14 / 69
第1章 俺は子猫であり弟?
弟(1)
しおりを挟む
おやつを食べ終わった明莉は、お義母さんに音読と計算カードを聞いてもらっている。
学童保育に行っている明莉は、音読と計算カード以外の宿題は学童保育で終わらせてくることが多い。
音読と計算カードは、時間を計ったり、チェックカードに親が記入することがあるため、家でしないといけないようだ。
「四一が四、四二が八、四三十二・・・」
五の段、二の段、三の段ときて、今日は四の段か。
明莉が唱える九九の段数が少しずつ増えてきている。
「四七」と「四八」で少しつまったが、今日も全部言うことができた。
明莉が新しいことができるようになるところを間近で見られるのは嬉しい。
宿題と時間割をすませた明莉は、おもちゃの猫じゃらしで俺と遊んでくれる。
カシャという音に誘われて、俺は手を伸ばしたり、とびついたりしている。
人間だった時の記憶がある俺は、頭で考えて行動することが多いが、猫としての本能もあるようで、猫が好きなものには反応してしまう。
「また一緒いるの。本当に仲良しさんね。」
明莉と俺が遊んでいる様子を見て、お義母さんが声をかけてきた。
「そうよ。オトは、明莉の弟なの。」
弟!?
明莉の衝撃発言に一瞬、固まってしまったが、何でもないふりをして猫じゃらしに手を伸ばす。
「へえ、なんで弟なの?」
お義母さんに訊かれて、明莉は猫じゃらしをふりながら話を続ける。
「明莉ね、弟か妹がほしかったの。学校の友達に、弟や妹がいる人がいてね。『お姉ちゃん』って、呼ばれてるの。それで一緒に遊んだり、お世話してあげたりしてるの。・・・だから明莉も、弟か妹がほしかったの。そしたらね、パパのお墓参りに行った帰りに、オトがきたの。きっと、パパが明莉に、弟をプレゼントしてくれたんだと思う。」
「だから、オトちゃんは明莉の弟なのね。」
「そうよ。明莉はお姉ちゃんだから、オトと一緒に遊んだり、お世話したりするの。」
「じゃあ、お姉ちゃん、頑張ってね!」
お義母さんは、明莉の頭を撫でながら言った。
学童保育に行っている明莉は、音読と計算カード以外の宿題は学童保育で終わらせてくることが多い。
音読と計算カードは、時間を計ったり、チェックカードに親が記入することがあるため、家でしないといけないようだ。
「四一が四、四二が八、四三十二・・・」
五の段、二の段、三の段ときて、今日は四の段か。
明莉が唱える九九の段数が少しずつ増えてきている。
「四七」と「四八」で少しつまったが、今日も全部言うことができた。
明莉が新しいことができるようになるところを間近で見られるのは嬉しい。
宿題と時間割をすませた明莉は、おもちゃの猫じゃらしで俺と遊んでくれる。
カシャという音に誘われて、俺は手を伸ばしたり、とびついたりしている。
人間だった時の記憶がある俺は、頭で考えて行動することが多いが、猫としての本能もあるようで、猫が好きなものには反応してしまう。
「また一緒いるの。本当に仲良しさんね。」
明莉と俺が遊んでいる様子を見て、お義母さんが声をかけてきた。
「そうよ。オトは、明莉の弟なの。」
弟!?
明莉の衝撃発言に一瞬、固まってしまったが、何でもないふりをして猫じゃらしに手を伸ばす。
「へえ、なんで弟なの?」
お義母さんに訊かれて、明莉は猫じゃらしをふりながら話を続ける。
「明莉ね、弟か妹がほしかったの。学校の友達に、弟や妹がいる人がいてね。『お姉ちゃん』って、呼ばれてるの。それで一緒に遊んだり、お世話してあげたりしてるの。・・・だから明莉も、弟か妹がほしかったの。そしたらね、パパのお墓参りに行った帰りに、オトがきたの。きっと、パパが明莉に、弟をプレゼントしてくれたんだと思う。」
「だから、オトちゃんは明莉の弟なのね。」
「そうよ。明莉はお姉ちゃんだから、オトと一緒に遊んだり、お世話したりするの。」
「じゃあ、お姉ちゃん、頑張ってね!」
お義母さんは、明莉の頭を撫でながら言った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる