64 / 74
アタシの魔王たる器をみせてやろうかね!!
第65話 【獣人国】へ向かう決意をしたキヌ様と、人知れず流した涙……
しおりを挟む
以前考えていたプラン通り、人間国へど派手にダメージをぶつける事が出来た。
前魔王の弔い合戦も入ったこのやり方には随分と時間は掛ったが、一番の狙いであった【スタンピード】を起こすことは出来たのだから御の字だろう。
更に王国の国庫を食いつぶしてやった。
人間ってのは、金がないと生きていけない、信用がないと生きていけない。
だが国だって金がないと成り立たない、信用がないと他国から攻め入られる。
アタシが何かをする前に、人間国は亡ぶだろうよ。
放っておいても狙っている国ならあるだろう。
たった一つ……『獣人国』が。
これまでアタシへの挨拶も無ければ、静かに何かの機会を伺っていたのは知っている。
恐らく獣人だけの連絡網でもあるのだろう。人間国がアタシにしてやられた所を横から搔っ攫う。それくらいの真似事くらいはしてくれそうだ。
だが、直ぐには掻っ攫わない。
ある程度復興したのを見計らって人間国に攻め入るだろう。
冒険者のいない今が一番の狙い目なのだから。
だからと言って、横やりを入れられようとも今更気にしやしない。
アタシは人間国を支配したい訳でも何でもない。
ただ、仇を討っておきたかったという個人的な感情でも動いている。
たった一人の肉親であった曾爺様を失ったピアリアにとって、この人間国への仇討こそが、自分を動かす動力源でもあっただろう。
「どうだいピア、曾爺様の仇討は出来たかい?」
「ええ、街と言う街は崩壊し、屍の山が積み上げられていたのでしょう? スタンピードは一度起こると止められないと聞きますものね。魔物が、魔族が理性を失い人間を襲い、人間国は最早赤子の首を捻るよりも簡単に崩れるような状態ですもの」
「で、これからどうしたい?」
「もう仇討も出来たも同然。後は煮るなり焼くなり、好きに無さってかまいませんわ」
どうやらピアは満足したようで、落ち着いた笑顔で微笑んで小さく「曾爺様、仇討しましたわよ」と呟いていた。
「さて、ここからの事を話し合おうかね。恐らくだが人間国は亡ぶ」
「「「!?」」」
「未だにアタシに連絡すらしてこない国が一つだけあるだろう?」
「あっ! 獣人国っ!」
「そう、獣人国は冒険者のいない今を狙って人間国を襲うだろうね。今でジッと機会を伺っていただけに過ぎない。そして、アタシ達の邪魔をしないようにしていたんだろうさ。それに再来年には飢饉の年がやってくる……。残っている作物などを人間から奪うには最適だろうよ」
「それは略奪ですわ!」
そう叫んだピアに「スタンピードを起こさせたアタシ達よりは、うんと良心的だと思うがね?」と告げると、「確かにそれもそうですわね……」と考え直したようだ。
「栄華を誇っていた人間国を守護する天使国がどう動くかは分からないが、獣人国は必ず人間国を襲うだろう。その際、天使族と獣人族とで争いは起きるだろうね」
「「「……」」」
「勇者たちを元の世界に戻した後は、暫く誰も召喚されないと思いたいがね」
「召喚に適しているのは、本来天使族なんです」
「そうなのかい?」
どこの国でもできる召喚なのかと思っていたら、なんと天使族が最も得意な召喚魔法らしい。ピアには天使族の血が流れて居るからこそ、アタシを【魔王召喚】出来たのだと初めて教えてくれた。
「と言う事は、天使族が異世界転移をさせる可能性はあるってことか」
「もしくは異世界転生ですわね」
「そうなると、今度は天使国と獣人国とでやり合うのかねぇ」
「恐らくはそうなると思いますわ」
「ちょっと待っておくれ。獣人国とやり合うにしても、中間地点は」
「魔王領ですわ♪」
「被害がこっちにも来やしないかね?」
「恐らく来ますわ」
「は――……面倒だねぇ」
思わず頭を抱えて返事を返すと、今後の事に頭を悩ませないと行けないみたいだねぇ。
少なくとも、どちらの仲間にもならないという方が一番楽なんだが、獣人国は同盟国でもある。
しかし、前回の魔王の時等、ただ守って貰うばかりで救援要請しても動くことは無かったと聞いている。
ならばこちらも動く義理はない。
困った時だけ尾を巻いてすり寄ってくるような者など、アタシとしても気に入らない。必要ない愚か者だよ。
ましてや、罪を擦り付けてくる場合は――万死に値する。
まぁ、獣人国はそんな真似しないとは思うが……。
「誰か、今の獣人国について知っている者はいるかい?」
「同盟国ではありますが、ほぼ断交していると言って過言ではないのです」
「やっぱりそうかい……」
嫌な予感はしたんだよ。
恐らく魔族であるアタシ等と獣人国は『同盟国でありながら断交状態にある』可能性は、何となくだが感じていた。
