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第二章 揺れる翡翠
第三話
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その日の午後、アルヴィンに屋敷の外を案内してもらえることになった。
中庭を抜けた先に、屋敷の敷地に隣接した小さな森があるらしい。
散策に丁度いい小道が整備されているとクロエに聞いて、リゼットは朝からそわそわしていた。
――また二人で出かけられる。
そう気づいた瞬間、自分でも呆れるくらいに気持ちが浮き立った。
昨日の町での時間が、思いのほか楽しかったから。
それだけだ。きっとそれだけの話だ。
リゼットは鏡の前でそう言い聞かせながら、クロエに髪を整えてもらった。
「少し結びましょうか。森は枝が多いので」
「うん、お願い」
クロエの手が丁寧にリゼットの髪をまとめていく。
鏡越しに、クロエがにこにこしているのが見えた。
「楽しみですか、リゼット様」
「……別に、普通に」
「顔がそう言っていないですよ」
リゼットは黙った。
クロエはそれ以上何も言わなかったが、鏡の中の笑顔がいっそう深くなった。
玄関前でアルヴィンが待っていた。
いつもの黒い上着ではなく、今日は少し軽めの濃紺のジャケットを着ていた。
それだけで、なんとなく近づきやすい雰囲気がある。
リゼットが駆け足で近づくと、アルヴィンは静かに目を細めた。
「楽しみにしていましたか」
「……少しだけ」
「そうですか」
口元が、かすかに動いた。
笑っている。
リゼットは視線を逸らした。
森への小道は、思ったより趣があった。
木漏れ日が石畳を斑に染めて、風が吹くたびに木々がさわさわと鳴る。
鳥の声が遠くから聞こえてきた。
「きれいなところですね」
「春が一番いい季節です。もう少し奥に進むと、野生のスミレが群生していて」
「見たいです」
リゼットは思わず先を急ごうとして、石畳の外の草地に足を踏み入れた。
ふかふかとした苔の上を歩くのが気持ちよくて、ついつい足が進む。
そのとき。
ざっ、と茂みが揺れた。
リゼットが立ち止まる間もなく、茂みの中から大きな野犬が飛び出してきた。
低く唸り声を上げながら、リゼットの方を向いている。
毛が逆立っていた。
「……っ!」
声も出なかった。
足がすくんで、動けない。
次の瞬間。
ふわっと、影が差した。
アルヴィンがリゼットの前に立っていた。
いつ動いたのかわからない。
気づいたときにはもう、リゼットとの間に入って、腕を広げるように遮っていた。
「下がっていてください」
低い、静かな声だった。
でもその声には、有無を言わさない何かがあった。
野犬がアルヴィンを見る。
アルヴィンは動かない。
ただまっすぐに、野犬の目を見据えていた。
しばらく、時間が止まったみたいな静寂が続いた。
それからぷいっと、野犬が踵を返した。
茂みの中にするすると消えていく。
リゼットはしばらく、呼吸を忘れていた。
「……行きましたよ」
アルヴィンが振り返った。
その顔は穏やかで、さっきまでの緊迫が嘘みたいだ。
「大丈夫ですか」
「は、い……」
声が震えた。
膝も、じんわりと笑っている。
リゼットが一歩踏み出そうとした瞬間、力が抜けてよろけた。
アルヴィンの手が、すっと伸びてきた。
片方の手がリゼットの手首をしっかりと掴んで、もう片方がそっと腰を支える。
倒れかけた体が、ふわりと引き止められた。
その瞬間、アルヴィンの動きが止まった。
掴んだリゼットの手が、よほど冷たかったのだろう。
アルヴィンの目が、かすかに細くなった。
「……手が冷えていますね」
「驚いたせいだと思います。すぐ、治るので」
「そうですか」
