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第12話 日常へ
第12-1話 魔力回復
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魔力充填
最初の家に戻ってきました。
「ああ、帰ってきたわねえ」
「そうじゃな、」
「懐かしいですね。」アンジー、モーラ、そして私が、家を見てこう言いました、
「ここがご主人様が最初に作られた家ですか。最初にしてはかなりの良いできですね。」メアさんが感心しています。そう言われてちょっとうれしいですが、中はちょっと微妙です。
「ここで、アンジーさんと2人で暮らすつもりだったのですよね。僕もあるじ様と2人なら、このくらいの家で十分ですね。」
「え~、私が旦那様と一緒に暮らしたいです~」
「でもさすがに我々と一緒ではさすがに小さいですね。」パムが言った。
「しかし、悪いが、しばらくはこの家で過ごしてもらうぞ。」
「そうなんですか?」ユーリが驚いている。
「新しく建てないの~」エルフィは、すぐにでも大工仕事をしたかったのか、がっくりと肩を落としている。
「さすがにねえ、早く帰って来すぎたのもあるし、あと、魔力が回復するまでは、見つかりたくないのよ。あんなことがあった後だし、派手に動いて襲撃されたら困るからねえ」
「この家は、留守にする時に厳重に結界を張ってありますし、早々見つかることはないのですよ。そして、」私はモーラを見る。
「ああ、何よりわしの縄張りじゃ、さすがにわしがここに戻ってきたのに強引に仕掛けてはこないであろう。」
「ですので、申し訳ありませんが、魔力が回復するまでのしばらくの間は、この家で我慢してください。」
そんな話をして、家に入り、掃除をして、一段落する。もちろん馬たちには、ちょっと狭いですが厩舎に入ってもらいました。
その日は、荷物を降したり、洗い物を洗濯したりして、夕方の食事のあと、すぐ寝る事になりました。当然居間で雑魚寝となるのですが、モーラからみんなにお願いがありました。
「すまないが、魔力回復するまで、しばらく、この者を借りるがよいか。」予約制にして私の貸し出し簿を作らなければダメですね。本人の意志は別にして。
「まあ、しばらくの間はしようがないですね。」アンジーが早々にあきらめました。他のみなさんもうなずいています。あれ?もしかして、事前に根回ししてあったのでしょうか。
「そういうことじゃ、今日からよろしくな。」
「それは、あの部屋のベッドで一緒に寝るという事ですね。」
「そうじゃ」
「それも、裸で、ですよね」そこで全員がピクリと反応する。
「そうじゃ」
「他の人達も魔力切れしていますよね。順番ではないのですか?」
「その辺については、全員、個別に話しておる。了解済みじゃ。」
「みなさん取引しましたね。それも個別に」私は、全員を見回しました、私からの視線をみんな避けています。ほほう、本当に裏がありそうですね。
「くっ、さすがじゃな、賢者様。」バツが悪そうですねモーラ。裏がありますね。そういえば家を掃除している時に皆さんに個別に話しかけていたのを目撃しましたが、そういうことでしたか。
「私の意志はおいてけぼりなのは、いつものことですけど、腑に落ちません。特にアンジー、何を取引材料にされたのですか?」
「お願い聞かないで。」顔を真っ赤にしています。
「もしかして、脅迫されましたか?」
「いや、取引じゃよ。あくまでな。」モーラは、両手を頭の後ろに組んで、吹けない口笛を吹くまねをしています。私の頭からかってにネタをもちださないでください。
「他の人ももしかしてそうなんですか?」メアとユーリがそっぽを向く。ああ、そうですか。
「私は違いますよー。」エルフィさん、あなたの要求は、だいたいわかりますよ。
「そうですか?当ててください。」
「そうですね、一回だけ私とベッドでプロレスをする。ただし、私が断ったらなし。というところですかね。」
「おしいです。プロレスでは無くて・・・」
「いや、そこはそう言う意味にとってくださいよ。そう言う意味なんですから。」
「えー、もうユーリも知っていますよ~大丈夫です~」
「いいですか。私の頭を除いているなら、節度という言葉を検索してみて下さい。」
「そんな高度なことできません~」なんでうれしそうなんですか。
「くっ、手のかかる子どものようです。」
「でも、だめです。とりあえず私の魔力を少しだけ回復させてください。そうしないと時間がかかりすぎます。」
「しかたない、今回の件は一度リセットじゃ。」全員がっくりと肩を落とす。
どんな取引をしたのでしょうか、全員残念そうなのが私には少し不思議です。
そして、パムは不思議そうに見ている。
「今のが会話とは思えないのですが、みなさん黙ってしまったり、何も言っていないのに、一緒のタイミングで笑っています。何かあるのですか?」
「おう、そうであったな、それはすまぬ。実はな、」そう言ってモーラがパムの額に額をくっつける。
「魔力を測るんですか?」怪訝そうな顔だが、素直に応じる。
「いや、こうするのじゃ」ちょっと強めに額を押しつける。
『聞こえるか?』
『え?はい。ってあれ?声が聞こえます。』
『そうじゃ、これが黙ってしまった原因じゃ。それにしても魔力量が少ないはずなのにこんなに明瞭に聞こえるのか?』
『モーラ、私とパムの間にはあの正式な隷従の儀式の時から強い絆というか、魔力の線がつながっています。』
『そういうことか。ならばこれまでも聞こえていたのではないか』
『ぼそぼそと聞こえていたような気がします。なるほど、これはすごいですね。』
『まあ、基本、こやつを中継して・・・ああ、今は、わしもアンジーも中継なしでもいけるのか。』
『モーラはやめて。出力が桁違いなのよ、あなたが、脱皮した時のくそきたない笑い声は、私たちの脳内にまでガンガンに響いていたのよ。まあ、あの時は、そのおかげで、魔族もあなたの復活した気配に気付いていなくなったのだけれどね。』
『そうであったか。それでもこやつの負担は多少軽減されるじゃろうな』
『それはそうね。』
『なるほど、私が最初に行動を共にした時もこんな感じで黙っていましたね』パムが感心して頷いています。
「ですから、みんなだけの時はちゃんと会話しましょう」ユーリが怒っています。
『すまん』
『すみません』
『ごめんね~』
『失礼しました』
「だ・か・ら!口に出して!!」ユーリが叫びます。そうやってユーリをいじるのはやめませんか。もう涙目ですよ。
さすがに町に買い物に行けないので、食料は、森の奥に行き、小動物、魚、植物を採ってきました。あと、肉については、パムにお願いして、獣を捕ってきてもらいました。
「ありがたいのう」
「おばあちゃん、大事に食べるのですよ」
「やめんかその老婆をいたわるような言い方は、なんか傷つくわ」
その茶番を見て、私の頭の中のイメージを見たのかパムがおなかを抱えて笑っています。おお、私の家族の中ではテンプレ中のテンプレなのに笑っています。新鮮ですねえ。
食事は、居間の床に食器を置いて食べます。まあ、野宿の時はそうしていましたし、何とかなったのですが、さすがにお風呂は、全員一緒は無理でしたので、半分ずつ交代で入ることになりました。いや、ひとりずつ入りましょうよ。「却下じゃ」、「です~」。「当然です。」、「それが我が家のルールです。」「そうですルールです。」「そうなんですか?」
「確かにルールですけど、しばらくはやめませんか。」
「だからおぬしを中心に2つに分ければ問題なかろう」
「私は、前半後半どっちもですか。」
「おぬしがいないとつまらぬではないか。」
「いや、つまらないとか、私の反応見て楽しんでますね。」
「ああ、そうじゃ。まあ、今回は、パムの反応の方が楽しみじゃがなあ。」
「ああそうですか。そうですね。」
「確かに私もこういうのは初めてなので。さすがに男性の方と水浴びをするのは、」
「水浴びではありません~入浴です~」
「どう違うのですか?」
「まあ、入ればわかる。そうじゃろう?」
「まあ、そうですね。メアさん教えてあげてください。」
「わかりました。ご主人様は、さきにお入りになりますか?」
「私は、途中から入って、入っていた人がでたら、湯船につかって、次の人を待ちますよ。」
「わかりました。それでは、私とパムさんユーリが先に入りますので、モーラ、アンジー、エルフィが入れ替わりで入るということでよろしいですか。」
「おまかせします。」
そして、小さい風呂での入浴タイムが始まりました。
「お邪魔しますね」そう言って私は、お風呂場に入ります。檜ではありませんが、木の匂いが鼻をくすぐります。ええ、これがこのお風呂の一番目のこだわりです。すでに3人は、湯船の中に入っていました。パムさん顔が赤いですよ。ああ、のぼせ気味ですか。
「ぬし様お風呂というのは、すごいですね。」
興奮しているのかのぼせているのかわかりませんが、熱く語ってきます。
「ええ、そうなんですよ。私の元いた世界の私の国では、一番こだわるところですね。」
「ぬし様の国ですか。」
「ええ、元の世界でも、このように家に風呂をおいて、熱い湯につかるという風習は、私の国以外は、なかなかないのですよ。」
「そうなんですか。」
「そんな世界から来ていますので、こだわってしまいましたねえ。」私は体を洗い終わったので、湯船に入れてもらう。さすがに皆さんと離れては入れませんので、肌と肌が触れてしまいます。
「さすがに狭いですが、私の国では、家だけではなく大衆浴場といって広い湯船と広い洗い場があるでっかいお風呂がありまして、地域の皆さんの社交場としての意味もあったのです。もっとも男性と女性は別れて入るんですが。」
「やはりお湯につかるのは良いですねえ。疲れが取れます。」肌と肌が触れているせいかパムさんの顔が紅潮し始めました。
「おや、パムさんのぼせましたか。確か寒い地方の人でしたね。早めに上がったほうが良いと思いますよ。」
「はい、」そう言って勢いよく浴槽から出ようとする。
「いきなり出ると・・・」言いかけたところで、パムさんは、すでにふらついています。素早くメアさんが飛び出し、体を支えています。ええ、二人ともすっぽんぽんですねえ。
「ああああああああ」パムさんはふらつきながらも見られないように体をかがめています。
「あ、メアさんやりましたね」ユーリがゆっくりと湯船からあがり、パムさんの体を支えました。もちろんタオルを巻いてから。
「まあ、あまりにも恥ずかしがるので、一度見られてしまえばあきらめてくれるかなと思いまして。」メアさんはさらりと言いました。
「えええええ」パムさんはやっと立ち上がり、2人に肩を抱えられて、出て行こうとしました。それでもメアさんがそれを止めて、
「上がり湯の後は、体をシャワーで流して体を拭いてから脱衣場に行かなければなりません」と言って、椅子に座らせて頭からシャワーを掛けて、体を拭いてあげ、一緒に風呂場を出ました。
脱衣所兼洗濯室で待機していたエルフィが、パムの肩をたたいて、
「うちの最初の入浴の儀式は終わりましたか~」とうれしそうに言いました。え、これって儀式にいつなったんですか?入れ替わりにエルフィ、アンジー、モーラが入ってくる。アンジー、タオルを持っているんですから、万歳しながら走って入ってこないで、ちゃんと前を隠しなさい。はしたないです。
「いいじゃない、私の家のお風呂なんだし。」自分の家に帰ってきたので、はしゃいでいますねえ。
「まったく、慎みとか憶えてくださいよ」
「まあいいじゃろう、ちら」モーラさん、そうやってタオルで隠しながらチラ見せとかやめてください。見ているこちらが恥ずかしいですから。
「さすがにもう見慣れたか」
「ならいいですよね~」そう言ってバインバインな乳を放り出しながら、ぴょんぴょん飛んで入ってこないでください。目の毒ですから。
「残念~」そう言って、シャワーを浴びるエルフィ。アンジーとモーラは、浴びたので湯船に直行です。
「ふー」
「あー」
2人とも顔が溶けていますよ。なんですかそのヘニャヘニャなだらしない顔は。
「私も入ります~」そう言って私とアンジーの間に飛び込むエルフィ、だから飛び込まないでください。お湯が減ります。
「おお、つかめる大波が」言いながらモーラはエルフィの乳を押し返す。
「全く邪魔ですね。このこの」やはりアンジーそれは嫉妬でしょうか。確かにあなたの成長した姿にもたいした変化はありませんでしたねえ。
「!!あの時まだそんな余裕があったのね。」まあ、あなたに背負われていましたから少しは触りましたからねえ。
「ばれてたのか・・・くやしい」涙目ですねえ。
「そういえば、メアさんが2つのグループに分けましたが、年齢で分けたのですかねえ」
「ああ、そう言われればそうじゃなあ。さすがにパムも100歳は、いっておらんだろうしなあ。」
「この風呂は、ばばあ風呂だったのですね。」
「何よ、その嫌そうな言い方は、見た目は一番若いわよ。しかも可愛いし」そうやって両手の人差し指を立てて頬に当ててにこっと笑わないでください。あざといですけと可愛すぎます。
「自分で言うか普通。まあ、メアがパムの世話をするとなるとこうなるじゃろう。」
「ユーリの代わりにエルフィでは、あんたが湯船に入れなさそうだものねえ。」
「確かにそうですね。ユーリの代わりにエルフィではさすがに入りきらなかったでしょう。」
「このぐらい窮屈でしたか~」そう言って胸をぐりぐりと押しつけるエルフィ。
「やめなさいって、」そう言いながら割って入るアンジー
「おぬしらやめんか。そういうのは風呂を出てからやらんか」
「さて、私としては、あなた達3人には特にありがとうと言わせてくださいね。」
「何を今更言っているのよ。」
「そうじゃな」
「そうです~助けられたのは私の方です~」
「それでも言わせてください。ありがとうと。特にエルフィさん」
「それいじょういばないで~」すでに泣いています。
「私も今泣いたら光になって消えてしまうかもしれないからやめて」
「ああ、魔力の不安定な時に感情の起伏はなあ、それに、そうでも言わんとおぬしの言葉がとまらんじゃろうから、もうよせ。」
「わかりました。これからも皆さんとずーっと一緒に居たいです。」
「そうじゃな」
「そうね」
「ぞうですううう」
私は風呂から上がり、脱衣所に行くと、そこにいた3人も泣いていました。私が出て行くと3人とも私に抱きついてきて、泣き始めました。ありゃ聞かれていましたか。失敗です。
そのまま、全員で居間に毛布を引いて寝ました。そうですみんなで手をつないで寝ました。
そして、翌日早朝、アンジーが外出から戻ってくる。まあ、ここでもできるとか言っていましたが、家の周囲のシールドをさらに強化したので、外に出ると言っていました。町の人に見つからないように、町にあるという連絡方法を使って、ルシフェル様に報告したそうです。あれ?もしかして魔族が町にいるのですか?
「さて、ルシフェル様に連絡をしましたが、どうにもならないそうです。」がっくりと肩を落としてアンジーが言いました。
「まあそうじゃろう。どうにもできんわな。むしろ我々の立場が危うくなったと思うが。」
「ええ、そう言っていましたよ。さすがに今すぐ攻撃されることはないと思いますが、魔王軍の中で、私たちは、他の勇者グループよりも超危険で一刻も早く排除をしないといけない存在に格上げになりました。もちろん、他の3グループより格上認定され、勇者候補筆頭にあげられました。そうそう魔族至上主義者達からは指名手配犯扱いです。幸いなことに居所はつかまれていないようですが、もう隠し通せませんね。」
「そうなるわな。低級とはいえあれだけの数の魔族を片付けておるしのう。」
「ちなみに、最初の戦闘では低級魔族全体の5%くらい投入したらしいですよ。部隊自体は、魔族絶対主義の急進派を中心として構成されていましたから、そっちの人達は戦力を15%くらい削られたようです。戦力の育成、補充のため、しばらくは静観せざるを得ないそうで、さらに軍勢の中の低級魔族は、無駄死にさせられたと上官達に対する反感もあり、士気を失っているそうです。おかげで、ルシフェル様は、この間に急進派を抑えて低級魔族を再編してこちら側に引き込むつもりらしいです。」
「5%くらいですか、まあよく耐えられましたね。いや、こちらもかなり削られましたけど、あの残存魔力量で結構大丈夫でしたね。そうそうメアさんは、体力は回復しましたか?」
「いえ、さすがに昨日の今日では無理です。ですから今夜あたり夜這いしに行こうかと思っていました。」そんな真顔で言わないでください。先日のモーラの謀略が未然に阻止されて、皆さん静かになりましたが、やはりまだ魔力回復には時間がかかりそうなのですねえ。
「パムさんは、大丈夫でしょうけど、ユーリは?どうですか」
「えー、あるじ様に今夜くっついて寝られれば回復します。もちろん裸で」やめてください。さすがに理性が飛びそうになるかもしれません。
「アンジーは?」
「最近、日照時間が短いので、私にも魔力分けて欲しいのだけれど。」おまいは、光合成する植物か。
「いやいや、聖属性はそういうものよ。微々たるものだけどね。でも、長時間日光浴びると日焼けも恐いのよね。」いや、日焼けしないですよね、光なんだから。あと、勝手に頭を覗くなといっているでしょう。
「最近は、お主が素で頭の中を解放しているという事で皆の意見が一致しておる。覗かせて反応をみるなぞ、変態の極みじゃな。」
「あ、わたし変態さん好きですよ。」だからぴょんぴょん跳んで胸をアピールしない。無意識にやっているんでしょうけど、余計たちが悪い。
「最近は、意識してやっていますよ。会話中では私の存在は、空気だし。」いや、それなら無理しなくてもつい目が行っていますよ。でもね、だからといって、はいそこ、無い胸を寄せようとしない。
「やっぱり無いですか?」ユーリ涙目だ。
「あ~あ、ユーリを泣かしよった。」モーラの言葉にアンジーもあわせて笑っている。
「だから言っているじゃありませんか、あっても無くても可愛ければいいんだと。」ああ、声に出して言ってしまった。
「でも、無いよりあった方が良いですよね。」その上目遣いの涙目やめてください、可愛いじゃありませんか。抱きしめたいほどに。ああ、こうやっていつものパターンになってしまう。ちなみにノリについていけていないパムはただ膝をたたいて笑っているだけです。もう少しなじんだら突っ込み側に加わって欲しいのです。メアさんあまり突っ込まないし、私だけですからねえ。
「まあ、わしがまだ魔力量が戻っていないおかげで皆に迷惑を掛けているのは、申し訳ないと思っている。」モーラがその姿でお辞儀をすると、許したくなりますよね、可愛いから。
「なので、今日は、全員で寝ようじゃないか。」そこでなんで一斉に拍手ですか。前回に続き、今回も事前に手を回していましたね。
私の魔力もまだ回復していないんですよー。せっかく回復してきているのを持って行かないでください。
やはりこのままではまずいという事で、パムを除いて全員交代で一緒に寝ることになりました。目が冴えて眠れなくて、体力は回復しないのに、魔力は回復していくという、アンビバレンツな生活をしばらく続けることになりました。あと、パムは、護衛ですと言って、その状態をそばで見ながら一緒に寝ていました。なんか見られていると恥ずかしいです。
いろいろ試行錯誤の中、やはり回復量がとんでもないエルフィの魔力を使って、私の魔力を回復させて周りがそれを吸収するという、変な魔力の伝達をしていました。
それなら、他の人がエルフィから直接もらえないのかと思い試行錯誤を重ねましたが、
「はい~、申し訳ありませんが、主従関係に無いと無理みたいなのです~。従々関係の間ではちょっと無理っぽいですね~」なるほど、そういうことも関係してくるんですね。
「お主の得意分野では無いか、うまくできるようになんとかせい。」さすがに遅々として進まない回復にモーラも焦っています。
「それがですね、一度試したのですが、エルフィから過剰に魔力が流れてユーリが光ったのです。とりあえず今回は、無理しないことにします。」
「なるほど、一応やってみたのじゃな。」
「はい、面白い研究だったのですが、何回か検証しないとだめそうです。」
「ユーリを実験台にするとか、おぬしも相変わらずじゃのう。とりあえず現状のまましかないということか。」
「ユーリには、ちゃんと了解も取っていますし、安全性は確保していましたよ。まあ、光ったのはちょっと想定外でしたが害はなさそうです。でもすいませんが現状のままです。私だってそろそろゆっくり寝たいですよ。エルフィとずっと一緒に寝ていますから気を抜けませんし、特にペアとしてメアさんが一緒に寝ている時には、私は防戦一方でほとんど寝ていませんので」
「それはまずいな。かといってエルフィがいないと回復がすすまぬしなあ・・・まあ、まったりやるか。」エルフィがうれしそうにぴょんぴょん飛び跳ねて私の背中に飛びついたのを見て、ため息をついたモーラです。
それでも2週間程度で何とかなりました。
「うむ、体調回復じゃ。」
「みなさんうまく回復しましたね。だいたい同じタイミングで。」
「それはそうじゃろう。全員で回復するよう調整しておったからな。」
「なるほど。その間襲撃されたらどうするつもりだったんですか。」
「その時はその時じゃ。誰かが突出して魔力を回復したとして、今回のような事態であれば、その一人で何とかできるとは思えん。全員がそれなりに回復しなければパーティーは機能しないものじゃ。」ああ、正論なのかもとか思ってしまいました。なんかくやしい。
「さて、ダラダラしていてもいかん。生活のサイクルを元に戻すのじゃ。」
「家の増築、結界の補強いろいろあるわね。」アンジーが言う。
「家についてですが、とりあえず地下シェルター作りませんか。」
「シェルター何じゃそりゃ。ああ、地下に部屋を作るのか、さすがにもういらんじゃろう。」
「そんな、あるじ様から聞いて楽しみにしていたのに」ユーリが意外と乗り気ですね。そうです、秘密基地は男のロマンです。ああ、でもユーリが私に感化されている気がします。まずいですね。
「お主何を吹き込んだのじゃ。」
「以前、馬車を壊されて途方に暮れたこともありましたし、借家を壊すとか壊さないとかありましたし、旅に出ていていつの間にか家が無くなっていたら困るなーと。あと、お金とか貴重品とかを燃やされるよりはと思いまして。」
「それは、そうじゃな。そういえば、わしの巣も住めなくなったから持ってきて入れておこうか。」
「おやあ、光り物がいっぱいありそうですねえ。」アンジーが茶々を入れる。
「魔力も回復したのですから、ここにこもっていないで新しい洞穴探しましょうよ」
「まあ、そうじゃな。」
そうして、あまりにも急に帰ってきたので、怪しまれないように、小さい家の中に静かにくらしていましたが、魔力も回復してやっと陽の当たるところに・・・いや、まだ、薬草を作って持って行かないとお金がそろそろやばいです。
「さあ、朝から薬草摘みですよー。ちょっと奥まで行きますよー」
「ああ、だるいのう」
「一応、生活しているところを見せないと、今後の生活に支障が出ますよ。」
「しかし、結界張ってあるのじゃろう?誰も入り込めないじゃろう。」
「魔力の無い人には効かない設定をつけてみました。その検証も兼ねています。キリリ」
「ほう、相変わらずそう言う技量だけは上がっていくのう。」
「だから、師匠が欲しいといっているじゃないですか。もっと魔法の技術あげたいなあ」
「これ以上技量が上がるのも問題なのですよねえ?アンジー様。」メアが意味ありげに見る。
「そうですよ。指名手配犯というよりは、執行猶予中の犯罪者みたいな感じですが。」
「ああ、ここで魔法使いの里でも訪ねてみよ、一発で討伐対象じゃ」
「知っているんですか?魔法の里の場所」
「お主には教えん。教えたらわしらを置いて絶対飛んでいくじゃろう。」
「そうですね。その誘惑にはあらがえないですね。」
「そう答えるか。わしらより魔法習得が大事か。」
「冗談ですよ。冗談」
「いや、お主の頭の中では、魔法使いの里に飛んでいくイメージが浮かんでいたぞ。」
「気持ちだけなら一瞬です。ひとっ飛び~。」
「僕たちを置いていくんですか?」ああ、ユーリそのすがるような顔そそられます。でもね、後ろ手にサムズアップしているのが見えたので、本気で飛んでいきたくなりました。ユーリが穢れていく~
続く
最初の家に戻ってきました。
「ああ、帰ってきたわねえ」
「そうじゃな、」
「懐かしいですね。」アンジー、モーラ、そして私が、家を見てこう言いました、
「ここがご主人様が最初に作られた家ですか。最初にしてはかなりの良いできですね。」メアさんが感心しています。そう言われてちょっとうれしいですが、中はちょっと微妙です。
「ここで、アンジーさんと2人で暮らすつもりだったのですよね。僕もあるじ様と2人なら、このくらいの家で十分ですね。」
「え~、私が旦那様と一緒に暮らしたいです~」
「でもさすがに我々と一緒ではさすがに小さいですね。」パムが言った。
「しかし、悪いが、しばらくはこの家で過ごしてもらうぞ。」
「そうなんですか?」ユーリが驚いている。
「新しく建てないの~」エルフィは、すぐにでも大工仕事をしたかったのか、がっくりと肩を落としている。
「さすがにねえ、早く帰って来すぎたのもあるし、あと、魔力が回復するまでは、見つかりたくないのよ。あんなことがあった後だし、派手に動いて襲撃されたら困るからねえ」
「この家は、留守にする時に厳重に結界を張ってありますし、早々見つかることはないのですよ。そして、」私はモーラを見る。
「ああ、何よりわしの縄張りじゃ、さすがにわしがここに戻ってきたのに強引に仕掛けてはこないであろう。」
「ですので、申し訳ありませんが、魔力が回復するまでのしばらくの間は、この家で我慢してください。」
そんな話をして、家に入り、掃除をして、一段落する。もちろん馬たちには、ちょっと狭いですが厩舎に入ってもらいました。
その日は、荷物を降したり、洗い物を洗濯したりして、夕方の食事のあと、すぐ寝る事になりました。当然居間で雑魚寝となるのですが、モーラからみんなにお願いがありました。
「すまないが、魔力回復するまで、しばらく、この者を借りるがよいか。」予約制にして私の貸し出し簿を作らなければダメですね。本人の意志は別にして。
「まあ、しばらくの間はしようがないですね。」アンジーが早々にあきらめました。他のみなさんもうなずいています。あれ?もしかして、事前に根回ししてあったのでしょうか。
「そういうことじゃ、今日からよろしくな。」
「それは、あの部屋のベッドで一緒に寝るという事ですね。」
「そうじゃ」
「それも、裸で、ですよね」そこで全員がピクリと反応する。
「そうじゃ」
「他の人達も魔力切れしていますよね。順番ではないのですか?」
「その辺については、全員、個別に話しておる。了解済みじゃ。」
「みなさん取引しましたね。それも個別に」私は、全員を見回しました、私からの視線をみんな避けています。ほほう、本当に裏がありそうですね。
「くっ、さすがじゃな、賢者様。」バツが悪そうですねモーラ。裏がありますね。そういえば家を掃除している時に皆さんに個別に話しかけていたのを目撃しましたが、そういうことでしたか。
「私の意志はおいてけぼりなのは、いつものことですけど、腑に落ちません。特にアンジー、何を取引材料にされたのですか?」
「お願い聞かないで。」顔を真っ赤にしています。
「もしかして、脅迫されましたか?」
「いや、取引じゃよ。あくまでな。」モーラは、両手を頭の後ろに組んで、吹けない口笛を吹くまねをしています。私の頭からかってにネタをもちださないでください。
「他の人ももしかしてそうなんですか?」メアとユーリがそっぽを向く。ああ、そうですか。
「私は違いますよー。」エルフィさん、あなたの要求は、だいたいわかりますよ。
「そうですか?当ててください。」
「そうですね、一回だけ私とベッドでプロレスをする。ただし、私が断ったらなし。というところですかね。」
「おしいです。プロレスでは無くて・・・」
「いや、そこはそう言う意味にとってくださいよ。そう言う意味なんですから。」
「えー、もうユーリも知っていますよ~大丈夫です~」
「いいですか。私の頭を除いているなら、節度という言葉を検索してみて下さい。」
「そんな高度なことできません~」なんでうれしそうなんですか。
「くっ、手のかかる子どものようです。」
「でも、だめです。とりあえず私の魔力を少しだけ回復させてください。そうしないと時間がかかりすぎます。」
「しかたない、今回の件は一度リセットじゃ。」全員がっくりと肩を落とす。
どんな取引をしたのでしょうか、全員残念そうなのが私には少し不思議です。
そして、パムは不思議そうに見ている。
「今のが会話とは思えないのですが、みなさん黙ってしまったり、何も言っていないのに、一緒のタイミングで笑っています。何かあるのですか?」
「おう、そうであったな、それはすまぬ。実はな、」そう言ってモーラがパムの額に額をくっつける。
「魔力を測るんですか?」怪訝そうな顔だが、素直に応じる。
「いや、こうするのじゃ」ちょっと強めに額を押しつける。
『聞こえるか?』
『え?はい。ってあれ?声が聞こえます。』
『そうじゃ、これが黙ってしまった原因じゃ。それにしても魔力量が少ないはずなのにこんなに明瞭に聞こえるのか?』
『モーラ、私とパムの間にはあの正式な隷従の儀式の時から強い絆というか、魔力の線がつながっています。』
『そういうことか。ならばこれまでも聞こえていたのではないか』
『ぼそぼそと聞こえていたような気がします。なるほど、これはすごいですね。』
『まあ、基本、こやつを中継して・・・ああ、今は、わしもアンジーも中継なしでもいけるのか。』
『モーラはやめて。出力が桁違いなのよ、あなたが、脱皮した時のくそきたない笑い声は、私たちの脳内にまでガンガンに響いていたのよ。まあ、あの時は、そのおかげで、魔族もあなたの復活した気配に気付いていなくなったのだけれどね。』
『そうであったか。それでもこやつの負担は多少軽減されるじゃろうな』
『それはそうね。』
『なるほど、私が最初に行動を共にした時もこんな感じで黙っていましたね』パムが感心して頷いています。
「ですから、みんなだけの時はちゃんと会話しましょう」ユーリが怒っています。
『すまん』
『すみません』
『ごめんね~』
『失礼しました』
「だ・か・ら!口に出して!!」ユーリが叫びます。そうやってユーリをいじるのはやめませんか。もう涙目ですよ。
さすがに町に買い物に行けないので、食料は、森の奥に行き、小動物、魚、植物を採ってきました。あと、肉については、パムにお願いして、獣を捕ってきてもらいました。
「ありがたいのう」
「おばあちゃん、大事に食べるのですよ」
「やめんかその老婆をいたわるような言い方は、なんか傷つくわ」
その茶番を見て、私の頭の中のイメージを見たのかパムがおなかを抱えて笑っています。おお、私の家族の中ではテンプレ中のテンプレなのに笑っています。新鮮ですねえ。
食事は、居間の床に食器を置いて食べます。まあ、野宿の時はそうしていましたし、何とかなったのですが、さすがにお風呂は、全員一緒は無理でしたので、半分ずつ交代で入ることになりました。いや、ひとりずつ入りましょうよ。「却下じゃ」、「です~」。「当然です。」、「それが我が家のルールです。」「そうですルールです。」「そうなんですか?」
「確かにルールですけど、しばらくはやめませんか。」
「だからおぬしを中心に2つに分ければ問題なかろう」
「私は、前半後半どっちもですか。」
「おぬしがいないとつまらぬではないか。」
「いや、つまらないとか、私の反応見て楽しんでますね。」
「ああ、そうじゃ。まあ、今回は、パムの反応の方が楽しみじゃがなあ。」
「ああそうですか。そうですね。」
「確かに私もこういうのは初めてなので。さすがに男性の方と水浴びをするのは、」
「水浴びではありません~入浴です~」
「どう違うのですか?」
「まあ、入ればわかる。そうじゃろう?」
「まあ、そうですね。メアさん教えてあげてください。」
「わかりました。ご主人様は、さきにお入りになりますか?」
「私は、途中から入って、入っていた人がでたら、湯船につかって、次の人を待ちますよ。」
「わかりました。それでは、私とパムさんユーリが先に入りますので、モーラ、アンジー、エルフィが入れ替わりで入るということでよろしいですか。」
「おまかせします。」
そして、小さい風呂での入浴タイムが始まりました。
「お邪魔しますね」そう言って私は、お風呂場に入ります。檜ではありませんが、木の匂いが鼻をくすぐります。ええ、これがこのお風呂の一番目のこだわりです。すでに3人は、湯船の中に入っていました。パムさん顔が赤いですよ。ああ、のぼせ気味ですか。
「ぬし様お風呂というのは、すごいですね。」
興奮しているのかのぼせているのかわかりませんが、熱く語ってきます。
「ええ、そうなんですよ。私の元いた世界の私の国では、一番こだわるところですね。」
「ぬし様の国ですか。」
「ええ、元の世界でも、このように家に風呂をおいて、熱い湯につかるという風習は、私の国以外は、なかなかないのですよ。」
「そうなんですか。」
「そんな世界から来ていますので、こだわってしまいましたねえ。」私は体を洗い終わったので、湯船に入れてもらう。さすがに皆さんと離れては入れませんので、肌と肌が触れてしまいます。
「さすがに狭いですが、私の国では、家だけではなく大衆浴場といって広い湯船と広い洗い場があるでっかいお風呂がありまして、地域の皆さんの社交場としての意味もあったのです。もっとも男性と女性は別れて入るんですが。」
「やはりお湯につかるのは良いですねえ。疲れが取れます。」肌と肌が触れているせいかパムさんの顔が紅潮し始めました。
「おや、パムさんのぼせましたか。確か寒い地方の人でしたね。早めに上がったほうが良いと思いますよ。」
「はい、」そう言って勢いよく浴槽から出ようとする。
「いきなり出ると・・・」言いかけたところで、パムさんは、すでにふらついています。素早くメアさんが飛び出し、体を支えています。ええ、二人ともすっぽんぽんですねえ。
「ああああああああ」パムさんはふらつきながらも見られないように体をかがめています。
「あ、メアさんやりましたね」ユーリがゆっくりと湯船からあがり、パムさんの体を支えました。もちろんタオルを巻いてから。
「まあ、あまりにも恥ずかしがるので、一度見られてしまえばあきらめてくれるかなと思いまして。」メアさんはさらりと言いました。
「えええええ」パムさんはやっと立ち上がり、2人に肩を抱えられて、出て行こうとしました。それでもメアさんがそれを止めて、
「上がり湯の後は、体をシャワーで流して体を拭いてから脱衣場に行かなければなりません」と言って、椅子に座らせて頭からシャワーを掛けて、体を拭いてあげ、一緒に風呂場を出ました。
脱衣所兼洗濯室で待機していたエルフィが、パムの肩をたたいて、
「うちの最初の入浴の儀式は終わりましたか~」とうれしそうに言いました。え、これって儀式にいつなったんですか?入れ替わりにエルフィ、アンジー、モーラが入ってくる。アンジー、タオルを持っているんですから、万歳しながら走って入ってこないで、ちゃんと前を隠しなさい。はしたないです。
「いいじゃない、私の家のお風呂なんだし。」自分の家に帰ってきたので、はしゃいでいますねえ。
「まったく、慎みとか憶えてくださいよ」
「まあいいじゃろう、ちら」モーラさん、そうやってタオルで隠しながらチラ見せとかやめてください。見ているこちらが恥ずかしいですから。
「さすがにもう見慣れたか」
「ならいいですよね~」そう言ってバインバインな乳を放り出しながら、ぴょんぴょん飛んで入ってこないでください。目の毒ですから。
「残念~」そう言って、シャワーを浴びるエルフィ。アンジーとモーラは、浴びたので湯船に直行です。
「ふー」
「あー」
2人とも顔が溶けていますよ。なんですかそのヘニャヘニャなだらしない顔は。
「私も入ります~」そう言って私とアンジーの間に飛び込むエルフィ、だから飛び込まないでください。お湯が減ります。
「おお、つかめる大波が」言いながらモーラはエルフィの乳を押し返す。
「全く邪魔ですね。このこの」やはりアンジーそれは嫉妬でしょうか。確かにあなたの成長した姿にもたいした変化はありませんでしたねえ。
「!!あの時まだそんな余裕があったのね。」まあ、あなたに背負われていましたから少しは触りましたからねえ。
「ばれてたのか・・・くやしい」涙目ですねえ。
「そういえば、メアさんが2つのグループに分けましたが、年齢で分けたのですかねえ」
「ああ、そう言われればそうじゃなあ。さすがにパムも100歳は、いっておらんだろうしなあ。」
「この風呂は、ばばあ風呂だったのですね。」
「何よ、その嫌そうな言い方は、見た目は一番若いわよ。しかも可愛いし」そうやって両手の人差し指を立てて頬に当ててにこっと笑わないでください。あざといですけと可愛すぎます。
「自分で言うか普通。まあ、メアがパムの世話をするとなるとこうなるじゃろう。」
「ユーリの代わりにエルフィでは、あんたが湯船に入れなさそうだものねえ。」
「確かにそうですね。ユーリの代わりにエルフィではさすがに入りきらなかったでしょう。」
「このぐらい窮屈でしたか~」そう言って胸をぐりぐりと押しつけるエルフィ。
「やめなさいって、」そう言いながら割って入るアンジー
「おぬしらやめんか。そういうのは風呂を出てからやらんか」
「さて、私としては、あなた達3人には特にありがとうと言わせてくださいね。」
「何を今更言っているのよ。」
「そうじゃな」
「そうです~助けられたのは私の方です~」
「それでも言わせてください。ありがとうと。特にエルフィさん」
「それいじょういばないで~」すでに泣いています。
「私も今泣いたら光になって消えてしまうかもしれないからやめて」
「ああ、魔力の不安定な時に感情の起伏はなあ、それに、そうでも言わんとおぬしの言葉がとまらんじゃろうから、もうよせ。」
「わかりました。これからも皆さんとずーっと一緒に居たいです。」
「そうじゃな」
「そうね」
「ぞうですううう」
私は風呂から上がり、脱衣所に行くと、そこにいた3人も泣いていました。私が出て行くと3人とも私に抱きついてきて、泣き始めました。ありゃ聞かれていましたか。失敗です。
そのまま、全員で居間に毛布を引いて寝ました。そうですみんなで手をつないで寝ました。
そして、翌日早朝、アンジーが外出から戻ってくる。まあ、ここでもできるとか言っていましたが、家の周囲のシールドをさらに強化したので、外に出ると言っていました。町の人に見つからないように、町にあるという連絡方法を使って、ルシフェル様に報告したそうです。あれ?もしかして魔族が町にいるのですか?
「さて、ルシフェル様に連絡をしましたが、どうにもならないそうです。」がっくりと肩を落としてアンジーが言いました。
「まあそうじゃろう。どうにもできんわな。むしろ我々の立場が危うくなったと思うが。」
「ええ、そう言っていましたよ。さすがに今すぐ攻撃されることはないと思いますが、魔王軍の中で、私たちは、他の勇者グループよりも超危険で一刻も早く排除をしないといけない存在に格上げになりました。もちろん、他の3グループより格上認定され、勇者候補筆頭にあげられました。そうそう魔族至上主義者達からは指名手配犯扱いです。幸いなことに居所はつかまれていないようですが、もう隠し通せませんね。」
「そうなるわな。低級とはいえあれだけの数の魔族を片付けておるしのう。」
「ちなみに、最初の戦闘では低級魔族全体の5%くらい投入したらしいですよ。部隊自体は、魔族絶対主義の急進派を中心として構成されていましたから、そっちの人達は戦力を15%くらい削られたようです。戦力の育成、補充のため、しばらくは静観せざるを得ないそうで、さらに軍勢の中の低級魔族は、無駄死にさせられたと上官達に対する反感もあり、士気を失っているそうです。おかげで、ルシフェル様は、この間に急進派を抑えて低級魔族を再編してこちら側に引き込むつもりらしいです。」
「5%くらいですか、まあよく耐えられましたね。いや、こちらもかなり削られましたけど、あの残存魔力量で結構大丈夫でしたね。そうそうメアさんは、体力は回復しましたか?」
「いえ、さすがに昨日の今日では無理です。ですから今夜あたり夜這いしに行こうかと思っていました。」そんな真顔で言わないでください。先日のモーラの謀略が未然に阻止されて、皆さん静かになりましたが、やはりまだ魔力回復には時間がかかりそうなのですねえ。
「パムさんは、大丈夫でしょうけど、ユーリは?どうですか」
「えー、あるじ様に今夜くっついて寝られれば回復します。もちろん裸で」やめてください。さすがに理性が飛びそうになるかもしれません。
「アンジーは?」
「最近、日照時間が短いので、私にも魔力分けて欲しいのだけれど。」おまいは、光合成する植物か。
「いやいや、聖属性はそういうものよ。微々たるものだけどね。でも、長時間日光浴びると日焼けも恐いのよね。」いや、日焼けしないですよね、光なんだから。あと、勝手に頭を覗くなといっているでしょう。
「最近は、お主が素で頭の中を解放しているという事で皆の意見が一致しておる。覗かせて反応をみるなぞ、変態の極みじゃな。」
「あ、わたし変態さん好きですよ。」だからぴょんぴょん跳んで胸をアピールしない。無意識にやっているんでしょうけど、余計たちが悪い。
「最近は、意識してやっていますよ。会話中では私の存在は、空気だし。」いや、それなら無理しなくてもつい目が行っていますよ。でもね、だからといって、はいそこ、無い胸を寄せようとしない。
「やっぱり無いですか?」ユーリ涙目だ。
「あ~あ、ユーリを泣かしよった。」モーラの言葉にアンジーもあわせて笑っている。
「だから言っているじゃありませんか、あっても無くても可愛ければいいんだと。」ああ、声に出して言ってしまった。
「でも、無いよりあった方が良いですよね。」その上目遣いの涙目やめてください、可愛いじゃありませんか。抱きしめたいほどに。ああ、こうやっていつものパターンになってしまう。ちなみにノリについていけていないパムはただ膝をたたいて笑っているだけです。もう少しなじんだら突っ込み側に加わって欲しいのです。メアさんあまり突っ込まないし、私だけですからねえ。
「まあ、わしがまだ魔力量が戻っていないおかげで皆に迷惑を掛けているのは、申し訳ないと思っている。」モーラがその姿でお辞儀をすると、許したくなりますよね、可愛いから。
「なので、今日は、全員で寝ようじゃないか。」そこでなんで一斉に拍手ですか。前回に続き、今回も事前に手を回していましたね。
私の魔力もまだ回復していないんですよー。せっかく回復してきているのを持って行かないでください。
やはりこのままではまずいという事で、パムを除いて全員交代で一緒に寝ることになりました。目が冴えて眠れなくて、体力は回復しないのに、魔力は回復していくという、アンビバレンツな生活をしばらく続けることになりました。あと、パムは、護衛ですと言って、その状態をそばで見ながら一緒に寝ていました。なんか見られていると恥ずかしいです。
いろいろ試行錯誤の中、やはり回復量がとんでもないエルフィの魔力を使って、私の魔力を回復させて周りがそれを吸収するという、変な魔力の伝達をしていました。
それなら、他の人がエルフィから直接もらえないのかと思い試行錯誤を重ねましたが、
「はい~、申し訳ありませんが、主従関係に無いと無理みたいなのです~。従々関係の間ではちょっと無理っぽいですね~」なるほど、そういうことも関係してくるんですね。
「お主の得意分野では無いか、うまくできるようになんとかせい。」さすがに遅々として進まない回復にモーラも焦っています。
「それがですね、一度試したのですが、エルフィから過剰に魔力が流れてユーリが光ったのです。とりあえず今回は、無理しないことにします。」
「なるほど、一応やってみたのじゃな。」
「はい、面白い研究だったのですが、何回か検証しないとだめそうです。」
「ユーリを実験台にするとか、おぬしも相変わらずじゃのう。とりあえず現状のまましかないということか。」
「ユーリには、ちゃんと了解も取っていますし、安全性は確保していましたよ。まあ、光ったのはちょっと想定外でしたが害はなさそうです。でもすいませんが現状のままです。私だってそろそろゆっくり寝たいですよ。エルフィとずっと一緒に寝ていますから気を抜けませんし、特にペアとしてメアさんが一緒に寝ている時には、私は防戦一方でほとんど寝ていませんので」
「それはまずいな。かといってエルフィがいないと回復がすすまぬしなあ・・・まあ、まったりやるか。」エルフィがうれしそうにぴょんぴょん飛び跳ねて私の背中に飛びついたのを見て、ため息をついたモーラです。
それでも2週間程度で何とかなりました。
「うむ、体調回復じゃ。」
「みなさんうまく回復しましたね。だいたい同じタイミングで。」
「それはそうじゃろう。全員で回復するよう調整しておったからな。」
「なるほど。その間襲撃されたらどうするつもりだったんですか。」
「その時はその時じゃ。誰かが突出して魔力を回復したとして、今回のような事態であれば、その一人で何とかできるとは思えん。全員がそれなりに回復しなければパーティーは機能しないものじゃ。」ああ、正論なのかもとか思ってしまいました。なんかくやしい。
「さて、ダラダラしていてもいかん。生活のサイクルを元に戻すのじゃ。」
「家の増築、結界の補強いろいろあるわね。」アンジーが言う。
「家についてですが、とりあえず地下シェルター作りませんか。」
「シェルター何じゃそりゃ。ああ、地下に部屋を作るのか、さすがにもういらんじゃろう。」
「そんな、あるじ様から聞いて楽しみにしていたのに」ユーリが意外と乗り気ですね。そうです、秘密基地は男のロマンです。ああ、でもユーリが私に感化されている気がします。まずいですね。
「お主何を吹き込んだのじゃ。」
「以前、馬車を壊されて途方に暮れたこともありましたし、借家を壊すとか壊さないとかありましたし、旅に出ていていつの間にか家が無くなっていたら困るなーと。あと、お金とか貴重品とかを燃やされるよりはと思いまして。」
「それは、そうじゃな。そういえば、わしの巣も住めなくなったから持ってきて入れておこうか。」
「おやあ、光り物がいっぱいありそうですねえ。」アンジーが茶々を入れる。
「魔力も回復したのですから、ここにこもっていないで新しい洞穴探しましょうよ」
「まあ、そうじゃな。」
そうして、あまりにも急に帰ってきたので、怪しまれないように、小さい家の中に静かにくらしていましたが、魔力も回復してやっと陽の当たるところに・・・いや、まだ、薬草を作って持って行かないとお金がそろそろやばいです。
「さあ、朝から薬草摘みですよー。ちょっと奥まで行きますよー」
「ああ、だるいのう」
「一応、生活しているところを見せないと、今後の生活に支障が出ますよ。」
「しかし、結界張ってあるのじゃろう?誰も入り込めないじゃろう。」
「魔力の無い人には効かない設定をつけてみました。その検証も兼ねています。キリリ」
「ほう、相変わらずそう言う技量だけは上がっていくのう。」
「だから、師匠が欲しいといっているじゃないですか。もっと魔法の技術あげたいなあ」
「これ以上技量が上がるのも問題なのですよねえ?アンジー様。」メアが意味ありげに見る。
「そうですよ。指名手配犯というよりは、執行猶予中の犯罪者みたいな感じですが。」
「ああ、ここで魔法使いの里でも訪ねてみよ、一発で討伐対象じゃ」
「知っているんですか?魔法の里の場所」
「お主には教えん。教えたらわしらを置いて絶対飛んでいくじゃろう。」
「そうですね。その誘惑にはあらがえないですね。」
「そう答えるか。わしらより魔法習得が大事か。」
「冗談ですよ。冗談」
「いや、お主の頭の中では、魔法使いの里に飛んでいくイメージが浮かんでいたぞ。」
「気持ちだけなら一瞬です。ひとっ飛び~。」
「僕たちを置いていくんですか?」ああ、ユーリそのすがるような顔そそられます。でもね、後ろ手にサムズアップしているのが見えたので、本気で飛んでいきたくなりました。ユーリが穢れていく~
続く
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