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第12話 日常へ
第12-2話 家を新築する
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そして、回復したので、やっと町にも顔を出しました。
以前に戻ってきたときも馬車も無いのに早く帰ってきてしまったりしたので、いろいろ突っ込まれましたが、何とかごまかしました。
モーラのおかげで、魔族に合わずに順調な旅だったのです。そもそも回復する前に襲われては困るという理由で、あまりにも短期間で帰ってきてしまいました。
到着して一番驚いたことは、あれからすごく町が繁栄していて、文化レベルがあの街に近くなってきています。
「あんたたちのおかげで、あの街と頻繁に流通するようになってなあ。異文化交流?お互いのもてる物資の交換でこの町も潤っているのじゃ。まさにwin-winじゃな」
町長からうれしそうにそう告げられ、あきれかえってしまいました。まったくどこからそんな言葉を仕入れてきたのやら。
「薬屋もできたぞ、まあ、わしらにはあまり必要ないけどな。」どういう意味ですか。これまで確かに薬を使わない暮らしはしていましたけど、不要だったわけではありませんよ。でも、それなら早速お伺いして、薬草を置いてもらいましょう。そう思って薬屋を探して訪ねると、見知った顔がいました。
「あら、ずいぶん早かったわね、お帰りなさい」その薬屋さんには、エリスさんがいて、すでに何年も店をやっているかのような雰囲気のお店に昔からいるようになじんで座っていました。いや、お店のレイアウトとかあの街の店とほとんど同じですね
「あのー、あの街で薬屋やっていたんじゃないんですか。」
「いろいろとうるさい注文が多くてね、見切りをつけてこちらに来たわ。まあ、あなたの薬を確実に手に入れるにはここがいいと思って。」
「いやいや、あの店はどうしたんですか。閉めたら街の人が困るでしょう。」
「あのパーティーの時に引き合わせた後輩の魔法使いにお願いしたのよ。そういう意味ではここは、支店みたいなものね」
「支店に本店の店長が来たら本末転倒でしょう。」
「実はね、あなた達が出て行った後、あの薬のおかげで面倒なことになったのよ」
「え?何がありましたか?」
「大手の薬問屋から申し入れがあったの。薬のレシピを売れと。それもしつこく。ほとんど営業妨害みたいな事をされたのよね」
「それはすいませんでした。」
「まあ、私もちょっとやりすぎたのよ。」
「聞いた方がいいですか?」
「ああ、簡単よ。しつこくするなら絶対売らないとたんか切ったのよ。で、私がそこにいられなくなっただけ」
「なるほど、ご迷惑をおかけしました。」
「それを図々しく言ってきたのが、例の壺の国がらみの問屋だから、うちの領主さんも手が出せなくてね。いろいろ考えたけど、あなたが最初にいた町を思い出してね、さすがにこんな田舎までは追ってこないでしょうし、何かあったらモーラもいるしね。」
「ここじゃあほとんど薬売れないでしょ」
「ああ、一応、開店してはいるけど、ここでの私は、研究の傍ら魔法薬の普及啓発に努力する販売促進員みたいな感じね。ここの人達は、ほとんど薬を使っていないから使うようにさせたいのよ。」
「なるほど。私の薬の扱いは、どうなるんですか?」
「あの街では、あなたの意向どおり、一般人には、できるだけ確保しておいてちゃんと売る。ただし、余った分を売るのは会員制にして、会員の追加は招待制にして変なことしたら紹介者も一緒に除名するつもりで、売っていくわ。私はしないけどね。」
「会員の種類はどうするんですか」
「魔法使いとか、勇者とかそれ系の人達になりそうね。一般の人達に売ったあとの残りの在庫調整に売ってあげるのよ」
「そこまでしますか。」
「もう、そこまでしないと大変なの。とりあえず、あなたの意向だった、「街の人達にひととおり行き渡わたせること」は、達成できたから。あそこはもう大丈夫よ。お金のない人のところにもまんべんなくね。」
「どうやったのですか?」
「薬を配る人を決めて、使ってしまったら、買いに来るようにしてもらったの。」
「誰が配るんですか?それとその運用費用は」
「費用は当然領主持ちよ。配るのは、アンジー教の人達ね。だから公平よ。曲がったこともしないと思うし。」
「ああ、そういうことですか。」
「だってねえ、売ってもらえなくなったら困るのはあの領主さんもなのよ。私があそこの店をたたむと言ったら、そういう条件を出してきたの。」
「そうですか。」
「ええ、領主さんには独占して供給するかわりに街の人に十分に行き渡らせるような仕組みを作って欲しいと話したのよ。あとは、製造番号を控えているから転売したのが発覚したら、販売を中止するとも言っておいたからね。あの街の人は、何かあったら領主のところに薬をもらいに行けばなんとかなる。という仕組みね。」
「それでは、領主さんが大変そうですが。」
「領主さんも自分ではやらずに街の外にある傭兵団のそばに住み始めたアンジー教の人達に管理を任せたらしいわ。」
「とりあえず、一般の人に行き渡ったのならよかったです。」
「あの安さだから領主もOKしたのよ。」
「これから作るのは、供給量はあまり変わらないのですが、効果は、ちょっと落ちそうなのです。」
「ちなみにあの時の薬は完売したわ。たまたま気候がよかったからと言ってはあるけど伝説級の傷の速効薬になっているわ。しかもこちらに知られないように転売されているのよ。高名な冒険者の間でね。」
「あれがですか。でも、あの時の薬はちょっと特殊な環境で育ったらしくて、再現できませんでしたからね。今作ろうとしても無理だと思いますよ。」
「あんな物をころころ作って安価で売っていたら薬問屋達からひんしゅく買うわよ。」
「そうですよねえ。」
「でも、勇者とか冒険者が魔族との戦いのために備蓄したいらしいので、再現できるなら作ってもらえないかしら。」
「もっと効果のある、高価な薬はいっぱいあるでしょう。そっちを使ってくださいよ」
「そうなのよ、でも即効性という面では、あの薬は格段に高性能だったらしいのよね。」
「なるほど。戦闘時には即効性も必要ということなんですか。単なる傷薬なんですがねえ。とりあえず、どういう経過であれができたのか検証しませんと難しいです。」
「私としては、あなたのおかげで結構稼げたのでちょうど良いタイミングだったのも事実ね。自分の研究を再開させるつもりでこちらに来たの、メインは薬屋じゃ無いですけどよろしくね。」
「はい、買い取りよろしくお願いします。」
「さっそく、勇者パーティーから依頼があるけど作る?」
「いえ、特定の人と懇意にはなりません。」
「ブレないわねえ。でも、そう聞いて安心したわ。あと、ここに住んでいることは内緒なので、他言無用よ。」
「モーラにもですか?」
「いえ、あなたの家族は別に良いわよ。今度食事誘ってね。」
「家の改築が終わったらになりますが。」
「ああ、手狭だものねえ。またひとり増えたようだし。」
「さすが事情通ですね。」
「その子とも話してみたいわ。」
「今度お連れしますね。」
「それでは、また。」
さすがに襲撃もないようですので、別行動にて町を散策していました。パムももちろん歓迎されました。エルフィと一緒に居酒屋に招待されています。いろいろな国を回っているので、話題も豊富です。
そうして、買い物を終えたメアさん達と合流して、家への道をみんなで歩く。
「幸せですね~」エルフィが大きな声で伸びをしながら言った。
「そうですね。これまでの諸々が嘘のようです。」パムも楽しく飲んできたようでうれしそうに言いました。
「あとは、家の新築じゃな。まあ、みんなで寝るのも良いが、さすがになあ。」
「ええ、お風呂が手狭ですねえ。」
「やはりそこか。」
「ええ、多少大きく作っていたとはいえ、2~3人しか入れませんからねえ。私はそれでもいいのですが、みなさん納得していませんからねえ。」
「これまでどおりに生活したいじゃろう。」
「旅の途中もずーっと一緒に入浴していましたからねえ。」
「パムさんも慣れましたか。」
「はい、一緒に入るのはなんでもありません。しかし、小さいとはいえあのお風呂はすごいですね。癒やされます。いったいどういう原理なんですか?」
「原理?何も無いですよ。お湯も普通の水ですし、普通にわかしていますし、ただ、浴槽、内壁、床に使っている木の素材と気密性をしっかりしているだけですかねえ」
「そうなんですか。あの空間に何か仕掛けがしているのかと思いました。」
「この人、この家を作った時に浴室だけ異常にこだわっていたのよ。」
「そうらしいなあ。当然今回もこだわるんだろう?」
「でも、皆さんで入れる大きさは自信が無いですねえ。」
「あきらめちゃうんですか?」
「いえ、ユーリ見ていてください。もっと良いものを作って見せます。」
「わーい」
「相変わらず乗せられやすい性格じゃ」
「そうね」
「そうです」
「そうなんですか?」
「そうかも~」
○新築する家
家を建てるための設計図をつくろうとみんなで考えています。はい、私の提案した各部屋を居間から等距離にできる円筒形のドーナツ型の家は、部屋が四角くないとベッドが入りづらいとのことで却下されてしまいました。皆さん既成概念にとらわれすぎです。まあ、木の加工に時間がかかりすぎるので断念した面もありますが。
なので、2階建ての下宿のような造りになりそうです。
「寄宿舎を作る気がしてきました。」
「のう、寮長、門限は何時じゃ」
「だから勝手に私の頭のイメージを話さないでください。」もう見られるのはあきらめましたから。
「確かにお主のイメージの建物の方が効率的じゃな」
「味気ないですけどね」
「人が増えたときに増築しやすいじゃろう。」
「もうこれ以上増やさないでくださいね。」すかさずアンジーが釘を刺す。
「さすがにこれ以上は増えないでしょう。」メアさんが言う。
「あーでもー、魔族さんが足りませんよ、魔族さんが。獣人さんも足りませんけど。獣人さんは、一度会っていますからね。やっぱり魔族さんですよ。」エルフィが言った。この人は予言者かと言うほど的確に物事を捉えている。今度から予言者と呼びましょうか。
「もう、フラグ立てないでください。」アンジーが叫んだ。
「フラグってなんですか~」首をかしげるエルフィ。あなたここにきて存在感出てきましたね。
それでも、さすがに却下されました。味気ないと。
「まとまりませんねえ」
「けっこうわがままじゃからなあ。わがままの方向性がなあ」
「共通はしていますよ、ご主人様と同室もしくは、隣室をみなさん希望しています。」パムが気合い入っています。なぜでしょうか。
「別に、夜は一緒に寝ても良いと言っているのだから、隣でなくても良いじゃろう。」
「いいえ、隣は臨場感が違います。」パムの発言ですが、何をするつもりなのでしょうか。そういえば、私たちが裸で寝ている時に護衛だと言ってそばにいましたねえ。
「盗聴してどうするんですか。」
「つい、これまでのくせで。」
メアさんだけは、
「私の希望は厨房だけを思い通りにして欲しいのですけど。」と言いました。
「でも、部屋から厨房に行ける部屋というのもちょっと」
「メイドとはそういうものです」
「部屋数は増やさないんですか~」エルフィの発言にみんなびくっとしています。
「さっきからお主がそう言っているが、何か予感のようなものがあるのか?」
「別にそういう訳ではないですよ~。でも~、よく考えると~獣人さんとか~魔族さんがいませんよね~」
「おぬしさっきもそう言っていたが、そんなこと言っていたら、北方のスノーク族とか南のホビット族の分まで部屋数を増やすことになるぞ。却下じゃ」
「でも、部屋数を増やせるようにしておいた方が良いかもしれません。」ユーリがめずらしく。
「ユーリどうしたのじゃ。」
「きっと、キャロルやミカさんも遊びに来たいでしょうから。」
「まあ、客室は多めに欲しいのう。水の奴も風の奴とかも来そうじゃしなあ。」
「ですねえ。」
「とりあえず、まとめましょう。」
メアさんが仕切っています。これまでダラダラと議論が長引いていて、いいかげん厨房や洗い場が狭くて嫌なようです。それと、厨房と隣り合わせの部屋と言う他の人と利害がかぶらないからでしょうか。
「まず、居間ですが、食卓テーブルを置いて食堂と兼用としますので、かなり広くしなければなりません。」
「食事は全員で、がうちの基本じゃからなあ」
「はい、ですので、隣接する厨房もかなりの面積を取ることになります。そして、脱衣所兼洗濯室も浴室も同様に広く取ることになります。」
「やむをえんじゃろうなあ。入浴は大事じゃし、洗濯物を雨の日に干す場所も必要じゃ。」
「そうなると個人の部屋は平面では難しくなります。」
「そうか、土地はあるが厳しいか。」
「はい、2階に部屋を作るのがよろしいかと。」
「そうですねえ、エルフィ、ここの回りの木は2階建てにしても強度は問題ないですか?」
「大丈夫かと思いますよ~。よほど重いものを載せなければ~。」
「私でも大丈夫ですか?」パムが心配そうに言った。
「そんなに重いのですか?」
「はい、最近はなくなりましたが、たまに夢でうなされると元の姿になることがありますので、そうなると部屋を壊しかねないので。」
「体重は変わらないんじゃないの?」
「いえ、筋肉量が増えますので、どうしても重くなります。」
「なるほど~そうですか。すいませんが、例の服を着て一度変化してもらえませんか。」
「はいわかりました。」
「ちなみにドワーフの里ではどう過ごしていたんじゃ」
「普通の家屋ですが、石の上に床板がひかれている家もあります。」
「寒い季節には床が冷えて大変そうですね。」
「でも、慣れていますので。」
「まあ、耐久性の問題があるのならば、1階に作ればよかろう。」
「はい、そのほうが助かります。」
「そうですか、もう一度整理しますが、1階の方がいい人はいますか?」
「では、そうしましょう。」メアさん生き生きしていますね。こういうのやってみたかったんですかねえ。
「私からは、一つだけ、地下にシェルター兼荷物置き場を作るのですが、そこに私の作業場を作りたいのですがいいですかねえ」
「お主の家なんじゃから、もっと主張せんか。」
「でも、寝室と研究室と2室持つのは不公平かと思いましたので。私の場合、いっそのこと地下の部屋だけでも良いのですが。」
「地下の研究室は、問題ないと思います。が、寝室は上の方が良いかと思います。不健康です。」メアさんが厳しい目で言いいます。ああ、研究者ってそういうものですからねえ。
「あと必要な部屋は何がありますか?」
「他には、そうですね、外に厩舎と一緒に薬草の倉庫と薬草の乾燥場所と作業場を作らないとなりませんね。」
「だんだん建築面積が大きくなっていきますが仕方ないですね。」
「そんなところでしょうか。」
「モーラ良いのですか?地面から離れて暮らしても。」
「一度やってみようと思う・・・やっぱりやめじゃ。パムと一緒で1階にする」
「はいはい、エルフィは2階になってうれしそうですね。」
「もっと上の方がいいのですけどね~」
「ああ、樹上生活か。屋根の上に竿でもつけてそこにぶら下がっておれ」
「無理ですよ~寝られません~でも~ハンモックもいいですね~」
「では2階には、結局アンジーとユーリ、エルフィになりますか?」
「お主もじゃろう。」
「たぶん地下の実験室にベッドも置きますからそこが部屋になりそうです。」
「ひきこもるなよ。」
「夜だけにします。」
「夜はわしらとねるのじゃが」
「寝るまでの少しの間だけでもお願いします。これまでいろいろ魔法を憶えまして、試したいことがいっぱいあるので、しばらくはお願いします。」
「確かになあ、これまで、どうやって研究していたのか不思議じゃったのだが、やっと落ちついてできそうじゃしなあ。」
「ええ、本当にバタバタしていましたから。」
「でも~バタバタしていた方が楽しいじゃないですか~」
「いや、エルフィみたいに面倒ごとが済んでしまうと忘れるタイプと違って、皆さんそうは思っていませんよ。」
「でも~この先もいろいろありそうですね~」
「あなたが言うとしゃれにならないのよ」
「そうなんですか」パムが気にしています。
「エルフィさんの発言はほとんど当たっています。予言に近いですね。」メアさんその突っ込みは。
「ですね。」
「だから部屋数も増やすのですか?」
「こやつが誰でも連れてくるからのう、可能性はある」
「いやいや、私が連れてくるとか、皆さんその話はやめませんか。」
「まあ、そうじゃな。誰がどうのということではない。自然に集まってくるのだからなあ」
「できました。」そんな話をダラダラと続けている中、メアさんが一心不乱に図面を作っていました。ありがとうございます。
「上には4部屋か妥当な線じゃなあ」
「追加できるようにスペースは確保してありますよ。」居間の上にまだ余裕がありますね。
「エルフィの言ったことを真に受けるのか、考えすぎじゃろう。」
「とりあえず、1日考えませんか。足りないものもあるかもしれませんので。」
「あと、厩舎の位置とか薬草の倉庫とかを・・・」
そして、最終的な家と倉庫と厩舎の設計図ができました。
あとは作業日程だけですね。雨が降らない時にしませんとねえ。本当は作業場を先に作ってそこで作業したいところです。さすがに今回は長く暮らす家になりますので、木をちゃんと乾燥させてからでないといけません。
あと、設計図に合わせて木の本数も決まってきますので、メアさんとエルフィで必要な木の本数や施工方法などの詳細設計に入ってもらいます。設計と言っても地面に杭を刺したりして計測する程度ですが。そうしてその日は終わった・・・はずだった。
夜にメアさんが居間に入ってくる。
「一部設計変更となります。ご主人様御裁可を」
「ええ、今更ですか?誰がそんなことを言い出しましたか。」
「言いにくいのですが、みなさんではありません」
「え?メアさんですか?」
「いえ、馬たちです。」
「え?アとウンが?」
「はい、朝日が入る、日当たりの良いところをとごねまして」
「話すことができたんですか」
「最初は、厩舎を作るため今ある仮小屋の面積を測りに行ったのですが、エルフィと話しながら作業をしていたところ、文句があるのか前足で土をかいたり、いなないたりしたので、エルフィが間に入って話を聞いてくれました。あと、馬小屋に鍵をつけるなと。」
「はあ?鍵をつけるなですか。」
「勝手に散歩に行くから開けておいてくれということらしいです。」
「まあ、それはかまいませんが、泥棒と、あと外に出たら野獣とか危険ではないですか?」
「この辺は、モーラの気配と結界に守られていますから大丈夫だと思います。」
「それをアとウンが話したのですか?」
「そこは、こちらから、「はい」「いいえ」で確認しました。」
「もう、彼らの知性は急激に進化していますね」
「はい、餌についても要求があるそうです。」
「なんですか」
「おいしい草が食べたいので、乾燥期にはちゃんと天日干しした干し草を用意して欲しいそうです。」
「彼らは死線をくぐり抜けた家族ですから大事にしなくてはいけませんねえ。寒くなる前にサイロを作りますか。」
「はい、ですから、日当たりを良くするために周囲の木を切って家に陽が入るようにしなければなりません。これまでの案では、少し森の奥に引っ込んでいて周りから見えないようにしたかったのですが、陽当たりの良い方角だけはまわりから見えるようになります。大丈夫でしょうか。」
「野中の一軒家になるわけですね。」
「はい。」
「仕方ないですね。皆さんにも了解してもらいましょう。」
「まあ、ここなら大丈夫じゃろう。」
「これで屋根の上で日光浴ができるわね。」アンジーさんそんなこと考えていましたか。
「えー、ちょっと明るすぎ」エルフィからは苦情が出ました。まあ、そこはひさしを工夫しましょう。
そうして家を作り始めましたが、数日であっという間にできてしまいました。ただし、お風呂を除いて。
「まだできんのか」浴室にかかりっきりになっている私に夕食を知らせに来たモーラがあきれている。食卓に着いた時に皆さんには、
「すいませんねえ、やっぱりこだわりたいのですよ。」
「まあわからないわけではないから待つことにするわ」みなさんやけに寛容です。それだけ期待しているという事でしょうか。
「変わった風習ですが、慣れると入浴というのはすばらしいですね。」パムがうんうんとうなずきながら語る。
「そういえば、パム。男女一緒に風呂に入るには、慣れたか。」
「ええ、水浴びは基本一緒でしたが、結構距離が離れていましたから、こんな距離で入るのは、慣れませんね。皆さんは違うんですか。」
「たいがいの種族はそうではないじゃろう。お主、ほとんど旅をしていたのであろう、当然、その辺は、違和感がなかったのか。」
「路銀もあまりありませんでしたので、野宿でしたし、水浴び程度でした」
「ああ、そうか。これからはゆっくり入るんじゃぞ」
「はい、そうしていますが、長く入るとのぼせるんですよね」
「でも、何回も出たり入ったりすれば良いのよ。」
「入ったら二度と出たくないと思いませんか?幸せすぎて」
「まあ、最初のうちはそうじゃな」
「ここのお風呂は特別なのです。前の家のお風呂も良かったのですが、ここのお風呂はさらにすごいです。狭いのだけが難点ですが、この木の質感といい、香りといい。癒やされます。」どうやらユーリがかなり気に入っているようです。
「せっかくユーリに褒めてもらえましたので、今回はさらにグレードアップさせましたよ」
「それで時間がかかっているのか。作業場に並べてある木がそうなのじゃな」
「ええ、浴槽などに使う木に肌がすべすべになる薬草をしみこませて、さらに木をハーブでいぶしてありますから、入るたびに良い匂いと、お風呂の湯で体がきれいになりますよ。」
「さらにお風呂から出たくなくなるじゃないですか。」
「ほんにこやつの能力は日常生活においては万能じゃな」
「それでいいじゃないですか。みんな幸せになれます。さて、皆さんの期待が高い分早めに作らなければなりませんので、作業場に戻りますね。」そう言って部屋を出ましたが、みなさんぞろぞろとついて作業場にきました。
「これから、さらに強い敵があらわれんとも限らんのじゃがなあ」
「あきらめますよ。力なんてどんなに求めたって際限がないのです、そんな研鑽を積んでいる人と渡り合えるわけがないじゃないですか」
「自然災害みたいなものには勝ちましたけどねえ」
「あれは、皆さんの力があってこそですからねえ」
「よし!これで準備ができましたよ。あとは、浴槽を組み上げて浴室の木を張っていけば完成です。」
「いつ頃、はいれるのじゃ。」
「そうですね、5日後くらいです」
「まだそんなにかかるのか。」
しかし、さらに1週間かかってしまいました。
「古い家はどうしますか。」
「壊すには忍びないので、しばらくそのままですねえ」
「家を壊すのではなくて、お風呂を壊すのが忍びないのであろう。」
「わかりましたかー」
「わからいでか。」
でも、ひとりで入りたい時には、こっそり使おうと思っていますよ。
さて、ついに完成しました。しかし、できた時には、すでに夕食の前です。皆さんは我慢しながら食事をしていました。ええ、みんながみんな期待しています。まあ、私が、作業中にいろいろと特徴を話していましたので、期待も膨らんでいたのでしょう。
「ごちそうさまでした」食後のお茶をいただいて少しくつろごうとしましたが、
「お風呂~」食事の後、エルフィがいさんで脱衣所に向かおうとします。
「まず食器洗いが先です。」服を脱ぎかけていたエルフィが不満顔ですが、あきらめたようです。
そして、全員で脱衣所に向かいました。
「では、みなさんこれを」メアさんが抱えていたものをみんなに渡す。
「新しいタオルですね」
「はい、やはりこうでなくてはいけません。」
そして、湯気の立つ浴室にみんなで入る。広いです本当に広い、家族とお客様合わせて10人位が湯船には入れるくらいを目標にしていましたので、小さい銭湯くらいは広さがあります。もっとも洗い場と浴槽の距離はそんなにとっていませんけど。
「おお、壮観じゃ広いのう」
「こんなに水を使って大丈夫なんですか?」パムが心配している。
「まあ、魔法を使って純水を生成していますからね、それを裏に貯水して使っています。」
「ぬし様さすがですね。」パムが驚いています。
「こやつはそれくらいしか能が無いからな」
「いえ、純水の生成など魔法使いの中でもかなりすごいと思います。いや、先の戦闘を見る限り、できて当然のような気もしますが。それにしてもこの量は、」
それぞれ交代でシャワーを浴びて、順番に浴槽に入る。おどろいているパムもそれに続きます。
「しかもお湯の温度も丁度良い熱さですねえ。」パムも幸せそうです。
「私はもう少し熱い方が好きなのですが、さすがにのぼせてしまいますから抑えていますよ。」
「長風呂できた方がよかろう。」
「シャワーが、あちちち」
洗い場のシャワーは、5組あります。湯船から見ると、ちょっとした小さい旅館みたいですねえ。
「この辺の水量やらお湯の温度調節はどうなっているのですか。」
「まあ、熱いお湯と水を混ぜて適温にして、水圧をかければシャワーにはなりますよ。詳しいことはお話ししてもいいですが、必要ないですよね」
「ええ、確かに私では真似できませんし。」パムがあきれている。
「でも、私に隷属していますから魔力、魔法制御のスキルが上がっているはずですから。できると思いますよ」
「では、練習します。」でも、幸せそうにふにゃふにゃになった顔で言われてもねえ。
「はい。」
「僕も筋肉量を増加するスキルが欲しいです。できますか?」ユーリが悲しそうに言う。
「いいですけど、せっかくのスタイルが台無しになりそうですよ。」パムがすまなそうにユーリに言います。
「胸は増えませんか。」ちょっと胸に手を当ててユーリがさらに言った。
「ユーリさん。胸は脂肪なのです。」パムが悲しそうに言った。
「だめ、ですか」
「はい」
「にしても新しいお風呂は良いですねえ。」私はごまかしてそう言った。
入浴は楽しく終了です。
お風呂が、もとい家が完成して、家具も新調されました。
しばらくは、以前の日常が戻ってきました。
モーラがこんなことを言いました。
「それからなあ、パムとも一緒に寝るんじゃぞ、一人だけのけものになっておったからなあ。」
「いえ、私は、そんな」いや、確かに恥ずかしがっていますねえ。嫌がるのを無理強いするのは、本意ではありません。
「何を言っている。声の雰囲気で期待しているのを感じているじゃろう。」
「まあ、それはわかりますが、ねえ、」
「まあ、おいおいでかまいませんので」明らかに動揺している。
「良いから一度隣に寝ておけ、もちろんいつもどおり2人ずつ交代にしておけば良いのじゃから」
「2人ずつ寝ているのですか。」
「ああ、魔力回復の必要がない時でもなあ、2人ずつ交代で、順番にこの男の隣で寝ているのじゃ。」
「はあ、そうなんですか。」
「まあ、私が嫌がる時はしないという約束ですが、ほとんど毎日です。」
続く
以前に戻ってきたときも馬車も無いのに早く帰ってきてしまったりしたので、いろいろ突っ込まれましたが、何とかごまかしました。
モーラのおかげで、魔族に合わずに順調な旅だったのです。そもそも回復する前に襲われては困るという理由で、あまりにも短期間で帰ってきてしまいました。
到着して一番驚いたことは、あれからすごく町が繁栄していて、文化レベルがあの街に近くなってきています。
「あんたたちのおかげで、あの街と頻繁に流通するようになってなあ。異文化交流?お互いのもてる物資の交換でこの町も潤っているのじゃ。まさにwin-winじゃな」
町長からうれしそうにそう告げられ、あきれかえってしまいました。まったくどこからそんな言葉を仕入れてきたのやら。
「薬屋もできたぞ、まあ、わしらにはあまり必要ないけどな。」どういう意味ですか。これまで確かに薬を使わない暮らしはしていましたけど、不要だったわけではありませんよ。でも、それなら早速お伺いして、薬草を置いてもらいましょう。そう思って薬屋を探して訪ねると、見知った顔がいました。
「あら、ずいぶん早かったわね、お帰りなさい」その薬屋さんには、エリスさんがいて、すでに何年も店をやっているかのような雰囲気のお店に昔からいるようになじんで座っていました。いや、お店のレイアウトとかあの街の店とほとんど同じですね
「あのー、あの街で薬屋やっていたんじゃないんですか。」
「いろいろとうるさい注文が多くてね、見切りをつけてこちらに来たわ。まあ、あなたの薬を確実に手に入れるにはここがいいと思って。」
「いやいや、あの店はどうしたんですか。閉めたら街の人が困るでしょう。」
「あのパーティーの時に引き合わせた後輩の魔法使いにお願いしたのよ。そういう意味ではここは、支店みたいなものね」
「支店に本店の店長が来たら本末転倒でしょう。」
「実はね、あなた達が出て行った後、あの薬のおかげで面倒なことになったのよ」
「え?何がありましたか?」
「大手の薬問屋から申し入れがあったの。薬のレシピを売れと。それもしつこく。ほとんど営業妨害みたいな事をされたのよね」
「それはすいませんでした。」
「まあ、私もちょっとやりすぎたのよ。」
「聞いた方がいいですか?」
「ああ、簡単よ。しつこくするなら絶対売らないとたんか切ったのよ。で、私がそこにいられなくなっただけ」
「なるほど、ご迷惑をおかけしました。」
「それを図々しく言ってきたのが、例の壺の国がらみの問屋だから、うちの領主さんも手が出せなくてね。いろいろ考えたけど、あなたが最初にいた町を思い出してね、さすがにこんな田舎までは追ってこないでしょうし、何かあったらモーラもいるしね。」
「ここじゃあほとんど薬売れないでしょ」
「ああ、一応、開店してはいるけど、ここでの私は、研究の傍ら魔法薬の普及啓発に努力する販売促進員みたいな感じね。ここの人達は、ほとんど薬を使っていないから使うようにさせたいのよ。」
「なるほど。私の薬の扱いは、どうなるんですか?」
「あの街では、あなたの意向どおり、一般人には、できるだけ確保しておいてちゃんと売る。ただし、余った分を売るのは会員制にして、会員の追加は招待制にして変なことしたら紹介者も一緒に除名するつもりで、売っていくわ。私はしないけどね。」
「会員の種類はどうするんですか」
「魔法使いとか、勇者とかそれ系の人達になりそうね。一般の人達に売ったあとの残りの在庫調整に売ってあげるのよ」
「そこまでしますか。」
「もう、そこまでしないと大変なの。とりあえず、あなたの意向だった、「街の人達にひととおり行き渡わたせること」は、達成できたから。あそこはもう大丈夫よ。お金のない人のところにもまんべんなくね。」
「どうやったのですか?」
「薬を配る人を決めて、使ってしまったら、買いに来るようにしてもらったの。」
「誰が配るんですか?それとその運用費用は」
「費用は当然領主持ちよ。配るのは、アンジー教の人達ね。だから公平よ。曲がったこともしないと思うし。」
「ああ、そういうことですか。」
「だってねえ、売ってもらえなくなったら困るのはあの領主さんもなのよ。私があそこの店をたたむと言ったら、そういう条件を出してきたの。」
「そうですか。」
「ええ、領主さんには独占して供給するかわりに街の人に十分に行き渡らせるような仕組みを作って欲しいと話したのよ。あとは、製造番号を控えているから転売したのが発覚したら、販売を中止するとも言っておいたからね。あの街の人は、何かあったら領主のところに薬をもらいに行けばなんとかなる。という仕組みね。」
「それでは、領主さんが大変そうですが。」
「領主さんも自分ではやらずに街の外にある傭兵団のそばに住み始めたアンジー教の人達に管理を任せたらしいわ。」
「とりあえず、一般の人に行き渡ったのならよかったです。」
「あの安さだから領主もOKしたのよ。」
「これから作るのは、供給量はあまり変わらないのですが、効果は、ちょっと落ちそうなのです。」
「ちなみにあの時の薬は完売したわ。たまたま気候がよかったからと言ってはあるけど伝説級の傷の速効薬になっているわ。しかもこちらに知られないように転売されているのよ。高名な冒険者の間でね。」
「あれがですか。でも、あの時の薬はちょっと特殊な環境で育ったらしくて、再現できませんでしたからね。今作ろうとしても無理だと思いますよ。」
「あんな物をころころ作って安価で売っていたら薬問屋達からひんしゅく買うわよ。」
「そうですよねえ。」
「でも、勇者とか冒険者が魔族との戦いのために備蓄したいらしいので、再現できるなら作ってもらえないかしら。」
「もっと効果のある、高価な薬はいっぱいあるでしょう。そっちを使ってくださいよ」
「そうなのよ、でも即効性という面では、あの薬は格段に高性能だったらしいのよね。」
「なるほど。戦闘時には即効性も必要ということなんですか。単なる傷薬なんですがねえ。とりあえず、どういう経過であれができたのか検証しませんと難しいです。」
「私としては、あなたのおかげで結構稼げたのでちょうど良いタイミングだったのも事実ね。自分の研究を再開させるつもりでこちらに来たの、メインは薬屋じゃ無いですけどよろしくね。」
「はい、買い取りよろしくお願いします。」
「さっそく、勇者パーティーから依頼があるけど作る?」
「いえ、特定の人と懇意にはなりません。」
「ブレないわねえ。でも、そう聞いて安心したわ。あと、ここに住んでいることは内緒なので、他言無用よ。」
「モーラにもですか?」
「いえ、あなたの家族は別に良いわよ。今度食事誘ってね。」
「家の改築が終わったらになりますが。」
「ああ、手狭だものねえ。またひとり増えたようだし。」
「さすが事情通ですね。」
「その子とも話してみたいわ。」
「今度お連れしますね。」
「それでは、また。」
さすがに襲撃もないようですので、別行動にて町を散策していました。パムももちろん歓迎されました。エルフィと一緒に居酒屋に招待されています。いろいろな国を回っているので、話題も豊富です。
そうして、買い物を終えたメアさん達と合流して、家への道をみんなで歩く。
「幸せですね~」エルフィが大きな声で伸びをしながら言った。
「そうですね。これまでの諸々が嘘のようです。」パムも楽しく飲んできたようでうれしそうに言いました。
「あとは、家の新築じゃな。まあ、みんなで寝るのも良いが、さすがになあ。」
「ええ、お風呂が手狭ですねえ。」
「やはりそこか。」
「ええ、多少大きく作っていたとはいえ、2~3人しか入れませんからねえ。私はそれでもいいのですが、みなさん納得していませんからねえ。」
「これまでどおりに生活したいじゃろう。」
「旅の途中もずーっと一緒に入浴していましたからねえ。」
「パムさんも慣れましたか。」
「はい、一緒に入るのはなんでもありません。しかし、小さいとはいえあのお風呂はすごいですね。癒やされます。いったいどういう原理なんですか?」
「原理?何も無いですよ。お湯も普通の水ですし、普通にわかしていますし、ただ、浴槽、内壁、床に使っている木の素材と気密性をしっかりしているだけですかねえ」
「そうなんですか。あの空間に何か仕掛けがしているのかと思いました。」
「この人、この家を作った時に浴室だけ異常にこだわっていたのよ。」
「そうらしいなあ。当然今回もこだわるんだろう?」
「でも、皆さんで入れる大きさは自信が無いですねえ。」
「あきらめちゃうんですか?」
「いえ、ユーリ見ていてください。もっと良いものを作って見せます。」
「わーい」
「相変わらず乗せられやすい性格じゃ」
「そうね」
「そうです」
「そうなんですか?」
「そうかも~」
○新築する家
家を建てるための設計図をつくろうとみんなで考えています。はい、私の提案した各部屋を居間から等距離にできる円筒形のドーナツ型の家は、部屋が四角くないとベッドが入りづらいとのことで却下されてしまいました。皆さん既成概念にとらわれすぎです。まあ、木の加工に時間がかかりすぎるので断念した面もありますが。
なので、2階建ての下宿のような造りになりそうです。
「寄宿舎を作る気がしてきました。」
「のう、寮長、門限は何時じゃ」
「だから勝手に私の頭のイメージを話さないでください。」もう見られるのはあきらめましたから。
「確かにお主のイメージの建物の方が効率的じゃな」
「味気ないですけどね」
「人が増えたときに増築しやすいじゃろう。」
「もうこれ以上増やさないでくださいね。」すかさずアンジーが釘を刺す。
「さすがにこれ以上は増えないでしょう。」メアさんが言う。
「あーでもー、魔族さんが足りませんよ、魔族さんが。獣人さんも足りませんけど。獣人さんは、一度会っていますからね。やっぱり魔族さんですよ。」エルフィが言った。この人は予言者かと言うほど的確に物事を捉えている。今度から予言者と呼びましょうか。
「もう、フラグ立てないでください。」アンジーが叫んだ。
「フラグってなんですか~」首をかしげるエルフィ。あなたここにきて存在感出てきましたね。
それでも、さすがに却下されました。味気ないと。
「まとまりませんねえ」
「けっこうわがままじゃからなあ。わがままの方向性がなあ」
「共通はしていますよ、ご主人様と同室もしくは、隣室をみなさん希望しています。」パムが気合い入っています。なぜでしょうか。
「別に、夜は一緒に寝ても良いと言っているのだから、隣でなくても良いじゃろう。」
「いいえ、隣は臨場感が違います。」パムの発言ですが、何をするつもりなのでしょうか。そういえば、私たちが裸で寝ている時に護衛だと言ってそばにいましたねえ。
「盗聴してどうするんですか。」
「つい、これまでのくせで。」
メアさんだけは、
「私の希望は厨房だけを思い通りにして欲しいのですけど。」と言いました。
「でも、部屋から厨房に行ける部屋というのもちょっと」
「メイドとはそういうものです」
「部屋数は増やさないんですか~」エルフィの発言にみんなびくっとしています。
「さっきからお主がそう言っているが、何か予感のようなものがあるのか?」
「別にそういう訳ではないですよ~。でも~、よく考えると~獣人さんとか~魔族さんがいませんよね~」
「おぬしさっきもそう言っていたが、そんなこと言っていたら、北方のスノーク族とか南のホビット族の分まで部屋数を増やすことになるぞ。却下じゃ」
「でも、部屋数を増やせるようにしておいた方が良いかもしれません。」ユーリがめずらしく。
「ユーリどうしたのじゃ。」
「きっと、キャロルやミカさんも遊びに来たいでしょうから。」
「まあ、客室は多めに欲しいのう。水の奴も風の奴とかも来そうじゃしなあ。」
「ですねえ。」
「とりあえず、まとめましょう。」
メアさんが仕切っています。これまでダラダラと議論が長引いていて、いいかげん厨房や洗い場が狭くて嫌なようです。それと、厨房と隣り合わせの部屋と言う他の人と利害がかぶらないからでしょうか。
「まず、居間ですが、食卓テーブルを置いて食堂と兼用としますので、かなり広くしなければなりません。」
「食事は全員で、がうちの基本じゃからなあ」
「はい、ですので、隣接する厨房もかなりの面積を取ることになります。そして、脱衣所兼洗濯室も浴室も同様に広く取ることになります。」
「やむをえんじゃろうなあ。入浴は大事じゃし、洗濯物を雨の日に干す場所も必要じゃ。」
「そうなると個人の部屋は平面では難しくなります。」
「そうか、土地はあるが厳しいか。」
「はい、2階に部屋を作るのがよろしいかと。」
「そうですねえ、エルフィ、ここの回りの木は2階建てにしても強度は問題ないですか?」
「大丈夫かと思いますよ~。よほど重いものを載せなければ~。」
「私でも大丈夫ですか?」パムが心配そうに言った。
「そんなに重いのですか?」
「はい、最近はなくなりましたが、たまに夢でうなされると元の姿になることがありますので、そうなると部屋を壊しかねないので。」
「体重は変わらないんじゃないの?」
「いえ、筋肉量が増えますので、どうしても重くなります。」
「なるほど~そうですか。すいませんが、例の服を着て一度変化してもらえませんか。」
「はいわかりました。」
「ちなみにドワーフの里ではどう過ごしていたんじゃ」
「普通の家屋ですが、石の上に床板がひかれている家もあります。」
「寒い季節には床が冷えて大変そうですね。」
「でも、慣れていますので。」
「まあ、耐久性の問題があるのならば、1階に作ればよかろう。」
「はい、そのほうが助かります。」
「そうですか、もう一度整理しますが、1階の方がいい人はいますか?」
「では、そうしましょう。」メアさん生き生きしていますね。こういうのやってみたかったんですかねえ。
「私からは、一つだけ、地下にシェルター兼荷物置き場を作るのですが、そこに私の作業場を作りたいのですがいいですかねえ」
「お主の家なんじゃから、もっと主張せんか。」
「でも、寝室と研究室と2室持つのは不公平かと思いましたので。私の場合、いっそのこと地下の部屋だけでも良いのですが。」
「地下の研究室は、問題ないと思います。が、寝室は上の方が良いかと思います。不健康です。」メアさんが厳しい目で言いいます。ああ、研究者ってそういうものですからねえ。
「あと必要な部屋は何がありますか?」
「他には、そうですね、外に厩舎と一緒に薬草の倉庫と薬草の乾燥場所と作業場を作らないとなりませんね。」
「だんだん建築面積が大きくなっていきますが仕方ないですね。」
「そんなところでしょうか。」
「モーラ良いのですか?地面から離れて暮らしても。」
「一度やってみようと思う・・・やっぱりやめじゃ。パムと一緒で1階にする」
「はいはい、エルフィは2階になってうれしそうですね。」
「もっと上の方がいいのですけどね~」
「ああ、樹上生活か。屋根の上に竿でもつけてそこにぶら下がっておれ」
「無理ですよ~寝られません~でも~ハンモックもいいですね~」
「では2階には、結局アンジーとユーリ、エルフィになりますか?」
「お主もじゃろう。」
「たぶん地下の実験室にベッドも置きますからそこが部屋になりそうです。」
「ひきこもるなよ。」
「夜だけにします。」
「夜はわしらとねるのじゃが」
「寝るまでの少しの間だけでもお願いします。これまでいろいろ魔法を憶えまして、試したいことがいっぱいあるので、しばらくはお願いします。」
「確かになあ、これまで、どうやって研究していたのか不思議じゃったのだが、やっと落ちついてできそうじゃしなあ。」
「ええ、本当にバタバタしていましたから。」
「でも~バタバタしていた方が楽しいじゃないですか~」
「いや、エルフィみたいに面倒ごとが済んでしまうと忘れるタイプと違って、皆さんそうは思っていませんよ。」
「でも~この先もいろいろありそうですね~」
「あなたが言うとしゃれにならないのよ」
「そうなんですか」パムが気にしています。
「エルフィさんの発言はほとんど当たっています。予言に近いですね。」メアさんその突っ込みは。
「ですね。」
「だから部屋数も増やすのですか?」
「こやつが誰でも連れてくるからのう、可能性はある」
「いやいや、私が連れてくるとか、皆さんその話はやめませんか。」
「まあ、そうじゃな。誰がどうのということではない。自然に集まってくるのだからなあ」
「できました。」そんな話をダラダラと続けている中、メアさんが一心不乱に図面を作っていました。ありがとうございます。
「上には4部屋か妥当な線じゃなあ」
「追加できるようにスペースは確保してありますよ。」居間の上にまだ余裕がありますね。
「エルフィの言ったことを真に受けるのか、考えすぎじゃろう。」
「とりあえず、1日考えませんか。足りないものもあるかもしれませんので。」
「あと、厩舎の位置とか薬草の倉庫とかを・・・」
そして、最終的な家と倉庫と厩舎の設計図ができました。
あとは作業日程だけですね。雨が降らない時にしませんとねえ。本当は作業場を先に作ってそこで作業したいところです。さすがに今回は長く暮らす家になりますので、木をちゃんと乾燥させてからでないといけません。
あと、設計図に合わせて木の本数も決まってきますので、メアさんとエルフィで必要な木の本数や施工方法などの詳細設計に入ってもらいます。設計と言っても地面に杭を刺したりして計測する程度ですが。そうしてその日は終わった・・・はずだった。
夜にメアさんが居間に入ってくる。
「一部設計変更となります。ご主人様御裁可を」
「ええ、今更ですか?誰がそんなことを言い出しましたか。」
「言いにくいのですが、みなさんではありません」
「え?メアさんですか?」
「いえ、馬たちです。」
「え?アとウンが?」
「はい、朝日が入る、日当たりの良いところをとごねまして」
「話すことができたんですか」
「最初は、厩舎を作るため今ある仮小屋の面積を測りに行ったのですが、エルフィと話しながら作業をしていたところ、文句があるのか前足で土をかいたり、いなないたりしたので、エルフィが間に入って話を聞いてくれました。あと、馬小屋に鍵をつけるなと。」
「はあ?鍵をつけるなですか。」
「勝手に散歩に行くから開けておいてくれということらしいです。」
「まあ、それはかまいませんが、泥棒と、あと外に出たら野獣とか危険ではないですか?」
「この辺は、モーラの気配と結界に守られていますから大丈夫だと思います。」
「それをアとウンが話したのですか?」
「そこは、こちらから、「はい」「いいえ」で確認しました。」
「もう、彼らの知性は急激に進化していますね」
「はい、餌についても要求があるそうです。」
「なんですか」
「おいしい草が食べたいので、乾燥期にはちゃんと天日干しした干し草を用意して欲しいそうです。」
「彼らは死線をくぐり抜けた家族ですから大事にしなくてはいけませんねえ。寒くなる前にサイロを作りますか。」
「はい、ですから、日当たりを良くするために周囲の木を切って家に陽が入るようにしなければなりません。これまでの案では、少し森の奥に引っ込んでいて周りから見えないようにしたかったのですが、陽当たりの良い方角だけはまわりから見えるようになります。大丈夫でしょうか。」
「野中の一軒家になるわけですね。」
「はい。」
「仕方ないですね。皆さんにも了解してもらいましょう。」
「まあ、ここなら大丈夫じゃろう。」
「これで屋根の上で日光浴ができるわね。」アンジーさんそんなこと考えていましたか。
「えー、ちょっと明るすぎ」エルフィからは苦情が出ました。まあ、そこはひさしを工夫しましょう。
そうして家を作り始めましたが、数日であっという間にできてしまいました。ただし、お風呂を除いて。
「まだできんのか」浴室にかかりっきりになっている私に夕食を知らせに来たモーラがあきれている。食卓に着いた時に皆さんには、
「すいませんねえ、やっぱりこだわりたいのですよ。」
「まあわからないわけではないから待つことにするわ」みなさんやけに寛容です。それだけ期待しているという事でしょうか。
「変わった風習ですが、慣れると入浴というのはすばらしいですね。」パムがうんうんとうなずきながら語る。
「そういえば、パム。男女一緒に風呂に入るには、慣れたか。」
「ええ、水浴びは基本一緒でしたが、結構距離が離れていましたから、こんな距離で入るのは、慣れませんね。皆さんは違うんですか。」
「たいがいの種族はそうではないじゃろう。お主、ほとんど旅をしていたのであろう、当然、その辺は、違和感がなかったのか。」
「路銀もあまりありませんでしたので、野宿でしたし、水浴び程度でした」
「ああ、そうか。これからはゆっくり入るんじゃぞ」
「はい、そうしていますが、長く入るとのぼせるんですよね」
「でも、何回も出たり入ったりすれば良いのよ。」
「入ったら二度と出たくないと思いませんか?幸せすぎて」
「まあ、最初のうちはそうじゃな」
「ここのお風呂は特別なのです。前の家のお風呂も良かったのですが、ここのお風呂はさらにすごいです。狭いのだけが難点ですが、この木の質感といい、香りといい。癒やされます。」どうやらユーリがかなり気に入っているようです。
「せっかくユーリに褒めてもらえましたので、今回はさらにグレードアップさせましたよ」
「それで時間がかかっているのか。作業場に並べてある木がそうなのじゃな」
「ええ、浴槽などに使う木に肌がすべすべになる薬草をしみこませて、さらに木をハーブでいぶしてありますから、入るたびに良い匂いと、お風呂の湯で体がきれいになりますよ。」
「さらにお風呂から出たくなくなるじゃないですか。」
「ほんにこやつの能力は日常生活においては万能じゃな」
「それでいいじゃないですか。みんな幸せになれます。さて、皆さんの期待が高い分早めに作らなければなりませんので、作業場に戻りますね。」そう言って部屋を出ましたが、みなさんぞろぞろとついて作業場にきました。
「これから、さらに強い敵があらわれんとも限らんのじゃがなあ」
「あきらめますよ。力なんてどんなに求めたって際限がないのです、そんな研鑽を積んでいる人と渡り合えるわけがないじゃないですか」
「自然災害みたいなものには勝ちましたけどねえ」
「あれは、皆さんの力があってこそですからねえ」
「よし!これで準備ができましたよ。あとは、浴槽を組み上げて浴室の木を張っていけば完成です。」
「いつ頃、はいれるのじゃ。」
「そうですね、5日後くらいです」
「まだそんなにかかるのか。」
しかし、さらに1週間かかってしまいました。
「古い家はどうしますか。」
「壊すには忍びないので、しばらくそのままですねえ」
「家を壊すのではなくて、お風呂を壊すのが忍びないのであろう。」
「わかりましたかー」
「わからいでか。」
でも、ひとりで入りたい時には、こっそり使おうと思っていますよ。
さて、ついに完成しました。しかし、できた時には、すでに夕食の前です。皆さんは我慢しながら食事をしていました。ええ、みんながみんな期待しています。まあ、私が、作業中にいろいろと特徴を話していましたので、期待も膨らんでいたのでしょう。
「ごちそうさまでした」食後のお茶をいただいて少しくつろごうとしましたが、
「お風呂~」食事の後、エルフィがいさんで脱衣所に向かおうとします。
「まず食器洗いが先です。」服を脱ぎかけていたエルフィが不満顔ですが、あきらめたようです。
そして、全員で脱衣所に向かいました。
「では、みなさんこれを」メアさんが抱えていたものをみんなに渡す。
「新しいタオルですね」
「はい、やはりこうでなくてはいけません。」
そして、湯気の立つ浴室にみんなで入る。広いです本当に広い、家族とお客様合わせて10人位が湯船には入れるくらいを目標にしていましたので、小さい銭湯くらいは広さがあります。もっとも洗い場と浴槽の距離はそんなにとっていませんけど。
「おお、壮観じゃ広いのう」
「こんなに水を使って大丈夫なんですか?」パムが心配している。
「まあ、魔法を使って純水を生成していますからね、それを裏に貯水して使っています。」
「ぬし様さすがですね。」パムが驚いています。
「こやつはそれくらいしか能が無いからな」
「いえ、純水の生成など魔法使いの中でもかなりすごいと思います。いや、先の戦闘を見る限り、できて当然のような気もしますが。それにしてもこの量は、」
それぞれ交代でシャワーを浴びて、順番に浴槽に入る。おどろいているパムもそれに続きます。
「しかもお湯の温度も丁度良い熱さですねえ。」パムも幸せそうです。
「私はもう少し熱い方が好きなのですが、さすがにのぼせてしまいますから抑えていますよ。」
「長風呂できた方がよかろう。」
「シャワーが、あちちち」
洗い場のシャワーは、5組あります。湯船から見ると、ちょっとした小さい旅館みたいですねえ。
「この辺の水量やらお湯の温度調節はどうなっているのですか。」
「まあ、熱いお湯と水を混ぜて適温にして、水圧をかければシャワーにはなりますよ。詳しいことはお話ししてもいいですが、必要ないですよね」
「ええ、確かに私では真似できませんし。」パムがあきれている。
「でも、私に隷属していますから魔力、魔法制御のスキルが上がっているはずですから。できると思いますよ」
「では、練習します。」でも、幸せそうにふにゃふにゃになった顔で言われてもねえ。
「はい。」
「僕も筋肉量を増加するスキルが欲しいです。できますか?」ユーリが悲しそうに言う。
「いいですけど、せっかくのスタイルが台無しになりそうですよ。」パムがすまなそうにユーリに言います。
「胸は増えませんか。」ちょっと胸に手を当ててユーリがさらに言った。
「ユーリさん。胸は脂肪なのです。」パムが悲しそうに言った。
「だめ、ですか」
「はい」
「にしても新しいお風呂は良いですねえ。」私はごまかしてそう言った。
入浴は楽しく終了です。
お風呂が、もとい家が完成して、家具も新調されました。
しばらくは、以前の日常が戻ってきました。
モーラがこんなことを言いました。
「それからなあ、パムとも一緒に寝るんじゃぞ、一人だけのけものになっておったからなあ。」
「いえ、私は、そんな」いや、確かに恥ずかしがっていますねえ。嫌がるのを無理強いするのは、本意ではありません。
「何を言っている。声の雰囲気で期待しているのを感じているじゃろう。」
「まあ、それはわかりますが、ねえ、」
「まあ、おいおいでかまいませんので」明らかに動揺している。
「良いから一度隣に寝ておけ、もちろんいつもどおり2人ずつ交代にしておけば良いのじゃから」
「2人ずつ寝ているのですか。」
「ああ、魔力回復の必要がない時でもなあ、2人ずつ交代で、順番にこの男の隣で寝ているのじゃ。」
「はあ、そうなんですか。」
「まあ、私が嫌がる時はしないという約束ですが、ほとんど毎日です。」
続く
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