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第11話 森を救え
第11-4話 森を救え2
しおりを挟む「さっそく嗅ぎつけてきたわよ。私は今回、何も知らなかったことにしたいから、手助けはできないの。魔法使いさんあとはよろしくね。」
「くっ」
幼女化して、降りてくるモーラ。地上に着いたときに立ち膝になっている。
「これくらいはできるのか。」
自分に言い聞かせるように話してはいるが、額に脂汗をかいているし、息も荒い。でも、さっきの話だと幼女化ではなくもっと成長した姿になるはずではないのでしょうか。別に期待したわけではありませんが。
「とりあえず、この中にいてください気配が消えるでしょう。」
私はパチリと指を鳴らし、モーラを球体で包み込む。
「すまぬ。」その中で座り込むモーラ。
「とりあえず、モーラの気配が消えて混乱しているみたいですから、この隙に逃げましょう。」
周囲を探っているエルフィが言った。
「しかし、どこへ逃げる。やみくもに動くわけにはいかんぞ。」
「じゃあ土の中へ逃げますか。」
「ああ、なるほどなって、意味わからんわ」
おやモーラ、セルフ突っ込みするだけの元気はあるんですね。
「土を掘ってその中に隠れてもらいます。」
「土を掘るにしては時間が無いのでは無いか?」
「もちろんドリルを使って地下を掘り進みます。」
「ドリル?」
「ドリルですよドリル。男のロマンです。」
「だから意味不明です。その変な機械(合体ロボ)のイメージも。」
ユーリに突っ込みを入れられました。
「そもそも、ドリルって構造上、土がどかせられないですよ。そうそう、トンネルを掘るならやっぱりシールド工法ですよ。」
おや、やけに詳しいですねアンジーさん。
「詳しいですね。でもそのまま埋めたら見つかってしまいますね。そうだ、メア。すいませんが、あの辺に穴を開けてもらえませんか。」
そう言ってかなり離れた地点を指さす。
「どういう風にですか?」
「我々が立っているくらいの範囲を拳でも足でも良いので、地面をへこましてください。大きい蓮の葉みたいな感じで、イメージはこんな感じに」
私は、身振り手振りで説明する。イメージは頭の中にあるのですが、慌ててしまってうまく表現できません。
「はい。」
メアは、かなりの距離を取って、膝をつき地面に向かって正拳突きをする。
「はっ!」かけ声とともに思っていた以上のくぼみができる。その周囲に蓮の葉のようなへこみができている。そうですか、私の頭の中のイメージが見ましたか。イメージぴったりです。もう、なれましたよ。とほほ。
「これでよかったですか。」メアは戻ってきて言った。
「ありがとうございます。」
「急がないと、かなり近づいてきています。」
エルフィが焦りの表情を浮かべている。
「エルフィさん申し訳ありませんが、あのくぼみの中心部の少し横で、薄くでいいですから防御フィールドを広範囲に展開してください。軽めの魔法に対抗する感じで」
どうせ私の頭の中のイメージを見ているのでしょうから簡単な説明です。
「わかりました」
走って行って、そこに立って、両腕を天に向け天球状にシールドを展開する。しかし、その顔はかなりつらそうだ。さきほどの森全体への魔法での中和作業ですでにかなり疲労しているみたいです。長くは持たなさそうですね。
「では、メア。モーラをここに持ってきてください。」
できたくぼみからかなり離れて、防御フィールドの範囲を考えてその端のギリギリのところに私は立つ。
「お主らがわしを守るのか?」
「違いますよ。モーラを土の中に埋めた後、私たちは逃げます。」
「なんじゃと?」
「数日、土の中で眠っていてください。」
私はモーラをさらにシールドで覆う。上下に三角錐のついた円筒形の形をしていて、地面に刺さったままになっている。地面に刺さった先端の三角錐がくるくると回り始め、徐々に土に埋まっていく。土をそとに掻き出しながら地中に進んでいく。
「これは、すごいですね。」
ユーリが目を輝かせている。ドリルは男の子のロマンなんですが、ユーリも好きですか。
「でもこのままだと、モーラは魔力が吸収できなくて干からびてしまうので、ある程度の地下に進んだら、シールドの下を少しだけ壊します。」
「わしは元の体には戻れないのか?このまま魔力を補充すると、かなり時間がかかると思うぞ。」
「襲われない方を優先します。体が大きくなると気配も大きくなるので、発見されやすくなりますから、そのままのほうが良いと思います。」
「なんとか巨大化したまま埋められんのか。」
モーラは、少し焦っているようだ。
「それだけの大きさの穴を掘っている時間がありません。それと、それだけ大きなシールドを構築したことがないのですよ。前の大きさより2倍以上ありそうなので。」
「しかたないか。この体だと魔力の回復が遅いのじゃが。」
「じゃあ7日間くらいは、かかりますかね?」
「そのくらいかのう。しかたない。その間メアのおいしい食事も風呂もダメという事か。ううっ地獄じゃ」おどけてみせるモーラ、余裕が出てきたようです。うれしいですね。
「本当に俗世にまみれましたね、さきほどのドラゴンとしての尊厳はどうしましたか。死ぬよりましでしょう。魔力は地中から吸収できるのですから。」
「おいしい料理を用意してお戻りをお待ちしています。」メアが微笑む。
「そうですよ、出られたら一緒にお風呂入りましょう。モーラ」ユーリが素直に言う。
「おお、ユーリはやさしいなあ。わかった、数日でなんとかしてみせよう。」
「覚悟は決まりましたか。では、しばらくお休みください。」
私は魔法をさらにかけると少しだけ沈降速度が速くなる。
「しばらくは、眠っているからな、ちゃんと起こしに来いよ。」
「何かあると困りますから、ちゃんと近くにいます。安心してください。」
「うむ、頼んだ」
「さて~鬼の居ぬ間に籠絡しよう。ピト」
そう言ってアンジーが私の腕に胸を押し当てる。
「おい、アンジー、抜け駆けは許さんぞ。協定はどうした。」
「冗談よ、でも早く戻らないとこうなるわよ。モーラ」真剣な顔でアンジーが言う。
「ふふ、これは、寝ているわけにはいかなそうだ。わかった。わしなりに全力で事に当たろう。どうせ暇だしな。研究してみるわ」
「そうよ、寝ているなんてあなたらしくないわ。弱音?」そう言ったアンジーの表情がくるくると変わる。そこがアンジーの良いところだ。
「ふふん、言いおったな。アンジー、おぬしには、戻ったらべとべとになった髪を洗ってもらうからな。」モーラを入れた円筒は、すでに目の近くまで隠れてしまったので、モーラは髪の毛を持ち上げて見せている。
「はいはい、待ってますよー」
モーラの頭が土に隠れ、声だけになってからは、心配そうな顔になるアンジー。なぜかいつもどおりの会話をしてくれたことがうれしかった。
そうして土の中にモーラは消えた。盛り上がった土は、ユーリが踏み固めている。魔力による連絡もシールドの下の方が解放されるまでしばらくは無理だ。さすがに土圧の中を突き進むために魔力を濃く、厚めに使っている。停止して、シールドの下が開くまでは難しいだろう。
「ねえ、大丈夫なんでしょうね。」アンジーが私を睨み付ける。
「それは、土の中ですからモーラの領分です。おまかせするしかないです。それよりも、エルフィのシールドに気付いてそろそろ敵が来ます。エルフィありがとうございます。これだけ地下に潜ったら土の中のモーラは探知されないと思います。もういいですよ。」
エルフィは、高く掲げた両腕のまま倒れ込む。メアが抱きとめる。
「さて、もう少しだけ頑張りますか。」
私は両腕を回しながら、みんなを見る。アンジーはエルフィを引きずるように連れて行き、かなり遠くに見える森の中に移動した。アンジーは今回、全力で浄化魔法のために魔力を使っている。これ以上の無理はできそうにない。本人も自覚しているから、無理をしない。渡してある宝石を起動してシールドの魔法に包まれエルフィと一緒にじっとしているだろう。きっとこの戦闘に参加できないことを歯がみしながら。エルフィも同じだ。ひきずられていくときに悔しそうに私を見ていた。いいんですよ。あなたたちは前の戦いできっちり良い仕事をしたのです。ですからもういいのです。ありがとうございました。ですからこれからは、私たちの仕事です。救うための仕事は終わり、守るための仕事を始めます。しかし、メアさんもユーリも本当はもうかなり疲労しているはずなのに、力強い目をしています。まったく。無理をしないで欲しいのですが、それは無理でしょうねえ。
『大丈夫です。無理はしません。』そう言ってメアが軽くお辞儀をする。
『無茶はするかもしれませんけど。』親指を立ててユーリ。ああ、聞こえていましたか。すいませんねえ、いつもダダ漏れで。でも、せっかくモーラの命が失われずにすんだのに、ここで誰かひとりでも倒れたら元も子もないのです。私に万能の力があれば、こんなことにはならなかったんですが。申し訳ありません。
そうして3人は、メアが作ったくぼみの中央に行き、あたかもそこの地下にモーラがいるかのように、くぼみを中心にして防御陣形をとっています。立つ位置は、自然と決まっています。くぼみの円周に沿って、全員が互いに背中を向けあう形に立っています。魔族が攻めてくる方に私が向かい、その右斜め後ろにユーリが、斜め左にメアが立っている。そう自然に。仮にアンジーが中心にいるのなら、エルフィがそのそばに立っていて背中合わせにモーラがそれを囲むように私たちがということになるのかな。なんてつい考えてしまう。でも、これまでそういう状況にもならずに旅をしてきましたからねえ。
そんなことを考えていると、先ほどよりは、濃密でないまばらな黒い波がやってきました。
「さて、来ますよ」
「「はい」」
襲撃は単発だ。連携など無い。だから目の前の個を倒すだけで良い。しかし、数が多い。ユーリは、突進してくる体の倍以上もある大きい敵を倒した後は、剣が大ぶりにならざるを得ないので、体勢が大きく崩れるため、そこを次の敵に襲われる形になる。切り返しで対応しているが、疲労が残る中、この繰り返しは、かなりきついはず。私も無詠唱とはいえ、心の中での詠唱を繰り返すうち精神がすり切れてきて悲鳴をあげています。メアさんは私からの魔力供給を絶っているので、体力に回す魔力が厳しくなっていますね。何度も送り込もうとしているのに、まだ大丈夫と断られています。あなたは、魔力が切れたら死んでしまうんですよ!!
どれだけの時間、戦ったのでしょう。きっとわずかな時間なんでしょう。3人が死体の山に隠れるくらいになって、肩で息をしているときに第1波がやみました。
第1波がやんだときには、こちらは、体力も魔力もかなり削られていました。よく見ると死体の山は低級な魔物がほとんどで、上級の魔物はほとんどいません。ああ、そうですか。そうだったのですか。第2波が同じようにきたら、さらに上級の魔物で同じ数がきたら、たぶんもちません。全滅です。こちらの負けです。
当初の予定では、襲撃してきた敵を全滅させて、あとは、交代でモーラを見張れば良いと思っていましたが、どうやら魔族絶対主義者の方々は、どうしてもモーラを潰しておきたいようですね。
『敵の集まっている場所の魔力量が一点に集中して極端に増大しています。気をつけて』
突然エルフィの声が響く。なけなしの魔力を使って何かできないかと、周辺をサーチしてくれていたのですね、ありがとうございます。私たちがいつも後ろのことを考えず、安心して戦えているのは、エルフィ、あなたがいてくるれるからなんですね。さて、攻撃がやんだのは、なるほど、ここを直撃する魔法を放つわけですね。わかりました。受けて立ちましょう。
『メア、ユーリ、聞こえましたね。』
『はい』
2人のくやしそうな感情まで伝わってきます。そうですね、悔しいです、私も。
『2人とも引いてください』
『ご主人様はどうなさるのですか。』
メアが念のためとでも言うように私に聞き返します。
『さすがにあの規模の攻撃では、私まで逃げたら少し離れているとはいえ、モーラの所にまで届いてしまうかもしれません。なので、とりあえず防御してみます。』
『はい。』
『受け止めきった後は、私が動けなくなりそうですのでよろしく頼みます。ダメなら、倒れた私とアンジーとエルフィを連れて逃げてください。それとメア。』
メアにマーカーを放り投げる。
『私のシールドが破られたときには、そのマーカーで転移してください。そしてすぐに様子を見に来てください。いいですね。これは、ごめんなさい。命令にさせていただきます。』
『そうですか。命令ですかであれば仕方ありません、了解しました。ご主人様の命令に従います。』
『メアさん!!』
ユーリが、アンジーがエルフィが同時に叫ぶ。ああ、心がそろっていますねえ。うれしいです。
『みなさんいいですか。私は、死ぬつもりはありません。受けきって見せます。と言えれば良いのですが。わかりません。でも、必ず持ちこたえてみせます。勝ちますから。これまで、一度も勝ち負けを語ったことは無いはずです。頑張りますから見ていてください。さて、詠唱に入りますのでここまでです。』
メアさんは、嫌がるユーリを引っ張り、その場から移動する。たぶん茂みのエルフィとアンジーと合流しているはずです。おっとそんなことを考えていないで、詠唱に集中しましょう。これまで、詠唱なんてしなくて済んでいたせいで慣れていないのですが、頑張りましょう。初めて使う魔法ですから構築もちゃんと確認しながら詠唱しましょう。ああ、周辺への影響も考えないとダメですね。反射させるときの角度も考えないとモーラに向かって攻撃が漏れていっては元も子もありません。さて、前準備はできました。いつでも・・・きたきたきた。
ごっ という、にぶい音とともに頭上から脅威が降ってきた。重力制御系なのか見えない。火とか水とかみたいに視覚に引っかからない。周囲の風景がゆがんで見えているのかもしれないけれど、見ている余裕も無い。ただ受け止めるだけ。そうただの重圧を受け止める。しかもいつ終わるともしれない長時間にわたる重圧。なるほど、土の中にまで攻撃を伝えるには、振動系つまり地震が一番だと気付いたのですね。ならば、振動を中和するように振動を与えて相殺しましょう。魔法式のどこを直しましょうか。あれ?何かに魔力が吸われている?私の相殺のための魔法も持って行かれている。いったいだれが?
そうこうしているうちに攻撃は止まった。いや、吸い取られた。私が立っているくぼみは、全体的に50センチくらい深く落ちていて、さらに私の足は、足首程まで埋まっている。くぼみの周囲には私が受けきれなかった余波がうねりをあげて残っている。かなり遠いモーラを埋めた場所でそのうねりは、その場所をよけるようにゆがんでいる。いや、その場所からはじき返しているようにも見える。しまった、モーラに影響があったのかもと思ったとき、地下からけたたましい声が聞こえました。
「うは、うはははははははははははは」
地響きにも地鳴りにも聞こえるその声は紛れもなくモーラの声だった。何があったのだろう。気でも違ったのでしょうか?
地面が揺れるというか隆起を始める。何が起きたと思う間もなく。巨大な、とてつもなく巨大な黒い影が地面をぶち壊して現れる。文字通りぶち壊している。が、その大きさに私の立っているところも盛り上がり、私はなすすべも無く土と一緒に転がり落ち、さらに私の上に土砂が降りかかってくる。その姿を私はよく見えませんでした。砂埃がおさまるのを待つまでもなく、モーラが空中に現れたようです。
「おう、お主、生きておったか。重畳、重畳。」
いや、以前よりかなりでかくなっていますよね。あの時は手の上にみんな乗ってやや余るくらいだったのに、なんですか一戸建てのお家が建つような手の大きさですよ。
その姿を見たのか、気配を知ったのか、魔法攻撃の後近づいてきていた魔族の気配が一瞬で消えた。ああ、これで当面の危機は去ったんですねえ。私は、その場に座り込んだまま、ほっとしました。
「ずいぶん早いお帰りねモーラ」
茂みからアンジーが近づいてくる。私のそばに寄ってきて手を出す。アンジーに手を出されたけど、腰が抜けているので、起き上がれず、メアさんに助け起こされて、肩を借りる。なさけないです。そこには、久しぶりに見るパムの顔があった。ああ、間に合ったのですね、アンジーとエルフィを守ってくれたのですね。
「ふむ、魔力切れじゃな。」頭上に浮かんでいた黒い大きな影は、そう言ったあと空中で米粒ほどになり、そのまま静かにおりてくる。確かにモーラだ。静かに降り立つと、私の腕に胸を押し当てる。弾力も何も感じないなあと思ったら魔力がわいてくる。ああ、モーラが分けてくれているんですね。
「返しているが正しいかのう。さっきのシールドの魔法の一部じゃ」
「それにしても、ずいぶん早かったわね。」
同じ事をアンジーが再度聞く。
「ああ、あの時、最初にお主が防御していたが、こぼれた攻撃がわしの所まで来てな、これはまずいと。お主の許容量を超えていると。ここでお主が壊されては本末転倒じゃ。しかも魔力が降り注いでいる。地震のような振動の攻撃。おや、これは、わしのために魔力を供給してくれているようなものじゃないかと気付いたのじゃ。」
「でも、」私は口を挟もうとした。
「そう、それを吸収するすべを知らなかった。そこで、お主の真似をして解析したのじゃ。振動系の魔法だったのですぐできたわ。やればできたのじゃ、そうやって吸収したおかげで2~3日もかからず魔力は何とかなったわ。」うれしそうにいつになく饒舌ですねえ。
「モーラの体に影響が出ないと良いですがねえ。薬草の促成栽培みたいに何か足りなくなるとか。」
「しかたなかろう。あのまま土に還るくらいだったら最初の時に土地と一体になっていた方がかっこよかったわ。」
「ですねえ。」
「なんにせよ、無事に戻ってくれて良かったわ」
アンジーがモーラを抱きしめる。
「お、おう。約束、憶えているか?」
「な、なんのことかしら。」
「ふふ、髪の毛を洗ってもらう約束じゃ」
「ああ、そうね。家に戻ったらね。まだ、旅の途中だし。」
「とりあえず、ここから移動しましょう。誰かに見られているようです。」
メアが、顔を引き締めてみんなに言った。
「ふむ、行こうか。」
「モーラに乗せてもらいましょうか。」
「無理じゃ。脱皮の分の魔力は回復したが、今度は、体の成長にすべて持って行かれたわ。まったく、脱皮で魔力がすっからかん、敵の攻撃で回復できたと思ったら、成長促進でさらに魔力を持って行かれるとは。勘弁して欲しいのう。」
「風の方のお話しぶりでは、これまでのツケがきただけで、普通の成長を遂げていれば、本当はそこまでひどくはないのでは。」
メアさん、するどいつっこみです。
「ごほん。まあ、勘弁してくれ。」
その後、成長痛にのたうち回るモーラであった。
※アンジー視点
私は、エルフィを引きずりながら目に涙を浮かべていた。エルフィは、悔しさが顔に出ていた。さらに唇をかみしめすぎて少し血がにじんでいる。
くやしかった。あの3人と共に立ち、そこにはモーラはいないにしても、共に戦いたかった。私は聖属性なのだから少なくとも最初の攻撃は防げるだろうし、それによって攻撃をひるむ魔族も出るだろう、だけど今は魔力も底をつき、この体を維持するだけで精一杯だ。エルフィを引きずる手も時々力が抜ける。このおっぱいお化けが!おっぱいに全体重がおさまっているんじゃないの。
「そんなことはありません。でも重いのはすいません。」
「ああ、聞こえていたのね、みんな思考がだだもれだものね」
「言葉とは裏腹なやさしい気持ちまで心の会話は感じられるから好きですよ」
「しゃべる元気があるなら歩け。」
「だめです。一応、まだ、魔族のセンサーをジャミングしています。」
「さすがハイエルフ、復活も早いわね。」
「微々たるものですが、何かの助けになるかと」
こういうところは、エルフィはすごい。本当に感心している。
「それは、しようがないわね。うまくやりなさい」
「はい」
時々、腕が抜けそうになる。光になって散ってしまうのでは無いかと思いながらもエルフィを引きずって歩いた。
かなり遠い森の中の茂みに到着したときには、木々の隙間から見上げる空の端の方に黒いものがこちらに近づいてきているのが見える。来たのか。こんなすごい量の魔族が。
私は、何も言わず持たされていたクリスタルのネックレスを取り出し、チェーンの接合部をちぎる。
「これは、緊急の時にちぎれば、手に持った人と一緒にいる人すべてをシールドの内部に取り込みます。」
そう言ってあいつがくれた物だ。言っていたとおりにシールドが展開され、2人がシールドに取り込まれた。せ、せまい。どうみても一人分のスペースだ。
「ちょっとエルフィその胸邪魔」
「取り外せませんよお。」
「窒息する・・」
「アンジーちゃん良い子ですから静かにしましょうね。」
なんだそのお母さん言葉は。妙に安心するじゃ無い。どうやらさきほどの魔力行使から一段落して疲労が出たらしい。本気で眠くなってしまう。いや、あとの3人が戦っているのに・・・
「だめです。眠いです。」
やっぱりエルフィも眠くなっているようだ。どうやら、このシールドに何か仕掛けでもしてあるのだろうか。あいつのことだから、何かしているかもしれないわね・・・
とか思っていたらいきなり、ゴンとシールドに打撃音が響く。驚いて顔だけを動かすと。そこには魔族がいた。
ああ、見つかったのか。持ち出されて人質にされるかもしれないな。魔族に殺されないようにどう言い訳するかなとか思っていると、一瞬にして数匹の魔族が視界から消えた。のぞき込むドワーフの娘。
ああ、パムが来たのか。助かった。でも、あの中にはもう行けないだろう。事情を聞きたがるパムに簡単に説明する。そこから向かおうとするパムを無理矢理とめる。そう、魔法耐性があるとはいえ、物理攻撃は苛烈だ、その中に入っていけば、他の3人より与しやすいパムは格好の標的となる。それはまちがいない。分散させるとしても大量の魔族をひとりで相手にできるのかどうか、彼女の能力を私はしらない。なので、私たちを守ることを優先してもらった。あの3人の連携に支障が出ると思ったのもあるが。本音はあの3人の中に入って欲しくないと思ってしまったからだ。
個の攻撃なので、こちらに来る魔族の量はそんなに多くない。それでもひとりで捌ききれる量では無い。それを淡々と確実に殲滅していく。森の中のしげみということもあり、上空からの攻撃はほとんどない。そうして待つ身にはとてもとてもとても長い時間が経過した。突然、魔族は撤退した。ああ、これでやっと終わると思ったが、エルフィが叫んだ。
「はるか彼方に膨大な魔力が形成されています。」
ああ、長距離砲撃に切り替えたのか。それにしてもエルフィは、すごい。魔力がつきかけているのに、これでもかと役割をこなしている。人のために誰かのために何かをしてあげている。引き換え私は何もしていない。もしかしたら、嫉妬で、仲間意識で、あの3人を窮地に陥らせているかもしれないのだ。パムはそこに向かおうとする。
「ダメですよ~いくら魔力耐性があってもあれだけの量の魔力には潰されてしまいます~いかないで~」
エルフィの言葉に立ちすくむパム。そこに疲れ切り、残念そうに肩を落とし、捨てられた子犬のような表情のメアとユーリがこちらに戻ってきた。私たちを見て、メアは、いつもの微笑みになったが、ユーリは、私たちを見た途端泣き始めた。この子は、なんだかんだと感情が表に出る。正直うらやましい。私は泣きたいのに泣けない。まだその時じゃ無いと思ってしまうから。そして、結局肝心なときには泣けないのだ。
シールドの周囲に座り込む3人。ここにも魔法がこぼれてくるのは間違いない。ここで私たちを守るつもりなのだろう。シールドを解除しようかと迷ったが、思いとどまった。まだその時では無いと。すぐに衝撃が一帯を襲う。3人は立ち上がり、剣をかまえ、衝撃波や飛散する石つぶてを打ち落とそうとする。衝撃波はシールドにも影響を与えヒビが入り始める。3人はどうやって防いでいるのか。メアは、衝撃波など気にした風も無く舞い飛ぶ石を打ち払い、ユーリは魔法を身にまとい防御している、魔法耐性、物理耐性のあるパムは、全身を細かい切り傷に切り刻まれながらその衝撃波を防いでいた。パムが主にシールドを守り、たちはだかるその姿は、仁王像のよう。ああ、この子も仲間なのだと素直に思えた。今までの不信感は私の中の彼女に対する嫉妬の裏返しなのだと痛感した。その振動が急におさまった。攻撃がこんなに簡単に終わるわけが無い。不安に思うと頭の中に叫び声が聞こえる。
「うははははははははははは」
ああ、モーラの声だ。間違うわけが無い。たぶん復活したのだ。よかった。その声のせいかシールドにヒビが入り霧散した。文字どおり一瞬にして霧になり、あとかたもなく消えた。後から聞いた話だと、シールドの魔力も吸収したらしい。本当にモーラらしいことだ。
そうしてこの襲撃劇は終わった。私はなにもできなかった。エルフィでさえも何かしら貢献しているのに。
アンジー視点終わり
私たちは、本当にボロボロになった。ええ、そこに座り込むほどに。アンジーの話によるとシールドは、モーラが魔法として吸収したのだろうと。
そこに馬車が勝手に戻ってくる。うれしそうに「ヒン」と啼いて、座っている私たちに近づいてくる。よく我慢したねえと頭をたくさんなでてあげる。
元気なのはモーラと馬だけ。といっても、モーラも成長促進に魔力を持って行かれ、魔力はカスカスだから口だけなのだ。
私たちは、魔力も枯渇し体力も無く。馬にゆられ、一番近いエルフの里に向かった。
もちろんみんな眠りこけて。
エルフの里が近づくと、行く前からエルフィが嫌がっていました。たぶん、私たちが危機を防いだのに、それを感謝するでもなく、むしろ危機は去ったからむしろ出て行けという感じになるだろうと、さらには、滞在したとしても他のハイエルフの女性たちが交代で私を奪おうと画策するだろうと。
到着して、経過を話しても、よその森であったことだと。関心も薄く。しかも私を奪うと言うより子種を奪うために誘惑も多く。エルフィの言うとおりになってしまいました。なので、経過を報告しただけで、早々に里を後にすることになりました。
そうして、エルフの里から迷いの森の道なき道を馬車で進んでいます。ええ、獣は当然モーラの気配に逃げます。先日の戦闘のおかげか魔獣も寄りつきません。
「肉が食いたいのじゃ。」
「モーラは別に食べなくても良いじゃありませんか。私とユーリは、間違いなく食べたいですよ。魔力も体力も今はありません。」
「なんとかしないか」
「無理なものは無理です。」
「メア~」モーラは駄々っ子のように声をかける。
「私も今は、突発事態に対応するだけの体力もありませんので、狩りは厳しいです。」
「街はまだ~」
アンジーがヘトヘトです。森の中では日光浴もままならないようです。
「ちょっと先に行きますね」エルフィが森の中を走り出す。
「お主も魔力がやばいじゃろう。離れるな。」
「大丈夫です。この森は私の故郷ですから。」
実際には、森の大半を消され、回復待ちの状態なのですがね。今後のモーラの抜け殻に期待したいです。
しばらく行くとエルフィが手にウサギのような獣をぶら下げて戻ってきた。手には弓矢がある。
「なるほど、気配の外まで狩りに行ったのか。体は大丈夫なのか?」
「はい、魔力が大分回復してきています。」
「さすがハイエルフじゃのう。さて、メア」
そう言いながらモーラは馬車を降りる。次々とみんなが降りる。
「はい。準備します。」
「ちょっとまってください。エルフィの目が厳しいです。何かありますか?」私はただならぬ様子のエルフィを見ていた。
「この森で取れた肉を食べますか?」
エルフィは、私達に尋ねた。
「ああ、その言い方は、私たちを試しているのですか?」
「はい、そうです。」
「確かにエルフの里の食事は、野菜や果物が中心でした。でもこの森で野生の動物が狩れるのであれば、私たちに出すこともできましたよね。」
「はい、出せました。でも出しませんでした。それは、この森の動物の血肉を分けることは、すなわち家族を表すからです。」
「でもあなたは、私たちと共に最初からお肉も食べていましたよね。」
「私は、イレギュラーですから。でも、その私でもこの森の動物については、別です。」
「あなた達の森ですものね。」メアが言う
「はい、この森の動物は、私たちにとっても、私にとっても特別です。」
「では、この肉をあなたと分け合うという事は」
「はい、家族の証です。」
そう言ったエルフィは、獲物を持つ手が震えている。ああ、そうなんですね。その決意表明なんですね。
「断られてもいいんです。こんな重いことを押しつけているんですから。でも、この森を守ってくれたこと、エルフの里を守ってくれたことに返せるものはこれしかないんです。」
「あなたの決意はわかりました。でも、その事によって何かを失ってしまうのではないのですか?」
パムが思い当たることがあるかのようにあえて尋ねる。
「言い伝えでは、ここの森の動物を食べると、二度とこの森に入れなくなります。」
エルフィは、悲しそうに言った。
「おぬしが故郷に帰られなくなるということではないのか?」
「はい、たぶん。この森自体が食べた者達を拒絶すると言われています。」
「そこまでの覚悟なのですか。」
「あの時私は、エルフの森から決別するためにこの森に入り、里に行きました。でも、森の存続にかかわる事件だと知り、里の協力も得られそうに無かったので、私ひとりで、解決しようとしていました。起きている事象の原因もわからず諦めかけた頃、皆さんが来てくれて、皆さんのおかげで解決しました。」
「里では、そんな危機はなかったと結論づけたではないか、ならば罪も無かろう。そのような無理をしなくても良いのではないか。」
エルフィが首を振った。
「そうではないんです。無かったことにして、しかも危機は無くなったから早々にいなくなれとか言うあんな恩知らずな里なんかどうでも良いんです。本当は、里なんて無くなっても良かったんです。私は、皆さんを危険にさらしてしまったことの方が嫌なんです。そして、皆さんが、身を挺して里を救ってまでくれました。モーラさんにあっては、命まで賭けて。」
「あ、あれはなりゆきじゃ。実際エルフの森自体は関係ない、他の地域だったとしても同じ事をしたじゃろう」
「そうかもしれません、でも、エルフの森の側で起き、森が枯れ始めました。あそこの森が枯れるという事は、いずれ全体が枯れ始めてエルフは里を離れることになったでしょう。」
エルフィは泣いている。里は嫌いでも里がなくなることは嫌だったのだろう。
「私は、あの時皆さんに死んで欲しくなくて必死に戦いました。今までこれほど必死だったことは、きっとないです。でももうこんな思いはしたくないのです。里とは縁を切り、これからは、皆さんと一緒にいて、みんなの事だけを考えて生きていきたいのです。」
「だからといってエルフの里との関係を絶つ必要はないのではありませんか?」
「・・・・」
「とりあえず、その動物は放してあげてください。」
「いいえ、できません。」
「あなたの決意はわかりました。ですが、私のように記憶のない者、天界を追われ戻れない者、故郷のない者達からすれば、もったいない話です。」
私はすこしずつエルフィに近づきます。
「だからこそ、みんなと同じになりたいのです。」
「なる必要はないのです。たとえそれが嫌な思い出しかない故郷であっても。それは、私たちには望んでも手に入らないものだからです。」
「旦那様、わかってもらえませんか。どうしてわかってくれないのですか。」
「私たちは、あなたが黙っていなくなったときに。あなたを探してここに来ました。その時にこの森は、どういう理由であれあなたへの道を示してくれました。それは、もうあなたと私たちが家族であると認めてくれたんだと思いますよ。」
「口を挟んで悪いがのう。エルフィそなたの気持ちも痛いほどわかる。決意もわかる。じゃが、こやつらみんなとお主の気持ちはもうすでに一緒なんじゃ。意味が無いとはいわんが、こんなことで補強する必要なんかないんじゃ。わかってくれ。」
私は、エルフィを抱きしめます。エルフィは、抱かれた途端、大声で泣き始め、エルフィの手から力が抜け、獲物はするりと逃げた。エルフィは、私を抱きしめて私の胸でしばらく泣き続けました。これで、本当の意味でエルフィの関わった里の事件は終わったのでしょう。
そして、一度最初の家に戻ることになりました。モーラの魔力の回復を図るには、モーラの住んでいるドラゴンの巣に戻るのが一番なんですが、あそこに入れるのか心配になったからなんです。
「あそこに入れないとなると、さらに時間がかかりそうなんでな。」
と、いうことで、急いで、旅をしています。
もちろん他のドラゴンの縄張りを通りますので、馬車を使っての長旅です。さすがにあの街に寄ろうとしても遠回りになるのでやめました。ですから、着の身着のままの野宿暮らしで馬を進めています。
「パムさんにはみんなのことなどいろいろお話ししておくことがあります。」
「なんでしょうか。」
「はい、私たちのことです。一度ちゃんとお話ししておきたいと思います。」
「はい」
「その前に一度、正式な儀式の解除をします。」
「そうですね。あなた様に迷惑がかかってしまいます。」
「実は、あの時の誓約の言葉が少し違うだけだったので、魔法式の修正をするだけでも大丈夫なのですが。」
「そうなのですか?」
「ええ、あれは、わざと間違った言の葉が教えられていたので、正しい言の葉で儀式をすれば、あのようなことは起こらず、モーラの言ったように。あなたが瀕死の状態になれば、仮死状態になるのです。」
「そうなのですか。それはよかった。」
「そこで、私たちから離れてドワーフの里に行くときに言ったように改めてあなたの気持ちを聞かせてください。」
「変わりません。里に戻ることは考えなくなりましたし、むしろ皆さんと一緒にいたいとより強く思うようになりました。」
「わかりました。でも、一度解除しようと思います。解除しなくても魔法式を修正すれば良いのですが、心の整理のためにもその方が良いでしょう。」
「もし、修正ですむのならこのままでいさせてください。」
「なぜですか?」
「あの時、正式の隷従の中で高揚感を感じました。あなた様と一体となった幸せを感じました。しかし、これが解除されたときには、同等の寂寥感を味わうのだということも同時に感じました。そして、今は、再び隷従したときに感じる高揚感よりもたぶん解除される恐怖の方を強く感じています。ですので、このまま修正いただけるのであれば、そのままにして欲しいのです。」
「わかりました。そのまま修正します。」
「ありがとうございます。」
「あとですね、私たちのことについてお話ししていないことがあります。」
「もしかして、天使様の件ですか?」
「はい、実は・・・」
「そのことは、里に戻るときに偶然知りました。噂の一行であることは間違いないと。」
「そうですか、嘘をついたつもりはありませんが、裏切られたと思いませんでしたか?」
「いいえ、旅の途中の町で知り合った魔法使いさんに教えてもらいました。確かに正真正銘の天使様御一行であるのだと、だけれども彼らは、巻き込まれているだけだと。」
「そんなことまで教えてくれましたか、ちょっと問題がありますね。」
「あなた様の所を離れるときに渡されたお金と共に入っていた傷薬をその方が見て、大体のことは教えてくれました。」
「まったく個人情報をなんだと思っているんですか。あそこは」
「でも、他の人からの情報も聞けて、より信頼感が増しました。これでよかったと」
御者台にひとり座ったエルフィは、手綱を握っているものの、馬たちの勢いにまかせて走らせていました。速く家に到着したくて、急いでいるので、馬にペース配分を任せています。
スピードを抑え気味にしなければならないのに、ぼーっとしています。そして、独り言をつぶやきました。
「あの時、魔族が攻めてきましたけど、最初の闇の魔法も魔族が仕掛けていたのでしょうか?」
私たちは、頭の中でそれを聞いて、同じように疑問に思っていたことを思い出しました。
「確かにあの魔方陣は、魔族のものではあったけど、範囲指定とか魔力量の調整とかは、魔族のでは無かったかもしれないわねえ」
アンジーが思い出したように付け加えた。
「魔族側からは、あえて「あれは私達では無い」とは、さすがに発表はしませんよねえ」
「でも、魔族は、モーラが現れた時に待ってましたとばかりに攻撃してきましたよね。」
「確かにわしが、狙われていたのは間違いないなあ」
「魔族が、わざと六芒星を作ろうとしていたなんて、あんな細かい偽装をしてきますかねえ。」
「まるで魔族がやっているように見せかけていたとも考えられるわねえ。」
「それが途中で私達に邪魔されて、作戦を早めたと言うところですか。」パムが言った。
「にしても、風の登場といい、パムの合流といい、どうも都合が良すぎるなあ。」
「もしかして、私が傷ついたのもすでに織り込み済みだったと言うことですか。」
「そうは思いたくないが、おぬしの魔力が十分だったら、あそこであの魔族の重力振動の攻撃を受け切れたのではないか。」
「微妙なところですねえ、モーラがどのくらい魔力を吸収したのかわかりませんが、あの状態でも、魔力が切れかけていたわけではなかったので、受け切れたかもしれませんね。」
「モーラが解析して復活するなんて、そんなことまで、我々の行動が予測できますか?」
ユーリは、不思議そうに言った。
「そうなんじゃよ。でも、何らかの作為が見て取れるのは間違いないな」
「ちょっと待ってください~、そもそもこの話はエルフの里で1年前くらいに予言があったんですよ~」
「ああ、そうですね。そこに私たちが割り込むなんて想像できますか?」
「誰ですかそんなことができるのは、」
「ああ、そんなことができたら神業じゃ。」
モーラがハッとしています。
「あ、もうこの件について考えるのはやめましょう。疑問が堂々巡りしてしまいます。」
アンジーが挙動不審になりました。
「そ、そうじゃな。この話はこれで終わりじゃ。」
なんだか知りませんが、アンジーとモーラが急にこの会話を打ち切りました。
日常へ へ続く
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