少年と蛇影

Zerueru

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第三章「力というモノ」

反撃2

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蛇影の声が消えたと同時にアルに力が流れ込む。
「ふむ。話を聴いていないような落ちこぼれにも理解できるよう、私がもう一度話してやろう。
今日は決闘の理論だけではない。実際に決闘をしてもらう。
そこでだ。」
ゴドリスク先生はそこで言葉を切る。
そして再び口を開ける。
「決闘のやり方を実演してもらおうじゃないか。
このクラスで信頼のおけるクリスと、あ~、ある一面では優れた落ちこぼれを闘わせてみよう。と言う話だ。
そう。人を失望させることに優れた落ちこぼれだよ。」
そう言って、ニヤけ面でアルの方を見る。
「と言うことで、アルよ。クリスと闘ってみるがいい。」
アルは内心歓喜しながらも答えた。できるだけ嫌そうに。
「えっ?僕がですか?
クリス君の相手、務まりませんよ。
他の人にするべきです。」
ゴドリスク先生はアルが嫌がるのを見て楽しんでいる。
(嫌がるふりなんだけどね。)
アルは内心笑いながらも、表情を崩さないように気をつけた。
「ほう。私はそうは思わんが。
どうだね?やってくれるかな?」
「分かりました…。やります。」
アルがそう答えると、ゴドリスク先生の顔のニヤニヤがさらに広がる。
「そうか。やってくれるか。
では諸君。クリスとアルが実演してくれるそうだ。
二人に言っておこう。これは決闘だ。
手加減は無しでいい。」
生徒達はアルとクリスを囲んで円形に並んだ。
クリスはニヤッとしてこちらを見た。
「今日のイライラ、お前で発散してやる。」
アルはクリスに笑い返した。
「やれるものならね。」
アルの周りの生徒達は痛いものを見るかのような目でアルを見た。
クリスはアルのいきなりの挑戦的な態度に少したじろいだものの、すぐに顔を赤くし、
「減らず口を叩けるのも今のうちだぞ。
すぐにそのニヤけ面、泣き顔に変えてやる。」
(悪者みたいなセリフだな。
おい蛇影。)
すぐに蛇影は答える。
『なんだ?』
(どの程度までならやっていい?)
蛇影は少し考えてから答える。
『意識を失う一歩手前にしておけ。
それと、バックバイターは使うな。あれは強すぎる。』
(分かった。)
会話が終わり、蛇影の声は消える。
「今回の決闘は私が審判を務める。」
ゴドリスク先生はそう言ってアルとクリスの間に立つ。
「決闘の礼儀を教えよう。
最初に目を合わせて礼をしろ。
次に手を構える。
そのあとは自由だ。」
そう言ってゴドリスク先生は一歩下がると合図を出す。
「始めっ‼︎」
まずは礼。
クリスとアルは目を合わせて少し腰を曲げる。
そして手を前に突き出し…
二人の決闘が始まった。
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