎を使わねばならないですからなぁ──」
何?フイって何?
言葉からして、導尿だよね?
え、この世界って植物の茎を導尿のカテーテルに使っているの?
本当に怖いんだけど。
「──!!」
起きる!起きます!!
声にならない声で雄たけびを上げる。
しかし、いくら力を振り絞っても、身体が反応することはなかった。
「さぁて。下の服を脱がせますぞ」
目は開くことができないが、ローガンの手が僕のズボンに手をかけた感触が伝わってきた。
「今日は、フイを使わなくて済みますかな?」
経験済みかよ!
心の中でツッコミを入れるが、容赦なくローガンの手は、僕のズボンをずらしていく。
「──」
止めてくれぇ!!
心の絶叫と共に、この時僕は何か大切なものを失ってしまったように感じるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ!起きましたか!」
僕の耳元に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
声の主は、エルフクォーターの彼女であるイスカだ。
結局、僕はあの後ローガンによって陰部を掴まれた瞬間に気を失ってしまったようだ。
実際フイとやらの植物性カテーテルを使われてしまったのか?
今となっては知る由もないが、絶対に聞くことはやめておこう。
僕は、そう心に誓う。
真実を聞いてしまえば、しばらくは立ち直れない。
あんなに、開けようと思っていた瞳が今はやけに簡単に開きそうなのが、逆に憎らしい。
ゆっくりと視界が開ける。
久方ぶりに飛び込んできた光は、決して強くはないが僕の目を射抜くには十分だった。
「うっ、眩しい⋯⋯」
口は開くが、その唇は乾燥しているのかパリパリと唾液が固まったような感触が伝わってくる。
少ない光量が僕の視界を白く染めあげたが、その光はすぐに人影によって覆い隠されることになった。
両目ががぼんやりと、何とか像を結ぼうと動き始める。
視界が元通りになる前に、懐かしい匂いが僕の鼻をくすぐった。
イスカの香りだ。
朧げな視界に、ようやく焦点が像を結ぶと、そこには涙目のイスカの顔があった。
視線が重なるとすぐに、ポロポロと彼女の両の瞳から大粒の涙が溢れ出す。
雫は頬を伝い、僕の顔へと降り注いだ。
熱い雫が、生の実感を与えてくれるように僕の頬の上で小さく跳ねた。
「よかっ⋯⋯本当に良かったです」
抱き着くように覆いかぶさってきたイスカの身体を僕は抱き留める。
イスカの身体を支えた瞬間、両手にはっきりとした重量を感じ、僕は自分の体力が一気に落ちてしまったかのような錯覚を覚えた。
その力加減を見誤り、イスカの身体は僕の両手をすり抜けて、横になっている僕の身体に重なってしまった。
「キャッ!」
少し驚いたような声をイスカがあげた。
布団越しにでも感じる、柔らかいイスカの身体の感触と温もりから、僕はようやく目覚めを実感した。
「おはよう、イスカ」
優しく、右手でイスカの頭を撫でると、胸の中でイスカが小さく嗚咽を漏らしながらも、嬉しさからか僕の胸元に、その形の整った鼻をすりつけた。
「もう⋯⋯4日も寝たきりだったんですよ!このまま、目覚めないかと思ったら心配で……」
胸に顔を押し付けたままイスカが言葉を綴る。
──4日!
そうだ!
レグナント号の出航!
2日後に船を出すと約束していたビビ船長の言葉が脳裏をよぎった。
しかし、焦点を結んだ僕の視界に見えてきたのは、明らかに船内と思われる狭い船室だった。
見れば、天井に吊り下げられた光源は、波によって揺られるのかユラユラと不安定な明かりを室内に投げかけていた。
その時僕の脳内に、聞き覚えのあるセラ様AIの声が響き渡った。
『ユズキ様、おはようございます。最低限の生命維持ができるまで『譲渡』を実行した結果、本スキルも休止モードに入っておりました』
だから前に目覚めた時は、僕の問いかけにセラ様AIは反応しなかったのか。
納得はできたが、意識が戻ってしまったあの場合、あの瞬間に覚醒したかったことは否めない。
うーん、ローガンが現れたら僕はどんな顔をして会えばよいのだろうか。
そんな僕の心配を察するより、重要なことがあると言ったように、セラ様AIが話しかけてきた。
『ユズキ様、伝達事項です。急激な『譲渡』を行った結果、ユズキ様の現状は『枯渇』状態となっております。この状態は、時間経過と共に回復しますが、現在の状態はレベル換算で推定『4』。健常な成人人族が体調を崩された時と同様であることをお伝え致します』
どうやら僕は、『譲渡』を行いすぎたせいで、レベルを9995分使い切ってしまったようだ。
疲労と脱力感が残る僕の耳に、通路を歩く複数の足音が聞こえてくる。
規則正しく歩く足音はローガンだろうか?
──どんな顔をして会えばよいかな?下のお世話をありがとうございました?
少し小刻みな足音はフーシェだ。
──これは、うーん。いや、もう見られてしまったと思うと恥ずかしすぎるよ。
規則正しくも軽快な足取りはリズだろう。
──フーシェが言っていた言葉の真実は、イスカと共に聞きたいところだ。僕の身には一体何が起こったんだ?
そんなことを思いつつも、近づいてくる足音に僕はたまらなく嬉しくなる。
久々に会える仲間たちの顔、その顔を思い出すと自然と口元がほころぶのを僕は感じていた。
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