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⑨二人※
「まっ、今のなし! 口が滑ったというか、身体がむずむずしてるせいというか……!」
「あまりフォローになってないが」
「っ……! う……、と、とにかく、忘れてくれ……!」
「忘れることは出来ないな。……だが、お前に無理をさせたいわけじゃない。いつまでも待とう」
うっすらと微笑んだリオンから、鼻先にキスされる。こういうことをされると、ますます全身が熱くなって、また破廉恥なことを口走ってしまいそうだ。
何か、話題を変えないと。なにか──……。
「そ、うだ。その、理魔法って、どんなものなんだ?」
「……今聞くことか?」
「今、聞きたいんだよ」
多分照れ隠しで聞いてるってことはバレてるな、これ。表情というか声音が甘ったるい。
所在なくむずがる俺を腕の中に閉じ込めたまま、リオンは話し始めた。
「理魔法は、世の理に干渉出来る魔法だ。ただ、そう乱発出来るものじゃない。一年に一回しか使えないという制限がついているし、人の生死は変えられない。ハルトーシュが、死ぬ間際にオレにこの魔法を託すことが出来たのも、理魔法そのものの効果だ」
「じゃあ、もしかして、俺をここに喚んだのもリオンの魔法で?」
俺の問いかけに、リオンが首肯する。
「それなら そうと言ってくれればよかったのに」
「お前に記憶が残っていればそうしていた。 見知らぬ男からいきなり好きだと告げられても、気持ち悪いだけだろう?」
……確かにそうかもしれない。……しれない、けど、実際は魅了の魔法でキスされた時、嫌だとは感じなかった。それどころか、あれは増幅の魔法だったわけだから、俺の意識してないところで勝手に答えが出ていたわけだ。
それに関してはきっとリオンも気付いてる。言葉で返す代わりに擦り寄ると、金色の瞳がとろりと綻んだ。
「……オレ自身を人間の姿に変えるために一年、ハルトーシュの生まれ変わりを見つけるために一年、ハルが使っていた不思議な機械に干渉するまで一年、ハルが好きな世界を作り上げるまで一年、そうして、ここにハルを喚べた。」
「そんなに……、時間かけて、探してくれたんだな」
不思議な機械……ってのは、きっとパソコンのことだろう。この世界が、乙女ゲームによく似ているようで18禁なBLゲームになってるのも、リオンが作ったから。……いや、世界作れるとかすげぇな。制限あるとはいえ、チートに近い魔法だ。
話していくうちに、荒ぶっていた快感が落ち着いてきた。ドキドキするのはどうしようもないけど、これならもう起き上がれそうだ。
「話してくれて、ありがと。俺、一度寮に戻るから」
「ああ、分かった。また後で」
「んっ」
軽くキスをされて、たったそれだけの触れ合いで熱がぶり返しそうになって……、俺は慌てて服を着ると男子寮からこっそり抜け出した。
*****
自分の見た目がそのままだと分かっても、制服は女子用しかないから、今でも似合わない女装を晒してる。……いや、ほんとこれ、だいぶきついんじゃ?
