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チャットレディともこ
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「あっ、ともこだ」
パソコンの画面には、ともことそっくりの女性の顔が映っていた。
ヤスヒロは、チャットレディとメールのやりとりができる熟女専門のチャットサービスの紹介画面を見ていた。
その紹介画面には、登録されているすべてのチャットレディの顔写真を見ることができるようになっていて、ヤスヒロは、その画面で、以前つきあっていた、ともこそっくりの女性の顔が映っていたのである。
ともこは、10年ほど前に、突然、ヤスヒロの前から姿を見せなくなった彼女であり、よくいっしょに食事に行っていたヤスヒロより10歳年下の女性である。
ともこは、イギリスのヒースロー空港でグランドホステスをしていたのだが、空港で知り合った日本の会社に勤めているアメリカ人と結婚して、日本にアメリカ人といっしょに帰ってきて、東京で住んでいた。そのアメリカ人は、菜食主義者で、肉を食べることはなく、ともこは、お肉を食べたいのをがまんして、生活をしていた。
ともこは、お肉を食べたくなったときは、一人で、サイゼリヤで、ステーキを食べにいくのが習慣となっていた。そのサイゼリヤでヤスヒロは、ともこと知り合ったのである。
ともこは、菜食主義者のアメリカ人との生活に耐えられなくなり、いつのまにか、アメリカ人と離婚してしまい、しかし、貯金で、マンションを借りて、生活していた。
ともこは、日本では、仕事を見つけることができず、貯金もなくなり、マンションのお金をはらうことができなくなり、ヤスヒロに相談して、ヤスヒロがマンション代を立て替えることにしたのである。10年前、昼食にサイゼリヤでステーキを食べて、その日、家賃を払う日だったので、ヤスヒロは、1ヶ月分の家賃をわたした。
次の日、ヤスヒロは、ともこに電話したのだが、電話は解約してあり、ともこはでなかった。また、マンションに行ったのだが、マンションも解約して荷物もなかった。
ともこは、突然、ヤスヒロの前から姿を消したのである。
10年ほどたったその日、ヤスヒロが、パソコンで、チャットサービスのサイトを見ているときに、ともこらしき姿を発見したのである。
そのサイトでのともこの自己紹介には、次のように書かれてあった。
「10年ほど前に、東京から来ました。ともこといいます」
「チャットレディとして、ビデオ通話や、メールやブログであなたを気持ちよくさせてあげる。よろしくね」
「やっぱり、あのともこだ」
ヤスヒロは、10年前のことを思い出した。
さっそく、メールをそのチャットレディともこに書いた。
「こんばんは、ヤスヒロと言います。初めてメールを送ります」
「ともこさんですね」
「10年前、ともこさんのマンションの家賃を立て替えたことおぼえてるかな」
「次の日、もう、連絡つかなくなってたんだけど、なんでなんでしょう」
「その理由を知りたいんだ」
「今、どこにいるのでしょうか。仕事はみつかったのかな」
とチャットでメッセージを送った。
すると、すぐに、チャットレディともこからメッセージが来た。
「ごめんなさい、ヤスヒロさんなんですね」
「わたしびっくりしちゃって」
「まさか、ヤスヒロさんが、熟女系のこのチャットサービスに登録したなんて」
「実は、私、10年前に、ヤスヒロさんから家賃を立て替えてもらったあと、すぐに、妹の住んでる大阪に行ったの」
「あのとき、大阪のチャットサービスの会社にチャットレディとしての仕事が見つかって、その日に、新幹線で、大阪に行ったの」
「ヤスヒロさんは、私と一緒にくらしてもらえなそうだったので、わかれることにしたのよ」
「だまって別れた方が、あなたにとって、いいことだと思ったのよ」
「あなたは、発明家だから、私のような人と、いっしょにいると、すばらしい発明をすることのじゃまになると思ったの」
「10年前、あなたは、米国のベンチャー企業と発明家として契約して、何件も発明して、のりにのってたじゃないの」
「そんなときに、私は、じゃまになると思ったので、ひっそりと身を引くことにしたのよ」
とともこからメッセージが来た。
「そんなことは、なかったんだよ、ともこさん」
「あれから、3年後ほどして、あのベンチャー企業は、解散して、発明家としての仕事はなくなったんだ」
「そして、ぼくは、中国語の特許の和文翻訳の校閲の仕事が見つかって、その仕事をしてたんだ」
「でも、給料は少なかったから、ともこさんの家賃を援助することはできなかったと思う」
「たしかに、ともこさんがいなくなったことで、少ない給料の仕事でもできるようになったんだ」
「でも、ともこさんも、いい仕事が見つかってよかったね」
「東京にいるときは、どの会社でも仕事が見つからなかったしね」
「そうなのよ、このチャットレディの仕事、おもしろいのよ」
「ビデオ通話で、相互オナニーをして、見せ合いをしたり、メールセックスといって、メールのやりとりで、擬似セックスをしたりするのよ」
「それは、よかったね。君に合ってるよ、その仕事」
「なによ、それ」
「ばかにしてんの」
「いや、そうじゃないんだ。君は、男性を癒やすことができる能力を持ってるって事を言ってるんだよ」
「あら、そうなの」
「ちょうどよかったよ、君がチャットレディで」
「これから、ビデオ通話やメールで、楽しもうよ」
「そうね、そうしましょ」
