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「結ちゃん、それ・・・・・・!?」
俺がワナワナとしながら結ちゃんの体を指差すと、一瞬驚いたみたいだったけど本人からは「あ、透けてる」と、とてもシンプルで思いの外落ち着いた返事が返ってきた。
消えかけつつある手で、ゴシゴシと涙を拭い、結ちゃんはニッコリと笑ってみせた。
さっきも言ったけど、今までの若干無理してるようなやつじゃない、心底満足した幸せそうな笑顔・・・・・・泣きすぎで目は腫れまくってるけど。
「やっぱ1番の未練・・・・・・これだったのか・・・」
「・・・・・・ドラマとかだと光り始めたりするけど、違うんだ」
とその場に似合わないアホな回答をしてしまった。
「私にドラマチックな展開求めないでよ~」
「・・・割と冷静だね」
「まぁ自分のことだからこそよく理解してるというか・・・・・・それに中山さんも十分冷静だよ?」
「・・・・・・だって、俺ばっか焦ってもカッコ悪いじゃんね」
「あはは、中山さんらしー」
なんだよさっきまで泣いてたくせに、なんて思う反面、そんな腹立たしさすら今じゃ愛おしい。あ、友愛の方ね!!これで恋愛だったら裂に殺されちまう!!
カッコ悪いとか、そんなの嘘。そんな理由で頑張って冷静を装っているわけではない。
(・・・・・・多分、これでお別れだ)
気付かれたくなかったんだ。
きっと刻々と近付いてきている別れの時間と、それを悲しく思う自分に。
そして俺は、さっき飲み込んだ言葉を、たどたどしく口に出す。
「未練が、叶ったなら、結ちゃんは・・・・・・成仏、しちゃう、の?」
「・・・・・・多分ね!」
さっき聞けなかった返事。それは、やっぱり俺が想定していたものだった。
俺がワナワナとしながら結ちゃんの体を指差すと、一瞬驚いたみたいだったけど本人からは「あ、透けてる」と、とてもシンプルで思いの外落ち着いた返事が返ってきた。
消えかけつつある手で、ゴシゴシと涙を拭い、結ちゃんはニッコリと笑ってみせた。
さっきも言ったけど、今までの若干無理してるようなやつじゃない、心底満足した幸せそうな笑顔・・・・・・泣きすぎで目は腫れまくってるけど。
「やっぱ1番の未練・・・・・・これだったのか・・・」
「・・・・・・ドラマとかだと光り始めたりするけど、違うんだ」
とその場に似合わないアホな回答をしてしまった。
「私にドラマチックな展開求めないでよ~」
「・・・割と冷静だね」
「まぁ自分のことだからこそよく理解してるというか・・・・・・それに中山さんも十分冷静だよ?」
「・・・・・・だって、俺ばっか焦ってもカッコ悪いじゃんね」
「あはは、中山さんらしー」
なんだよさっきまで泣いてたくせに、なんて思う反面、そんな腹立たしさすら今じゃ愛おしい。あ、友愛の方ね!!これで恋愛だったら裂に殺されちまう!!
カッコ悪いとか、そんなの嘘。そんな理由で頑張って冷静を装っているわけではない。
(・・・・・・多分、これでお別れだ)
気付かれたくなかったんだ。
きっと刻々と近付いてきている別れの時間と、それを悲しく思う自分に。
そして俺は、さっき飲み込んだ言葉を、たどたどしく口に出す。
「未練が、叶ったなら、結ちゃんは・・・・・・成仏、しちゃう、の?」
「・・・・・・多分ね!」
さっき聞けなかった返事。それは、やっぱり俺が想定していたものだった。
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