今日の授業が全部終わった後、長々と溜息を吐いてしまった。近くにいたアンリが心配そうに声をかけてくる。
「ハル、今日はなんだか元気がなかったみたいだけど……、具合悪いの?」
「アンリ……。あのさ、こんなこと聞くの今更なんだけど、アンリの目から見て、俺ってどう見えてる?」
「え? ハルはハルだけど……。私の可愛い親友よ」
「そっかー」
どうやらリオンと同じように目が曇っているようだ。他のクラスメイトも至ってニュートラルだし、気にした方が負けってやつか。
というか、さっきからずっとリオンの視線をひしひしと感じる。……俺だって、いちゃいちゃしたいしくっついてたいけど、人目があるとこじゃ流石にな……。
「アンリエッタ、貴女に話があるわ」
「メロディ?」
不意に、ずいっと割り込んできたのはツンデレ美少女メロディだ。なんとなく、どこか嬉しそうな様子だな。
アンリもメロディのこといつの間にか呼び捨てで呼んでるし、俺の知らないところで仲が深まってるのかもしれない。
「ここでは話しにくいわね。……貴女の呪いの、解呪の話よ」
「本当か!?」
小さく囁かれたその内容に、アンリよりも早く俺が反応してしまった。何だこいつって目で見られたけど、めげない。
「ごめん。それ、俺も同席していいか?ずっとアンリのことが心配だったし」
「私はいいよ。ハルにも聞いてもらいたい」
「アンリエッタが許可するなら仕方ないですわね」
本当は二人きりがよかったんだろうけど、ごめんメロディ。
──場所を変えるために移動する途中で、当たり前のようにリオンが合流してきた。メロディの片眉がむっと上がったけど、アンリが宥めてくれて事なきを得た。
というか、リオンとの距離がやけに近い。二人の後ろを歩いているとはいえ、腰を抱く必要があるか? それを嫌だと思えないし、離れたいとも思わないから、もう色々と駄目になってる。
そうして、メロディに連れて来られたのは、書庫のような部屋だった。綺麗に片付いてはいるものの、あちこちに大量の蔵書が収納されている。
その中央に休憩スペースのような場所があって、俺達はそれぞれ椅子に座った。それと同時に、メロディが口火を切る。
「まず、大前提として、アンリエッタは自分の固有魔法が何か分からないのでしたわね?」
「うん。色々と試してはみたんだけど……」
アンリの両親は、彼女が小さい頃に他界している。親戚との間柄も希薄だから、固有魔法を教えてもらうことも出来なかったんだろう。
「もしかして……、分かったの? メロディ」
「ふふん、ダイヤモンド家の情報網を甘く見ないでくださる? アンリエッタ・T・ガーネット。貴女のミドルネームの『T』は、トキシックを意味していますの。つまり、毒ですわ」
「ど、毒?」
「ええ。そして、それが貴女の固有魔法。毒魔法なんて初めて聞きましたわ」
そんなの、俺も初耳だ。隣に居るリオンは知っていたのか何なのか特に驚いていない。得意気に胸を張ったメロディが、更に続けてくる。
「愛の宝石なんて待たずとも、その毒で呪いを制することが出来るのではなくて?」
「い、いきなり言われても、私、毒魔法なんてどうやって使ったらいいのか……。それにまた暴走するかもしれないし」
「大丈夫ですわ。わたくしが手伝ってあげますもの。貴女はただ、毒で呪いを打ち消す想像をしていなさいな」
「え……」
カタン、と椅子から立ち上がったメロディが、アンリの傍に近寄る。座ったままの彼女の顔を上向かせて、そうすることが当たり前のようにキスをした。
「(うわ。美少女同士のキスやっば……)」
思わず息を呑んで、隣に居るリオンの服を掴んでしまった。
多分これ、魔力の調節とかそういうことやってんだろうけど、なんというか、えろい。こっちまで変な気分になってきそうだ。
「……ハルもしたいのか?」
