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4.対決!元祖美術部対生徒会
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椅子に腰かけ、5人を並ばせながら一人一人に笑みは浮みかけているが、その瞳は明らかに殺気をはらみ睨んでいる。
「ねぇ」
「はい・・・」
「何部でしたかしら?此処は」
「元祖美術部です」
「そうよね、美術部よね~。そんな美術部員さんたちが、何やっているのかしら?」
「それは・・・」
ドンッ!!
机を拳で叩き反論を許さない態度は、今までとは明らかに違っていた。
「私、言いましたよね」
「・・・」
「毎回毎回、様子見に来ればゲームばっかりやっていて、美術部らしい活動なんかこれぽっちもやっていないじゃない」
「で、でも、仁井田先輩は、ちゃんとデッサンとか絵をかいていますよ。わ、私だって、それなりにやっていいますし」
「仁井田さんは確かにやってはいますけど、デッサンだけで展覧会にも出品してないし、あなたなんか、プラモデル作っているだけでしょ!」
「プラモデルじゃなく、あれはガレキフィギュアのスクラッチで・・・」
「大して違いはないわよ」
「その言い方は、ちょっと横暴じゃないんじゃないですか?」
吐き捨てられるような言い方に、流石の相馬も少し興奮したのかムッとした表情で甲葉睨み返すのであった。
一触即発に、池波は両名に抑えるように自制を促す。
「まぁまぁ、相馬君も甲葉会長代理も抑えて抑えて」
「そうですよ、他の部活だって活動らしい活動もしてない部だってあるじゃなか」
「他所は他所よ」
「そういういい方は無いだろう」
「普段の行いの違いよ。大体、ゲームやらせる為に、部員確保をさせたんじゃないですからね」
「でも、条件は無かったですよね」
「普通、部員獲得に条件つけますか」
藤田と甲葉のやり取りが過熱を帯び、収拾がつきづらくなってきて、この場をどうやって収めるか落とし所を探しているが、発端の当人はただやり取りをぼんやりと眺めている。
「これ、何時まで続くんですかね・・・グッ!」
仁井田に、肘で脇腹を小突かれ痛みで呻きながら前のめりになりながら彼女を見上げ、
「何するんですか」
「あんたが、余計な事言ったからでしょ」
その様子に池波が近づき、
「君はほんと、状況を見ないね。おれ、早く帰りたいんだよ」
「そんな事言ったって」
「あの場合は、適当にその場に合わせて、あとで帳尻合わせればいいんだよ」
「でも、間違ってはいないはずじゃ」
「正しい事が、正解じゃないぞ。彼女を見ろ」
池波の目線の先には、イラついてきたのか腕を組み足を鳴らしながら、藤田と甲葉のやり取りを見ている相馬の姿が。
「彼女、相当ご立腹だぜ」
「・・・相馬さん」
相馬の姿に、自分がした軽はずみな行動に、みんなが迷惑してしまったと思い、唇を噛みしめ俯く。
「僕・・・どうしたら」
「さぁな、こうなってしまった以上、今更入部した所で収まらんだろうし」
「じゃ!」
出口のない堂々巡りの押し問答に、その場にいた全員の不満が爆発しそうになり始めてきた頃、その空気をかき消すかのように、突然教室の扉が開いた。
「よう、みんな集まっているな」
原因の一端を作った男、岡安がやってきた。
「ねぇ」
「はい・・・」
「何部でしたかしら?此処は」
「元祖美術部です」
「そうよね、美術部よね~。そんな美術部員さんたちが、何やっているのかしら?」
「それは・・・」
ドンッ!!
机を拳で叩き反論を許さない態度は、今までとは明らかに違っていた。
「私、言いましたよね」
「・・・」
「毎回毎回、様子見に来ればゲームばっかりやっていて、美術部らしい活動なんかこれぽっちもやっていないじゃない」
「で、でも、仁井田先輩は、ちゃんとデッサンとか絵をかいていますよ。わ、私だって、それなりにやっていいますし」
「仁井田さんは確かにやってはいますけど、デッサンだけで展覧会にも出品してないし、あなたなんか、プラモデル作っているだけでしょ!」
「プラモデルじゃなく、あれはガレキフィギュアのスクラッチで・・・」
「大して違いはないわよ」
「その言い方は、ちょっと横暴じゃないんじゃないですか?」
吐き捨てられるような言い方に、流石の相馬も少し興奮したのかムッとした表情で甲葉睨み返すのであった。
一触即発に、池波は両名に抑えるように自制を促す。
「まぁまぁ、相馬君も甲葉会長代理も抑えて抑えて」
「そうですよ、他の部活だって活動らしい活動もしてない部だってあるじゃなか」
「他所は他所よ」
「そういういい方は無いだろう」
「普段の行いの違いよ。大体、ゲームやらせる為に、部員確保をさせたんじゃないですからね」
「でも、条件は無かったですよね」
「普通、部員獲得に条件つけますか」
藤田と甲葉のやり取りが過熱を帯び、収拾がつきづらくなってきて、この場をどうやって収めるか落とし所を探しているが、発端の当人はただやり取りをぼんやりと眺めている。
「これ、何時まで続くんですかね・・・グッ!」
仁井田に、肘で脇腹を小突かれ痛みで呻きながら前のめりになりながら彼女を見上げ、
「何するんですか」
「あんたが、余計な事言ったからでしょ」
その様子に池波が近づき、
「君はほんと、状況を見ないね。おれ、早く帰りたいんだよ」
「そんな事言ったって」
「あの場合は、適当にその場に合わせて、あとで帳尻合わせればいいんだよ」
「でも、間違ってはいないはずじゃ」
「正しい事が、正解じゃないぞ。彼女を見ろ」
池波の目線の先には、イラついてきたのか腕を組み足を鳴らしながら、藤田と甲葉のやり取りを見ている相馬の姿が。
「彼女、相当ご立腹だぜ」
「・・・相馬さん」
相馬の姿に、自分がした軽はずみな行動に、みんなが迷惑してしまったと思い、唇を噛みしめ俯く。
「僕・・・どうしたら」
「さぁな、こうなってしまった以上、今更入部した所で収まらんだろうし」
「じゃ!」
出口のない堂々巡りの押し問答に、その場にいた全員の不満が爆発しそうになり始めてきた頃、その空気をかき消すかのように、突然教室の扉が開いた。
「よう、みんな集まっているな」
原因の一端を作った男、岡安がやってきた。
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