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第三章 結婚して新たな人生のスタートには波乱がつきもので!?
第44話 婚約破棄とシンデレラストーリーと嫌がらせ
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そんなある日、僕は城にて仕事をしているとダリュシアーン様より相談事を受ける事となる。それは――ご自分の婚約者に関しての悩みだった。
ダリュシアーンの婚約者は、貴族令嬢ではあるものの、性格の不一致で殆ど一緒にいないのだという。
だが、彼女本人は「わたくしが次の王妃よ!」と横暴な態度に出ているらしく、頭を悩ませているらしい。
「そんな貴族の娘を次の王妃には出来ません」
そうハッキリ僕が言うと、ムギーラ王もダリュシアーンも「そうだな……」と溜息を吐いた。
「国母となる方がそれでは困ります。違う方はいらっしゃらないんですか?」
「いるにはいるんだが」
「だが何です?」
「一度婚約破棄されているんだ」
事情を聞けば、なんでもダリュシアーンの学園時代に婚約者破棄騒動があり、その際の女性と仲良くしているのだという。
男性側に問題のある婚約破棄だったらしく、令嬢はその余波を受けて未だに結婚していないらしい。
だが、ダリュシアーンを今まで無償の愛で支えてきてくれた女性であることや、その国母予定の女から「あなたは結婚も子供も無理ね」といじめを受けている事も知り、直ぐに今の婚約者との婚約破棄をするように伝えた。
すると――。
「だが、貴族というのはしがらみが多い。なんといってやめさせればいいやら」
「国母に向いていない女性だと僕に判断されたと伝えてください。文句があるなら口で叩き潰しますし、物理でも叩き潰しても構いません」
「「ああ、マリリンに潰させるのか……」」
僕の後ろでいい笑顔でニカッと笑うマリリンに「その時はお願いしますね」と伝えると、「多少なりともそういう輩との経験はある」と言ってくれたので心強い。
「それから、新しい婚約者にその婚約破棄された女性を推薦します。これも僕の名を使って構いません」
「ありがとうカズマ……」
「何のしがらみもない、寧ろしがらみを好きに扱えるレディー・マッスルのマリリンの夫となると、流石にな。あらゆる依頼をしているのに、依頼を受けさせてもらえなく案る可能性が高い場所に、文句は早々出しにくいだろう」
「出してくれても構わんがな! その時はその領に誰も冒険者が行かないというだけの話だ!」
「強いモンスターが出たら領は終わりますな」
そう会話しつつ、今後の事を決めてからダリュシアーンは翌日には今の婚約者とは性格の不一致を理由に婚約破棄。
無論あちらの伯爵家は大いに反論してきたらしいが、「国母となるのにその心が出来ていない。他者を陥れる国母など必要なし」とムギーラ王からの書状を貰い、正式な婚約破棄となった。
また、他人を陥れる国母は要らないと指摘をしたのは僕であることも語られた。
伯爵家は歯を食い縛りながら怒りを露わにしていたようだが、レディー・マッスルの面々を敵に回すのは得策では無しと考えたようだ。
反対に、ダリュシアーンを支えていた伯爵令嬢には、新たな婚約者として申し出をし、今は妃としての修行に励んで貰っている。
正にシンデレラストーリーで、前の女性よりも妃修行は進んで早いそうだ。
そして意外な事に、その妃となるメルカラは、マリリンと仲が良かった。
「今日はメルカラとこの世界の一夫多妻制について語り合ってきた」
「ああ、貴族の間でも妻は一人って珍しいらしいね。ムギーラ王もマギラーニ宰相も一人だけど」
「うむ、お父様はお母様一途だからな。今頃兄を家に呼び戻せないか色々考えているだろうが、それは置いとくとして」
「置いておくんだ」
「一夫多妻が悪いとは言わない。それだけの財力があれば男は綺麗な女性を何人も傍に置きたいだろうと。それはオスとしての本能であり、抗う事の出来ない宿命ではないだろうかという討論をしてきた訳だ。実際ハーレムPTなんてのもあった訳だしな」
「なるほど」
やはりこの異世界では、一夫多妻は当たり前のようにある事らしい。
一夫一妻制は聞いたことが無かったようだ。
ただ――。
「規律の厳しい島国が一つあるのだが、そこは一夫一妻制が導入されている」
「なるほど」
「他国との交易がない分、どのような島国かはあまり知られていないがな」
「なるほどねぇ……。僕のいた世界だと一夫一妻制が当たり前の国で育ったから、僕はマリリン以外の女性を妻には持たないよ」
「カズマッ!」
「それに、マリリンを超える女性がいるとは信じられないからね」
素晴らしい筋肉だるまの肉体美、堀の深い覇王のような顔、まぁ確かに『ミセス・マッチョス』さんたちも近しいと言えば近しかったけれど、それとは別の位置に君臨しているのがマリリンだ。
「つまり、オンリーワンって事だね」
「カズマアアアア!!」
熱い、死を意味する抱擁が繰り出されようとしたその時!
ドアがノックされマリリンが止まり、僕の死は免れた……。
「はい」
「失礼します旦那様、お客様です」
「客? 僕は誰とも約束はしてないけれど」
「ダリュシアーン様の元婚約者であらせられる、ダメリシア様ですね」
「話すことは無い、帰って貰ってくれ」
「しかし、あちら帰らないと言っておりまして」
「家の中には入れていないね?」
「はい」
「なら門は閉めたままでそのまま。僕は会う義理がないともう一度伝えてきてくれ」
「畏まりました」
ダメリシアは最近僕が返ってくる時間になると、決まって嫌がらせに来るようになった。
そこでこちらも嫌がらせを返すべくこうしているのだ。
その内勝手に帰るだろう。そう思って放置していた。
その結果――。
ダリュシアーンの婚約者は、貴族令嬢ではあるものの、性格の不一致で殆ど一緒にいないのだという。
だが、彼女本人は「わたくしが次の王妃よ!」と横暴な態度に出ているらしく、頭を悩ませているらしい。
「そんな貴族の娘を次の王妃には出来ません」
そうハッキリ僕が言うと、ムギーラ王もダリュシアーンも「そうだな……」と溜息を吐いた。
「国母となる方がそれでは困ります。違う方はいらっしゃらないんですか?」
「いるにはいるんだが」
「だが何です?」
「一度婚約破棄されているんだ」
事情を聞けば、なんでもダリュシアーンの学園時代に婚約者破棄騒動があり、その際の女性と仲良くしているのだという。
男性側に問題のある婚約破棄だったらしく、令嬢はその余波を受けて未だに結婚していないらしい。
だが、ダリュシアーンを今まで無償の愛で支えてきてくれた女性であることや、その国母予定の女から「あなたは結婚も子供も無理ね」といじめを受けている事も知り、直ぐに今の婚約者との婚約破棄をするように伝えた。
すると――。
「だが、貴族というのはしがらみが多い。なんといってやめさせればいいやら」
「国母に向いていない女性だと僕に判断されたと伝えてください。文句があるなら口で叩き潰しますし、物理でも叩き潰しても構いません」
「「ああ、マリリンに潰させるのか……」」
僕の後ろでいい笑顔でニカッと笑うマリリンに「その時はお願いしますね」と伝えると、「多少なりともそういう輩との経験はある」と言ってくれたので心強い。
「それから、新しい婚約者にその婚約破棄された女性を推薦します。これも僕の名を使って構いません」
「ありがとうカズマ……」
「何のしがらみもない、寧ろしがらみを好きに扱えるレディー・マッスルのマリリンの夫となると、流石にな。あらゆる依頼をしているのに、依頼を受けさせてもらえなく案る可能性が高い場所に、文句は早々出しにくいだろう」
「出してくれても構わんがな! その時はその領に誰も冒険者が行かないというだけの話だ!」
「強いモンスターが出たら領は終わりますな」
そう会話しつつ、今後の事を決めてからダリュシアーンは翌日には今の婚約者とは性格の不一致を理由に婚約破棄。
無論あちらの伯爵家は大いに反論してきたらしいが、「国母となるのにその心が出来ていない。他者を陥れる国母など必要なし」とムギーラ王からの書状を貰い、正式な婚約破棄となった。
また、他人を陥れる国母は要らないと指摘をしたのは僕であることも語られた。
伯爵家は歯を食い縛りながら怒りを露わにしていたようだが、レディー・マッスルの面々を敵に回すのは得策では無しと考えたようだ。
反対に、ダリュシアーンを支えていた伯爵令嬢には、新たな婚約者として申し出をし、今は妃としての修行に励んで貰っている。
正にシンデレラストーリーで、前の女性よりも妃修行は進んで早いそうだ。
そして意外な事に、その妃となるメルカラは、マリリンと仲が良かった。
「今日はメルカラとこの世界の一夫多妻制について語り合ってきた」
「ああ、貴族の間でも妻は一人って珍しいらしいね。ムギーラ王もマギラーニ宰相も一人だけど」
「うむ、お父様はお母様一途だからな。今頃兄を家に呼び戻せないか色々考えているだろうが、それは置いとくとして」
「置いておくんだ」
「一夫多妻が悪いとは言わない。それだけの財力があれば男は綺麗な女性を何人も傍に置きたいだろうと。それはオスとしての本能であり、抗う事の出来ない宿命ではないだろうかという討論をしてきた訳だ。実際ハーレムPTなんてのもあった訳だしな」
「なるほど」
やはりこの異世界では、一夫多妻は当たり前のようにある事らしい。
一夫一妻制は聞いたことが無かったようだ。
ただ――。
「規律の厳しい島国が一つあるのだが、そこは一夫一妻制が導入されている」
「なるほど」
「他国との交易がない分、どのような島国かはあまり知られていないがな」
「なるほどねぇ……。僕のいた世界だと一夫一妻制が当たり前の国で育ったから、僕はマリリン以外の女性を妻には持たないよ」
「カズマッ!」
「それに、マリリンを超える女性がいるとは信じられないからね」
素晴らしい筋肉だるまの肉体美、堀の深い覇王のような顔、まぁ確かに『ミセス・マッチョス』さんたちも近しいと言えば近しかったけれど、それとは別の位置に君臨しているのがマリリンだ。
「つまり、オンリーワンって事だね」
「カズマアアアア!!」
熱い、死を意味する抱擁が繰り出されようとしたその時!
ドアがノックされマリリンが止まり、僕の死は免れた……。
「はい」
「失礼します旦那様、お客様です」
「客? 僕は誰とも約束はしてないけれど」
「ダリュシアーン様の元婚約者であらせられる、ダメリシア様ですね」
「話すことは無い、帰って貰ってくれ」
「しかし、あちら帰らないと言っておりまして」
「家の中には入れていないね?」
「はい」
「なら門は閉めたままでそのまま。僕は会う義理がないともう一度伝えてきてくれ」
「畏まりました」
ダメリシアは最近僕が返ってくる時間になると、決まって嫌がらせに来るようになった。
そこでこちらも嫌がらせを返すべくこうしているのだ。
その内勝手に帰るだろう。そう思って放置していた。
その結果――。
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