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婆さんは若返り、銃を片手に冒険者を狩ってレベルアップだよ!!

第14話 隠し扉のお宝ザクザク! トリスのステータスはエグかった

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 今回得た宝は多い。
 中層で隠し扉3つ、上層で隠し扉2つだ。
 中層で出たお宝からはアクセサリーが出てきた。
『命中率を上げるブローチ』『幸運を上げるブローチ』それに『会心の一撃』と言うスキルを覚える巻物が一つ。
 何でも巻物は何でもお高いらしく、スキルスクロールは特に高いらしい。
 特に『会心の一撃』なんかとんでもない値段がつくそうで、トッシュが興奮しきりだった。


「これをキヌ姉様が二つのブローチをつけて会心の一撃を覚えれば、それはもう最高最強ですよ!! 是非是非、使いましょう!!」
「といっても、アタシの攻撃は必ず大体当たってるよ?」
「勇者は幸運値が高いらしいんです。もし当たらないなんて事になったら面倒ですし」
「ああ、なるほど。勇者を狙うなら確かにアタシの強化も必要だねぇ」
「はい!!」
「キヌ様、わたくしもトッシュに賛成ですわ」
「我も、キヌの強化に賛成成り」


 全員から言われちゃ仕方ないねぇ……。
 しかし勇者は幸運値が高いのか……その幸運へし折ってやるか消してやりたいね!!
 そんなスキル持ってる奴がいたら直ぐ仲間にするんだが……レアだろうし早々いないだろうね。
 対勇者用スキル持ちなんて、何処かにいないかねぇ?
 取り敢えずアタシがその一任を背負えばいいか。そう思い二つのブローチをつけ、『会心の一撃』を覚えるスキルスクロールを使った。
 途端シャボン玉のようになって消えたが、アタシのスキルボードには確かに『会心の一撃』は入ってるようだ。

 次に上層で得た宝箱二つから出たのは、両方共に『スキルポイント上昇の実』だった。
 全部で10粒。一つ使えば10ポイントのスキルポイントを得ることが出来るこの実に関しては、今使うのは保留と言う事になった。
 無論『スキルポイント上昇の実』以外にも、金貨や金塊がザックザクだったね!!
 美味しいったらありゃしない!!
 お陰で金塊用の金庫を作ったくらいさ!
 この世界でも金塊はかなりの高額で売れるからねぇ……。持つべきものは頼りになる相棒たちと金だね!!


「キヌ様は魔王領で新しい魔族の街をお創りになりたいのよね」
「そうさ、スキルがあるんだから色々ど派手にね!」
「ど派手な街ですか……」
「そう……。人間どもが態々足蹴なく通いたくなるような魅惑の街を作るのさ」
「「魅惑の街」」


 いまいちピンと来ていないお子様二人に、アタシはニヤリとしながらこう口にする。


「人間ってのは、金がないと生きていけない。信用がないと生きていけない。それらをぶっ潰すには最適だろうよ」
「そ、そこまでですの?」
「そうさ、扱き下ろすならトコトンってのが信条」
「「うわぁ……」」
「キヌ殿、とてもいい笑顔です成り」
「んふふ」


 その為にはまだまだ金は必要。無論魔王として魔族や魔物が言う事を聞く為にはレベルも必要。どっちにしても冒険者と言う経験値にもなって良い金蔓を倒すのは責務と言える。
 それに……勇者が来るというのなら、派手に殺して曾孫を救い出したいね……。


「勇者の分際でアタシの大事な可愛い曾孫を奴隷として使ってるなら、街中で派手に殺してやろうか」
「キヌ様……」
「キヌ姉様……」
「天晴れ! 我、見とうなった!」
「ふふ……あははははは!! そうだねぇ。キッチリ脳天突き破ってやらないと気が済まないねぇ!! タリス! アンタに命令だよ! アンタの強さなら町まで行って情報収集位出来るだろ。何時勇者が来るのか探ってきな!!」
「良かろう! 我、そなたの考えに激しく同意成り! 『分裂』!!」


 そう言うとタリスは2匹に増え、一匹が物凄い速さで走って行った。いや、這って行ったというべきかね??
 その間にアイテム整理を続けていると1時間もすればタリスが「フンフン」と口にし出した。


「魔王よ、朗報だ。明日の朝勇者が上の町に到着予定だそうだ」
「へぇ……なら、派手に朝からダンジョンボスを倒すかい」
「我も手伝おう。そなた達でも苦戦はしよう」
「そうだねぇ、銃が効かない相手となると厄介だね」
「銃には多数の弾丸を打ち込めたり、火や氷を使える奴はありませんの?」


 その問いにアタシは「氷は無いが炎はあるねぇ」と伝え、更に散弾銃と呼ばれるショットガンに電動ガンと言ったものも存在するし、何より玉だ。
 勇者にはホローポイント弾かダムダム弾を使いたい。
 貫通させるのもいいが、脳を破裂させるのもいいだろう。
 奴等にはお似合いの死に方さね……慈悲はない。


「直ぐ曾孫をキャンピングカーに入れて走行したいが、誰かキャンピングカーを運転出来るかねぇ」
「我、出来る成り」
「マジかい」
「隣で見ておった。しっかり学習した成り」
「なら、イチかバチか任せてみようかね」
「運転荒いが、ご愛敬成り」
「ははは! モンスターが運転するんだ荒くて結構! アタシが3人を撃ち殺したらもう一匹で生き残ったのをキャンピングカーに引き込めるかい?」
「我、有能成り!!!」


 よしよし、意外な所でタリスが役に立ちそうだねぇ。
 レジェンドモンスターだし早々死にやしない。
 一応タリスを鑑定して見た所――。

『タリス:トッシュタリスがテイムしたレジェンドスライム・キヌを主と認めつつある』
【分裂】【学習能力】【物まね】【キャリアカーの運転】【身体を固くする(オリハルコンまでなら硬くなる)】【弾く(魔法や攻撃を弾く)】【吸収】【溶かす】【押し潰し】【叩き潰す】【八つ裂きにする】【突き殺す】【回復魔法10】【治療魔法10】【生活魔法10】


 ……意外とエグイね。
 トッシュが無事テイムしてくれたお陰で助かった。
 しかし、アタシを主と認めつつあるのか……カリスマなんて持ってなかったけどねぇ。


「よし、サッサと飯にして風呂入って、明日の英気を養うために甘い物でも食べて早めに寝ようかね!」
「魔王よ」
「なんだいタリス」
「我、甘いお菓子を所望する成り」


 ……コイツがアタシを主と認めようとしてるのは、食い物の所為かね?
 そう思ったが、「明日はしっかり働いて貰うから特別な甘いのをあげるよ」と伝えると激しく喜んで煩かったが、料理の準備はいつも通り手伝ってくれた。
 そして食事を終えるとアタシの物まねなのか『生活魔法』で食器を洗って乾燥させ、拠点の掃除も軽くするとタリスが凄い勢いで終わらせてくれたので楽が出来た。

 一家に一匹タリスは良いかも知れない。
 と思っていたが――。


「何でずっと2匹なのさ」
「我、ご契約、して、欲しいゆえ?」


 そう言ってタリスから分裂していたレジェンドスライムに無理やり契約をさせられ、レジェンドスライムのタリスの分身が従魔となった。
 名は【トリス】とした。
 タリスにトリス……分かりやすいしいいじゃないかい?
 そんな事を思いつつ、トリスのスキルを見るとタリスと同じだった。
 これ以上分裂しない事を祈ったのは言う迄も無いねぇ。
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