アルヴィンはそれだけ言って、リゼットが安定して立てるのを確認してから、ゆっくりと手を離した。
でもその一瞬、離す前に、掴んでいた手をほんのわずかだけ、温めるように包んだ気がした。
気のせいかもしれない。
でもリゼットは、それを確かめる勇気がなかった。
「……もう少し、このままでいていいですか」
アルヴィンが静かに言った。
腰に添えた手はまだそっとそこにある。
リゼットの方を見ていない。
でもその耳が、ほんの少しだけ赤くなっているのが見えた。
――この人が、今。
リゼットは何も言えなかった。
ただ小さく頷いて、アルヴィンの手が腰に触れたまま、じっとしていた。
風が吹いて、木々がさわさわと鳴った。
鳥の声が、遠くでまた聞こえた。
どのくらいそうしていただろう。
アルヴィンがゆっくりと、手を離した。
「……失礼しました」
「いえ」
二人とも、少しの間黙っていた。
それからアルヴィンが「スミレを見に行きましょう」と言って、歩き出した。
リゼットはその隣に並びながら、胸の中がどうにも落ち着かないのを感じていた。
鼓動が、まだうるさい。
森の奥のスミレは、本当にきれいだった。
薄紫の小さな花が、草地一面に広がっている。
風に揺れるたびに、やわらかな香りが漂ってきた。
「すごい……」
リゼットは思わずしゃがみ込んで、スミレに顔を近づけた。
「花言葉は何ですか」
アルヴィンが隣でしゃがみながら聞いた。
「スミレの花言葉は……『誠実な愛』です」
言ってから、少し後悔した。
今この状況でその言葉は、なんか恥ずかしい。
でもアルヴィンは「そうですか」と静かに言って、スミレをひと枝そっと摘んだ。
それをリゼットに差し出す。
「では、ぴったりですね」
「……何が、ですか」
「さあ」
アルヴィンは立ち上がって、また歩き始めた。
リゼットは手の中のスミレを見つめながら、頬の熱さをごまかすように、深呼吸を一つした。
屋敷に戻ると、クロエが玄関で出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ。楽しめましたか?」
「うん、すごくきれいだった」
リゼットが答えながらジャケットを脱ごうとしたとき、アルヴィンがクロエに静かに何か耳打ちするのが見えた。
小声で、短く。
クロエがこくりと頷く。
何を言ったんだろう、と思ったが、アルヴィンはすぐにいつもの顔に戻っていた。
「今日はありがとうございました。ゆっくり休んでください」
「はい。私こそ、楽しかったです」
アルヴィンは少しだけ目を細めて、廊下の奥へと歩いていった。
自室に戻ってしばらくすると、クロエがトレイを持ってやってきた。
「アルヴィン様からのご指示で、お持ちしました」
トレイの上には、温かいハーブティーのカップが一つ。
淡い黄金色のお茶から、やわらかな湯気が立ち上っている。
「ショウガとシナモンのブレンドです。体が芯から温まりますよ」
リゼットは少し呆然としながら、カップを受け取った。
「アルヴィン様が……」
「はい。リゼット様の手が冷えていたから、温まってほしいと」
それだけ言って、クロエは静かに部屋を出て行った。
リゼットはカップを両手で包んで、ゆっくりと一口飲んだ。
じわりと、温かさが広がっていく。
喉から胸の奥まで、じんわりと。
――手が冷えていたから。
たったそれだけのことを、覚えていてくれた。
ちゃんと覚えていて、帰ってすぐにハーブティーを用意してくれた。
何も言わずに。。。
リゼットはカップを持ったまま、しばらく動けなかった。
胸の奥がじんわりと、お茶の温かさと同じくらいに、温かくなっていた。
窓の外に、月が出ていた。
白くて、静かな月だ。
リゼットは手のひらを見つめた。
スミレはもう、部屋の花瓶に飾ってある。
――誠実な愛、か。
アルヴィンは「ぴったりですね」と言った。
何が、ぴったりなんだろう。
その答えを、まだ聞けていない。
でも今夜は、それをそんなに怖いとは思わなかった。
中庭を抜けた先に、屋敷の敷地に隣接した小さな森があるらしい。
散策に丁度いい小道が整備されているとクロエに聞いて、リゼットは朝からそわそわしていた。
――また二人で出かけられる。
そう気づいた瞬間、自分でも呆れるくらいに気持ちが浮き立った。
昨日の町での時間が、思いのほか楽しかったから。
それだけだ。きっとそれだけの話だ。
リゼットは鏡の前でそう言い聞かせながら、クロエに髪を整えてもらった。
「少し結びましょうか。森は枝が多いので」
「うん、お願い」
クロエの手が丁寧にリゼットの髪をまとめていく。
鏡越しに、クロエがにこにこしているのが見えた。
「楽しみですか、リゼット様」
「……別に、普通に」
「顔がそう言っていないですよ」
リゼットは黙った。
クロエはそれ以上何も言わなかったが、鏡の中の笑顔がいっそう深くなった。
玄関前でアルヴィンが待っていた。
いつもの黒い上着ではなく、今日は少し軽めの濃紺のジャケットを着ていた。
それだけで、なんとなく近づきやすい雰囲気がある。
リゼットが駆け足で近づくと、アルヴィンは静かに目を細めた。
「楽しみにしていましたか」
「……少しだけ」
「そうですか」
口元が、かすかに動いた。
笑っている。
リゼットは視線を逸らした。
森への小道は、思ったより趣があった。
木漏れ日が石畳を斑に染めて、風が吹くたびに木々がさわさわと鳴る。
鳥の声が遠くから聞こえてきた。
「きれいなところですね」
「春が一番いい季節です。もう少し奥に進むと、野生のスミレが群生していて」
「見たいです」
リゼットは思わず先を急ごうとして、石畳の外の草地に足を踏み入れた。
ふかふかとした苔の上を歩くのが気持ちよくて、ついつい足が進む。
そのとき。
ざっ、と茂みが揺れた。
リゼットが立ち止まる間もなく、茂みの中から大きな野犬が飛び出してきた。
低く唸り声を上げながら、リゼットの方を向いている。
毛が逆立っていた。
「……っ!」
声も出なかった。
足がすくんで、動けない。
次の瞬間。
ふわっと、影が差した。
アルヴィンがリゼットの前に立っていた。
いつ動いたのかわからない。
気づいたときにはもう、リゼットとの間に入って、腕を広げるように遮っていた。
「下がっていてください」
低い、静かな声だった。
でもその声には、有無を言わさない何かがあった。
野犬がアルヴィンを見る。
アルヴィンは動かない。
ただまっすぐに、野犬の目を見据えていた。
しばらく、時間が止まったみたいな静寂が続いた。
それからぷいっと、野犬が踵を返した。
茂みの中にするすると消えていく。
リゼットはしばらく、呼吸を忘れていた。
「……行きましたよ」
アルヴィンが振り返った。
その顔は穏やかで、さっきまでの緊迫が嘘みたいだ。
「大丈夫ですか」
「は、い……」
声が震えた。
膝も、じんわりと笑っている。
リゼットが一歩踏み出そうとした瞬間、力が抜けてよろけた。
アルヴィンの手が、すっと伸びてきた。
片方の手がリゼットの手首をしっかりと掴んで、もう片方がそっと腰を支える。
倒れかけた体が、ふわりと引き止められた。
その瞬間、アルヴィンの動きが止まった。
掴んだリゼットの手が、よほど冷たかったのだろう。
アルヴィンの目が、かすかに細くなった。
「……手が冷えていますね」
「驚いたせいだと思います。すぐ、治るので」
「そうですか」
アルヴィンはそれだけ言って、リゼットが安定して立てるのを確認してから、ゆっくりと手を離した。
でもその一瞬、離す前に、掴んでいた手をほんのわずかだけ、温めるように包んだ気がした。
気のせいかもしれない。
でもリゼットは、それを確かめる勇気がなかった。
「……もう少し、このままでいていいですか」
アルヴィンが静かに言った。
腰に添えた手はまだそっとそこにある。
リゼットの方を見ていない。
でもその耳が、ほんの少しだけ赤くなっているのが見えた。
――この人が、今。
リゼットは何も言えなかった。
ただ小さく頷いて、アルヴィンの手が腰に触れたまま、じっとしていた。
風が吹いて、木々がさわさわと鳴った。
鳥の声が、遠くでまた聞こえた。
どのくらいそうしていただろう。
アルヴィンがゆっくりと、手を離した。
「……失礼しました」
「いえ」
二人とも、少しの間黙っていた。
それからアルヴィンが「スミレを見に行きましょう」と言って、歩き出した。
リゼットはその隣に並びながら、胸の中がどうにも落ち着かないのを感じていた。
鼓動が、まだうるさい。
森の奥のスミレは、本当にきれいだった。
薄紫の小さな花が、草地一面に広がっている。
風に揺れるたびに、やわらかな香りが漂ってきた。
「すごい……」
リゼットは思わずしゃがみ込んで、スミレに顔を近づけた。
「花言葉は何ですか」
アルヴィンが隣でしゃがみながら聞いた。
「スミレの花言葉は……『誠実な愛』です」
言ってから、少し後悔した。
今この状況でその言葉は、なんか恥ずかしい。
でもアルヴィンは「そうですか」と静かに言って、スミレをひと枝そっと摘んだ。
それをリゼットに差し出す。
「では、ぴったりですね」
「……何が、ですか」
「さあ」
アルヴィンは立ち上がって、また歩き始めた。
リゼットは手の中のスミレを見つめながら、頬の熱さをごまかすように、深呼吸を一つした。
屋敷に戻ると、クロエが玄関で出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ。楽しめましたか?」
「うん、すごくきれいだった」
リゼットが答えながらジャケットを脱ごうとしたとき、アルヴィンがクロエに静かに何か耳打ちするのが見えた。
小声で、短く。
クロエがこくりと頷く。
何を言ったんだろう、と思ったが、アルヴィンはすぐにいつもの顔に戻っていた。
「今日はありがとうございました。ゆっくり休んでください」
「はい。私こそ、楽しかったです」
アルヴィンは少しだけ目を細めて、廊下の奥へと歩いていった。
自室に戻ってしばらくすると、クロエがトレイを持ってやってきた。
「アルヴィン様からのご指示で、お持ちしました」
トレイの上には、温かいハーブティーのカップが一つ。
淡い黄金色のお茶から、やわらかな湯気が立ち上っている。
「ショウガとシナモンのブレンドです。体が芯から温まりますよ」
リゼットは少し呆然としながら、カップを受け取った。
「アルヴィン様が……」
「はい。リゼット様の手が冷えていたから、温まってほしいと」
それだけ言って、クロエは静かに部屋を出て行った。
リゼットはカップを両手で包んで、ゆっくりと一口飲んだ。
じわりと、温かさが広がっていく。
喉から胸の奥まで、じんわりと。
――手が冷えていたから。
たったそれだけのことを、覚えていてくれた。
ちゃんと覚えていて、帰ってすぐにハーブティーを用意してくれた。
何も言わずに。。。
リゼットはカップを持ったまま、しばらく動けなかった。
胸の奥がじんわりと、お茶の温かさと同じくらいに、温かくなっていた。
窓の外に、月が出ていた。
白くて、静かな月だ。
リゼットは手のひらを見つめた。
スミレはもう、部屋の花瓶に飾ってある。
――誠実な愛、か。
アルヴィンは「ぴったりですね」と言った。
何が、ぴったりなんだろう。
その答えを、まだ聞けていない。
でも今夜は、それをそんなに怖いとは思わなかった。
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