「な!? んなわけないだろ!」
するりと頬を撫でられて、流されそうになったけど思い留まった。そんなの、絶対可愛いキスだけじゃ済まない。普通にべろちゅーまでしてしまうと思う。流石にそれをアンリ達の前でやるのは恥ずかしすぎる。
「ふ、んぅっ!? あん、り、まっ……!」
「んっ……」
最初は驚いていたアンリも、慣れてきたのか自分から攻めていってるみたいだ。仕掛けたはずのメロディが圧されてる。二人の間で濃厚な魔力が捏ねられてて、それが、不意に弾けた。
「きゃっ」
「うわっ!?」
ピカッ、と光ったそれが眩しくて目を閉じる。咄嗟にリオンが抱きしめて庇ってくれたらしく、気が付けば逞しい腕の中だ。
ぱちりと状況を確認すれば、メロディもアンリも特に変わりないみたいでホッとする。
「二人とも、大丈夫か?」
「わ、わわわたくしは何ともありませんわ! 別に、腰が砕けてなんかいませんもの!」
「私も、平気。ただ、なんだろう……、身体の内側が、すごくすっきりしてるよ」
真っ赤になってへたり込むメロディを見つめながら、アンリが小さな水の球を出現させる。突然大量に降っても来なければ、間欠泉のようにもならない、静かな水の魔法。
それは、呪いが解けたことをはっきりと証明していた。
「あ、これ……」
不意に、キラキラとした粒子が集まって、アンリの指に巻き付いた。程なくして、それは赤くて小さいハート型の宝石が嵌め込まれた指輪に姿を変える。
しかも、左手の薬指。
メロディの指にも同じ指輪が嵌まっていた。これはそう、愛の宝石ってやつだ。水球がしゃぼん玉のように弾ける。……見つめ合う二人の邪魔はしない方がいいだろう。
「よ、よかったなアンリ。メロディもお疲れ。俺達はもう先に帰るな」
リオンの胸を押して離れると、腕を掴んで退室する。
「この指輪、何なんですの? と、取れませんわ……?」
「取らないで、メロディ。……ああ、嬉しい。やっと貴女と一緒になれる」
「ア、アンリエッタ? 貴女、それ……っ」
「絶対、痛くしないから。呪いを解いてくれたお礼、受け取ってほしいの」
「む、無理ですわ! そんな、わたくしのより大きな……、あ、んむっ」
扉を閉める直前まで聞こえてきた『美少女』達の声が何やら不穏だった気がするけど、全力で知らないフリをした。
「……一応、これでハッピーエンドなんだよな」
主人公であるアンリの呪いも解けて、ついでに俺もリオンと結ばれて……、呪いをかけた張本人については、なんだかダイヤモンド家がなんとかしてくれそうだ。
寮に行く途中で出会ったジャックとセバスティアも良い雰囲気だったし、双子とテオードは……、なんかテオードの足がガクガク震えてたから羞恥プレイ真っ最中だったんだろう。
リオンの部屋に入ってから、ふと、彼がずっと黙っていることに気付く。気分でも悪いんだろうか。
「リオン?」
「ハル、すまない」
「えっ、んぐっ」
がっしりと肩を掴まれたかと思うと、そのまま後ろのベッドに押し倒されてキスされた。最初からがっつり舌が入る深い接吻。気持ち良くてちんこが反応してしまう。
「……あいつの、毒の魔法を、喰らった」
「ふあっ、は……? ど、毒って、それ、やばいんじゃ……!?」
キスの合間にそんな爆弾を落とされて、声が裏返った。愛の宝石が出た時点で、呪いはメロディとの愛で解けたってことだから、行き場のなくなった毒魔法が漏れたってことか……?
いや、考えてても埒が明かない。
「リ、リオ、んうっ、早く、げど、く……っ!」
「今、やってる。すまない、付き合ってくれ、ハル」
「んっ」
口の中に溜まった唾液をこくりと飲み込むと、内側が発火したように熱くなってくる。酒を飲んだ時のような、強い酩酊感。
「(あ……。この『毒』って……、…………媚薬だ)」
