新人レポーターの催眠リポート

桜羽根ねね

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①はじまりはじまり

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「レ、レポーターの夏雲もずくです。今日が初めての仕事になりますが、よろしくお願いします!」
「そんなに緊張しないで。もずく君は笑顔が可愛いんだから、ほら、笑って笑って」
「は、はいっ。あの……、撮影ってカメラマンさんだけなんですか?音声さんとか、ADさんとか居るんじゃ……?」
「あー……、うちは予算が限られてるから。でも、安心して。僕はカメラ以外もオールマイティだから」

 そう言って微笑むカメラマンさんに、思わずドキリとしてしまう。
 ……この惚れっぽい性格、ほんとどうにかならないかな。俺が惚れてしまうのはノンケばかりで、いつも失恋してるんだから、そろそろ学んでもいいと思うのに。

「(仕事相手に対して邪まな感情は持たないようにしないと……)」

 レポーターとしての初めての仕事が二人だけなんて緊張するけど、やり切って見せる。それで少しでもカメラさんに覚えてもらえたらいいな、なんて。本当に俺は煩悩の塊だ。


*****


「本日ご紹介するのは、身体も心もリフレッシュできて幸せな気持ちになれると話題の老舗旅館、肉棒庵です。ご案内をしていただくのが、当主の冬ヶ瀬しらすさんです。今日はどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ、当館にお越しいただきありがとうございます。至福のひとときをお届けできるよう心を込めておもてなしいたしますね」

 う、うわぁ。
 当主の冬ヶ瀬さん、近くに居るだけですごく良い匂いがする。カメラさんと背格好は同じぐらいだけど、なんというか色気が凄い。きっちりとした着物がはだけた姿を見てみた……、じゃなくて!なんですぐそっち方向に行くかな!自重自重!
 ちゃんと旅館のリポートをしないと……!

「広々としたエントランスが素敵ですね。老舗と伺っていますが、全く古さを感じませんし、点々と並んだ一輪挿しがとても綺麗です。こちらはスタッフの方が活けていらっしゃるんですか?」
「はい。お客様をお出迎えするために、毎日活けているんですよ」
「彩りがグラデーションになっていて綺麗ですね」

 カメラさんがずらりと並んだ花器を撮っていると、不意にそのうちの一つが倒れてしまった。

「わっ、だ、大丈夫ですか?」
「すみません、新しい花器によくあることなんです。すぐにスタッフが片付けますので」

 冬ヶ瀬さんの言葉通り、どこからともなく現れたスタッフが、倒れた花器を抱き上げた。

「ん゛♡ん゛んん、う、んう゛ううううっっ♡♡」
「失礼しました。……全く、こんな短い時間すら我慢出来ないなんて、たっぷり躾が必要だな」

 猿轡をされていた花器を、言葉とは裏腹に大事そうに抱え直したイケメンスタッフは、頭を下げて去っていった。きっと、今から躾とやらをされるんだろう。そっちの取材もしてみたいけど、脱線するのはいけない。
 気を取り直して、ちんぐり返しで花を活けられている花器達の間を進んでいくことにした。

 花にしては太い茎のものばかりで、中にはブルブルと震えているものもある。時々とろみのある水が花器から溢れていたけど、それすらもなんだか綺麗に見えてしまった。

「じゃあ、次は部屋の撮影に移ろうか」
「あ、はいっ」
「こちらへどうぞ。菊の間にご案内いたします」

 一旦撮影が中断されると、カメラさんが屈託なく微笑みながら隣に並んでくれた。

「もずく君も可愛い花器になれそうだね」
「俺が……?いやいや、無理ですよ。俺、凄く敏感なんです」
「そうなの?」
「ひゃっ♡」

 お尻をするりと撫でられて、思わずびくついてしまった。あ……♡カメラさんの手、おっきい……♡

「も、もう……っ、セクハラですよ……!」
「本当だ。こんなに敏感だと、我慢なんて出来そうにないね」
「あ……♡カ、カメラさん、そこ、ぐりぐり、だめです……っ♡」

 堂々と揉んでくるカメラさんの指が、布地越しにアナルを押し込んでくる。アナニーばっかりしているせいで敏感な性器になったそこは、カメラさんの指を喜んで受け入れようとする。だめ、だめだこんなの、本気にしちゃう♡カメラさんのこと好きになっちゃう……♡

「こちらのお部屋です」
「ひゃいっ♡」
「……?どうかされましたか?」
「な、なんでもありませ、んっ♡」

 最後に会陰とアナルを撫でて、カメラさんの手が離れていった。このまま弄られていたら、確実に前が硬くなっていたと思う。こんなことをされたらチョロい俺は期待してしまうのに、カメラさんはさっさと撮影の体勢に入ってしまう。遊ばれてるのかな、俺……。

「どうぞお入りください」
「わあっ!広々としていて素敵なお部屋ですね!爽やかな甘い香りがしますが、こちらはお香ですか?」

 気持ちを切り替えて入った部屋は、お世辞抜きで綺麗な所だった。広い和室に、華美過ぎない調度品、磨かれた窓の外は残念ながら曇ってるけど、それでも居心地の良い場所に変わりない。嗅いだことがない匂いについて尋ねると、冬ヶ瀬さんはにこりと微笑んで答えてくれた。

「この香りは、とても淫乱なネコの方にしか分からないものになっているんです。媚薬効果もあるので、部屋に居るだけでどんどん気持ち良くなれますよ」
「えっ」
「ふふ、冗談です。そんなに可愛らしい顔をされると興奮してしまいます」
「う……。ほ、本気にしてしまったじゃないですか」

 淫乱なのかは分からないけど、ネコなのは大当たりだ。媚薬なんて言われたから、身体が勝手に反応してしまったし。冗談だと分かった今でも、胸はドキドキし続けている。

「よろしければ、そちらのお菓子を召し上がってください。当館自慢のお饅頭です」
「いいんですか?では、いただきますね」

 気を取り直して、小さく揺れているテーブルの上に乗った器の中から、個包装されているお饅頭を手に取った。封を切ってぱかりと二つに割ると、ぎっしり詰まった白餡がお目見えする。

「とても美味しそうですね。早速食べてみましょう。……ん、甘さ控えめでクリーミーです。これならいくつでも食べれそうですね」
「美味しいと感じてもらえてよかったです。お食事に少しお時間をいただきますので、その前に大浴場をご案内しますね」
「はい。よろしくお願いします」

 一旦ここで撮影が終わって、次は大浴場に移動することになった。でも、その前に。

「カメラさん、このお饅頭美味しいですよ。よかったら残りの半分食べませんか?」
「気持ちは有難いけど、甘い物がそんなに得意じゃないんだ。それはもずく君が全部食べちゃってよ」

 そうなんだ、残念。美味しい物は共有したかったけど、苦手な人に無理矢理勧めるのは駄目だよね。
残りの分も全部食べてしまうと、なんだかお腹がポカポカしてきた。ショウガか何か入ってたのかな。

「ん゛、っお゛♡」

 不意に、テーブルから軋む音が聞こえた。四つん這いになって前と後ろから貫かれている褐色のテーブルは、その巨体をビクビクと震えさせている。こんな形のテーブルを見るのは初めてだけど、新しいモノを知れるのはいいことだ。

「もずく君、そろそろ行くよ」
「あ、はいっ」

 カメラさんの後に続いて扉を閉めると、テーブルの軋み音がバチュバチュ激しくなったけど、きっとそういう仕様なんだろう。


*****
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