私とタキさんの話

魚肉

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私とタキさんの出会い2

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真っ暗な道を歩いていると、幼い頃を思い出す。今よりもずっとずっと無知で、惨めで、辛くて寂しくて、悲しかった頃。

私の感情は、あの頃にほとんど消えてしまったのかもしれない。

おばあちゃんが死んだ悲しみも、罪悪感も、私のなかにはほとんどなかった。あるのは、孤独になった困惑と恐怖だけ。

なんて酷い、孫なんだろう。私にとっておばあちゃんはただの家政婦同然の存在だったのか。

本当なら。
本当なら、先に死ぬのは私のはずだったのに。


「消えちゃいたい…」

溢れた本音は夜の闇に消える。

これから先1人で生きていくくらいなら、私の人生もここで終わりがいい。1人じゃ何も出来ない引きこもりが1人死んだところで悲しむ人もいない。

友達もいない。

家族も、親族もいない。

頼れる人も、おばあちゃんと鈴木のおじいちゃんしかいなかった。おばあちゃんが死んだ今、鈴木のおじいちゃんにこれ以上頼れない。

私は生きる意味も、術も、持っていない。

「死にたい…」

今まで生きてきて、楽しいことも幸せなこともなかった。強いていえば、おばあちゃんと暮らせた3年間は幸せだったのかもしれない。

ぼんやり前を見ると、物凄いスピードのバイクが走ってきているのが見えた。

このくらいの勢いだったら、一瞬で死なせてくれるかも。

ーーー冗談で、冗談のつもりで頭の中でちらっと考えた、つもりだった。でも、足は道の真ん中に向いていて、バイクに乗っている、私のせいで人生が狂うかもしれない誰かは、スピードをまだ緩めない。


全身の力を抜いて、目を瞑った。

バイクの急ブレーキの音が目の前から聞こえて、私は自分の体が跳んでいくのを感じた。その後、頭を思いっ切り打つける音がして、私の意識はそこまでだった。







暗闇の中、誰かの話し声がする。


「ーーーーだから俺はちゃんと前みてたって!嘘じゃない!本当だって!」


「でもオマエ無免許だからな?あのバイクも俺のだよ」

「そうだけど、でも、本当にわざとじゃない!警察に連絡をすんな!おい!」

「人殺しになんなくて良かったね、今日はもう帰んな」

「帰ったらタキさん警察呼ぶでしょ!この女目覚ますまで帰んねえよ!」

「帰んないと通報するよ」

「ああ帰るよ!帰ります!さようなら!」


これが夢なのか現実なのかよく分からない。私は本当に死ねたのかもしれない。ここが天国ーーーいや、地獄なんだ。

もういろいろ考えたりしなくていい。そう考えてたら安心して、どんな地獄でも大丈夫だと思った。










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