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サクリファイス・レノ
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「久しぶりだな、俺は別に今日は不正の件について来たわけではなく、一人の医者を返してもらいに来ただけだ。彼はもうこの研究所から縁は切れたはず、今すぐ彼を解放しないというのなら考えがある。はっきり言ってそちらの不利益なんて構わないんでね?
もう手段は選ばない。レノを返せ!」
レノを抱き上げて立たせるとグローザは彼を背中に庇うように。ヴァイスはそれがいかにも気に食わないという表情で見ている。
「キャスレット……全てを思い出したというのか?」
「ああ、俺はマイン・ジーヴァ・キャスレット、フリージャーナリストの人脈は舐めない方がいいぜ」
グローザことジーヴァは不敵に笑う。レノの作った薬はどうやら無事効いたらしい。
「何度でも言う、今すぐレノを解放しろ!」
***
止まったエレベーターの代わりに非常階段を二人で駆け降りた。グローザとレノは手を取り合って研究所からの脱出を試みている。
「罠にかかった研究者の話を聞いていてもたってもいられなくなってあの町に向かった。東カリクの医者、聡明な彼に話を聞かなければと……ただ途中でソフィア製薬部の追手に捕まって投薬され記憶を失ってね。後はもう意志だけで動いていた。俺はずっとお前のことを助けたかったんだ、レノ」
「グローザ……」
エントレンスフロアにたどり着けばそこは無数のマスコミの集団であふれていた。
もう手段は選ばない。レノを返せ!」
レノを抱き上げて立たせるとグローザは彼を背中に庇うように。ヴァイスはそれがいかにも気に食わないという表情で見ている。
「キャスレット……全てを思い出したというのか?」
「ああ、俺はマイン・ジーヴァ・キャスレット、フリージャーナリストの人脈は舐めない方がいいぜ」
グローザことジーヴァは不敵に笑う。レノの作った薬はどうやら無事効いたらしい。
「何度でも言う、今すぐレノを解放しろ!」
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止まったエレベーターの代わりに非常階段を二人で駆け降りた。グローザとレノは手を取り合って研究所からの脱出を試みている。
「罠にかかった研究者の話を聞いていてもたってもいられなくなってあの町に向かった。東カリクの医者、聡明な彼に話を聞かなければと……ただ途中でソフィア製薬部の追手に捕まって投薬され記憶を失ってね。後はもう意志だけで動いていた。俺はずっとお前のことを助けたかったんだ、レノ」
「グローザ……」
エントレンスフロアにたどり着けばそこは無数のマスコミの集団であふれていた。
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