巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

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第10話 襲撃と裏切りと出会いと

第10-1話 襲撃

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魔族の襲撃4
人と魔族の境界線とされている山道を馬車で通っています。まあ、モーラのおかげで魔獣は寄りつきませんので、割と無警戒に馬を走らせています。エルフィが馬のスピードを抑えるのに苦労しています。馬になめられていますよね。
「そういえば、皆さん体調不良とかあまり聞きませんねえ」
「まあ、わしやアンジー、メアはそういうものとは無縁じゃろうしなあ。」
「いえ、毎月数日ですが、ありますよ」
「メアさん、もしかしてそれは、」
「はい、それです。私は子どもが作れます。」
「おい、魔法で動いているのであろう、できるのか。」
「できます。残念ながらまだ処女ですので、実証したことはありませんが。」
「あわわわわ」ユーリが真っ赤になって下を向き、アンジーがあたふたしている。
「ご主人様いつでも大丈夫です。」そうやって両腕を広げて私を迎えるポーズをしてもダメですよ。
「そういう話をしていたわけではないのですが、病気をしない体なのかと聞いただけですよ。」
「ええ、人間を模して作られています。魔力によるエネルギー供給も、食事の摂取によるエネルギー摂取も可能となっていますので、ただし、体細胞の免疫機能は、魔法によりますので、大丈夫です。」
「ああなるほど、エルフィは?」
「風邪も引きませんね~魔法のおかげでしょうか」
「それは、あると思います。魔法力が免疫機能を強化しているらしいですよ。」ユーリが饒舌だ。ごまかしにかかっているのか?
「そうなんですか。でも毒とか効きますよね。」
「はい、細菌レベルと毒素はまた違いますので、毒素も免疫ができれば別でしょうけど」
「そうなんですね。勉強になります。」
「どうしたんじゃ急にそんな話して」
「さっきの洞窟ですよ。これまでの道すがらいろんな山の洞穴を見ましたが、ああいった洞穴はめずらしかったので。」
「幼少のドラゴンが作って住んでいたのであろうな、まず横穴を掘って、その後、あの煙突のような縦穴を作って、そこから飛び立って外に出かけていたんじゃろう。しかし、体が成長して穴を通れなくなって、放棄したというところじゃろうなあ。」
「藁やら埃がひどかったですが、やはりドラゴンの中にもずぼらな人もいるんですね。」
「そういえば、モーラはきれい好きだったわよね。」
「おぬしが遊びに来るかもしれなかったから、割と綺麗にしていたぞ」
「それはありがとうございます。確かに放棄したあとの巣とはいえ、あれだけ埃やら藁やらがたまっていたらハウスダストアレルギーを発症していたかもしれませんね。」
「なんじゃそのハウスダストアレルギーとは、」
「埃に反応してくしゃみがとまらなくなったり涙が流れっぱなしになったりしますよ。」
「くしゃみなんぞしたら、あそこの埃は吹き飛ぶじゃろう。」
「空中に舞うとさらにくしゃみがひどくなりますよ。」
「わからん。わしらには病気という概念はないからなあ」
「でしょうねえ」
 人と魔族の境界線となる道。森の中を馬車で進む。モーラのおかげで魔獣も何も寄りつかない。
そして、魔族の襲撃は突然です。

「前に3人ほど立っていますよ~。」手綱を持っていたエルフィが声をあげる。狭い道に3人並んでいるので距離を置いて馬車をとめました。馬達もちょっと緊張しているようです。

背格好が明らかに魔族な方が真ん中に立っています。肌の色が違い角があります。あと尻尾もきっとあるのでしょう。運動に適した程度の衣類を着て、手にはハンドナックルみたいな武器と足は靴を履いています。やぶけないんですかね。
残る2人は、どちらも容姿は女性、ひとりは、有り余る魔力を放出しています。持っているのは、杖ですねえ。もうひとりは飛翔系の大きな翼をすでに出しています。こちらも肉体攻撃系なのでしょう、マントとかまとっていませんし。
 私たちが止まったのを見て真ん中に立っている魔族が声を出す。