正常な意識を保てたのは、そこまでだった。
──精液や潮や尿、とにかく金玉や膀胱が空になるまで出し切った俺はこの日、後ろを掘られる快感にドハマりしてしまった。
媚薬のせいだし、リオンのせいだ。今もぶっといちんこが挿入ってる感覚がして、小さく震えてしまう。
「……今度は、狼姿のリオンとヤるのもいいかもな」
「いいのか? 獣の射精は、人の数倍の量だが」
「上等。満腹になるまで溺れさせてみろよ」
そんな自分の発言を後悔するまで、時間はかからなかった。 狼ちんこヤバイ。腹が破れるかと思った。
それでも、嫌いになるどころか好きって気持ちばかりが溢れてきて……、もう完全に骨抜き状態だ。
「……なぁ、リオン。ずっと好きだよ」
「ああ、オレもだ」
──前世から愛するケモノが造った異世界で、俺は今日も幸せに生きている。
「あまりフォローになってないが」
「っ……! う……、と、とにかく、忘れてくれ……!」
「忘れることは出来ないな。……だが、お前に無理をさせたいわけじゃない。いつまでも待とう」
うっすらと微笑んだリオンから、鼻先にキスされる。こういうことをされると、ますます全身が熱くなって、また破廉恥なことを口走ってしまいそうだ。
何か、話題を変えないと。なにか──……。
「そ、うだ。その、理魔法って、どんなものなんだ?」
「……今聞くことか?」
「今、聞きたいんだよ」
多分照れ隠しで聞いてるってことはバレてるな、これ。表情というか声音が甘ったるい。
所在なくむずがる俺を腕の中に閉じ込めたまま、リオンは話し始めた。
「理魔法は、世の理に干渉出来る魔法だ。ただ、そう乱発出来るものじゃない。一年に一回しか使えないという制限がついているし、人の生死は変えられない。ハルトーシュが、死ぬ間際にオレにこの魔法を託すことが出来たのも、理魔法そのものの効果だ」
「じゃあ、もしかして、俺をここに喚んだのもリオンの魔法で?」
俺の問いかけに、リオンが首肯する。
「それなら そうと言ってくれればよかったのに」
「お前に記憶が残っていればそうしていた。 見知らぬ男からいきなり好きだと告げられても、気持ち悪いだけだろう?」
……確かにそうかもしれない。……しれない、けど、実際は魅了の魔法でキスされた時、嫌だとは感じなかった。それどころか、あれは増幅の魔法だったわけだから、俺の意識してないところで勝手に答えが出ていたわけだ。
それに関してはきっとリオンも気付いてる。言葉で返す代わりに擦り寄ると、金色の瞳がとろりと綻んだ。
「……オレ自身を人間の姿に変えるために一年、ハルトーシュの生まれ変わりを見つけるために一年、ハルが使っていた不思議な機械に干渉するまで一年、ハルが好きな世界を作り上げるまで一年、そうして、ここにハルを喚べた。」
「そんなに……、時間かけて、探してくれたんだな」
不思議な機械……ってのは、きっとパソコンのことだろう。この世界が、乙女ゲームによく似ているようで18禁なBLゲームになってるのも、リオンが作ったから。……いや、世界作れるとかすげぇな。制限あるとはいえ、チートに近い魔法だ。
話していくうちに、荒ぶっていた快感が落ち着いてきた。ドキドキするのはどうしようもないけど、これならもう起き上がれそうだ。
「話してくれて、ありがと。俺、一度寮に戻るから」
「ああ、分かった。また後で」
「んっ」
軽くキスをされて、たったそれだけの触れ合いで熱がぶり返しそうになって……、俺は慌てて服を着ると男子寮からこっそり抜け出した。
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自分の見た目がそのままだと分かっても、制服は女子用しかないから、今でも似合わない女装を晒してる。……いや、ほんとこれ、だいぶきついんじゃ?
今日の授業が全部終わった後、長々と溜息を吐いてしまった。近くにいたアンリが心配そうに声をかけてくる。
「ハル、今日はなんだか元気がなかったみたいだけど……、具合悪いの?」
「アンリ……。あのさ、こんなこと聞くの今更なんだけど、アンリの目から見て、俺ってどう見えてる?」
「え? ハルはハルだけど……。私の可愛い親友よ」
「そっかー」
どうやらリオンと同じように目が曇っているようだ。他のクラスメイトも至ってニュートラルだし、気にした方が負けってやつか。
というか、さっきからずっとリオンの視線をひしひしと感じる。……俺だって、いちゃいちゃしたいしくっついてたいけど、人目があるとこじゃ流石にな……。
「アンリエッタ、貴女に話があるわ」
「メロディ?」
不意に、ずいっと割り込んできたのはツンデレ美少女メロディだ。なんとなく、どこか嬉しそうな様子だな。
アンリもメロディのこといつの間にか呼び捨てで呼んでるし、俺の知らないところで仲が深まってるのかもしれない。
「ここでは話しにくいわね。……貴女の呪いの、解呪の話よ」
「本当か!?」
小さく囁かれたその内容に、アンリよりも早く俺が反応してしまった。何だこいつって目で見られたけど、めげない。
「ごめん。それ、俺も同席していいか?ずっとアンリのことが心配だったし」
「私はいいよ。ハルにも聞いてもらいたい」
「アンリエッタが許可するなら仕方ないですわね」
本当は二人きりがよかったんだろうけど、ごめんメロディ。
──場所を変えるために移動する途中で、当たり前のようにリオンが合流してきた。メロディの片眉がむっと上がったけど、アンリが宥めてくれて事なきを得た。
というか、リオンとの距離がやけに近い。二人の後ろを歩いているとはいえ、腰を抱く必要があるか? それを嫌だと思えないし、離れたいとも思わないから、もう色々と駄目になってる。
そうして、メロディに連れて来られたのは、書庫のような部屋だった。綺麗に片付いてはいるものの、あちこちに大量の蔵書が収納されている。
その中央に休憩スペースのような場所があって、俺達はそれぞれ椅子に座った。それと同時に、メロディが口火を切る。
「まず、大前提として、アンリエッタは自分の固有魔法が何か分からないのでしたわね?」
「うん。色々と試してはみたんだけど……」
アンリの両親は、彼女が小さい頃に他界している。親戚との間柄も希薄だから、固有魔法を教えてもらうことも出来なかったんだろう。
「もしかして……、分かったの? メロディ」
「ふふん、ダイヤモンド家の情報網を甘く見ないでくださる? アンリエッタ・T・ガーネット。貴女のミドルネームの『T』は、トキシックを意味していますの。つまり、毒ですわ」
「ど、毒?」
「ええ。そして、それが貴女の固有魔法。毒魔法なんて初めて聞きましたわ」
そんなの、俺も初耳だ。隣に居るリオンは知っていたのか何なのか特に驚いていない。得意気に胸を張ったメロディが、更に続けてくる。
「愛の宝石なんて待たずとも、その毒で呪いを制することが出来るのではなくて?」
「い、いきなり言われても、私、毒魔法なんてどうやって使ったらいいのか……。それにまた暴走するかもしれないし」
「大丈夫ですわ。わたくしが手伝ってあげますもの。貴女はただ、毒で呪いを打ち消す想像をしていなさいな」
「え……」
カタン、と椅子から立ち上がったメロディが、アンリの傍に近寄る。座ったままの彼女の顔を上向かせて、そうすることが当たり前のようにキスをした。
「(うわ。美少女同士のキスやっば……)」
思わず息を呑んで、隣に居るリオンの服を掴んでしまった。
多分これ、魔力の調節とかそういうことやってんだろうけど、なんというか、えろい。こっちまで変な気分になってきそうだ。
「……ハルもしたいのか?」
「な!? んなわけないだろ!」
するりと頬を撫でられて、流されそうになったけど思い留まった。そんなの、絶対可愛いキスだけじゃ済まない。普通にべろちゅーまでしてしまうと思う。流石にそれをアンリ達の前でやるのは恥ずかしすぎる。
「ふ、んぅっ!? あん、り、まっ……!」
「んっ……」
最初は驚いていたアンリも、慣れてきたのか自分から攻めていってるみたいだ。仕掛けたはずのメロディが圧されてる。二人の間で濃厚な魔力が捏ねられてて、それが、不意に弾けた。
