9 / 44
聖女の証を義妹に奪われました。ただ証だけ持っていても意味はないのですけどね?
結末
母親が兵士に囲まれていることで庇ってもらうことが出来ないことをしり、義妹の表情が絶望に変わりました。
元からわかっていたことですが、義妹がこういったように動いてきた背景にはあの第2夫人が関わっているようです。そもそも、この行動は親の影響を大きく受けるものですから、義妹の横柄な態度は母親譲りなのです。
今回も王宮に関わろうとしたのもあの母親の指示に従っていたのかもしれませんね。とは言え、自ら手を出してしまっている以上、罪は罪なのですけど。
「わ、私は……お義姉さまが落としたペンダントを拾っただけです。そもそも最初に落としたお義姉さまが悪いのです」
「ふむ。拾ったペンダントを自分の物だと主張し、あまつさえそれを使って王宮内に無理を言って入ったと。そういう事か?」
「あ、いえ、その」
呆れた表情の王子にそう指摘されると、義妹は助けを求めるように母親のいる方へ視線を向けました。しかし、その母親は娘を無視するように視線を逸らしました。
「へひ?」
まさか自分の親から見捨てられると思っていなかったのか、義妹の口から言葉にならない音が漏れました。
「どうなのだ?」
「あ、え、えと。は、はい」
どう言い訳をしていいのか思いつかなかったのか義妹は、とうとう観念したようにそう小声でペンダントを自分の物だと偽ったことを認めました。
「そのような事をした理由は何だ」
「王族のような権力者になりたかった。だから貴方の婚約者になりたかった。聖女になればどうにかなると思って。それに……」
「それに?」
「お母さまからそうすればより良い生活が出来ると」
「王子! 私はそのような事は一切――」
「黙らせろ」
義妹の主張を否定しようと第2夫人が大声で会話を遮りにかかりましたが、すぐにそうできないよう、より強く兵士によって拘束されました。
「拾ったというのも嘘だな?」
「……はい」
義妹の答えに王子が大きくため息を吐きました。
「私がミーシャと婚約しているのは聖女だからというだけではない。それに私は婚姻を結んだ段階で王家から外れ、公爵として国を支える予定だ」
王子の言葉を聞いて義妹は凄く驚いた表情をしました。おそらく義妹の中で自ら地位を落とすような行為はあり得ないことなのでしょう。まあ、王族から公爵になったところで地位はほぼ変わりませんけれど。
それを見ながら婚約者であるサジェス王子は私を抱き寄せてきました。
「それに、ミーシャが聖女でなくなろうとも私はミーシャとの婚約を破棄するつもりはない。聖女であれば誰でもよいという訳ではないのだ」
最初から私が焦っていなかったのは、ペンダントを盗まれたところで私が聖女でなくなる訳でもないことと、婚約者であるサジェス王子を信じていたからです。
「ありがとうございます」
私はサジェス王子だけに聞こえるようにそう呟きました。
しかし、王宮に対して虚偽を申したことも犯罪でありますが、聖女のペンダントを盗んだのも犯罪です。そして王子に対して何度も楯突いた行動も不敬にあたります。どんな弁明をしたところで罪に問われることは避けられないでしょう。
そうして王子の話が終わると同時に、裏から義妹に指示していただろう第2夫人ともども、義妹は応接間から連行され王宮の何処かへ運ばれていきました。
その後、第2夫人の実家である商家から上級貴族と関わるように指示があったことが判明。その指示を拡大解釈し王族と繋がりを持てば良いと考えたのが第2夫人のようです。
結果として第2夫人と義妹は投獄され、その根本の指示を出した商会も今回の事を受け、廃業することとなりました。そして我が家との繋がりも無くなることになったのでした。
_____
これにてこの話は終わりになります。
ここまで読んでいただきありがとうございました
サジェス王子とミーシャのその後は後世に伝わる程度に周囲にイチャラブっぷりを見せつけ、最後まで幸せに暮らしました。と言った感じです。
あなたにおすすめの小説
妹は私から奪った気でいますが、墓穴を掘っただけでした。私は溺愛されました。どっちがバカかなぁ~?
百谷シカ
恋愛
「お姉様はバカよ! 女なら愛される努力をしなくちゃ♪」
妹のアラベラが私を高らかに嘲笑った。
私はカーニー伯爵令嬢ヒラリー・コンシダイン。
「殿方に口答えするなんて言語道断! ただ可愛く笑っていればいいの!!」
ぶりっ子の妹は、実はこんな女。
私は口答えを理由に婚約を破棄されて、妹が私の元婚約者と結婚する。
「本当は悔しいくせに! 素直に泣いたらぁ~?」
「いえ。そんなくだらない理由で乗り換える殿方なんて願い下げよ」
「はあっ!? そういうところが淑女失格なのよ? バーカ」
淑女失格の烙印を捺された私は、寄宿学校へとぶち込まれた。
そこで出会った哲学の教授アルジャノン・クロフト氏。
彼は婚約者に裏切られ学問一筋の人生を選んだドウェイン伯爵その人だった。
「ヒラリー……君こそが人生の答えだ!!」
「えっ?」
で、惚れられてしまったのですが。
その頃、既に転落し始めていた妹の噂が届く。
あー、ほら。言わんこっちゃない。
私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?
百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。
だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
殿下は婚約破棄した私を“横領犯”として追放しましたが、私が“王国の財布”だとご存じなかったのですか?
なかすあき
恋愛
王太子の婚約者であるレティシアは、愛ではなく“王国の財布”に選ばれた内政官だった。
干ばつ救済基金を管理し、徴税と支出の流れを整え、国が崩れないように回してきたはずなのに。
舞踏会の夜。
聖女セシルの涙と王太子の言葉が、レティシアを一瞬で“横領犯”に仕立て上げる。
反論しても届かない。空気が判決を下す場所で、レティシアは追放された。
落とされた先は、干ばつに喘ぐ辺境。
水のない井戸、荒れた配給所、怒りの列。
レティシアは泣く代わりに、配給と水路と記録を整えた。奇跡ではなく、段取りで。
やがて王都は、レティシアがいなくなった穴から静かに壊れ始める。
支払いは止まり、責任は溶け、聖女の“物語”だけが空回りする。
呼び戻しの使者が来ても、レティシアは従わない。戻る条件はひとつ。
――公開監査。
記録水晶が映し出すのは、涙では隠せない日付と署名、そして“誰が何を決めたか”という事実。
この逃げ場のない復讐劇の先に残るのは、王都の再起ではなく、辺境の明日だった。
これは、道具として捨てられた内政官が、二度と道具に戻らず、“責任を固定する”ことで国を救い、自分の居場所を選び直す物語。
妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?
百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」
あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。
で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。
そんな話ある?
「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」
たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。
あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね?
でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する?
「君の妹と、君の婚約者がね」
「そう。薄情でしょう?」
「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」
「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」
イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。
あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)
妹が最優先という事で婚約破棄なさいましたよね? 復縁なんてお断りよッ!!
百谷シカ
恋愛
私の婚約者クライトン伯爵エグバート卿は善良で優しい人。
末っ子で甘えん坊の私には、うってつけの年上の彼。
だけど、あの人いつもいつもいつもいつも……なんかもうエンドレスに妹たちの世話をやいている。
そしてついに、言われたのだ。
「妹の結婚が先だ。それが嫌なら君との婚約は破棄させてもらう」
そして破談になった私に、メイスフィールド伯爵から救いの手が差し伸べられた。
次々と舞い込んでくる求婚話。
そんな中、妹の結婚が片付いたと言ってエグバート卿が復縁をもちかけてきた。
「嘘でしょ? 本気?」
私は、愛のない結婚なんてしないわよ?
======================================
☆読者様の御親切に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
ご心配頂きました件について『お礼とご報告』を近況ボードにてお伝えさせて頂きます。
引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです♡ (百谷シカ・拝)
妹の方がかわいいからと婚約破棄されましたが、あとで後悔しても知りませんよ?
志鷹 志紀
恋愛
「すまない、キミのことを愛することができなくなった」
第二王子は私を謁見の間に連れてきて、そう告げた。
「つまり、婚約破棄ということですね。一応、理由を聞いてもよろしいですか?」
「キミの妹こそが、僕の運命の相手だったんだよ」
「そうですわ、お姉様」
王子は私の妹を抱き、嫌な笑みを浮かべている。
「ええ、私は構いませんけれど……あとで後悔しても知りませんよ?」
私だけが知っている妹の秘密。
それを知らずに、妹に恋をするなんて……愚かな人ですね。
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