巻き込まれ体質な私、転生させられ、記憶も封印され、それでも魔法使い(異種族ハーレム付き)として辺境で生きてます。

秋.水

文字の大きさ
37 / 102
第10話 襲撃と裏切りと出会いと

第10-3話 1人目の勇者

しおりを挟む

「皆さん聞こえていましたかね」
「ああ、頭にガンガン響いたわ」
「ユーリ、あの突っ込みはグッドでした。」親指を立てて見せる。
「思わず口からこぼれました。すいません」そう言いながら親指立てないでください。
「アンジーさん良かったですね、自由になれて。」
「別にそういうつもりで言ったわけじゃないんだからね。あなたは、ここで心を折っておかないとどっちに向かうかわからないからよ」
「おうおう可愛いのう」
「どうですか、一度限定解除してみませんか。すぐ元に戻っても良いですから。ぜひ見てみたいです。」
「ええ、恥ずかしいです。みんなに見られるのは、」
「姿も変わるんじゃったか。まあ、懺悔の続きと思ってやってみせよ。」
「わかりました。でも、一瞬ですよ。」ちょっとうれしそうに、立ったまま祈り始める。体が光り始める、輝いはじめて姿が見えなくなり光が和らぐと宙に浮いて、背の高いナイスバディな天使に変わった。もちろん羽根も豪華な羽根が背中から生えている。
「おお、すごいな。」
「すごいです」
「信じられない。」
「はい終わり。」ぽんっと言う音が聞こえそうな感じで一瞬で小さくなり、ストンと降りてくる。
「もったいないのう」
「あれはあれで疲れるんですよ。しばらく戻ってないから、力の調節の感じがつかめなくて。」
「ならば、慣れるまであの姿でお願いします。」
「いやです」そう言うと羽根と天使の輪が現れる。子どものままで。
「あー天使の輪は邪魔ね、」天使の輪を消す。羽根の具合を見るように脇から背中を見ている。
「服は破いていないわね、OK、出力調整はできているわ、しばらくは、この状態を維持しましょう。リハビリね」
「その原理は?」
「ああ、あなたの魔法と同じよ、空間に切れ目を入れて生やしている感じ。意識はしていないけど。」
「なんだ、この世界にも空間を曲げる法則があるんじゃないですか。」
「バカを言うな。そもそも今のこの世界には神も天使も存在していないのじゃ。天使が現れただけでも驚きなのにそんな天使の羽根が空間を曲げて服から生えているなんて知るわけないじゃろう」
「あ、そうですねえ」
「そもそもここ数百年、天使は人の前に降臨しておらん。」
「ユーリさん頭を上げてください。あなたは神を信じているのですか」アンジーの前に膝ざまずいているユーリ。
「祖父代わりだった人が、一度天使に会ってみたかったと言っていました。代わりに私が会えるとは。奇跡です。」なんか涙ぐんでいますよね。うれし涙ですか? 
「とりあえず、私はアンジーです、天使ではありますが。至って普通です。」
「毒舌じゃしのう。」
「そうです、正論をはく常識人です。」
「エロには興味津々ですけどね」
「ああ、そうじゃのう」
「確かに。天使ってエロいんですか~?それが常識なんですか~?」
「もう、実体化が久しぶりだって言っているでしょう。これまで何人のそういう行為をだまって見せられたと思っているんですか。」
「怒っても可愛いだけじゃなあ。」
「ですね」
「さて、方針は決まったな」
「え?方針ですか。」突然何を言い出しますかモーラ
「ああ、他の勇者パーティーを見に行こうではないか。」
「えええ、関わり合いになりたくないのですが」
「どんなものか見に行こうではないか。少なくとも、当初の旅の目的は、アンジーの守護していた転生者を探し出すことだったじゃろう。とりあえずとはいえ目的は達成しなければならんじゃろう。」
「それで、パーティー見物ですか。確かにルシフェル様からは、会ってはいけないとは言われていませんけど。大丈夫ですかねえ」
「本当に発見したほうがよいのは、最後のパーティー、じゃない転生者を見つけることじゃろうがな。」
「そうですね、魔王の手先として動くのはどうかとは思いますが、気になりますね。どうもこの世界のこの時代のジョーカーでしょうから。」
「ジョーカー?」
「ああ、紙札を使うゲームの特殊な札のことです。手札として持っていれば有利、相手が持っていたら危険。どちらにもないとさらに危険というやっかいな札のことです。今度作って遊びましょう。」
「わーい」ユーリがうれしそうだ。みんなじゃんけんやあみだくじであれだけ盛り上がるのです。カードゲームだったらなおさらですね。

「ん」さすがに全員気付きましたね。誰かがこの結界内に入り込もうとしています。おや、結界を見つけて切り捨てましたか。なかなかできる人ですね。
みんなだまりこんで、その方向を見ている。一瞬気配がなくなったと思ったら私の後ろに現れましたよ。
私はとっさに振り向いてシールドを発動。振り下ろされた剣を止める。
「ほう、我の剣を止めるとは、やるな」
「いきなり結界内に入ってきて何をするんですか、無礼な人ですねえ」
長い黒髪で目が隠れている。表情は口元だけ見える。そしてその服は黒い。革なのかもしれないがつやがある。なんか光り物のアクセサリーがじゃらじゃらついている。転生者っぽいですね。まさか
「まさか、例の勇者。」
「そのまさかだよ、魔法使い」
「パーティーを皆殺しにしたと噂の」
「なに?」
「いや、あなた自分のパーティーのメンバーを血の海に沈めたんでしょう?」
「あ、ああ我の血の海にな」
「死体はどうしたんですか?埋めたんですか」
「何を言っている、我の持つ邪眼の前では嘘・偽りは通用せぬぞ」
「いやだから、あなた転生者で、裏切り者を拷問して殺そうとしてパーティーメンバーに止められて、そのメンバーも殺したんでしょ?」
「なるほどそう言う噂が立っておるのか。まあ、半分は合っているな」
「半分ですか?」
「我は正統なる勇者の末裔。転生してきたとはいえ、正義の徒、人をあやめるようなことはせぬ」
「でも血に沈めたのでしょう?」
「我の血のな」
「え?殺したんじゃないの」
「ふん、我がそのようなことをするものか。単に我の魔力が強すぎて血を多量に吐いただけのこと。まあその姿に皆、怯えていたのは確かじゃが。あと、神の監視者に対しては、根堀葉堀聞かせてもらったが、我との会話に疲労してな、聞きもしないことまで話してくれたわ」
「はあ、神の監視者ですか。」
「我の言葉に「言っている意味がわかりません」「わかる言葉で質問してください」とか言っておったがな。」
「たとえば?どんな質問をしたんですか。」
「天使の軍勢にはハプシエル以下何名の軍神がいるのか聞いたが、答えてはくれなかった。さすが監視者、口が堅い。でも、拷問もしてはいないし、殺してもいないぞ」
「ああ、そういうことですか。」
「厨二な病の人が転生してきたのですねえ。」アンジーさんが頭を抱えている。みんなはポカーンとしている。
「そこの娘、厨二とか言うでない。我は正統勇者の家系アレクサンドル二世の生まれ変わりぞ。」
「はいはい。じゃあ監視者に拷問もしていないし、メンバーを殺しもしていないと。」
「当然じゃ、我ほど高位の存在になると下等な人類など殺すに値せぬ。」
「じゃあ、パーティーメンバーはどうしたんですか。」
「つきあいきれんと言って故郷に帰っていったぞ。あと、神の監視者は、何かブツブツ独り言を言いだしたので、わしが直々に故郷に連れて行ったわ。」
「はあ、そうですか。」あ、頭痛い。
「もちろん、他の監視者に見つかるわけにはいかんから、夜陰に乗じ、人に会わぬように連れていった。どうだこれでもまだ我が正義の勇者だと思わんか。これだけ下等な人類に親切なのに。」
「で、ここへ来たのはどうしてですか。」
「なに噂を聞いてな、不埒な奴隷商人が幼女を拐かして連れ歩いていると。」
「ああ、そうですか。」
「君たちおびえなくても良い、我がこの男を成敗して助け出してあげよう」
「余計なお世話です。」
「ほほう、魔法で操ってそう言わせているな。ならばそやつを殺せば」
「私がこの子達を隷従しているのは事実ですが、いつでもはずせるのです。あなたのような人に操られないように保護しているのですよ。」
「隷従させている事実を認めたな。」
「全部聞いて理解しなさい。」
「この不埒な極悪人が」
「都合の良いことしか聞こえんからなあ、こういう手合いは」モーラが頭をかきながら嫌そうにその男を見ている。
「さて、どうしたものか。」
「あなた、私を倒すと言っていましたが、できると思いますか」
「もちろん、我は正統なる勇者の家系の真の勇者であるからな」
「仮に負けたらどうしますか」
「何度でも倒しに来る」
「殺されたら?」
「我は絶対死なぬ。必ず倒しに舞い戻る。」
「死なないといいますか?」
「ああ、ここまでも何度も危険な目に遭ったが、死なないのだ」
「食事をしなくても?」
「ああ、腹は空くが死んではいない。」
「バカに不死を与えたのは誰じゃ。」頭を抱えるモーラ
「困りましたねえ。」
「はあ、わかりました。」アンジーが深いため息をついてから勇者に近づく。立ち止まり、祈りのポーズを取る。まぶしい光がアンジーを包み、空中に本当の天使の姿をしたアンジーが現れる。
「おお、天使様」思わず手を組みひざまづくその男
「私は天使です。この者とともに旅をしています。わかりますか。」
「はい、仮の姿で、ですね」
「そうです。あなたは大いなる勘違いをしています。天使たる私がこの者の隷属を受け入れるはずがありません。それはわかりますね。」
「はい、そうだと思います」
「私の言葉を信じられますか」
「はい、」
「では、先ほどこの者が言ったことは本当です。この者は、外敵から操られないようにこの子らを守ってくれているのです。私はこの者が何もしないよう見守っているのです。わかりますか。」
「はい、ですが見守りとは監視ではないのですか」
「いいえ違います。監視とは厳しく見張ることです。ですが見守りとは暖かく慈愛の目で見守ることです。わかりますか。」
「わかりました。」
「あなたは(バカですが)良い人です。それがわかります。ですからその怒りを心の刃を納めなさい。」
「わかりました」
「それでは、彼への誤解を謝罪し、改めて良い関係を作りなさい。」
「はい」
アンジーの真の姿は消え、元の姿に戻り、飛び降りた。
「お兄さんお名前は」
「真名は明かせん。」
「では、愛称を」
「ジャガー、」
「はい?」
「隻眼のジャガーと呼んでくれ・・ください」
「隻眼じゃないですよね。」アンジー思わず膝をついて座っている男のアイパッチをめくる。
「やめてください、暴風竜を封じた邪眼が覚醒してしまいます。」
「じゃあ、もどす。」
「さて、ジャガーさん。誤解は解けましたか」
「ああ、すまなかった。誤解だったようだ。」
「わかってもらえてよかったです。では、あなたの目的が誤解だったのですから、私たちとはこれきりで」
「いえ、そうはいきません。私はあなたに償わなければなりません。」
「そもそもなにも償うことなどありませんよ。何もされていませんし。」
「いえ、これは名誉の問題です。謝るだけではたりません。何か償いとなるような事をお命じください。」そう言うとジャガーさんのおなかがグーと鳴った。
「失礼。」
「ああ、食事を用意します。メアさんお願いできますか?」
「はい、馬車までもどりましょう。」そう言って風のように消える。
「今のは、」
「ああ、メアさんは私たちみんなのお母さんみたいなものですね、そういうと怒られますけど。」メイドとか言ったらこの人めっちゃ反応しそうですし。
「ご主人様、」メアさんが戻ってきた。
「実は、馬車は私が壊してしまったのだ。退路を断つために」
「え?」
「この御仁、ご丁寧に火をつけて燃やしてくれました。」
「え?」
「食料と薬草ごと全部。」
「まじですか。」
「まじです」
「すいません。」土下座きました。あんた日本人か
「頭を上げてください。すんでしまったことはしようがありません。ここでお別れしましょう。」
「え?」
「これ以上一緒にいるとお互いつらいと思いますので、リセットしましょう。」
「お願いです。一緒にいさせてください。」
「はあ、なぜですか?」
『思考読めましたか?』
『ああ、妄想だだ漏らしじゃ。またお前のいたニホンとかいうところから転生して来たのじゃろう。はっきり読めるぞ。お主のハーレムを乗っ取ろうとしていたようじゃ。』
『今度は、取り入って仲間にしてもらおうとしていますね。』アンジーが嫌そうに言う。
『勘弁してください、この人の心、気持ち悪いです。女剣士たん可愛いハアハアとか言っています。』ユーリが叫んだ。
『どうしたものですかねえ、どうやっても逆恨みされそうですが。』
『いっそ、亡き者にしますか?』メアが物騒なことを言う。
『その方法もしかたないですね。』いやアンジーさん天使なんですからその発言は。でも不死身なんですよ。
『これだけの高出力で話しても相手に聞こえてないじゃろうか』
『魔法も使えると言っていましたが、こっちの方に才能を伸ばしていなかったのかも知れませんね。』
『聞こえていて黙っているなら、なかなかに忍耐力のある人ですね。いやむしろ被虐嗜好のある方かと。ハアハアいぢめたい』エルフィ何を興奮しているのですか。
『少なくともわしは、聞こえるように話しておるぞ。この声は感情まで伝わるからのう』
「わかりました、立ち去ります」突然ジャガーさんは立ち上がりこう言いました。
「わかっていただけましたか。」
「はい、まだまだ修行が足りないということを痛感しました。」
「え?」
「皆さんの声が正確に聞こえるようになるまで修行して出直してきます。」
「いや、出直さなくても良いです。修行頑張ってください。」
「いえ、ぼそぼそと私への気持ちが伝わってきています。それを理解しないことには始まらないそういうことですね。」
「いや、たぶん明確な悪意だったのですが。」
「それでも修行して再びあなたと同じステージに上ってからきます。」
「いや、ステージってどこかの宗教ですか。けっこうです。」
「では、また」そう言って突然いなくなった。
「あれが、そうか」
「そうらしいですね。話もつじつまがあいますし。」
「あるじ様、ああいうのをジョーカーと言うのですか」
「ちょっと違います。カードゲームでは、もっと強くて強力な札のことで、手札に加えた方が強くなります。まあ、あの反応速度からすると確かに身体能力は高いんですけど。ジョーカーというには、バカすぎますね。どちらかの勢力が、彼をうまくだまして陣営に引っ張り込むかということになりますね。でも、それにしてもすごい噂でしたね。」
「噂というのは、面白いほど、どんどんねじ曲がるのう。」
「私たちの噂はほとんど変わっていませんね。どうしてですか?」
「事実だからじゃな。話の広げようがない。まあ、「毎日陵辱の限りを尽くしている」とか「幼女にいたずらして喜んでいる変態」とか、変な前置きがついているかもしれんがな。」
「とほほ。」
「全部本当じゃろう。寂しいからといって、毎晩幼女をとっかえ、ひっかえ添い寝をさせておるじゃろう。」
「たまに裸でというのも追加してください。」アンジーうれしそうに言わないでください、私をいじって遊んでいますね。
「それは、あなたたちだけでしょう。魔力補給に効率が良いと言って、勝手に私のベッドに勝手に入ってきて、裸でくっついて、満足したら勝手に帰っていますよね。」
「裸は効率が良いからのう」
「そうそう、効率、効率~」
「ご主人様、私もたまに隣で寝ています。魔力補給のために」おや、メアさん何を突然言い出しますか。
「え?そうですか?」私はびっくりしてしまいました。今の今まで知りませんでしたから。
「はい申し訳ありません。私の体の維持に必要なことなので。」こういう時だけ、丁寧にお辞儀しますね。
「何もしていませんよね?」まあ、されればわかりますけど。
「はい、魔力補給と精力補充はきっちり分けたいと思っております。今のところ精力補充はできていませんが。」
「いや、そっちを要求されましても困りますが。」
「でも、裸で添い寝もいいですね。今度から・・」
「いや、勘弁してください。気付いたら理性が持ちませんよ。」
「それでも良いのですが、残念です。」
「とほほ」
「ほら、そこ、必要のない人はうらやましがらない。」ユーリが寂しそうにしている。
「ユーリ、寂しかったらいつでも来て良いですからね。」ぱああっと顔が明るくなる。
「ただし、寝間着は着て、ですが」ちょっとなんでしょぼんとするのですか。おかしいですよ感覚が。
「みんなと一緒が良いです。」涙目になるところですか?
「えーと、あなたぐらいになると私の理性もちょっと難しくなるのです。裸はダメです。」
「はい、我慢します」
「いったい何の話をしているんですか。これからどうするんですか。」
「馬車も燃やされてしまいましたし。」
「移動手段がないですね。」
「帰るところも引き払っておるしのう。」
「一度最初の町に戻りますか。」
「いや、最後のパーティーもとい変態にも会ったし、残り二つも見に行くぞ。」
「行くならこっそりですよ。」
「わしらは、たぶん噂のご一行様じゃ、無理、無理。」手を左右に振っています。表現が日本人臭いですよ。
「魔族ほどではありませんが女性の敵ですよね。ああ、男性からもうらやましがられていますね。ならばやっぱり人類の敵ですね。よかったですね。魔王様と同格で。」
「人類の敵の意味が違いすぎるでしょう。」
「近くの街までいきましょう。ここでは話が進みません。」メアさんがしきってくれました。
「はい」
アとウンは、寂しそうにそこにたたずんでいました。さすがに殺すには忍びなかったんでしょうか、馬具から綺麗に切り落としてありました。そして、路銀は、燃え残りました。ええ、こんなこともあろうかと、貴重品はシールドを使って燃えないようにしていましたので、燃え残った馬車の残骸の中に無事残っていました、さすがにこれを見つけて持ち去るほど性格はゆがんでいなかったようです。
とりあえず、馬を連れてみんなで歩いて下山します。数日はサバイバルな生活です。馬に乗って誰かが町まで走ればいいのかも知れませんが、鞍もなしで乗るのをみんな嫌がりました。アとウンは、誰も乗ってくれないのでへこんでいます。いや、あんた達が全開で走ったら振り落とされますよ。いやです。とりあえず、エルフィがなぐさめています。
「とりゃあ」川辺で今回の戦闘で憶えた雷の魔法を使ってみる。
「そんなに殺して食べきれませんよ」
「難しいですねえ」
「お主逆のことをしていないか?少なくとも威力を増幅する方に研究するだろう。なんで、日常生活にダウンサイジングするのじゃ。発想がおかしいじゃろう。」
「ええ、出力制御は魔法の基本ですよ。なんでもばかばか放出していたら魔力がすぐ枯渇しますよ。」
「なるほどな、お主の魔力がつきないのは、そういう試行錯誤から効率的な魔法の行使ができているせいじゃと。」
「そこまで考えていませんけどねえ。確かに徐々に出力を上げたり下げたりできると、でかい攻撃をする時には、必要ないかもしれませんが、連発するなら制御は必要ですね」
「そういう事態はさけたいがなあ。」
「あ、そうそう、」そう言って土から鉄の棒を生成する。それを川の中に立てて魔法を打つ。
「とりゃ」雷鳴がその棒に落ちる。「これが一番省電力で効率的かもしれませんね」
「お主、今棒を魔法で作ったよな」
「ええ、作りましたよ」
「どうやって作った。」
「土の中にある鉄の成分を抽出しました。そこから・・・」
「わしの領分まで荒らすんじゃない」
「すいません。」
「わしの見ていないところでやってくれ。」
魚も捕れる、小動物はエルフィが獲ってきました。きのこはアンジーが採ってきました。
「アンジーさんそれは大丈夫ですか?」メアさんが念のため尋ねます。
「あ?きのこ?大丈夫よ、毒があればわかるし」そう言ってスカートの中に入れてきたキノコを渡す。アンジーさんパンツ見えますよ。はしたない。
「残念ですがアンジー様、一部やばいものが混じっています。」
「あら変ね、毒ではないと思うのだけれど」
「はい、いわゆるアッパー系という精神を高揚させる薬が作れるキノコです」
「ああ、毒ではないのね」
「死にませんが幻覚症状が出ます。」
「それって何口食べればやばいの?」
「数個は食べることになりますが、少量でも短時間効果があります」
「詳しいですね」
「一時期前の主人がはまって研究していました。中毒一歩手前で正気に戻りましたが。」
「なるほど、興味が出るととことん追求するタイプだったのですね」
「いえ、単に研究に飽きたんだと思います。」
「そうですか。」

そうして、夕食はなんとかなった。まあ、シールドも張っているので雨風はしのげるが、外敵を察知するために隙間が必要で虫が入ってくる。さすがに虫もモーラを気にしない。
さすがに全員が寝ているわけにもいかないので交代で火の番をする。
「寝られないわ」アンジーが起きてきた。まあ、毛布もなく地面に葉っぱのベッドなので体が痛いでしょうね。
「いつもは、野宿でも寝てるじゃないですか。」
「なんかねえ、みんなに私の素性を話したじゃない?みんなの反応が微妙でなんか気になるのよ。」
「ああ、そうですか。でも、みんなそれぞれ話せない事情があるのですから。たまたまアンジーの場合はそうだったってことで、それ以上でもそれ以下でもないと感じているんじゃないですか。」
「本当にあんたのそういうところが嫌いよ」『大好きよ』
「はあ、」『心の声がだだもれですよ』
「お人好しって言うか、考えなしって言うか」『いいのよ、こうでもしないと本音は話せないから』
「まあ、それでも皆さん一緒にいてくれていますからね」『相変わらずひねくれていますね、本当に天使なんですか?』
「そういうところよ、のほほんと何でも受け入れて」『わるかったわね、堕天使よ!だ・て・ん・し』
「でもね、一番最初に受け入れてくれてうれしかったわ」
「ああ、それが言いたかったんですね。裾をきゅっとつかんで離さなかったあなたは、かわいらしかったですからねえ」
「お主らいいかげんにせい。」
「「あ」」
「特にアンジーお主が頭の中で叫ぶと響くのじゃ」
「あ、ごめんなさい、出力制御が限定解除の前のままだったわ」
「お主のこやつに対する大好きな感情は、わしらにも当然届いている、なんせ、脳内会話では、感情もつつぬけじゃ。」
「・・・」
「そんなお主がこやつをスパイしていたなど、お主からそう告白されたとして、誰も信じておらぬわ」
「あらそうだったのね。」
「ああ、そうじゃ。納得したら寝るが良い。今日だけは、アンジーにお主の膝を貸してやれ、アンジーは眠るまで髪をなでてもらうが良いわ」
「あ、ありがと」
「みんな寝るぞ」あら全員起きてしまいましたか
「おやすみなさい」

  続く


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

神託が下りまして、今日から神の愛し子です! 最強チート承りました。では、我慢はいたしません!

しののめ あき
ファンタジー
旧題:最強チート承りました。では、我慢はいたしません! 神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜 と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます! 3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。 ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです! ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 非常に申し訳ない… と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか? 色々手違いがあって… と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ? 代わりにといってはなんだけど… と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン? 私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。 なんの謝罪だっけ? そして、最後に言われた言葉 どうか、幸せになって(くれ) んん? 弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。 ※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします 完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...