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第二章
―Happiness In Anxiety.2―
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この付波市のモールは、一階の中央入口を抜けると、レストラン街と称した、所謂飲食店の通りとなっている。であれば、目的は一階なのだが、土曜日という事もあり、一階駐車場は予想通りの満車。となれば屋上――ちょうど、菜奈花が初めて『魔術師』の気配を感じた場所――へと向かった。
「さ、着いた着いた」と叔母さん、「何か食べたいものとかある?」
菜奈花はアルカナの事を振り払うかのように、ちょと唸った後で、けれど思いつかないらしく、
「特に何も……?」
事実、菜奈花的にはあまりこれと言って食べたいものは無く、であればそう答える他に無かった。
しかしそれも予想していたのか、
「じゃあデルバー行こっか」
デルバーとは、少しお高めのステーキを扱っている店である。モールにあること自体は知っていたが、あまり馴染みがなく、「いいんですか?」とつい確認をとってしまう。
「折角だし、いいのいいの」
そう言うと、叔母さんはブランド物のバッグを左手でぶら下げながら、歩み始めた。菜奈花はその後ろ姿を見ながら、ゆっくりと、けれど叔母さんと同じペースで歩き始めた。
叔母さんは、今日に限っては流石にスーツではなく、ブラウンのロングコートを羽織り、下はストレートデニムといった具合であった。靴は黒のローヒールパンプスであり、腕にはこれまたどこかのブランド物らしい女性ものの腕時計が垣間見える。
歩くたびの、カツ、カツとどこか聴き心地のいいタップを受けながら、菜奈花も歩調を合わせる。
もう何度も来慣れた店内の事などどうでもいいように、ただただ叔母さんの背だけを視界に捉え、歩みを進めていく。センターコートのエスカレーターを用いて、四階から三階――実はここにもフードコートがあるため、食事をしたいならこっちでも構わない――、次いでそのまま二階、一階と降りてゆけば、レストラン街はもう間もなくである。
「十一時半……」と叔母さん、「そろそろ混み始めるはずだから、やっぱり正解ね、この時間に合わせて」
見れば、店内は多少の混雑を物語っており、その証拠に、叔母さんの声も伝わりにくく感じた。
そうしてレストラン街へとやってきて、出入り口付近まで歩みを進めると、目的のそれが視界に映った。
――デルバープレミアム。黒い背景に、白いロゴと共に青い牛が描かれたそれが、入口上に店名を主張していた。
(どうして、牛に羽があるの?)
その牛は、何故か背中に羽を生やし、羽ばたいていた。
――羽を生やすのは変身後のはずである。
しかしそのふざけたような内容の看板とは裏腹に、店内は落ち着いていて、それでいて空腹を誘う匂いで充満していた。
店員が近づき、人数を尋ねると、叔母さんのは人差し指と中指を立てて、その数を示す。
そうして促されたのは、窓際であり、けれど特に外を凝視するでも無く一瞥したのみに終わると、そのまま席に着いた。当然、互いに向かい合うように、である。
長テーブルを挟んで対面する菜奈花と叔母さんだが、別に会話が始まるでもなく、叔母さんがメニュー表を二つ取り出すと、一つ菜奈花に渡してきた。
「さ、遠慮しないで、好きなの選んで」
「あ、はい……」
しかし遠慮するなと言われる方が無理のある事で、極力安めの、けれど最安値ではない物を探し出す。
リブロース、一八〇グラム、千六百円。フィレ、一八〇グラム、千八百円。アメリカンでようやく二百グラム九百二〇円。
そうして食欲をそそる写真付きのページをめくっていけば、ようやくいい塩梅の、それでいて食べたいと思えるような料理にたどり着いた。
(ハンバーグステーキ、八百三〇円……遠慮しすぎかな)
すると、そのすぐ上の存在に気づき、すぐさま指差し、叔母さんに示した。
手ごねプレミアムハンバーグ、二百二〇グラム、九百八〇円である。
「これでいい」
「いいの?それで?」
「うん」
「セットはどうするの?」
すると菜奈花は少し唸ったあとで、プラス二百円の、ライス、スープ付きのAセットをチョイスした。
「デザートは?」
そういえばそっちまで考えていなかった菜奈花は、ページを進め、その項目を見た。
パフェが五百八〇円、そもそも菜奈花はあまり食が太くない以上、食べきれるとも思わない。
さらにページを進めると、 ソフトドリンクの項目があり、デザートにプラスで百八〇円と書いてある。元が三百五〇円なのだから、折角だしとやっぱりページを戻した。
「ソフトクリーム、それにソフトドリンクをプラスでえーと……」
「オレンジ?それともメロン?」
「ホットコーヒー」
アイスクリームが二百五〇円、それにドリンクで百八〇円。前者を食後、後者を食前で頼むことにした。
叔母さんも、デザート、ドリンクの類は同じにするらしかった。
店員を呼び鈴で呼んで、注文を済ませると、菜奈花は軽く店内を、それもなるべく身動ぎする事のないように気を使いながら、見渡してみた。
モールの中にあるしっかりとした店で、所々に木面があしらわれていたりする。背は暗い木材のような加工の施してあるそれが、曇ったガラスを挟んでおり、その高さは叔母さんの座高よりも少し高い。見上げれば、上の角など、あまり気づかれないような隅に、古びた時計や、むき出しの石煉瓦風の塗装何かがしてあって、どことなくゴシックホラーっぽさを裏テーマとしてあしらわれているようであった。
――イニストラードは関係無いはずである。
店内でながれているのは、歌詞の聞き取れない、それでいて落ち着いたジャズ調のシックな曲であり、視線を戻せば、叔母さんは左手で頬杖して菜奈花を見ていた。
「な、なん……ですか?」
菜奈花はたまらず気になり、身動ぎした後で、姿勢を正してみせた。
「いや、菜奈花ちゃんもコーヒー飲むんだなぁって」
叔母さんは、誂うような視線を向けてくる。
「飲めますよ、流石に」
「でも砂糖とミルクは?」
「それは……入れます、けど」
すると叔母さんは、ちょっと微笑んで、
「そっか。私も、コーヒーには入れて飲むし、そもそも海外だとブラックは邪道らしいから、いいと思うんだけどな」
けれど別に、そんな豆知識を披露されても反応に困るらしく、「そ、そうなんですか……」と微妙な反応を返すのみに留まってしまう。
そうして会話が一度途切れると、互いに沈黙の時間が訪れてしまう。けれど叔母さんは慣れたらしく、目を瞑って、店内を流れるシックな曲に耳を澄ませた。菜奈花は逆に、身じろぎ一つの摩擦の音すら嫌って、キチンと背を伸ばし、正面を見据えていた。
ふと、叔母さんが目を開けるなり、ちょっと口元を歪ませて、
「そんなに肩張らなくてもいいでしょ、ほらリラックス」
そう言われると、菜奈花はようやく自分の肩が高い位置にあるのを理解したらしく、軽い、「は、はい」という相槌と共に、その力を抜いて、下ろした。
しかしその後に会話が生まれるでもなく、叔母さんは頬杖をついたまま、また目を瞑ると、菜奈花も今度は楽な姿勢で、しかしそれでいて身じろぎを嫌って、背筋を伸ばしたまま、やっぱり正面、叔母さんを見据えていた。
「さ、着いた着いた」と叔母さん、「何か食べたいものとかある?」
菜奈花はアルカナの事を振り払うかのように、ちょと唸った後で、けれど思いつかないらしく、
「特に何も……?」
事実、菜奈花的にはあまりこれと言って食べたいものは無く、であればそう答える他に無かった。
しかしそれも予想していたのか、
「じゃあデルバー行こっか」
デルバーとは、少しお高めのステーキを扱っている店である。モールにあること自体は知っていたが、あまり馴染みがなく、「いいんですか?」とつい確認をとってしまう。
「折角だし、いいのいいの」
そう言うと、叔母さんはブランド物のバッグを左手でぶら下げながら、歩み始めた。菜奈花はその後ろ姿を見ながら、ゆっくりと、けれど叔母さんと同じペースで歩き始めた。
叔母さんは、今日に限っては流石にスーツではなく、ブラウンのロングコートを羽織り、下はストレートデニムといった具合であった。靴は黒のローヒールパンプスであり、腕にはこれまたどこかのブランド物らしい女性ものの腕時計が垣間見える。
歩くたびの、カツ、カツとどこか聴き心地のいいタップを受けながら、菜奈花も歩調を合わせる。
もう何度も来慣れた店内の事などどうでもいいように、ただただ叔母さんの背だけを視界に捉え、歩みを進めていく。センターコートのエスカレーターを用いて、四階から三階――実はここにもフードコートがあるため、食事をしたいならこっちでも構わない――、次いでそのまま二階、一階と降りてゆけば、レストラン街はもう間もなくである。
「十一時半……」と叔母さん、「そろそろ混み始めるはずだから、やっぱり正解ね、この時間に合わせて」
見れば、店内は多少の混雑を物語っており、その証拠に、叔母さんの声も伝わりにくく感じた。
そうしてレストラン街へとやってきて、出入り口付近まで歩みを進めると、目的のそれが視界に映った。
――デルバープレミアム。黒い背景に、白いロゴと共に青い牛が描かれたそれが、入口上に店名を主張していた。
(どうして、牛に羽があるの?)
その牛は、何故か背中に羽を生やし、羽ばたいていた。
――羽を生やすのは変身後のはずである。
しかしそのふざけたような内容の看板とは裏腹に、店内は落ち着いていて、それでいて空腹を誘う匂いで充満していた。
店員が近づき、人数を尋ねると、叔母さんのは人差し指と中指を立てて、その数を示す。
そうして促されたのは、窓際であり、けれど特に外を凝視するでも無く一瞥したのみに終わると、そのまま席に着いた。当然、互いに向かい合うように、である。
長テーブルを挟んで対面する菜奈花と叔母さんだが、別に会話が始まるでもなく、叔母さんがメニュー表を二つ取り出すと、一つ菜奈花に渡してきた。
「さ、遠慮しないで、好きなの選んで」
「あ、はい……」
しかし遠慮するなと言われる方が無理のある事で、極力安めの、けれど最安値ではない物を探し出す。
リブロース、一八〇グラム、千六百円。フィレ、一八〇グラム、千八百円。アメリカンでようやく二百グラム九百二〇円。
そうして食欲をそそる写真付きのページをめくっていけば、ようやくいい塩梅の、それでいて食べたいと思えるような料理にたどり着いた。
(ハンバーグステーキ、八百三〇円……遠慮しすぎかな)
すると、そのすぐ上の存在に気づき、すぐさま指差し、叔母さんに示した。
手ごねプレミアムハンバーグ、二百二〇グラム、九百八〇円である。
「これでいい」
「いいの?それで?」
「うん」
「セットはどうするの?」
すると菜奈花は少し唸ったあとで、プラス二百円の、ライス、スープ付きのAセットをチョイスした。
「デザートは?」
そういえばそっちまで考えていなかった菜奈花は、ページを進め、その項目を見た。
パフェが五百八〇円、そもそも菜奈花はあまり食が太くない以上、食べきれるとも思わない。
さらにページを進めると、 ソフトドリンクの項目があり、デザートにプラスで百八〇円と書いてある。元が三百五〇円なのだから、折角だしとやっぱりページを戻した。
「ソフトクリーム、それにソフトドリンクをプラスでえーと……」
「オレンジ?それともメロン?」
「ホットコーヒー」
アイスクリームが二百五〇円、それにドリンクで百八〇円。前者を食後、後者を食前で頼むことにした。
叔母さんも、デザート、ドリンクの類は同じにするらしかった。
店員を呼び鈴で呼んで、注文を済ませると、菜奈花は軽く店内を、それもなるべく身動ぎする事のないように気を使いながら、見渡してみた。
モールの中にあるしっかりとした店で、所々に木面があしらわれていたりする。背は暗い木材のような加工の施してあるそれが、曇ったガラスを挟んでおり、その高さは叔母さんの座高よりも少し高い。見上げれば、上の角など、あまり気づかれないような隅に、古びた時計や、むき出しの石煉瓦風の塗装何かがしてあって、どことなくゴシックホラーっぽさを裏テーマとしてあしらわれているようであった。
――イニストラードは関係無いはずである。
店内でながれているのは、歌詞の聞き取れない、それでいて落ち着いたジャズ調のシックな曲であり、視線を戻せば、叔母さんは左手で頬杖して菜奈花を見ていた。
「な、なん……ですか?」
菜奈花はたまらず気になり、身動ぎした後で、姿勢を正してみせた。
「いや、菜奈花ちゃんもコーヒー飲むんだなぁって」
叔母さんは、誂うような視線を向けてくる。
「飲めますよ、流石に」
「でも砂糖とミルクは?」
「それは……入れます、けど」
すると叔母さんは、ちょっと微笑んで、
「そっか。私も、コーヒーには入れて飲むし、そもそも海外だとブラックは邪道らしいから、いいと思うんだけどな」
けれど別に、そんな豆知識を披露されても反応に困るらしく、「そ、そうなんですか……」と微妙な反応を返すのみに留まってしまう。
そうして会話が一度途切れると、互いに沈黙の時間が訪れてしまう。けれど叔母さんは慣れたらしく、目を瞑って、店内を流れるシックな曲に耳を澄ませた。菜奈花は逆に、身じろぎ一つの摩擦の音すら嫌って、キチンと背を伸ばし、正面を見据えていた。
ふと、叔母さんが目を開けるなり、ちょっと口元を歪ませて、
「そんなに肩張らなくてもいいでしょ、ほらリラックス」
そう言われると、菜奈花はようやく自分の肩が高い位置にあるのを理解したらしく、軽い、「は、はい」という相槌と共に、その力を抜いて、下ろした。
しかしその後に会話が生まれるでもなく、叔母さんは頬杖をついたまま、また目を瞑ると、菜奈花も今度は楽な姿勢で、しかしそれでいて身じろぎを嫌って、背筋を伸ばしたまま、やっぱり正面、叔母さんを見据えていた。
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