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第六灯 ヤツが来る

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 急に水道の出が悪くなった。
あれ程五月蝿かった蝉の鳴き声もピタリと止む。
蛍光灯がチラチラしだす。

「来たか」
私は水道を止め、二階に駆け上がる。
布団を被って体を隠す。
心の中で一心不乱にお経を唱える。

 昼間なのに急にあたりが暗くなる。
永遠に止まったかのような沈黙。

 又蝉が鳴き出した。
安堵のため息をつく。
「去ったぽいな」
私は仏に感謝し下へと降りた。
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