私が居なくなってもあなたをずっと愛してる

手遅れマッキー(旧 来栖祐翔)

文字の大きさ
18 / 39

18

しおりを挟む
最初に見たときは、本当に心底驚いた。いや、驚いたなんてもんじゃない。



『・・・えーっと、裂の彼女さん、であってる?』

『あ、はい・・・って、え?』


何この会話・・・裂の彼女さんが生きてた頃にした会話と一緒じゃん。デジャブじゃん!!なんて思いつつ、人って驚きすぎるとむしろ冷静になるんだなとか思いつつ。

その瞬間は目の前のものが、理解できなかったのを覚えている。

あの事故があって暫くして、裂の家に初めて行った。それこそ大学から近くて羨ましいな、とか思ってみたり。

でも、家にお邪魔してみて、すげー泣きそうになった。



『・・・ただいま』


裂は入ってすぐに、小声でそう言った。

なんだ、1人でもただいまって言う派なのかとか思ったけど、それは違ったんだ。



『今日さ、ゼミの方で新しく課題出てさ。なのにサークルもまた試合あるし・・・疲れたわ』

『・・・え?裂?』

『それにさ、聞いてよ “ 結 ” 』



それを聞いた瞬間、なんとも言えないような気持ちが込み上げた。あぁ、裂は今はもう居ない死んでしまった彼女に話しかけてるんだって。恐怖とも、同情とも言い切れない微妙な気持ち。

でも遠くに行ってしまいそうな裂の肩を必死に揺らしたのを覚えている。



『ちょ、裂!?』

『 ・・・あ、中山さん、すいません。いつもの癖で・・・気持ち悪いですよね』

『え、いや、気持ち悪くは・・・癖?』

『・・・・・・あいつが、結が返事くれるかな、って』


そう言う裂の目は、少し虚ろだった。これはまずい・・・。

すると裂は「お茶入れて来ますね」と、部屋を出て行った。

瞬間、俺自身も力抜けちゃってさ。その場にへたり込んだ。なんていうか・・・可愛そう、なんて言えば人ごとだし、やばい・・・・・・ってのも違う。

でも、あの事故が裂に与えた衝撃は、けっこーデカイ。それだけは事実で。


~後書き~
実は言ってもらいたかったセリフをあとがきで言わせてみます!!


最初に見たときは、本当に心底驚いた。いや、驚いたなんてもんじゃない。

『・・・えーっと、裂の彼女さん、であってる?』

『あ、はい・・・って、え?』

『 』

『 え、おーい大丈夫ですかー?』

健太の彼女さんが目の前で手を振った。

『 ・・・ゆ・・・』

『 ゆ・・・?』

『 ユーレイと会話できるとか、俺天才!?』



以上言わせてみたかったセリフ、でしたー!!
実はですね、祐翔の中での中山さんのイメージって単細胞なんです・・・。だからこのセリフを言わせてみたかった・・・。

先程、前作の感想を頂きました。とても、とっても嬉しかったです。ありがとうございます。感想、送ってくださると更新ペースが上がるかもです。よろしくお願いします
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

【完結】婚約破棄したのに「愛してる」なんて囁かないで

遠野エン
恋愛
薔薇の散る夜宴――それは伯爵令嬢リリーナの輝かしい人生が一転、音を立てて崩れ落ちた始まりだった。共和国の栄華を象徴する夜会で、リリーナは子爵子息の婚約者アランから突然、婚約破棄を告げられる。その理由は「家格の違い」。 穏やかで誠実だった彼が長年の婚約をそんな言葉で反故にするとは到底信じられなかった。打ちひしがれるリリーナにアランは冷たい背を向けた直後、誰にも聞こえぬように「愛してる」と囁いて去っていく。 この日から、リリーナの苦悩の日々が始まった。アランは謎の女性ルネアを伴い、夜会や社交の場に現れては、リリーナを公然と侮辱し嘲笑する。リリーナを徹底的に傷つけた後、彼は必ず去り際に「愛してる」と囁きかけるのだ。愛と憎しみ、嘲りと甘い囁き――その矛盾にリリーナの心は引き裂かれ、混乱は深まるばかり。 社交界の好奇と憐憫の目に晒されながらも、伯爵令嬢としての誇りを胸に彼女は必死に耐え忍ぶ。失意の底であの謎めいた愛の囁きだけがリリーナの胸にかすかな光を灯し、予測不能な運命の歯車が静かに回り始める。

王子様への置き手紙

あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯ 小説家になろうにも掲載しています。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

二年間の花嫁

柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。 公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。 二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。 それでも構わなかった。 たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。 けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。 この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。 彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。 やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。 期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。 ――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

処理中です...