と、ヤスヒロは、ともこと10年たって、元気なことが分かったので、なんとなく安心した。
パソコンの画面には、ともことそっくりの女性の顔が映っていた。
ヤスヒロは、チャットレディとメールのやりとりができる熟女専門のチャットサービスの紹介画面を見ていた。
その紹介画面には、登録されているすべてのチャットレディの顔写真を見ることができるようになっていて、ヤスヒロは、その画面で、以前つきあっていた、ともこそっくりの女性の顔が映っていたのである。
ともこは、10年ほど前に、突然、ヤスヒロの前から姿を見せなくなった彼女であり、よくいっしょに食事に行っていたヤスヒロより10歳年下の女性である。
ともこは、イギリスのヒースロー空港でグランドホステスをしていたのだが、空港で知り合った日本の会社に勤めているアメリカ人と結婚して、日本にアメリカ人といっしょに帰ってきて、東京で住んでいた。そのアメリカ人は、菜食主義者で、肉を食べることはなく、ともこは、お肉を食べたいのをがまんして、生活をしていた。
ともこは、お肉を食べたくなったときは、一人で、サイゼリヤで、ステーキを食べにいくのが習慣となっていた。そのサイゼリヤでヤスヒロは、ともこと知り合ったのである。
ともこは、菜食主義者のアメリカ人との生活に耐えられなくなり、いつのまにか、アメリカ人と離婚してしまい、しかし、貯金で、マンションを借りて、生活していた。
ともこは、日本では、仕事を見つけることができず、貯金もなくなり、マンションのお金をはらうことができなくなり、ヤスヒロに相談して、ヤスヒロがマンション代を立て替えることにしたのである。10年前、昼食にサイゼリヤでステーキを食べて、その日、家賃を払う日だったので、ヤスヒロは、1ヶ月分の家賃をわたした。
次の日、ヤスヒロは、ともこに電話したのだが、電話は解約してあり、ともこはでなかった。また、マンションに行ったのだが、マンションも解約して荷物もなかった。
ともこは、突然、ヤスヒロの前から姿を消したのである。
10年ほどたったその日、ヤスヒロが、パソコンで、チャットサービスのサイトを見ているときに、ともこらしき姿を発見したのである。
そのサイトでのともこの自己紹介には、次のように書かれてあった。
「10年ほど前に、東京から来ました。ともこといいます」
「チャットレディとして、ビデオ通話や、メールやブログであなたを気持ちよくさせてあげる。よろしくね」
「やっぱり、あのともこだ」
ヤスヒロは、10年前のことを思い出した。
さっそく、メールをそのチャットレディともこに書いた。
「こんばんは、ヤスヒロと言います。初めてメールを送ります」
「ともこさんですね」
「10年前、ともこさんのマンションの家賃を立て替えたことおぼえてるかな」
「次の日、もう、連絡つかなくなってたんだけど、なんでなんでしょう」
「その理由を知りたいんだ」
「今、どこにいるのでしょうか。仕事はみつかったのかな」
とチャットでメッセージを送った。
すると、すぐに、チャットレディともこからメッセージが来た。
「ごめんなさい、ヤスヒロさんなんですね」
「わたしびっくりしちゃって」
「まさか、ヤスヒロさんが、熟女系のこのチャットサービスに登録したなんて」
「実は、私、10年前に、ヤスヒロさんから家賃を立て替えてもらったあと、すぐに、妹の住んでる大阪に行ったの」
「あのとき、大阪のチャットサービスの会社にチャットレディとしての仕事が見つかって、その日に、新幹線で、大阪に行ったの」
「ヤスヒロさんは、私と一緒にくらしてもらえなそうだったので、わかれることにしたのよ」
「だまって別れた方が、あなたにとって、いいことだと思ったのよ」
「あなたは、発明家だから、私のような人と、いっしょにいると、すばらしい発明をすることのじゃまになると思ったの」
「10年前、あなたは、米国のベンチャー企業と発明家として契約して、何件も発明して、のりにのってたじゃないの」
「そんなときに、私は、じゃまになると思ったので、ひっそりと身を引くことにしたのよ」
とともこからメッセージが来た。
「そんなことは、なかったんだよ、ともこさん」
「あれから、3年後ほどして、あのベンチャー企業は、解散して、発明家としての仕事はなくなったんだ」
「そして、ぼくは、中国語の特許の和文翻訳の校閲の仕事が見つかって、その仕事をしてたんだ」
「でも、給料は少なかったから、ともこさんの家賃を援助することはできなかったと思う」
「たしかに、ともこさんがいなくなったことで、少ない給料の仕事でもできるようになったんだ」
「でも、ともこさんも、いい仕事が見つかってよかったね」
「東京にいるときは、どの会社でも仕事が見つからなかったしね」
「そうなのよ、このチャットレディの仕事、おもしろいのよ」
「ビデオ通話で、相互オナニーをして、見せ合いをしたり、メールセックスといって、メールのやりとりで、擬似セックスをしたりするのよ」
「それは、よかったね。君に合ってるよ、その仕事」
「なによ、それ」
「ばかにしてんの」
「いや、そうじゃないんだ。君は、男性を癒やすことができる能力を持ってるって事を言ってるんだよ」
「あら、そうなの」
「ちょうどよかったよ、君がチャットレディで」
「これから、ビデオ通話やメールで、楽しもうよ」
「そうね、そうしましょ」
と、ヤスヒロは、ともこと10年たって、元気なことが分かったので、なんとなく安心した。
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