「きゃっ」
「うわっ!?」
ピカッ、と光ったそれが眩しくて目を閉じる。咄嗟にリオンが抱きしめて庇ってくれたらしく、気が付けば逞しい腕の中だ。
ぱちりと状況を確認すれば、メロディもアンリも特に変わりないみたいでホッとする。
「二人とも、大丈夫か?」
「わ、わわわたくしは何ともありませんわ! 別に、腰が砕けてなんかいませんもの!」
「私も、平気。ただ、なんだろう……、身体の内側が、すごくすっきりしてるよ」
真っ赤になってへたり込むメロディを見つめながら、アンリが小さな水の球を出現させる。突然大量に降っても来なければ、間欠泉のようにもならない、静かな水の魔法。
それは、呪いが解けたことをはっきりと証明していた。
「あ、これ……」
不意に、キラキラとした粒子が集まって、アンリの指に巻き付いた。程なくして、それは赤くて小さいハート型の宝石が嵌め込まれた指輪に姿を変える。
しかも、左手の薬指。
メロディの指にも同じ指輪が嵌まっていた。これはそう、愛の宝石ってやつだ。水球がしゃぼん玉のように弾ける。……見つめ合う二人の邪魔はしない方がいいだろう。
「よ、よかったなアンリ。メロディもお疲れ。俺達はもう先に帰るな」
リオンの胸を押して離れると、腕を掴んで退室する。
「この指輪、何なんですの? と、取れませんわ……?」
「取らないで、メロディ。……ああ、嬉しい。やっと貴女と一緒になれる」
「ア、アンリエッタ? 貴女、それ……っ」
「絶対、痛くしないから。呪いを解いてくれたお礼、受け取ってほしいの」
「む、無理ですわ! そんな、わたくしのより大きな……、あ、んむっ」
扉を閉める直前まで聞こえてきた『美少女』達の声が何やら不穏だった気がするけど、全力で知らないフリをした。
「……一応、これでハッピーエンドなんだよな」
主人公であるアンリの呪いも解けて、ついでに俺もリオンと結ばれて……、呪いをかけた張本人については、なんだかダイヤモンド家がなんとかしてくれそうだ。
寮に行く途中で出会ったジャックとセバスティアも良い雰囲気だったし、双子とテオードは……、なんかテオードの足がガクガク震えてたから羞恥プレイ真っ最中だったんだろう。
リオンの部屋に入ってから、ふと、彼がずっと黙っていることに気付く。気分でも悪いんだろうか。
「リオン?」
「ハル、すまない」
「えっ、んぐっ」
がっしりと肩を掴まれたかと思うと、そのまま後ろのベッドに押し倒されてキスされた。最初からがっつり舌が入る深い接吻。気持ち良くてちんこが反応してしまう。
「……あいつの、毒の魔法を、喰らった」
「ふあっ、は……? ど、毒って、それ、やばいんじゃ……!?」
キスの合間にそんな爆弾を落とされて、声が裏返った。愛の宝石が出た時点で、呪いはメロディとの愛で解けたってことだから、行き場のなくなった毒魔法が漏れたってことか……?
いや、考えてても埒が明かない。
「リ、リオ、んうっ、早く、げど、く……っ!」
「今、やってる。すまない、付き合ってくれ、ハル」
「んっ」
口の中に溜まった唾液をこくりと飲み込むと、内側が発火したように熱くなってくる。酒を飲んだ時のような、強い酩酊感。
「(あ……。この『毒』って……、…………媚薬だ)」
正常な意識を保てたのは、そこまでだった。
──精液や潮や尿、とにかく金玉や膀胱が空になるまで出し切った俺はこの日、後ろを掘られる快感にドハマりしてしまった。
媚薬のせいだし、リオンのせいだ。今もぶっといちんこが挿入ってる感覚がして、小さく震えてしまう。
「……今度は、狼姿のリオンとヤるのもいいかもな」
「いいのか? 獣の射精は、人の数倍の量だが」
「上等。満腹になるまで溺れさせてみろよ」
そんな自分の発言を後悔するまで、時間はかからなかった。 狼ちんこヤバイ。腹が破れるかと思った。
それでも、嫌いになるどころか好きって気持ちばかりが溢れてきて……、もう完全に骨抜き状態だ。
「……なぁ、リオン。ずっと好きだよ」
「ああ、オレもだ」
──前世から愛するケモノが造った異世界で、俺は今日も幸せに生きている。
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