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94 商店街の皆さんとの話し合いと裏の繋がりと苦悩と。
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次の日――。
商店街にあった店の店主が商業ギルドに集まり、会議を開くことになりましたわ。
今回だけは、わたくしも参加してよいと言うカイルの言葉により、婚約者として参加ですの。
無論ロキシーお姉ちゃんも一緒ですわ。
会議室に入ると、あの商店街のお店の方々が勢ぞろい。
閉まっている店は既に撤退してたようですわね。
「寝具店のダノーンだ」
「飲食店のハグールです」
「洋服店のナルサルです」
「肉屋のジュダーノだ」
「酒屋のバグ」
「八百屋のテグノー」
「皆さん、ようこそお越しくださいました」
「お前さん達か、いや、あなた様達か? あのしなびた商店街を丸ごと買おうって言うダンノージュ侯爵家の方は」
「はい、俺はダンノージュ侯爵の孫、カイルと申します。既に商売については属国となったあちらの方で成功させていますよ」
「敢えて言わせてもらおう。どうせたいした金額の儲けじゃないんだろう? 商売を甘く見てもらちゃ困るぜ」
そう言ってガンを飛ばしてくる商店街の皆様に、ライトさんが笑顔で一か月分の収入を示した書類を別途用意した物を渡すと、皆さん眉を顰めてますわ。
「そちらの書類に書いてあるのが、属国となった方にある俺の店の一カ月の売上金額です」
「は」
「は?」
「は―――??」
「は、では分かりませんわ。皆さまあれ程わたくしたちにガン飛ばしてきたんですもの、もっと売り上げは凄いんですのよね? これの倍はありますでしょうか?」
わたくしが笑顔で問いかけると皆さんは口を閉じられましたが、わたくしの口は閉じません事よ。
「肉屋のジュダーノさんの所は、人気が多かったですわ。頑張っていらっしゃるのね」
「そりゃぁ祖父の代からずっと肉屋してんだ。肉の質には何時も拘って悪いものは出さねぇ。仕入れ先との提携も上手くいっている。どこぞの八百屋と違ってな」
「うるせーぞ!」
「そうでしょうとも、そうでしょうとも。八百屋の野菜を見ましたけれど、アレは酷いですわね。野菜が全部古いのが分かりましたわ。あれでは売れませんわよ」
「く……」
「しかも、その両者のお店と提携してらっしゃる飲食店、ハグールさんは中々料理が出せないのではなくって? 素材が美味しくなければどうしても味は落ちますもの。それとも他に理由が?」
「う……お袋の跡を継いだんですが……オレ、料理スキル持ってなくて」
「料理スキルが無いのにがんばってらっしゃると。つまりはそういうことですわね?」
「いえ……頑張ってません……でした」
「そうですか。では次に寝具店と洋服店のダノーンさんとナルサルさん」
「「はい」」
「あなた方は、ある問題が片付いたら、うちの商品を取り扱うべく業務提携して頂けると助かりますわ。うちの箱庭にいる内部処理班が作る洋服を売ったり、後はそちらでも布と糸を用意しますから作って貰ったりですわね」
「そいつは有難いが……」
「そんなに売れるものなんでしょうか?」
「あなた方、今のままで良いと思っていらっしゃるなら辞めて頂いて構いません事よ」
「「「「……」」」」
わたくしの一言により、肉屋以外の店が黙り込んでしまいましたわ。
余程働きたくないのか、それほど不自由をしていないのか、それとも――。
「そういや、調べによると肉屋以外は酒場通りにある道具屋と手を組んでるらしいねぇ。こいつは頂けないんじゃないかい? どう思うカイル」
「ええ、俺もそこは気にしていました。手を組んでいらっしゃるから多少、いいえ、仕事をしなくともある程度金が入る。そう言う事ですよね? そう言う方は一斉に辞めてもらいます」
「「「そんな!」」」
「俺の店は道具店ですよ? それなのに他の道具屋と懇意にしつつ裏で金を貰うような輩を隣に置くわけ無いでしょう? 結構です、肉屋以外は辞めて頂きましょう」
「……俺だってな、酒を売りたいんだよ」
そんな時でしたわ。
酒屋のバグさんが小さな声をボソリと呟かれました。
商店街にあった店の店主が商業ギルドに集まり、会議を開くことになりましたわ。
今回だけは、わたくしも参加してよいと言うカイルの言葉により、婚約者として参加ですの。
無論ロキシーお姉ちゃんも一緒ですわ。
会議室に入ると、あの商店街のお店の方々が勢ぞろい。
閉まっている店は既に撤退してたようですわね。
「寝具店のダノーンだ」
「飲食店のハグールです」
「洋服店のナルサルです」
「肉屋のジュダーノだ」
「酒屋のバグ」
「八百屋のテグノー」
「皆さん、ようこそお越しくださいました」
「お前さん達か、いや、あなた様達か? あのしなびた商店街を丸ごと買おうって言うダンノージュ侯爵家の方は」
「はい、俺はダンノージュ侯爵の孫、カイルと申します。既に商売については属国となったあちらの方で成功させていますよ」
「敢えて言わせてもらおう。どうせたいした金額の儲けじゃないんだろう? 商売を甘く見てもらちゃ困るぜ」
そう言ってガンを飛ばしてくる商店街の皆様に、ライトさんが笑顔で一か月分の収入を示した書類を別途用意した物を渡すと、皆さん眉を顰めてますわ。
「そちらの書類に書いてあるのが、属国となった方にある俺の店の一カ月の売上金額です」
「は」
「は?」
「は―――??」
「は、では分かりませんわ。皆さまあれ程わたくしたちにガン飛ばしてきたんですもの、もっと売り上げは凄いんですのよね? これの倍はありますでしょうか?」
わたくしが笑顔で問いかけると皆さんは口を閉じられましたが、わたくしの口は閉じません事よ。
「肉屋のジュダーノさんの所は、人気が多かったですわ。頑張っていらっしゃるのね」
「そりゃぁ祖父の代からずっと肉屋してんだ。肉の質には何時も拘って悪いものは出さねぇ。仕入れ先との提携も上手くいっている。どこぞの八百屋と違ってな」
「うるせーぞ!」
「そうでしょうとも、そうでしょうとも。八百屋の野菜を見ましたけれど、アレは酷いですわね。野菜が全部古いのが分かりましたわ。あれでは売れませんわよ」
「く……」
「しかも、その両者のお店と提携してらっしゃる飲食店、ハグールさんは中々料理が出せないのではなくって? 素材が美味しくなければどうしても味は落ちますもの。それとも他に理由が?」
「う……お袋の跡を継いだんですが……オレ、料理スキル持ってなくて」
「料理スキルが無いのにがんばってらっしゃると。つまりはそういうことですわね?」
「いえ……頑張ってません……でした」
「そうですか。では次に寝具店と洋服店のダノーンさんとナルサルさん」
「「はい」」
「あなた方は、ある問題が片付いたら、うちの商品を取り扱うべく業務提携して頂けると助かりますわ。うちの箱庭にいる内部処理班が作る洋服を売ったり、後はそちらでも布と糸を用意しますから作って貰ったりですわね」
「そいつは有難いが……」
「そんなに売れるものなんでしょうか?」
「あなた方、今のままで良いと思っていらっしゃるなら辞めて頂いて構いません事よ」
「「「「……」」」」
わたくしの一言により、肉屋以外の店が黙り込んでしまいましたわ。
余程働きたくないのか、それほど不自由をしていないのか、それとも――。
「そういや、調べによると肉屋以外は酒場通りにある道具屋と手を組んでるらしいねぇ。こいつは頂けないんじゃないかい? どう思うカイル」
「ええ、俺もそこは気にしていました。手を組んでいらっしゃるから多少、いいえ、仕事をしなくともある程度金が入る。そう言う事ですよね? そう言う方は一斉に辞めてもらいます」
「「「そんな!」」」
「俺の店は道具店ですよ? それなのに他の道具屋と懇意にしつつ裏で金を貰うような輩を隣に置くわけ無いでしょう? 結構です、肉屋以外は辞めて頂きましょう」
「……俺だってな、酒を売りたいんだよ」
そんな時でしたわ。
酒屋のバグさんが小さな声をボソリと呟かれました。
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