22 / 45
次なる場所へ行こう
携帯食
しおりを挟むさてと、ここのギルドも使えるようになったし、今受けられる依頼も全部受けて来た。後は、近くのフィールドに出て、依頼を熟しつつ素材を集めてシュラのレベルを上げていくことにしよう。
そういえば、テイムスキルのレベルが10を超えたから2匹目もテイムできるようになったんだよね。なら、それもついでに探すことにしようかな。
街の近くのフィールドでモンスターを倒していく。周囲には別のプレイヤーは居るけれど、そこまでの密度ではないので順調にモンスターを狩ることが出来ている。
この辺りに出て来るモンスターは、犬や狐のようなモンスターと、レベルが大幅に上がったスライムが大半。たまにトカゲやもぐらのようなモンスターが出て来るけど、それは本当にたまにで割合で言うと100匹に1匹居るかどうかの数しか出て来ない。
うん。この辺りのモンスターのレベル帯は10前後と言ったところかな。第1エリアやダンジョンと比べても大分高くなっている。とは言え、だからと言って苦戦することは無いんだけど。
1時間もフィールドで戦っていれば、依頼の方も、採取系以外は全て完了していて後は報告をすれば依頼は達成される状態になっていた。残っている採取系の依頼で必要なアイテムを取りに向かう途中も、育成スキルで使用する素材を獲得するためにモンスターを狩りながら進んで行く。
「シュラ! そっちに行ったよ」
「です!」
フィールドに居た犬型のモンスターが1体、シュラのいる方へ駆けていく。どうやらこの犬型モンスターは数匹の群れでエンカウントしやすいようで、討伐系の依頼を熟している最中も何度も群れと遭遇し戦闘になっている。
今は私が3体引き付けているので、その横を通り抜けてシュラの方へ攻撃を仕掛けていった犬を止めることは出来ない。しかし、こうなったのは初めてではないので、慌てることなくシュラに指示を出して自力で対処させる。
「なのです!」
掛け声と同時にシュラが攻撃する。体当たりをするわけではなく、体の一部を鞭状に伸ばしそれを使って攻撃している。
見た目の攻撃力はそこまで高くはないのだけど、どうやら魔法攻撃判定らしく、2発も当てれば犬はポリゴンになって消えていった。
「っです!」
うん、ドヤ顔だね。可愛い…可愛いんだけど、どんどん話せる言葉が増えているような気がするんだよね。最初なんて『の!』だけだったのに、いつの間にか『なのです』まで言えるようになっているし。
……最終的にはプレイヤーと同じように話せるようになったりしちゃう?
そうなったら殆どNPCと同じ……ううん、それ以上に近い存在になるね。でもさ、そんな子が死んだら消える、って考えると戦わせ辛いんだけど! いやもう本当に戦わせられなくなりそうだよ。
いや、テイマーになっておいて今更何を言っているの? という感じはあるんだろうけどさ、実際にその可能性が目の前に出て来ると、実感がわいてくるものなんだよ。
まあ、私がそうならないように立ち回ればいいんだろうけど、別にこういうゲームが特別得意っていうわけじゃないんだよね。へたくそだとは思わないけど、完全に守りながら戦闘するのは自信はないよ。
「です?」
「ん? ああ、ごめんね。戦いも終わったから次の場所に移動しよ」
まあ、そのなるかどうかはまだわからないし、今考えたところでどうすることもできないからね。ちょっとフラグな気はするけど。
それで結構な時間、同じ場所でモンスターを倒す続けていたせいなのか、周囲にリポップしてくるモンスターの数が減って来ているようなので別の場所に移動することにして、今の場所から少し離れた場所にある森の前に到着した。
町を出てから結構な時間が経っているのでちょっとステータスを確認。……満腹度は73%、まあまあ減っているくらいかな。
これは余裕があるうちに満腹度を回復させておいた方が良いよね。今は問題ないけど、この先満腹度を回復できるような余裕がない可能性もあるし、ギリギリの状況で戦うのも集中できないだろうから、出来る時にしておいた方がいいはず。
フィールドに出る前に買い込んでいた満腹度が10%回復する携帯パンというアイテム名を持った、コッペパンのようなパンをインベントリから取り出して食べる。
うーん、まあ、携帯食扱いのパンならこんな物かなぁ。
まずくはないんだけど、特別美味くはないパンを齧りながらそう思う。
イケシルバーに連れていってもらったところで食べた料理は結構おいしかったからもしかしたらって思ったんだけど、普通のコッペパンだね。最近食べていないから本当にこれがコッペパンだと明確に判断はできないけど、たぶん普通のコッペパンだ。
これで満腹度は83%になった。もう一個くらい食べておいた方がいいかな。ん? シュラが私を見て……違う、携帯パンを見ているの?
「シュラも食べたいの?」
「…です」
シュラは若干恥ずかしそうに視線を逸らしたけど、これは食べたいんだよね? 気になっていただけならこんな反応はしないはずだし。
でも、テイムモンスターって食べ物、食べさせていいの? 料理には一切反応しなかったんだけど、それは他のプレイヤーが居たからかな? それとも単に今私が食べているのを見て食べたくなっただけ?
うーん。とりあえず、あげてみればいいかな。ダメだったら駄目でいいし。じゃあ、携帯パンを半分に千切って……ん? あれ、携帯パン1/2ってアイテム名になって……インベントリに入れられなくなった? これって使いかけとか食べ残しはインベントリには入れられない感じ? 半分だけ使って後で残りをっていう感じには使えないってこと……だよね? まあ、分ける分には大丈夫そうだから、問題ないよね。
シュラに半分に千切ったパンを渡して……、持つことはできないから直接口の中に入れてみる。
「ふぇす!」
パンを口に含みながらだったから変な声になっていたけど、そう声を上げてシュラは嬉しそうにパンを飲み込んだ。
軽く咀嚼した感じのモーションがあったから、問題なく食べられたってことでいいんだよね? 結構丸のみに近い感じだったけど。
「なのです!」
「ああ、そうか」
嬉しそうにしているから多分美味しかったということかな。舌があるかどうかもわからないスライムに味がわかるのか、とも一瞬考えたけど、むしろスライムなのだから人よりも味覚が敏感なのかもしれない。
でも、本当に何でいきなりパンを欲しがったんだろう。あ、もしかして、テイムモンスにも満腹度が実装されているとかじゃないよね? レベルの確認とかで見ている時にはなかった気がするけど、もう一度確認してみよう。
『NAME:シュラ 種族:クリスタラスライム LV:26 属性:水
HP:315 / 315 MP:165 / 165
STR:199(92) INT:156 総合攻撃力:167
VIT:148(8) MND:175 総合防御力:157
AGI:185(45) DEX:101
スキル:ウォーター・体当たり・のしかかり・スライム魔法LV 4・回避・武器 』
見る限り満腹度は実装されていないね。育成スキルでレベルが上がって、それで得た補正値でステータスが増えているだけで、特にそれらしき情報は載っていない。
あ、いや待って。いつの間にかに武器とか言うスキルを覚えているんだけど。これはどういうスキルなんだろう。武器ということだから、そのままの意味で武器が装備できるとかなのかな。まあ、このスキルについては後で確認しよう。
うーん、でも満腹度が無かったということは、やっぱり私が食べているところを見て食べてみたくなっただけっぽい? 他に理由もわからないし、たぶんそうなんだろうね。
様子を見た感じ、食べたところで何か影響があるわけじゃなさそうだし、次も欲しがったら上げる感じで良いかな。携帯パンは安かったから大量に買い込んであるし、シュラに1個2個あげたところで無くなることもないんだよね。
それじゃあ、満腹度も回復させたし、さっそく森の中に入ることにしよう。
2
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる