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11 小盾は冷静に分析して明日を見つめる。
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――ライトside――
リディア姉さんの箱庭案内は、一言で言えば『ありえない』だった。
伐採エリアは森の宝箱。
採掘エリアはお金発掘エリアとしか言いようがない。
栽培エリアの宝石のなる木の真価を理解していないのか、はたまた宝石自体に興味がないのか、幾つもの安いザルに投げ入れられた煌めく宝石たちは輝いていた。
池の湧き水は透き通っていて、そこから見たい場所を見ることができて、海辺には豊富な魚介類。料理がしたくてうずいて仕方なかった。
やっと普通の栽培している野菜を見ても、リディア姉さん曰く――
「ここのお野菜って、一度植えると枯れないの」
「カレナイノ?」
「うん、枯れないの。全部抜いてしまうと流石に枯れる仕組みみたいだから、一つでも残しておけば永遠に野菜や果物が手に入るの」
「テニハイルノ」
「凄いわよね! 箱庭!」
お姉さんの箱庭ゆえに凄いのか理解が追い付かなくなって、途中から脳が処理しきれなかった。
居住エリアも凄かった。
魔石だって私のような平民からすればホイホイ買える品ではない。
更に上のアイテムって何?
ロストテクノロジー?
そう言えば兄さんがいっていたのは、そのレアスキルの事?
これ、後で兄さんに要確認事項だ。
一通り回って居住エリアの椅子に座り、兄さんも戻ってきたところで紅茶を飲んでリラックス……うん、ただの紅茶じゃないのがヒシヒシと感じられる。
先立って、ロストテクノロジーの事を二人に聞くと、やはりとんでもないレアスキルであることが判明し、尚且つ所有者は即契約されて永遠に働かされるような恐ろしいスキルであることが分かった。
これは、色々不味い。
「さて、リディアお姉さん」
「なあに?」
「ここは危険です。とっても危険です。だから、お姉さんは悪い人に捕まらない様に、箱庭で静かに暮らしましょう。外の事は私と兄さんに任せておけば大丈夫です」
「まぁ!」
「毎日メモ帳を持って池から各店舗の値段チェックいれまくります。それで店舗で売る品物の値段を決めましょう。そこのバランスは私に任せて頂いても宜しいですね?」
「なんて頼もしいのかしら!! ねぇカイル!!」
「ああ! 流石俺の弟だ!」
兄さん一人に任せるより、二人でタッグを組んでおいた方が絶対にいい事案。
それに、店を始めたら金だけがドンドン貯まっていく可能性も視野に入れ、いざという時に動けるように、お金が驚くほど貯まったら、二号店を別の場所で出す方向でも話を決めた。
そもそも、今の王国で何かあった場合、冒険者である兄さんが外で動いてくれれば、例え別の王国に行ったとしても、兄さんの居場所に箱庭を移動させ、そこで生活すればいいだけの話でもある。
それに、この箱庭は自給自足ができてしまうだけの力があった。
寧ろ力を持て余してしまって、宝が溢れかえっているダンジョン状態。
売るものを色々と決めて動かねば、絶対に後で大変な事になるのは明白だ。
そうなると――情報が欲しい。
王都にある一般的な道具屋と言うものを、池の鏡で見せてもらい物と値段のチェックは絶対にしておかないと、ウッカリ知らない物を出せば後で大変な事態に陥るに決まってる。
「兄さん、リディア姉さん」
「はい」
「どうした?」
「私に時間をください。二日で構いません。店に出すアイテムを精査させて欲しいんです。無駄な争いを起こさない為にも必要不可欠な問題です」
私が真面目に答えると、二人はゴクリと唾を呑み込んだ。
「それと、リディア姉さんは魔法付与も出来るとお伺いしました。それでアクセサリーを作ることも出来るんですよね?」
「ええ、簡単な付与なら直ぐにでも」
「モノによっては国宝クラスになりそうなので、作った際には一言お声かけ下さい。後は店舗の中を確認して、売るものがちょっと多いので……そうですね、うん、やっぱり情報が欲しいです」
「うん、情報は必要だな」
「そうね、情報は必要な事だわ」
「最悪、リディアお姉さんと箱庭を寄こせという輩が出てきます。なので、慎重に動きましょう」
「無論だ」
「じゃあ、わたくしは引き続き引き籠り生活ね」
「「お願いします」」
「はーい!」
――こうして、その日の内に正式なブレスレットを作って貰った僕は、その足で店舗を見に向かい、大きな店舗に少々驚きながらも、間取りをメモしながら、今後店舗にする為に必要な棚やショーケースを思い浮かべながら殴り書きの図面を書いていった。
この店もそうだけど、ミスは絶対に出来ない。
一歩間違えれば、兄の命の恩人の命が危険に晒される。
毎日刺激のない日々だったにもかかわらず、これからの日々は常に刺激しかないことに、私は胸が弾んでいた。
やる事も、やらねばならない事も山積みだ。
「兄さん」
「どうした?」
「素敵なお姉さんを持てて、私は幸せ者です!」
リディア姉さんの箱庭案内は、一言で言えば『ありえない』だった。
伐採エリアは森の宝箱。
採掘エリアはお金発掘エリアとしか言いようがない。
栽培エリアの宝石のなる木の真価を理解していないのか、はたまた宝石自体に興味がないのか、幾つもの安いザルに投げ入れられた煌めく宝石たちは輝いていた。
池の湧き水は透き通っていて、そこから見たい場所を見ることができて、海辺には豊富な魚介類。料理がしたくてうずいて仕方なかった。
やっと普通の栽培している野菜を見ても、リディア姉さん曰く――
「ここのお野菜って、一度植えると枯れないの」
「カレナイノ?」
「うん、枯れないの。全部抜いてしまうと流石に枯れる仕組みみたいだから、一つでも残しておけば永遠に野菜や果物が手に入るの」
「テニハイルノ」
「凄いわよね! 箱庭!」
お姉さんの箱庭ゆえに凄いのか理解が追い付かなくなって、途中から脳が処理しきれなかった。
居住エリアも凄かった。
魔石だって私のような平民からすればホイホイ買える品ではない。
更に上のアイテムって何?
ロストテクノロジー?
そう言えば兄さんがいっていたのは、そのレアスキルの事?
これ、後で兄さんに要確認事項だ。
一通り回って居住エリアの椅子に座り、兄さんも戻ってきたところで紅茶を飲んでリラックス……うん、ただの紅茶じゃないのがヒシヒシと感じられる。
先立って、ロストテクノロジーの事を二人に聞くと、やはりとんでもないレアスキルであることが判明し、尚且つ所有者は即契約されて永遠に働かされるような恐ろしいスキルであることが分かった。
これは、色々不味い。
「さて、リディアお姉さん」
「なあに?」
「ここは危険です。とっても危険です。だから、お姉さんは悪い人に捕まらない様に、箱庭で静かに暮らしましょう。外の事は私と兄さんに任せておけば大丈夫です」
「まぁ!」
「毎日メモ帳を持って池から各店舗の値段チェックいれまくります。それで店舗で売る品物の値段を決めましょう。そこのバランスは私に任せて頂いても宜しいですね?」
「なんて頼もしいのかしら!! ねぇカイル!!」
「ああ! 流石俺の弟だ!」
兄さん一人に任せるより、二人でタッグを組んでおいた方が絶対にいい事案。
それに、店を始めたら金だけがドンドン貯まっていく可能性も視野に入れ、いざという時に動けるように、お金が驚くほど貯まったら、二号店を別の場所で出す方向でも話を決めた。
そもそも、今の王国で何かあった場合、冒険者である兄さんが外で動いてくれれば、例え別の王国に行ったとしても、兄さんの居場所に箱庭を移動させ、そこで生活すればいいだけの話でもある。
それに、この箱庭は自給自足ができてしまうだけの力があった。
寧ろ力を持て余してしまって、宝が溢れかえっているダンジョン状態。
売るものを色々と決めて動かねば、絶対に後で大変な事になるのは明白だ。
そうなると――情報が欲しい。
王都にある一般的な道具屋と言うものを、池の鏡で見せてもらい物と値段のチェックは絶対にしておかないと、ウッカリ知らない物を出せば後で大変な事態に陥るに決まってる。
「兄さん、リディア姉さん」
「はい」
「どうした?」
「私に時間をください。二日で構いません。店に出すアイテムを精査させて欲しいんです。無駄な争いを起こさない為にも必要不可欠な問題です」
私が真面目に答えると、二人はゴクリと唾を呑み込んだ。
「それと、リディア姉さんは魔法付与も出来るとお伺いしました。それでアクセサリーを作ることも出来るんですよね?」
「ええ、簡単な付与なら直ぐにでも」
「モノによっては国宝クラスになりそうなので、作った際には一言お声かけ下さい。後は店舗の中を確認して、売るものがちょっと多いので……そうですね、うん、やっぱり情報が欲しいです」
「うん、情報は必要だな」
「そうね、情報は必要な事だわ」
「最悪、リディアお姉さんと箱庭を寄こせという輩が出てきます。なので、慎重に動きましょう」
「無論だ」
「じゃあ、わたくしは引き続き引き籠り生活ね」
「「お願いします」」
「はーい!」
――こうして、その日の内に正式なブレスレットを作って貰った僕は、その足で店舗を見に向かい、大きな店舗に少々驚きながらも、間取りをメモしながら、今後店舗にする為に必要な棚やショーケースを思い浮かべながら殴り書きの図面を書いていった。
この店もそうだけど、ミスは絶対に出来ない。
一歩間違えれば、兄の命の恩人の命が危険に晒される。
毎日刺激のない日々だったにもかかわらず、これからの日々は常に刺激しかないことに、私は胸が弾んでいた。
やる事も、やらねばならない事も山積みだ。
「兄さん」
「どうした?」
「素敵なお姉さんを持てて、私は幸せ者です!」
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