これじゃ一から情報を仕入れるしかないか……。
いや、トッシュとフォルがいるね……。
今のうちにフォルの家に保護しているという事だけは伝えに行ってもいいかもしれない。
寧ろ、今が最後のチャンスだろう。
「よし、勇者達をどうにか日本に帰した後は、フォルを連れて獣人国に行くよ。表向き同盟国ならば、表向き、歓迎はしてくれるだろうさ」
「ええ、表向きは……ですね」
こうして明日の昼、魔王城に勇者と魔法使いをカナデに呼んできて貰う事になり、手っ取り早く済ませたい為、フォルには朝から魔王城に来ていて貰おう。
離縁させるにはサッサとさせるに越したことは無いし、何より禊の時間を早めに終わらせて貰わないと困る。
まだまだやる事はあるねぇ……。
「仕方ない。やる事は沢山あるが、今日くらいはパーッと温泉貸切って宴でも開こうかね!!」
「貸切るんですか!?」
「ど派手にね!!」
「俺もど派手に参加していいんだろうか?」
「ドワーフ王もしっかり戦ってただろう? 無論だよ」
こうして直ぐにローダンが二階にある『温泉宿を魔王が一日貸切る』という連絡を入れてくれたおかげで、泊まりの客も今日の朝捌けたばかりらしく、運よく貸切る事が出来た。
美味しい料理に美味しい酒で舌鼓を打ち、最高の温度の温泉で疲労回復と若返り……最高だね!!
まずは一つ終わらせたんだ。
一日グッスリ眠って、一つずつ面倒事を片づけて行こう。
あーあ、こんな時こそ爺様がいてくれたら楽なんだけどねぇ……。
「……いない者を考えても仕方ないか」
「どうか致しまして?」
「いんや、ただの他愛のない愚痴だよ。気にしなさんな」
たった70年で終わった爺様の命。
爺様は最後まで戦った。生きる為に必死に戦った。
だが、助かったのは爺様が命がけで助けた女の子だけで、爺様の命は救われることが無かった。
爺様があの日、交通事故に巻き込まれなければ……まだ長生きだっただろう。
あの日、アタシの誕生日で……たまたま欲しいものがあったから、それをポロリと口にしたから、爺様は歩いて行ってしまった。
あの時引き留めていれば。
あの時、ポロリと口にしなければ。
あの時、あの時――アタシの誕生日で無ければ。
流れる涙を隠すように湯をすくって顔を洗い、天井を見つめて大きく息を吐いた――。
前魔王の弔い合戦も入ったこのやり方には随分と時間は掛ったが、一番の狙いであった【スタンピード】を起こすことは出来たのだから御の字だろう。
更に王国の国庫を食いつぶしてやった。
人間ってのは、金がないと生きていけない、信用がないと生きていけない。
だが国だって金がないと成り立たない、信用がないと他国から攻め入られる。
アタシが何かをする前に、人間国は亡ぶだろうよ。
放っておいても狙っている国ならあるだろう。
たった一つ……『獣人国』が。
これまでアタシへの挨拶も無ければ、静かに何かの機会を伺っていたのは知っている。
恐らく獣人だけの連絡網でもあるのだろう。人間国がアタシにしてやられた所を横から搔っ攫う。それくらいの真似事くらいはしてくれそうだ。
だが、直ぐには掻っ攫わない。
ある程度復興したのを見計らって人間国に攻め入るだろう。
冒険者のいない今が一番の狙い目なのだから。
だからと言って、横やりを入れられようとも今更気にしやしない。
アタシは人間国を支配したい訳でも何でもない。
ただ、仇を討っておきたかったという個人的な感情でも動いている。
たった一人の肉親であった曾爺様を失ったピアリアにとって、この人間国への仇討こそが、自分を動かす動力源でもあっただろう。
「どうだいピア、曾爺様の仇討は出来たかい?」
「ええ、街と言う街は崩壊し、屍の山が積み上げられていたのでしょう? スタンピードは一度起こると止められないと聞きますものね。魔物が、魔族が理性を失い人間を襲い、人間国は最早赤子の首を捻るよりも簡単に崩れるような状態ですもの」
「で、これからどうしたい?」
「もう仇討も出来たも同然。後は煮るなり焼くなり、好きに無さってかまいませんわ」
どうやらピアは満足したようで、落ち着いた笑顔で微笑んで小さく「曾爺様、仇討しましたわよ」と呟いていた。
「さて、ここからの事を話し合おうかね。恐らくだが人間国は亡ぶ」
「「「!?」」」
「未だにアタシに連絡すらしてこない国が一つだけあるだろう?」
「あっ! 獣人国っ!」
「そう、獣人国は冒険者のいない今を狙って人間国を襲うだろうね。今でジッと機会を伺っていただけに過ぎない。そして、アタシ達の邪魔をしないようにしていたんだろうさ。それに再来年には飢饉の年がやってくる……。残っている作物などを人間から奪うには最適だろうよ」
「それは略奪ですわ!」
そう叫んだピアに「スタンピードを起こさせたアタシ達よりは、うんと良心的だと思うがね?」と告げると、「確かにそれもそうですわね……」と考え直したようだ。
「栄華を誇っていた人間国を守護する天使国がどう動くかは分からないが、獣人国は必ず人間国を襲うだろう。その際、天使族と獣人族とで争いは起きるだろうね」
「「「……」」」
「勇者たちを元の世界に戻した後は、暫く誰も召喚されないと思いたいがね」
「召喚に適しているのは、本来天使族なんです」
「そうなのかい?」
どこの国でもできる召喚なのかと思っていたら、なんと天使族が最も得意な召喚魔法らしい。ピアには天使族の血が流れて居るからこそ、アタシを【魔王召喚】出来たのだと初めて教えてくれた。
「と言う事は、天使族が異世界転移をさせる可能性はあるってことか」
「もしくは異世界転生ですわね」
「そうなると、今度は天使国と獣人国とでやり合うのかねぇ」
「恐らくはそうなると思いますわ」
「ちょっと待っておくれ。獣人国とやり合うにしても、中間地点は」
「魔王領ですわ♪」
「被害がこっちにも来やしないかね?」
「恐らく来ますわ」
「は――……面倒だねぇ」
思わず頭を抱えて返事を返すと、今後の事に頭を悩ませないと行けないみたいだねぇ。
少なくとも、どちらの仲間にもならないという方が一番楽なんだが、獣人国は同盟国でもある。
しかし、前回の魔王の時等、ただ守って貰うばかりで救援要請しても動くことは無かったと聞いている。
ならばこちらも動く義理はない。
困った時だけ尾を巻いてすり寄ってくるような者など、アタシとしても気に入らない。必要ない愚か者だよ。
ましてや、罪を擦り付けてくる場合は――万死に値する。
まぁ、獣人国はそんな真似しないとは思うが……。
「誰か、今の獣人国について知っている者はいるかい?」
「同盟国ではありますが、ほぼ断交していると言って過言ではないのです」
「やっぱりそうかい……」
嫌な予感はしたんだよ。
恐らく魔族であるアタシ等と獣人国は『同盟国でありながら断交状態にある』可能性は、何となくだが感じていた。
これじゃ一から情報を仕入れるしかないか……。
いや、トッシュとフォルがいるね……。
今のうちにフォルの家に保護しているという事だけは伝えに行ってもいいかもしれない。
寧ろ、今が最後のチャンスだろう。
「よし、勇者達をどうにか日本に帰した後は、フォルを連れて獣人国に行くよ。表向き同盟国ならば、表向き、歓迎はしてくれるだろうさ」
「ええ、表向きは……ですね」
こうして明日の昼、魔王城に勇者と魔法使いをカナデに呼んできて貰う事になり、手っ取り早く済ませたい為、フォルには朝から魔王城に来ていて貰おう。
離縁させるにはサッサとさせるに越したことは無いし、何より禊の時間を早めに終わらせて貰わないと困る。
まだまだやる事はあるねぇ……。
「仕方ない。やる事は沢山あるが、今日くらいはパーッと温泉貸切って宴でも開こうかね!!」
「貸切るんですか!?」
「ど派手にね!!」
「俺もど派手に参加していいんだろうか?」
「ドワーフ王もしっかり戦ってただろう? 無論だよ」
こうして直ぐにローダンが二階にある『温泉宿を魔王が一日貸切る』という連絡を入れてくれたおかげで、泊まりの客も今日の朝捌けたばかりらしく、運よく貸切る事が出来た。
美味しい料理に美味しい酒で舌鼓を打ち、最高の温度の温泉で疲労回復と若返り……最高だね!!
まずは一つ終わらせたんだ。
一日グッスリ眠って、一つずつ面倒事を片づけて行こう。
あーあ、こんな時こそ爺様がいてくれたら楽なんだけどねぇ……。
「……いない者を考えても仕方ないか」
「どうか致しまして?」
「いんや、ただの他愛のない愚痴だよ。気にしなさんな」
たった70年で終わった爺様の命。
爺様は最後まで戦った。生きる為に必死に戦った。
だが、助かったのは爺様が命がけで助けた女の子だけで、爺様の命は救われることが無かった。
爺様があの日、交通事故に巻き込まれなければ……まだ長生きだっただろう。
あの日、アタシの誕生日で……たまたま欲しいものがあったから、それをポロリと口にしたから、爺様は歩いて行ってしまった。
あの時引き留めていれば。
あの時、ポロリと口にしなければ。
あの時、あの時――アタシの誕生日で無ければ。
流れる涙を隠すように湯をすくって顔を洗い、天井を見つめて大きく息を吐いた――。
95
あなたにおすすめの小説
聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。
そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来?
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる