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③僕と粗相とハッピーエンド
4.おわらせない!
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「はぁ……、っぶなかったぁ……」
がっつり風呂場で三回ヤった後、明日も早いからってことで多々良ちゃんは寝室に行ってしまった。今頃ぐっすり夢の中だろう。色々無理させちゃったからなぁ。
……それにしても、マジで危なかった。まさか大学での痴態を見られたかもしれない後輩が、よりにもよって笹部と相川だっただなんて。知っていたらあんな命令出さなかった。あいつら密かに多々良ちゃんのこと狙ってやがるからな……。念のために仕掛けておいたカメラが役に立ってよかった。多々良ちゃんなら絶対家で漏らすって思ったからな。
あの恍惚としたえっろい多々良ちゃんを見るのは、俺だけで充分だ。もう、他の奴の前で、何かさせるような指令は送らないようにしよう。
……というか、言い訳にしても嬉ションって可愛すぎないか……?本気で俺の犬にしてやろうかと思っちゃった。んー……、次の指令は逆トイレトレーニングでもいいかも。
──ピピピッ
「っ!?うわ、あいつまだ寝てなかったのか……」
調教対象であるT……、多々良ちゃん専用にしている着信音が鳴ったってことは、ついさっきまで隣の部屋でメールを打ってたってことだ。風呂場での情事を多々良ちゃんがどれだけ事細かに書いているか、想像するだけでにやけてしまう。
返信は明日にするかと考えながらメール画面を開いた俺は、相変わらず丁寧につらつら書いてあるそれを上機嫌で読み進めていった。こっちはとっくに多々良ちゃんの変態性癖を知ってるってのに、隠そうとしてんのが可愛すぎてたまらない。
勝手に緩みそうになる口を押さえて文字を追っていくと、『ところで』といきなり場面展開が入ってきた。何かあったのか、と思いながらその先に目を通す。
『ところで、ご主人様は随分と聡明な方なのですね』
「(……は?いや、聡明はないでしょ)」
『僕の恋人のことも、随分と理解してくれているようで有り難いです』
「(まあそりゃ、俺だからな~)」
『僕はご主人様に感謝しています。こんなに倒錯めいた興奮を与えてくれて、ギリギリの快楽を与えてくれて、僕の日常は色んな意味で鮮やかになっています』
「(俺もすっごく楽しんでるよ、多々良ちゃん♡)」
『だから、ご主人様のことを恨んだり怒ったりするなど、決して有り得ません。それを踏まえた上で、聡明なご主人様の間違いを一つ訂正させていただいてもよろしいでしょうか』
「……?間違い……?」
いまいち話の流れが分からないまま、画面を下にスクロールしていく。
そして、そこに並んでいた言葉に視線をやって。
『彼氏の前で漏らしなさいという緊急指令なのですが、
僕の恋人が男であると、よくご存知でしたね』
思わず、瞠目した。
そういえば……、そういえ、ば、あいつはいつも恋人という単語を使っていて、その恋人が男であるなんて、一度も。
ばくばくと心臓がうるさく鳴り出して、嫌な汗が背中を伝う。
そんな俺を嘲笑うかのように最後に付け加えられた一文は、
『これからも、これまで以上に楽しいプレイを期待しているからな、ご主人様♡』
──変態で可愛い恋人の、どこまでもマゾっ気に満ちたおねだりだった。
【僕と粗相とハッピーエンド】
(素敵な彼と淫らなひとときを)
がっつり風呂場で三回ヤった後、明日も早いからってことで多々良ちゃんは寝室に行ってしまった。今頃ぐっすり夢の中だろう。色々無理させちゃったからなぁ。
……それにしても、マジで危なかった。まさか大学での痴態を見られたかもしれない後輩が、よりにもよって笹部と相川だっただなんて。知っていたらあんな命令出さなかった。あいつら密かに多々良ちゃんのこと狙ってやがるからな……。念のために仕掛けておいたカメラが役に立ってよかった。多々良ちゃんなら絶対家で漏らすって思ったからな。
あの恍惚としたえっろい多々良ちゃんを見るのは、俺だけで充分だ。もう、他の奴の前で、何かさせるような指令は送らないようにしよう。
……というか、言い訳にしても嬉ションって可愛すぎないか……?本気で俺の犬にしてやろうかと思っちゃった。んー……、次の指令は逆トイレトレーニングでもいいかも。
──ピピピッ
「っ!?うわ、あいつまだ寝てなかったのか……」
調教対象であるT……、多々良ちゃん専用にしている着信音が鳴ったってことは、ついさっきまで隣の部屋でメールを打ってたってことだ。風呂場での情事を多々良ちゃんがどれだけ事細かに書いているか、想像するだけでにやけてしまう。
返信は明日にするかと考えながらメール画面を開いた俺は、相変わらず丁寧につらつら書いてあるそれを上機嫌で読み進めていった。こっちはとっくに多々良ちゃんの変態性癖を知ってるってのに、隠そうとしてんのが可愛すぎてたまらない。
勝手に緩みそうになる口を押さえて文字を追っていくと、『ところで』といきなり場面展開が入ってきた。何かあったのか、と思いながらその先に目を通す。
『ところで、ご主人様は随分と聡明な方なのですね』
「(……は?いや、聡明はないでしょ)」
『僕の恋人のことも、随分と理解してくれているようで有り難いです』
「(まあそりゃ、俺だからな~)」
『僕はご主人様に感謝しています。こんなに倒錯めいた興奮を与えてくれて、ギリギリの快楽を与えてくれて、僕の日常は色んな意味で鮮やかになっています』
「(俺もすっごく楽しんでるよ、多々良ちゃん♡)」
『だから、ご主人様のことを恨んだり怒ったりするなど、決して有り得ません。それを踏まえた上で、聡明なご主人様の間違いを一つ訂正させていただいてもよろしいでしょうか』
「……?間違い……?」
いまいち話の流れが分からないまま、画面を下にスクロールしていく。
そして、そこに並んでいた言葉に視線をやって。
『彼氏の前で漏らしなさいという緊急指令なのですが、
僕の恋人が男であると、よくご存知でしたね』
思わず、瞠目した。
そういえば……、そういえ、ば、あいつはいつも恋人という単語を使っていて、その恋人が男であるなんて、一度も。
ばくばくと心臓がうるさく鳴り出して、嫌な汗が背中を伝う。
そんな俺を嘲笑うかのように最後に付け加えられた一文は、
『これからも、これまで以上に楽しいプレイを期待しているからな、ご主人様♡』
──変態で可愛い恋人の、どこまでもマゾっ気に満ちたおねだりだった。
【僕と粗相とハッピーエンド】
(素敵な彼と淫らなひとときを)
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