「俺たちは刺客さ、魔王様直々に依頼された刺客。魔王様は、勇者になりそうなパーティーの中の出来損ないをここで足切りするつもりらしいよ。目障りなんだってさ、お前ら邪魔なんだってよ」中央の男性が大きな通る声でこちらに話す。
「別に何もしていないじゃないですか。」私は、馬車の御者台から顔を出して言いました。
「ところがね、それがだめなんだよ。勇者なら勇者らしく成果を上げ成長しなければね。」
「いや私たち勇者じゃないですし、何もしていないからとそれを目障りと言われてもねえ。」
「それだけの潜在的な能力者をかかえて、何もしていない方が問題だろうよ、この世界にもう少し貢献したらどうだい?」
「いや、日々の暮らしだけで精一杯なんですよ。この世界なんて大きなものは、私の手に余ります。」本当にそう思っていますよ。
「まあ、そんなことはどうでもいい、あのキ○ガイ魔道士と渡り合った実力見せてもらおうか。」
「ああそうですか、ようやくわかりました。あの方を差し向けたのは魔王様ということなんですね。」
「そこからか。それにしてもあの時の戦闘の話は聞いている。すごいんだろう、その子もそのハイエルフも、そのホムンクルスもさ」
「それで3人できたんですか。」
「んーそういうわけでもないんだよね。3人で行ってこいと言われたからきたんだよ。別に俺ひとりでも大丈夫そうだけどな。」
「なるほど、では、この2人は、馬車と一緒にここにいてもいいんですね。」アンジーとモーラを指さす。
「あ?ああ、子ども2人か。雰囲気はどっちもやばそうだけどな。まあ、いいや。足手まといがいたために守りに徹して死なれちゃあ後味が悪いからな。正々堂々戦って正々堂々殺してやるよ。あとは、墓作る奴も必要だろう」
「別に墓なんかいりませんけどね。でも、殺す気なんでしたら、こっちも死ぬ気で反撃しますけど、それでそちらが死んでもいいんですか?手加減できませんよ。死にたいんですか」
「ああ?手加減?死ぬつもりはねえよ。殺すつもりはあるけどな。」
「死んでもいいんですね。」
「しつこいな、別に死ぬ気ははないが、殺されても文句は言わねえ。」
「わかりました。では、ここから少し離れましょう。」
そう言って私とユーリメアエルフィは元来た道を戻るように移動を始める。
『わしは参加しなくてもいいのか?』
『そもそも数に入れられないでしょう。これは魔族と私の話ですから。この世界に介入してはいけません。』
『おぬし大丈夫なのか?』
『まあ、アンジーから言われて、対策を考えてはいましたので。』
『アンジーから?』
『まあ、何かあった時に後悔しても遅いから~とか言っていましたから、本人はまさかこんなことになるとは、思っていなかったでしょうけど。』
『まあ、たまたまじゃろうな』

そうして、馬車からかなり離れてから対峙する。あちらは3人、こちらは4人ですが。
「くくく、面白いねえ、全く怖じ気づかないな、あんた」
「ええ、怒っていますので、そんな理不尽な理由で殺そうとするなんてね。」
「まあ、そうだな、俺でも怒るわ」
「さて、馬車からかなり離れました。いいですかね。」
「おう、いつでもいいぜ。」
「では、」
『さて、道すがら話していた段取りどおりでいきます。』
『はい、』
そうして、前衛ユーリ、中衛私、後衛エルフィ、遊撃メアのシステムで迎え撃つ。
初撃は、真ん中の男の魔族が高速で真正面から剣を構えるユーリに向かってくる。速い。ユーリが、一瞬出遅れるくらいには速かった。一瞬の衝撃波。ユーリはそれを受け止める。
「ほう、一撃目をとめるか。すごいな。」
そう言って剣を軽く振り回して連撃してくる。ユーリは、最初の数発は、余裕がなかったが、そのスピードとパターンがわかったのか、反撃に転じる。少しだけ押され気味だったのが少しだけ押し返す。
「すごいな、俺が押されるとは、だが、ここからは、少し気合いを入れる・・ぜ」
そこで、私が氷を降らせる。
「やるじゃないか、だがそんなものは、きかねえ」魔法が弾かれる、体に耐魔法のオーラをまとっているようです。対策済ですか。
「そういう属性の魔法は対策済だ。」私の言葉を真似しないでください。
「どうした、魔法がきかないぜ、まあ、こちらも魔法を防御するので精一杯だからその瞬間は動けないけどな。」
いちいち解説しなくて良いです。その間も魔法を防御しつつ、剣での攻撃をし、その後方では、魔法を使う女魔族が炎の魔法で攻撃をしてくる。それをエルフィがしのごうとして、それを強化する魔法を私が重ねる、そうしているうちに残りのひとりが空中から剣で攻撃してくる。メアさんがしのいでくれているが、相手が空中からの攻撃でしかもスピードも速いため十分な反撃もできず、防御するしかなく、こちらも膠着している。ええ、反撃どころか、こちらには有利な状況は見当たらない状態。あちらのメインのアタッカーの力が強く、ユーリが力負けしてじりじりと下がっているのがその証拠。想定内ではありますが、かなりしんどい状況が続く。
「どうした、攻撃できないのか、そうだろうなこれだけ能力差があれば、防戦一方だろう。」
そんなことは、最初からわかっています。でも、あきらめて死ぬなんてまっぴらごめんです。そこで作戦2の開始です。
『もう少し後退したら、森の切れ目です。そのタイミングで、一度でかいシールドを張って逃げます。』
その先にはさきほど話していた洞窟がある。
『了解しました』
ジリジリと押されて洞窟が視界に入った。飛んでいた魔族が一度後退した時めがけて、
『張ります』
一気に魔力をこめ、ユーリの前に岩の壁を地中から発生させる。
「おおう、びっくりした、こんな物も作れるのか。だが、子どもだましだな。」
そう言って、その魔族は一撃でその岩を砕く。すでに私たちは一目散に洞窟へと走っている。
「あ?いない。」岩を砕いたときの砂埃が収まる頃には、我々は姿を消した。
「ああ、あの洞窟の中でしょ」空中にいた魔族があの洞窟を指さす。
「悪あがきするねえ。」笑いながらその3人組は、洞窟に向かって歩き出す。
とりあえずトレーニングの成果かダッシュしても息が切れません。まあ、魔法で筋力を上げたいところですが、無駄な魔力を一ミリも使いたくないので、必死で走っています。
洞窟の中に入ってしばらくして、一瞬後ろから火炎が飛んできましたが、再度、岩の壁でしのぎ、さらに奥へと進みます。岩を崩しながらゆっくりと進んでくる魔族の3人。まるでこちらの慌てる様を楽しむかのようにゆっくり進んでくる。陽光が差し込む広い空間に着きました。天井の穴から降り注ぐ太陽の光の中にきらきらと埃が舞い踊っている。
私たちがその行き止まりの最後の壁を背にして立ち止まっていると、ほどなく光の中に3人の魔族が現れる。
「何か仕掛けてくると思っていたが、ただ、逃げてきただけか。」
「まあ、そうなんですよ。ここを知ったのはあなた達と会うちょっと前なので、ここに逃げ込んでも仕方ないんですけどね、とりあえず一息つけましたよ。」
「実力差はわかったろう。じゃあ、静かに殺されろよ」
「それは、ちょっと勘弁して欲しいのですよ。でも、反撃しないで死ぬのも何なので、ダメで元々で戦います。行きますよ。」そうして私は、相手に向かっていく。相手もこちらに向かって走ってくる。私は、途中で止まり、魔法を打つ真似をする。それを阻止するようにさらに速度を上げた3人は、途中で壁にぶつかりかける。あのスピードから止まれますか。すごいですね。
「なるほど見えない壁か、さっきまで、色のついたシールドで今回は透明か、なるほど、ぶつかってスキができたらってことか。残念だが想定範囲内だよ。」
「そうですか、では、死んでくださいね」そう言って鳴らない指を鳴らして火炎魔法を打つ。
「バカじゃないのか、シールドに向かって打つとか。あ?おわあ。」シールドが網目状になっていてそこから炎が吹きだして相手に襲いかかる。私は、どんどん火力を増していく。
「このシールドは、通気穴が開いているタイプでして炎が通過します。」
「このシールドを破壊して、出れば問題ないだろう。」少し後退して剣を振ろうとする。しかし、後ろにもシールドがあることに気付く。
「これは、シールドで囲まれていた?こんなに大きくシールドを作ったのか、一瞬で」
「ちょっと細工はしていましたが、一瞬ですよ。でも、壊されたら困るのでそうですので、もう一枚大きいので覆いましょう。」
「はあ、何をする気だ蒸し焼きか?でも、炎はもう消えているぞ。おや、このシールド、さっきの戦闘の時と硬度が違うぞ。」剣で壊そうとしても撥ね返されている。
「実はですね、ここに入った時に狭い部屋を作ったのですよ、先ほどのシールドを何層にも重ねまして、そして、ここには燃焼物が多かったので、これを燃焼させてから密閉してみようと思います。」相手は何を言っているかわからないようで、あわてて自分の周りの壁を壊そうと躍起になっている。
「いいですか?そうするとフラッシュオーバーという現象がおきて、機密性が高いとそれに続いてバックドラフトという現象が起きます。
そうです、高温に燃焼して酸素が不足すると一酸化炭素が蓄積します。そして燃焼は続き、その一方が解放され酸素と結びつくと」
「さらに酸素を与え続けると」
そうして、爆発に巻き込みました。洞窟の入り口の方に大きく吹き飛ばします。しかし、煙の中のその3人組みは、なにもなかったように立っている。
「こんな子どもだましの手で俺たちが倒せるとでも思ったか」
その空間の出入り口付近に飛ばされてもなお、元気そうだ。
「いいえ、思っていませんよ。でも次の攻撃はしのぎきれませんよ。」
「な、まだあるのか。」
「何のためにこの洞窟に逃げ込んだと思うんですか。上下左右の逃げ道をなくすためです。」
「中にいたらお前達も一蓮托生だろう。」
「だから、このエネルギーを外に打ち出す必要があるんですよ。」
「それでは全力で打ちますよ。まず風を起こして渦を作ります。そして水を乗せ、氷を乗せ、炎を乗せます。もちろんちゃんと分離して、そして圧縮します~はい、混合型エアガンのできあがりー。」洞窟の中に広がり、その3人に向けて竜巻を横にしたような渦ができている。
「気体ってね温度が上がれば上がるほど薄くなるんですよそれで圧縮しやすくなるんです。そしてそれを冷やして冷やして圧縮して液化しそうなところまで、圧縮します。そして、その先に金属の玉を据えてどんと打ち出すと。」そうして大きな金属の玉を生成する。
「でかいエアガンのできあがりです。ドン」そうやって金属の玉は打ち出され、何重にも重なったシールドに向けて突進していく。その間に挟まれる形になった3人は、見えなくなり、シールドを突き破った玉は、3人を外に吹き飛ばす。私達は、その後を追って外に出る。洞窟の入り口のはるか先に吹き飛ばされた3人の魔族が倒れている。私は、その3人に近づき様子を見ます。
「それでも生きていますか、すごいですねえ。」
「早く殺せよ、なあ、ちっ腕も足も折れたのか動かねえ。」
「ええ、シールドと圧縮空気の玉に挟まれて手足の骨は砕けていると思いますよ。回復にはしばらくかかるでしょう。」
「そうか、自分で死ぬこともできないのか。なあ、あんたどうして魔王と戦う勇者にならないんだ。そこが聞きてえ」
「そうですね、理由がないからです。少なくとも人間が魔族を襲ってそれに対抗しているようにしか見えないんですよ。ですから、人間側は自業自得だと思っていますよ。魔族側からすれば良い迷惑なんじゃないですか。」
「だが、魔族はそんな人間を滅ぼそうとしているんだぜ、」
「そうは見えないんですよね。今の人間なら簡単に滅ぼせるでしょう。でもしていないじゃないですか。」
「そりゃあ、魔族の中でもいろいろあるからよ。共存派もいるんだよ。」
「お互い、自分の身内どうしてケンカしている間は、だめですねえ。」
「だから今の魔王は、まだ成り代わったばかりで、様子見をしているというところなのさ。」
「成り代わった?」
「前の魔王は、共存派だったのさ。それで、他の魔族の反感を買って放逐された。」
「殺されたわけではないんですか。」
「殺さねえ。少なくとも表向きは同族殺しはしねえ。それがルールだ。」
「そうですか。少しお話を聞きたいので、エルフィさん傷の治療を」
「無理です~、私たちの回復魔法は魔族には効きませんよ~。」
「そうですか、それならアンジーもダメでしょうしねえ。ああ、これが使えるかもしれません。」私は自分の作った薬草を取り出す。メアさんは馬車に戻っていったようです。
「なんだいそれは。傷薬か」
「私が作ったので保障はできませんが、使ってみましょう。」
「は?なんだこれは、傷が治っていく。おまえそれ、」
「魔力で代謝をあげるだけなので、そうですか。この薬草は魔族にも効くんですねえ。」
「はは、どうしてそんなことをする。回復したらまた襲うかもしれないぞ。」
「無理ですよ。私が一度でも触れたならあなたには無理です。」
「どういうことだ。」
「傷を治したついでに、骨にちょっと細工をしました。」
「はあ?」
「骨と骨との接合部にちゃんとくっつかないようにしてあります。」
「どういうことだ、」
「ちょっと力を入れすぎるとぽきりと折れるんですよ。ですから、無理できなくしてあります。特に私に殴りかかろうと早く動かしたり動いたりすると検知して折れます。」
「言っている意味がわからん」
「そうですか。では、立ち上がってください。」
「ああ、本当に回復している。すごいなその薬草。さて、せっかく直してもらったんだ、仕切り直すぜ」そう言い終わらないうちに振り向きざま私に拳が飛んでくる。しかし、腕はあらぬ方向に曲がり、言う事をきかない。
「折れたぞ」驚きの表情をするその魔族。他の2人も驚いている。私は近づいて、腕を正しい位置に直してあげる。
「どうですか」
「なんだこれは、」元に戻りました。指も関節も動きます。
「何回もやると腕が元に戻らなくなりますから気をつけてくださいね。」
「はは、はははは。これはすごい。すごいじゃないか。あんた本当に人間かい?その発想はすでに魔族の側じゃないか」
「失礼ですね、私は人間ですよ。ちなみにそれは、私の家族に対しても効果がありますから他の人に乱暴をしようとしてもダメですよ。」
「そうか、本当におまえすごいんだな。だが、確かにこれまで聞いた話ではこんなにすごいとは、わからないわなあ。」
「私は、この世界で魔法を習っていないんですよ。誰かがそばで魔法を使ってくれなければ、憶えられないんです。だから、一生懸命憶えようとしているだけなんですよ。」
「だが、その応用力はなんだ。変な方向にねじ曲がっていないか?」
「そうなんですよ。回りからは生活に便利な方向にしか使えないと言われまして」
「これのどこが生活に便利なんだ」
「はい、壊れた棒を直したり、より便利なように曲がるように加工したりとかに使っていますよ。」
「俺の腕は、壊れた棒か」
「骨はそもそもカルシウムですからね。」
「なんだそのカルシウムって」
「石灰ですね」
「なるほど転生者だからなのか。」
「そうじゃ、転生者じゃ」おやモーラ来ましたか。
「ああん、おまえドラゴンか、仲間にそんなやばいのがいるなんて聞いてないぞ。」
「わしは一切手を出しておらん。この世界に不干渉じゃからな」
「まあ、そうか。それにしてもお前なら世界のバランスを崩しそうだな。」
「この事を魔族側に知られたくないのですがねえ。」
「どう考えたってそれは無理だ。俺たちがやられているんだ、戻ったら当然理由を聞かれるだろう。」
「引き分けにしておいてくださいませんか。なんかしらないがうまく逃げられたと」
「それは、まあ、そうしといてやるが。」
「ですので、しばらくは動けないようにしますので、」シールドの成分で縄を作り拘束する。
「これは、なんだ」
「時限式のロープです。魔獣が来る前に解除されれば良いですが。」
「なんだと。」
「それでは、無事を祈っています。」
「ちょっとまてえええ」
「いいのか?」
「誰か近づいたら解除されます。戦えますよ」
「なるほど、はったりか。」
「それくらいは、怖がってもらわないとね」

 馬車に戻ってみんなで一息つきました。
「勝っちゃうんですねえ。」アンジーがため息をつきます。
「勝っちゃだめなんですか?」
「まあ、勝たないと全員死んでいるんですけど。あいつらもちょっとやりすぎましたから、まあ自業自得ですけどね。」
「あいつらも?」
「はい、あいつらもです。」
「知り合いですか?」
「はい知り合いではありませんが、関係者です。私は、現魔王であるルシフェル様からは、次に殺すつもりで襲うとは、聞いていましたが、好きにしてくれ、私は巻き込まれてもかまわないと言っておきましたから。」
「どういうことですか?」
「でも、ここまで強くなっていますか。しかも、ルシフェル様も人が悪い、あからさまに刺客をよこすとか、もう、あなたたちをめぐる状況としては、かなりまずいですね。私の正体をばらしましょう。私は、魔族側の見張りですよ、見張り。魔王ルシフェル様側の監視役。」
みんなぽかんとアンジーを見ている。

 続く
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