22 / 66
子守唄うたって
03
しおりを挟む
「砂和ー、無垢の反抗期は終わったか?」
「向島です。まだね、素直になれないようですよ」
職員室で昼食の弁当を広げていたら、カップラーメンを持った青海がやって来た。お湯を注いでこれから三分、でもその大きな身体に果たしてそれだけで足りるのか。
「だけどあれから髪の毛伸ばすのやめたよな」
「この頃は月に一回は散髪に行っているようです。駅前の美容室」
「なんだそれ、逆に女子かよ、まあ無垢人気あるもんなァ」
「誰に?」
「学年の女子生徒。廊下通るだけでキャッキャ言われてるぜ」
「む、無垢が……?」
「おうよ。騒がしいと思ったらあいつが中心にいること多いし、日々をそれなりに楽しんでるよ。安心しろ、母ちゃん。反抗ばっかりしてるけどさ、お前が心配しなくても立派に青春してるわ、アイツ」
彼女がどうとか聞いたわけではない、でも思えばそれも当たり前にいる年頃だった。いつの間にか無垢も成長はしていたらしい。
「食べないなら玉子焼きもらうぜ」
「あ、それ残しておいた……」
「美味いなー、お前さ今度から俺の弁当も作って来いよ。本当に母ちゃんの味じゃんか」
「材料費と時給をいただけるなら」
「ケチ!」
「向島です。まだね、素直になれないようですよ」
職員室で昼食の弁当を広げていたら、カップラーメンを持った青海がやって来た。お湯を注いでこれから三分、でもその大きな身体に果たしてそれだけで足りるのか。
「だけどあれから髪の毛伸ばすのやめたよな」
「この頃は月に一回は散髪に行っているようです。駅前の美容室」
「なんだそれ、逆に女子かよ、まあ無垢人気あるもんなァ」
「誰に?」
「学年の女子生徒。廊下通るだけでキャッキャ言われてるぜ」
「む、無垢が……?」
「おうよ。騒がしいと思ったらあいつが中心にいること多いし、日々をそれなりに楽しんでるよ。安心しろ、母ちゃん。反抗ばっかりしてるけどさ、お前が心配しなくても立派に青春してるわ、アイツ」
彼女がどうとか聞いたわけではない、でも思えばそれも当たり前にいる年頃だった。いつの間にか無垢も成長はしていたらしい。
「食べないなら玉子焼きもらうぜ」
「あ、それ残しておいた……」
「美味いなー、お前さ今度から俺の弁当も作って来いよ。本当に母ちゃんの味じゃんか」
「材料費と時給をいただけるなら」
「ケチ!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
19
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる