22 / 101
はじめての依頼
冒険者はじめました
しおりを挟む
研究所の一件が終わり数日後、レオン達三人は冒険者となるために町のギルドを訪れていた。
他の建物よりも幾分か立派なギルドの扉をくぐると、そこには見知った少女が一人。
「レオンさん! お待ちしてました。どうぞこちらへ」
「あれ、ベルじゃないか。どうしてギルドに?」
「よくぞ聞いてくれました! 実はこの度、カモメ亭の支店をギルドと併設させることになりまして、私が支店長になったんですよ~!」
「お~! すごいじゃないか!」
「えへへ……ということで皆さん! 今後ともどうぞカモメ亭を御贔屓に!」
嬉しそうに頭を下げるベルには、先日の悲しげな表情は残っていなかった。
――立ち直れたんだな
「レオンさん達が今日来ることは聞いてたので、ギルドの方にはもう話を通してあります。冒険者免許の用意も出来てるはずなので受付の方に行ってみてください」
「色々してくれたんだ。ありがとう、ベルおばさん」
ララの言葉に、ベルはガクリと膝から崩れ落ちる。
「お、おばさん……いや、たしかに叔母なのは間違いないんですが……私まだ若いです…………」
「ベル、急にどうしたの!? 大丈夫?」
リンネが本気でベルの心配をする。
長寿であり、その生涯にわたって美しいエルフはおばさんなんて言葉では傷つかないのだ。
「リンネ、ベルは大丈夫だから。あとララ……おばさんって呼び方はやめてあげろ……」
「……? わかった」
「いい子だ。それじゃあベル、またあとでな」
「あ、はい……お待ちしてま~す……」
「はい。これで登録は完了です! それではこちら、お三方の冒険者免許となります」
ベルが話を通しておいてくれたおかげで、スムーズに登録は終わった。
最後に冒険者免許と呼ばれる首飾りが三人に手渡された。
「あれ……これって五級冒険者の証じゃ……」
リンネが呟く。
通常、登録したばかりの冒険者は赤色の宝石がついた、七級を表す首飾りを預かる。
しかし三人が手渡されたのは黄色の首飾り。
それは魔獣の討伐依頼が解禁される五級冒険者のものだった。
「ええ。特級冒険者であるシンピさんの推薦により、皆さんは五級冒険者として登録されました」
「師匠……!」
レオンとリンネが感動していると、受付嬢が言いづらそうに話を続けた。
「特級冒険者は四級までの推薦が可能なんです。なので先日の行方不明者発見の件を踏まえ、四級が妥当なのでは、とギルドとして進言したんですが……シンピさんが『五級でいい』と」
「し、師匠……」
二人が肩を落とす。
分かっていたことだが、シンピはそこまで甘い人ではなかった。
「よく分かんないけど、これ着けて魔獣を殺せばいいってことでしょ?」
そう言ってララが首飾りを着ける。
随分と血の気の多い物言いだが、ここは冒険者ギルド。
多くの荒くれものを相手にしている受付嬢が動じることはなかった。
「クエストにもよりますが……そういった内容のものは多いですね」
「それならいいじゃん。よんきゅーでもごきゅーでも関係ないでしょ、レオン」
「……ま、それもそうだな」
レオンも首飾りを着ける。
「仕方ないか……」と呟いて、リンネもそれに続いた。
「はい、これで冒険者登録は終了。皆さんは正式に五級冒険者です! クエストは階級別で右手の掲示板にまとめてありますので、確認してみてください。それではお気をつけて!」
「掲示板か……あとで確認してみるか」
「そうね。初仕事だもの。慎重に選ばなくちゃ」
「私は魔獣殺せればなんでもいいかな~」
三人は早速仕事を探そうと掲示板に向かう。
その時、一人の少女がギルドの扉を開いた。
「誰か……助けてくださいっ!!!」
他の建物よりも幾分か立派なギルドの扉をくぐると、そこには見知った少女が一人。
「レオンさん! お待ちしてました。どうぞこちらへ」
「あれ、ベルじゃないか。どうしてギルドに?」
「よくぞ聞いてくれました! 実はこの度、カモメ亭の支店をギルドと併設させることになりまして、私が支店長になったんですよ~!」
「お~! すごいじゃないか!」
「えへへ……ということで皆さん! 今後ともどうぞカモメ亭を御贔屓に!」
嬉しそうに頭を下げるベルには、先日の悲しげな表情は残っていなかった。
――立ち直れたんだな
「レオンさん達が今日来ることは聞いてたので、ギルドの方にはもう話を通してあります。冒険者免許の用意も出来てるはずなので受付の方に行ってみてください」
「色々してくれたんだ。ありがとう、ベルおばさん」
ララの言葉に、ベルはガクリと膝から崩れ落ちる。
「お、おばさん……いや、たしかに叔母なのは間違いないんですが……私まだ若いです…………」
「ベル、急にどうしたの!? 大丈夫?」
リンネが本気でベルの心配をする。
長寿であり、その生涯にわたって美しいエルフはおばさんなんて言葉では傷つかないのだ。
「リンネ、ベルは大丈夫だから。あとララ……おばさんって呼び方はやめてあげろ……」
「……? わかった」
「いい子だ。それじゃあベル、またあとでな」
「あ、はい……お待ちしてま~す……」
「はい。これで登録は完了です! それではこちら、お三方の冒険者免許となります」
ベルが話を通しておいてくれたおかげで、スムーズに登録は終わった。
最後に冒険者免許と呼ばれる首飾りが三人に手渡された。
「あれ……これって五級冒険者の証じゃ……」
リンネが呟く。
通常、登録したばかりの冒険者は赤色の宝石がついた、七級を表す首飾りを預かる。
しかし三人が手渡されたのは黄色の首飾り。
それは魔獣の討伐依頼が解禁される五級冒険者のものだった。
「ええ。特級冒険者であるシンピさんの推薦により、皆さんは五級冒険者として登録されました」
「師匠……!」
レオンとリンネが感動していると、受付嬢が言いづらそうに話を続けた。
「特級冒険者は四級までの推薦が可能なんです。なので先日の行方不明者発見の件を踏まえ、四級が妥当なのでは、とギルドとして進言したんですが……シンピさんが『五級でいい』と」
「し、師匠……」
二人が肩を落とす。
分かっていたことだが、シンピはそこまで甘い人ではなかった。
「よく分かんないけど、これ着けて魔獣を殺せばいいってことでしょ?」
そう言ってララが首飾りを着ける。
随分と血の気の多い物言いだが、ここは冒険者ギルド。
多くの荒くれものを相手にしている受付嬢が動じることはなかった。
「クエストにもよりますが……そういった内容のものは多いですね」
「それならいいじゃん。よんきゅーでもごきゅーでも関係ないでしょ、レオン」
「……ま、それもそうだな」
レオンも首飾りを着ける。
「仕方ないか……」と呟いて、リンネもそれに続いた。
「はい、これで冒険者登録は終了。皆さんは正式に五級冒険者です! クエストは階級別で右手の掲示板にまとめてありますので、確認してみてください。それではお気をつけて!」
「掲示板か……あとで確認してみるか」
「そうね。初仕事だもの。慎重に選ばなくちゃ」
「私は魔獣殺せればなんでもいいかな~」
三人は早速仕事を探そうと掲示板に向かう。
その時、一人の少女がギルドの扉を開いた。
「誰か……助けてくださいっ!!!」
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】魔王を殺された黒竜は勇者を許さない
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
幼い竜は何もかも奪われた。勇者を名乗る人族に、ただ一人の肉親である父を殺される。慈しみ大切にしてくれた魔王も……すべてを奪われた黒竜は次の魔王となった。神の名づけにより力を得た彼は、魔族を従えて人間への復讐を始める。奪われた痛みを乗り越えるために。
だが、人族にも魔族を攻撃した理由があった。滅ぼされた村や町、殺された家族、奪われる数多の命。復讐は連鎖する。
互いの譲れない正義と復讐がぶつかり合う世界で、神は何を望み、幼竜に力と名を与えたのか。復讐を終えるとき、ガブリエルは何を思うだろうか。
ハッピーエンド
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/03/02……完結
2023/12/21……エブリスタ、トレンド#ファンタジー 1位
2023/12/20……アルファポリス、男性向けHOT 20位
2023/12/19……連載開始
追放された最強令嬢は、新たな人生を自由に生きる
灯乃
ファンタジー
旧題:魔眼の守護者 ~用なし令嬢は踊らない~
幼い頃から、スウィングラー辺境伯家の後継者として厳しい教育を受けてきたアレクシア。だがある日、両親の離縁と再婚により、後継者の地位を腹違いの兄に奪われる。彼女は、たったひとりの従者とともに、追い出されるように家を出た。
「……っ、自由だーーーーーーっっ!!」
「そうですね、アレクシアさま。とりあえずあなたは、世間の一般常識を身につけるところからはじめましょうか」
最高の淑女教育と最強の兵士教育を施されたアレクシアと、そんな彼女の従者兼護衛として育てられたウィルフレッド。ふたりにとって、『学校』というのは思いもよらない刺激に満ちた場所のようで……?
• 『社交界の華は、影に咲く毒。〜私を捨てた世界、すべてお返しいたします〜』
YOLCA(ヨルカ)
ファンタジー
「その黄金の瞳……なんて気持ち悪いの。我が家に化け物は必要ないわ」
名門伯爵家の娘として生まれたエレーナ。しかし、彼女に宿った未知の能力を恐れた継母イザベラは、実父の留守中を狙い、幼い彼女を雪の降る町に捨て去った。
死を覚悟した彼女を拾ったのは、帝国の裏社会を支配する「皇帝の弟」ヴィンセント公爵。
彼はエレーナの力を「至宝」と呼び、彼女を公爵家の実の娘として迎え入れた。
それから数年。
エレーナは、二人の過保護な兄と、五人の精鋭部下に囲まれ、美しくも最強の工作員へと成長していた。
すべてを暴く『黄金の瞳』、すべてを操る『魅了』、そして伝説の師匠たちから授かった至高の淑女教育を武器に。
一方、継母イザベラは父を捨て、さらなる権力を手に入れるため、悪名高い侯爵の妻として社交界の頂点に君臨していた。
「お久しぶりです、お母様。……化け物と呼ばれた私からの、お返しを受け取ってくださいね」
捨てられた少女による、優雅で残酷な復讐劇。
今、その幕が上がる。
冴えない建築家いずれ巨匠へと至る
木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」
かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。
安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。
現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。
異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる