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第10話 襲撃と裏切りと出会いと
第10-2話 裏切り
しおりを挟むみんながポカンとしている。
アンジーが話を続ける。
「世界の安定は、共通の敵に対して一丸となっているときに一番安定しています。なので、魔王ルシフェル様は、その状態を維持したいと考えていて、勇者を見つけて鍛えていたのです。そして、その勇者一行が魔王と対決するまで、人間界は魔族に手は出さないだろうと考えています。そして」ここで一息を入れるアンジー
「そのパーティーの一つとして見張られていたのです。あなたは。」
「なるほど。そういうことでしたか。」
「それで、私がスパイとして入り込んでいて監視していたわけです。まあそういうことです。」
「天界の方からとか言っていましたけど違ったんですねえ。」
「天界から地獄へ降りて来たルシフェル様のお使いできましたので、あながち間違いではありませんよ。うそではありません。」
「やはり消火器商法でしたか。」
「なんですか~その消火器商法って~」エルフィ、ああ、初めて聞きましたか。
「人からお金を巻き上げるために役所とか消防とかの人と勘違いさせて売りつけるんですよ、家には必要もない高価な消火器を。」まあ、消火器自体知らないですね。
「そんなこと、今時悪魔でもやらない事をする人がいるんですか。」
「高齢者とか役所は偉いと思っていたりする情報弱者に向かっていきますからね」
「今時説明責任も果たさないなんて非常識です」
「悪魔に言われましても」
「悪魔ではありません堕天使です。まがりなりにも元天界の者ですよ。それは、違ってませんから。念のため言っておきますね。」
「はあ。」
「それでですね、転生してきた勇者候補を見張る役をしていたのが私です。」
「でも、その人は別なところに転生したと言っていましたが。」
「私、一応天使ですので嘘は言わないことにしています。もちろん都合の悪いことは言わないんですけどね。その人は確かにあなたのいた世界から転生していますし、転生前から候補者だったので、あなたの世界に危険を賭して転生し、守護という名をかりて監視をしていました。そして、その方は、前にも言いましたとおり、今は、ある勇者の近くにいるはずです。いないわけではありません。
私は、この世界に来た時は、すでにこちらに来ていた転生者をそばで監視していたのですが、その人に監視を気付かれてしまい、ルシフェル様の指令であなたの世界に転移して、別の勇者候補を監視、もとい守護していました。そこから前に話したとおり、急にその勇者候補が転生したおかげで、元のこの世界に引っ張られて帰ってきたのです。まあ、私も転生してきたのは間違いないので、うそはついていませんよね。
転生の時にその転生者と離れてしまったのも本当です。そうしたら、たまたまあなたがそばに転生してきたので、ついでだからあなたを見張るように言われました。あなたが最初、記憶がなかったのも本当です。でも、その後のあなたの記憶が断片的にしか思い出さないのは、ルシフェル様の指示で私が意図的にブロックしているからです。私がやったとは言っていませんし、誰がやったともどうしてそうなったかも一切口にしていませんから嘘はついていません。」
「なるほど、そういうことでしたか。」
「記憶の封印に関しては、申し訳ないと思っています。実は、転生者には、パターンがあって、強い意志がある人とか面倒な人とかだとすぐ勇者になろうと暴走の末死んだりするものですから、記憶が無かったのをよしとして、記憶を少しセーブしてその人の本当の心根を確認していたのです。もっともあなたの場合は必要なかったみたいですが、それは結果論なので。
でも、最初から空気を圧縮して投げて、偶然とはいえ魔獣を一撃で倒したときには。これはやばい人が転生してきたなあと思いましたよ。でも、そのあとはおとなしいものでしたね。」
「・・・・」
「それから、次々とパーティーメンバーがそろっていくのを見ていると、本命の勇者なのかと思わざるを得ませんでしたけど、しかも隷従させて。」
「そこじゃ、なんでアンジーは隷従されたのじゃ。」
「あれは、ハプニングですよ、さすがに自分のホーリーネームがあなたの口から飛び出して、なおかつそばにドラゴンがいたと言う偶然が重なってとはいえ、まさか隷従させられるとは思いませんでした。まあ、私の意志で解除できるようにしてもらっていますし、いつでも抜けられますからねえ。」
「ならば、今、解除していないのはなぜじゃ。」
「え?ああ、なんでなんでしょう。まあ、解除してしまったことがばれるのもまずいと思っていましたし、いつでもできますから。」
「普通なら解除した後にネタばらしをするものじゃないのか?」
「え、まあ確かにそうですね。でも、タイミング的に今、話しておかないといろいろとまずいので。」
「ふん、おぬしはこいつに、いや、わしらにも未練があるのであろう。」
「はあ、何を言っているんです。いつでも解除できるんですよ」
「おぬしは、自分の意志で解除せずにいるのであろう。」
「!!」
「無意識に隷従を理由に逃げたいのではないか?今の状況から。」
「そ、そんなことは、ないですよ。」
「ならば、なぜ今この話をする。別に今でなくても良かろう。わしらがお主の本当のあるじであるルシフェルとやらに殺される段階でばらしても良かろう。なぜ今なのじゃ。」
「はあ、実はですね、あと3組ほど勇者候補が存在しています。一つは、転生者ですが、何というか実力は無いのに虚勢を張ってそれでも何とか周りの人達が頑張ってくれて徐々に成長してきているグループ。もう一つは、この辺では一番大きい国の王族のエリート王女様と王国の生え抜きで構成したグループ。もちろん転生者も含まれています。あともう一つのところは、情報が回ってこないのでよく知りません。そして、」
「わしらか。」
「はい、のらりくらりとここまで来ましたが、人材で言えば一番のパーティーらしいのですよ。あくまで潜在能力という点ですが。
まずあなたは、転生者で魔法使いなんですが、自分では日常生活能力に特化しているように見えていますが、使っている魔法は、かなりやばい高位の魔法を使っていますよね。
次にモーラですが、本人は末席と言っていますけど、ドラゴンの世界では、たぶん序列一桁台と噂される土属性の始祖の正統後継者のドラゴンらしいのです。
エルフィは、ハーフクォーターとは言え、魔力量、回復能力がエルフ族でも抜きん出ていて、実は弓の腕も一族の中でも屈指なのに、一族の中では、冷遇され、自分でもいまいち、ぱっとしないと思い込んでいるハイエルフなのです。
そしてユーリ、成長著しい女魔法剣士、成長限界が未だ見えていません。相手の魔法を切るなんて普通の剣士にはできませんよ。
さらにメア。万能ホムンクルス。
そして、今はここにいませんが、魔力耐性、薬物耐性ほぼ100%のタンカー役が可能なドワーフのパム。
まあ、あと遠距離攻撃か、強化魔法に特化した人がいれば、たぶんルシフェル様単体と互角に戦えるところまで成長できるでしょう。ほぼ完璧です。まあ、その分もこのやる気の無い魔法使いがやる気を出せば何とかなるんですけどね。」
「そこにぬしが入れば。」
「確かに今は、能力限定で何もできませんけど。能力解放できれば、さらにすごいことになりますよ。まあ、私は数に入れられても困りますが。」
「聖属性の天使じゃものなあ。」
「堕天使ですから、使えるのは光属性ですし、魔族に対しては絶対的な効果がありますね。なので、雑魚を蹴散らすことくらいはできそうです。」
「制限は、はずせんのか。」
「ええ、まあ私のあの方への忠誠の意志表示ですから。あの方から気持ちが離れればそうなりますけど。」
「なぜ、その者。ルシフェルとやらに加担するのじゃ」
「拾われた恩ですね。私が、天界を追放されたときに拾ってもらいましたから。」
「もう恩は返せたと思わぬか?」
「それはまだだと思います。ですが、最近わからなくなってきたのです。魔族の王国を作り、人間を間引きしてもあまり意味が無いと思うようになっています。そんなことをすれば、人間はむしろ、打倒魔王に結束して頑張り出すような気がします。ですから共存こそが大事だと。でも、人間というのは、度しがたいのです。一度懲りても世代が変わると同じ事を、魔族とか他の種族と争いを起こすのです。まったく強欲ですよね。」
「確かにな。人間というのは50年単位で人生が終わるからなのか、せっかちよのう。なんで人の物まで欲しがるか。差別も偏見もかわらないし、度しがたいのう」
「しかも狡猾です。魔族も使わないような姑息な手を思いついて攻撃していきますよね」
「そうですねえ、他の種族に比べて、力や能力が足りないことがコンプレックスなんでしょうね。自分を守るだけでは無く相手まで攻撃するのは、やり過ぎの部分もありますね。」
「なのでルシフェル様は、人間を間引く方向で考えているのです。定期的に。」
「そっちも、度しがたいがなあ。」
「お互いの領域の間に不可侵領域でも作ってみてはどうですか。」
「その効果はもって2世代くらいですね。人間というのは、すぐそういう約束を忘れて、不可侵領域を壊そうとするのです。ですから定期的に魔族は恐いもの、手を出してはならないものと言うのを見せつけないとすぐ忘れるのです。」
「間引かれたくないなあ。その点エルフはどうなんですか?」
「私たちは基本的に自分の領域から出ませんから、危害も加えないし加えられたくもありません。魔族とは共存できるとは思います。ですが人間は・・・」
「人間は?」
「本当にしつこくこちらの領域に入り込もうとします。ええ、新しい文明とかを武器に貿易とかで、でも、文化・文明なんてエルフには必要ないのです。人間は便利になったらうれしいでしょうとか言いますが、自分の生活に必要なものではなく余計なものが多いのです。それは便利という名の堕落であることが多いのです。」
「なるほどね。」
「私は、変わり者ですので外界に出てきましたし、あそこに戻る気にもなりませんが、森から一歩も出ないことを誇りに思っているエルフもいます。何百年も何千年も」
「さて、人を代表して何かないかな。」ユーリの意見も聞きたい。
「いえ、人は、欲望があるからこれだけ増えたんだと思います。強欲に人間同士でも奪い合っています。でも、優しい人達もいます。仮に間引かれるとして、そんな人達まで間引かれるのであれば抵抗せざるをえません。」
「もっともじゃ、メアはどうじゃ。」
「残念ながら間引かれようとあまり関心はありませんが、ご主人様が間引かれるというのであれば全力で抵抗します。」
「そうじゃろうとも。さて我々を隷属させている主はどう思うのじゃ」
「私ですか。そうですねえ。皆さんが間引かれるのは勘弁して欲しいですね、私も間引かれるのは勘弁して欲しいですよ。さらに他の人も間引かれるのはちょっとねえ、幸い私の周りには良い人ばかりでしたし。人間はもちろんですが、天使さんもドラゴンさんもエルフさんもドワーフさんももちろん魔族さんも獣人さんもいろいろな人がいないとお話しできなくなって寂しいですよ。」
「ですから、一度ルシフェル様とやらにお話しをしたいですねえ。」
「どうしてじゃ。」
「なんとか心変わりして欲しいですね。なので説得は無理としても一度お話ししてみたいです。」
「な、何を言うんですか」
「どうせ間引かれるなら話を聞いて納得したいじゃないですか。まあ、彼の言う理屈が理不尽であって、私が納得しなくても結局間引かれるんでしょうけど。」
「話すこともできず、いきなり殺されるかも知れませんよ。」
「これだけ用意周到に計画をする方がそんなことをしますかねえ。まあ、私の話し方によっては気に入らなくて、その場で殺されるかも知れませんけど。」
「やめてください。」
「どうしてですか。」
「私が、今、あなたたちが刺客を倒してしまったこの時点で、この話をしたのは、あなた達に死んで欲しくないからです。あいつらを倒してしまった。力を示してしまった段階では、勇者としての意志がないと知れられれば、抹殺につながる可能性がぐんと上がります。なので、これ以上成長して欲しくないと思っています。なので、彼らがうまくごまかしてくれるのを祈るのみなのですよ。」
「でも、今はそれで良いかもしれませんが、無差別に間引かれるんですよ。いや、特に私のような転生者はまっさきに間引かれるでしょう。たとえ無害だとしても。このまま黙っていてもこの先には、生きていける可能性が1ミリもないんですよ。たぶん」
「やっぱりそうですよね。私がお願いしても無理ですよね。きっと。」がっくりと肩を落としうなだれている。
「悲しまないでください。アンジーのせいではないですよ。」いつものようにポンポンと頭をたたく。
「なぜそこで黙って殺されようとするのじゃ。なぜ戦わん。」
「人間の業は、度しがたい、それは、私自身も思うからです。こうしている私だっていろいろな欲望と同居しているんです。これは、人のもったサガなのでしょう。人間は変えられないんです。だからこそこんなに急激な文化・文明の発達があるといっていいと思います。短い生だからこそ知恵を絞り、いかに便利に快適に暮らそうと考える。欲望が原動力なのです。でも、それを是としない自分がいます。」
「ここで私が、私たちが、間引かれたとして、人間はきっとルシフェルさんを倒すために知恵を絞り、何度も繰り返して、たぶん倒すでしょう。きっと何百年か何千年か後には、必ず。それまでは、無力な人間は間引かれるのもやぶさかではないのです。でも、抹殺されないだけルシフェルさんに慈悲はあると思いますよ。」
「割り切っておるのう。まあ、魔族だけでは生きてはいけないからしようがないが。」
「人は全滅させられないんですか?」
「人に寄生する魔族もいるからのう。全滅したら困るじゃろう。」
「少なくとも共存しなければならないのに人間がわがまますぎるんですかねえ。」
「魔族やエルフなど多種族の存在は、人間側にはメリットはないからのう。奴隷にできれば別じゃろうが。」
「ああ、アンジーさん話がそれてしまいましたね、私としては、この状況はしょうがないと思っていますよ。」
「そんな、生き残りたいと思わないのですか。記憶をとり戻したいとは思わないのですか。」
「ごめんなさい。これまでの人生がどういうものだったのか、悔いが残っているものなのか、やり直したかったものなのか定かではありませんので、ただ、今、記憶が戻ってもきっといまさらなのです。死ぬことは決まっています。それなら、どうか皆さんとの楽しい思い出だけを残しておきたいです。」
「そんな、私が記憶をもどさないようにしたせいでこんな事に。」
「どうせ、ルシフェルとやらに入れ知恵されたのじゃろう。」
「確かに私の意志ではありません。残念ながら。徐々に解除していくように言われていました。私は、無理に解除すると今の記憶が無くなってしまうかもしれないとあなたに言われていたので、それも嫌だったので。」
「いえ、むしろ感謝しています。過去に何が起こっていようと今の私が本当の私であると言えます。もしかしたら、極悪人で大量殺人者だったかも知れません。だったとしても私はたくさんの誤解や無理解のなかで、そこに行き着いた可能性もあるわけです。また、ただの無能力者で家の中でひたすら惰眠をむさぼっているような人だったのかもしれません。」
「話の腰を折るが、お主はそうではなさそうじゃがな。どちらかというと、上司と部下の間に挟まれて心を病んだ中間管理職というイメージじゃぞ。それで自殺でもしたのでは無いか?」
「そうかもしれません。でも、今のこの状態を少なくとも幸せと思っています。ただし、この幸せを壊されるのであれば、少しでも長く続くように多少はあらがって見せますよ。」
「もちろんその中にはアンジーさんも入っているのですけどね。」
「最初に隷属したときからわかっていたんですがね。こうなることは。何をやっても、あなたは優しかったんです。わたしを疑いもせず。むしろ心配して。私は、心の中で罪悪感がありました。」
「最終ロックもはずしましょう。」
「なんじゃその最終ロックとは。」
「皆さんには失礼なことですが、皆さんの意志ではずせると言っていたのですが、実は、ちょっと仕掛けをしていました。これについては、私が魔方陣構築が楽しくてついやってしまった部分もありますが、何かあったときのためでもありました。でも言い訳ですね。皆さんに話していなかったのですから。」
「わしらからは、解除できないのか。」
「実際にやってみるとすべての能力は解放され、私からの強制力はなくなったように表向き見えます。でも、皆さんが自分の意志で無く、あやつられて解呪した時のためにもう一つ鍵をつけていました。その解呪したように見せていた状態を元に戻すという術式です。」
「なるほどのう、そんなことまで考えていたのか。」
「いや、技術的な好奇心ですね。理由は後付けです。だって、あやつろうとする魔法を跳ね返すことが可能な魔法もありそうじゃありませんか。まあ、私には構築できませんけど。」
「それは無理というものではないか、すべての魔法を跳ね返すことになるぞ。」
「そうですよねえ。なので、本来は話しておけば良かったのですが言わずにいました。本当にすみません。」
「ご主人様、謝らないでください。そんなところなのですよ。やさしすぎるというか、冷たいというか。私は、そんなことをいつも思っておりました。」黙って聞いていたメアさんが急に話し出しました。
「ええ?私冷たいですか?」
「私たちに甘えることはありません。さらに無理を言うことも。もう少し私たちを頼って欲しいと思っておりました。少なくとも私はそう思っております。もちろん、ご主人様は、なんでもかなえる力をお持ちでいらっしゃいますから、そうそう頼ることはないのでしょうけれど、いろいろなことをすべて自分がと思っているところがございます。それでは、私たちは、お邪魔としか思えません。」
「そんなことは無いと、みんなは、わかっているのじゃ。じゃが、一人で頑張ろうとしているのが寂しいのじゃ。主はいったではないか。わしらは仲間、いや家族じゃと。」
「すでに皆さんご主人様の背中に守られていなければならない者ではありませんよ。それは、ご自身がよくおわかりでしょう。もっともアンジーさんは知りませんが。」
「私はあなたに守ってもらってばかりで、この身が引き裂かれる思いを何度もしました。何度も本当の事を話して一緒に戦いたかった、守りたかった。でも、優先すべき事がありました。今ここに話しているのは、もう死んで欲しくないからです。お願いですこれ以上頑張らないで。」
「ここにきてようやっと本音か。長かったのう。恩というのは確かにな、あらがいがたいものじゃ。じゃがもうよかろう。わしらが言わずとも、今、お主が選んだではないか。死んで欲しくないと。それは、恩あるルシフェルとやらに背くことじゃ。ならば、ルシフェルに謝り、袂を分かつがよい。」
「それでもこれまで私は内通者として、状況を報告し、皆さんを裏切っているのですよ。いまさらじゃないですか。」
「それでも、ここに一緒にいて、話をしてくれたじゃないですか、ならばそれは懺悔です、懺悔をされたら神はその罪を許すのでしょう?」
「はい、はいそうです。それが神です。」
「ならばもう許されても良いのではないですか。私たちに黙っていたそれは、後味が悪い行為です。でも、私たちに何かデメリットがありましたか。」
「それは、実は、いろいろ襲われていたのはそのせいだったのだと思います。それも黙っていましたし。」
「これまでの事で、あなたが事前に話を知っていたことはありましたか?」
「いえ、実働部隊の行動は私には教えてくれませんでした。私自身も、私に教えるなと言っていましたし。」
「では、あなたは責任を取る必要はないでしょう。」
「そうなんですけど」
「むしろそのせいで、あなた自身が危機に陥ったこともありますよね。それは、ルシフェル様のせいではないのですか?」
「それは違います。あの方は、ルシフェル様は、そのようなことをしませんでした。実働部隊の暴走だったのです。私は定期的に報告していましたが、試す必要がないほど弱いと報告していましたし。」
「であれば、問題ないのではありませんか。あなたは恩を返している。十分だったのでは。」
「いいえ、まだ、私の恩は返せていません。・・・いないと思います。」
「ほほう、面白い話を聞かせてもらった」
「どこから聞こえるのか、誰ですか?」
「ああ、どうして出てきてしまうんですか、ルシフェル様、どうして急に」
「たまたまな、あやつらが暴走して攻撃したときに、どうなるのか気になっていて見ていたが、その後も気になって聞いていたのだよ。そやつ。いや人間は、天使さえ籠絡し、堕落させるのがうまいな。」
「籠絡はしていませんよ。事実を述べているだけです。もっとも自分に都合の良い事実を並べてはいますけどね。」
「まったく、わしの信頼する部下を堕落させるとは、」
「いや、堕落させられていませんし。」
「もともと神は、だらしないものでしょう?良くも悪くも寛容です。だからこれまで自由にやってきている。でも、神とともにあったあなたは、それが許せなかったのですねルシフェルさん。」
「なるほど、わしの気持ちまで推察するか。」
「ええ、私も欲深い人間ですから。でも、他人の領地に土足で踏み込みたいとは思いませんし、間違って踏み込んで叱られたら謝りますよ。それが人間の善なる部分です。」
「それが普通よな」
「でも、野心を抱く者もいる。その人のもともとの心根か、環境や周囲の状況がそうさせるのか、誰かが吹き込んでいるのかは、わかりませんが。それをとめることもできない。」
「まあ、一部は魔族が関わっている場合もあるな。」
「人間は弱いです。弱いけど強い。特に何か目標があるときには。例えば魔王を倒すためとかですね。でもそれは利害が一致した目標がある場合です。目標が無いと私利私欲に走りがちです。まあ、自分に危害が及ばないとなると、利害が一致していても蹴落としたりしますがね。権力闘争とか覇権争いとか。この戦争が終わったときのことまで考えて。正義と信じて魔王と戦う勇者のことなど考えもしない。自分に利する単なる駒でしかない。権力者は自分で魔王討伐に行ってきて欲しいものです。」
「ふふ、言うのう。」
「ですから提案です。たとえばですが、定期的にお互いのストレスを解消する方向で勧めませんか?例えばお互いに欲しい土地を賭けて領主同士での一騎打ちとかで勝負を決めたりしませんか。」
「それでは、われらが有利であろう。勝利は揺るがんぞ。」
「じゃあ、対抗戦としますか。お互い5チーム、1チーム5人まで3チーム勝った方の勝ちとします。最初にかなえたい願いがある方が希望を出して、それに見合う願いを受ける側が提示して、納得したら勝負する。」
「まあ、それなら負ける可能性もあるな。まあ、それでも負けないと思うが。」
「こちらからの願いは、相手の領主の死とかね。」
「そんなことをしても、だまされているのは最初のうちだろう。一斉に攻めてくるにちがいない。」
「魔族側も自分たちの能力を過信して相手の技術を勉強しないですからね。」
「それはあるなあ」
「なに二人で仲良く話しているんですか。敵同士でしょう。魔族を滅ぼすかも知れない勇者のグループなんですよ。」
「ははは、それについては、アンジー、お主の報告を配下の者から聞いていたが、この会話を聞いて、現状では脅威では無いと判断したよ。」
「それは、まあ、そうしてくれればうれしいですけど。」
「だが、興味は持った。なにせ空間を操る魔術を構築したと言っていたからな。」
「そこに気付かれましたか。」
「まあ、疑ってはいたが、事実を見せられてはな。」
「あ、やっぱりですか。」
「記憶を封じていることが変な先入観にとらわれずにすんだからなのかな。だが、この世界には不要だ。そんなものを持ち込まれたら、戦闘が根本的に変わってくる。敵陣にいきなり部隊を投入することもできる。お互いに24時間監視し合わねばならなくなるぞ。」
「今のところ実際に行ったところにマーカー埋めないと無理ですけどね。」
「奇襲して相手の陣地を奪いそこに転移の魔法を地下に埋め込み、再度奪取されたときにそれを使うことも可能じゃろう。」
「マーカーを潰されれば無理ですけどね。」
「逆にマーカーを見つけたら、そこから奇襲をしようと考えるから、開けると全く違う空間につながっているとかな。海の底とか高い空とか。」
「そういえば最初に計算して空間に穴を開けたら、海の底でしたねえ、あわてて術を解除しましたが。その時は、ドア一つ分でしたが、水圧を押し戻すのに一苦労しましたねえ」
「さりげなく自慢するんじゃない」
「いいえ、失敗ですよ」
「まあ、お主の善人さにわしは脅威では無いと判断した。じゃが、アンジー気をつけよ」
「え?私ですか」
「ああ、おぬしを含め仲間に何かあったら、この男はすべてを捨てて反撃に出る。一人でも欠けたら、そう最悪死んだらたぶん復讐の鬼になる。そうであろう?」
「まあ、自分でも想像はできますね。たとえ相手にかなわなくても、死んで相手の腕一本くらいは、少なくとも顔に治らない傷ぐらいはつけて死にたいですね。」
「それが排除したい理由じゃった。わしに挑んできたなら当然わしが勝つが、たぶんとてつもない傷を負わされてしまい、そこを他の勇者達につけ込まれそうだからな。」
「なるほどね、私の仲間を人間が殺して、魔王がやったと思い込ませ、私の矛先が魔王さんに向くよう仕向けられたらまずいと。」
「そうなるかな。で、」
「ってルシフェル様、話がころころ飛んでいますが。大丈夫ですか?」
「アンジーおまえは優秀だ。そういうところを気に入っていて、スパイとして使っていたが、お主はわしとこやつの連絡係に降格じゃ。」
「え?どういうことですか。それもコロコロ話が変わっていますが。」
「まずじゃ、今をもって、わしはこの男と協調路線を取る。利害は一致している。少なくとも、相反する考えではないからじゃ。お互い今後どう気持ちが動くかわからんから今のところとはなるが。」
「なので、これまでの監視係から連絡係となって橋渡しをせよ。」
「えええええ」
「これまでもお主は監視した事項を報告しておったが、他の者からの報告よりだいぶさじ加減が甘かったぞ。つまり過小評価して報告しておったろう。」
「う、過大に報告する理由も無かったので。」
「しかも、こちらからの襲撃とか事件もできるだけ起こさせないようにしておったろう。まだ、時期尚早だとか言って。まったく肩入れしすぎだったとは思わんか。」
「ばれてーら」
「まあ、こちらからすると、潜在戦闘能力が高いチームなのに、何も成長していないところが不気味だったのじゃが、今話してみると、現状の戦闘力は確かにあるが、戦闘をする気が無いようだし、おまえの報告は妥当だったのだな。だが、これまでも何度か刺客を送り込んでいるが撃退しているあたりは、やはりあなどれん。今後も要注意にはかわりないぞ。」
「ええ、冷静に考えてもそうなのです。弱腰の魔法使いを筆頭に、幽霊恐くて女の子にあこがれる女剣士とか、隷属で能力制限されてお菓子大好きなドラゴン、ご主人様にぞっこんでご奉仕に全精力をそそぐホムンクルスとか、今は別に行動してるドワーフはさすがによく知りませんが、自分を過小評価しすぎて弱気な胸がでかいだけのハイエルフとかですから。」なにげに最後はコンプレックスだったのですね。
「その中には主も入っておるじゃろう。無能力の天使よ」
「ええ、私もですか。私はルシフェル様の下僕で能力限定された、ただのか弱い少女ですよ。」
「自分で自分に制限を掛けているだけで、いつでも天使になれるくせに。ふふ、お主のこのパーティーに対する思い入れは、本当によくわかった。なので、わしへの連絡係に降格じゃ。これまでも主には別世界へ転生したりと、いろいろわしに協力してくれた。命を賭してな。もともとお主が恩を感じることなどわしは何もしておらんのじゃ、もう十分じゃ。今後は必要ない。よいな。」
「は・・い」おいてけぼりにされた子犬のようにしょぼんとしている。
「さて、お主との話は終わっていないのう。」
「はい」
「主にお願いしたいのは、ひとつは、そこの連絡係のアンジーをよろしく頼みたい。天使としての制限解除はアンジー自身が自分に掛けたものじゃから本人に任せるが、いろいろとよろしく頼む。」
「はい、頼まれました」
「あと、他の勇者パーティーと会っても何も話さないでくれ。話して魔王討伐の気持ちがぶれるのは困る。成長してもらって頭打ちになる限界がどのへんかを知りたい。あと、協力もしないでくれ。」
「できる限りそうします。でも、残りの3つのパーティーが協力するのはかまわないのですか。」
「少なくとも転生者がリーダーのパーティーは、王女のところのパーティーを毛嫌いしておる。王女のところもそう思っている。無能が威張ってリーダーを気取っているのだ、そんな奴の下につきたいとは思わんだろう。逆もまたしかりじゃ」
「俺様パーティーなら王女の下にはつきたくないでしょうしね。」
「もう一つパーティーがあると聞いていますが、」
「これは、パーティーではなくなった。」
「はあ、」
「最初は、その転生者にわしのつけた監視者を含めて数人集まったのだが、この転生者が猜疑心の強いやつでな、疑わしきは殺すと言い始めて、監視者の不審な行動からすぐばれたのでな、そこからの足取りがつかめない。」
「その監視者はどうしました。」
「捕まって、あらいざらい白状させられて、この世界のことの知っていることすべてを話させられて、何も出なくなったところ、殺されかけて、他の仲間が止めてくれてもめたところを逃げ出したから、命は無事じゃが心をやられておる。」
「なるほど、捕虜の扱いに問題がありますね。人権、いや魔族だから魔人権侵害ですね。」
「面白いことを言う。そのあと、パーティーがいた場所に、見に行ったが、誰もおらず、床には血がびっしりとこびりついていたそうじゃ。」
「死体はなかったが、その後、どこでもその男の話は聞こえてこない。一番不気味じゃが、捜索はしているがようとしれん。ひとりでどうなるものでもないので放置気味だが」
「それも少し恐いですね。」
「能力的には魔法も使える剣士らしいから万能ではある。しかし、その付近で魔獣との戦闘の話も野生動物が死んだ話もきかない。どこか別の場所に移っているのかも知れないので、探させてはいるがみつからん。」
「どのくらいまで能力を伸ばしているかわかりませんね。」
「単独で能力を伸ばすとなると脅威となるとも思えんがな。」
「そうなんですか。」
「ああ、能力を伸ばすには、ただ動物を狩れば良いというものではない。むしろ自分の身の丈以上の敵と戦わねばならない。そうしないと戦闘のノウハウなど得ようはない。一人で戦うにはリスクが高い。死んでしまうからな。」
「死んでも良いと思ったらできるかもしれませんね。」
「生き残るつもりで戦わねば無理だ。」
「そうですけど、自暴自棄になっても転生者は転生者です。幸運ももっていると思います。」
「ひとりで倒せるほどわしは弱くないぞ。」
「ですね」
「気をつけよ、そういうやからが一番嫌いなのがおぬしのようなものじゃからな。」
「え?」
「やる気も無く、のほほんとハーレムに暮らしておるではないか」
「あ、まあ、気を使ってはいますけど、基本脳天気ですね。周りはいい人達ばかりですし。」
「間抜け時空発生装置」ユーリがつぶやく。全員失笑だ。声だけのルシフェルも笑っているようだ。
「それよ、この雰囲気がそうさせるのか。お主の人徳か」
「それを人徳と言ってしまうのはどうかと思いますけど。」
「ちがうじゃろ。単にへたれなだけじゃろう。」
「それは否定しませんね。でもそんなところが可愛いです。」
「そうではありません。ご主人様はかっこいいのです、そんなところも含めて。」
「そうです。あるじ様は、かっこいいのです。すべてにおいて。」やめてーはずかしいからやめてー
「はー、愛されておるのう。」
「ですよねー」
「ごほん。お主の考えはわかった。なので今後は手出しせぬ。じゃが魔族も一枚岩ではない。わしの考えに賛同せぬ者、強硬派いろいろいるので、安心せんでくれ。わしがすべてに目を配るわけにも行かないのでな。」
「一応、お触れをしておいてください。あ、そんなことをしたらかえって目標にされるかもしれませんね、撤回します。」
「そんなことをしたら、余計に魔族は動くぞ。」
「そうですよね。あと、あなたと敵対することになったら連絡係を通して事前通告をします。そちらでも何か怪しい動きがあったら連絡ください。」
「わかった、そういうところもどうかと思うがな。」
「アンジーをお預かりします。」
「頼んだ。ではまた」
「はい、ありがとうございます。」
続く
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