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第21話 三国騒(争)乱
第21-8話 勇者会議開催
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家のお風呂にて
「やっぱりお風呂は良いわねえ。」そう言ってアンジーは湯船につかっている。
「アンジー様、本当にそうですね」とメアが応えて言った。
「なぜかすんなり入ってきますねえ。」と先に湯船に入っていた私が言う。
「いつも通りじゃない、なにが「なぜか」なの」
「一応、「入浴中」の札を下げておいたはずですが。」
「今、ここにいるのは、あんたかモーラしかいないじゃない。モーラは今出かけているわ。」
「そうですが、一応ルールでは、ひとりになりたい時に札を下げることにしたはずではありませんでしたか。」
「ああ、エルフィあたりが札を無視してあんたを襲っていないか心配したのよ。」
そう言いながら私に近づいて腕に無い胸をくっつける。
「そうです。不在の間ご主人様に何か起きていないか心配でしたので。」
そう言いながら反対の腕に小ぶりな胸をくっつけるメア。
「あーあんたの魔力落ち着くわね。なんか安心したわ」
「はい、ご主人様の魔力には何か鎮静作用があるのでしょうか。」
「あ!あれよ間抜け時空発生装置。」
「たしかに、安らぎます。」
「まあ、わたしも一応男ですし、最近はちょっとまずいのですよ。」
そう言ってタオルを股間にあてる。
「ああ、すこしは感情が戻って来ているのねえ。というかこれまでも大した不能者だったわよあんた。」
「はい、自覚しています。」と言って私は赤くなっておとなしくなる。
扉が開き、モーラが入っている。
「なんじゃ、アンジー積極的じゃのう。不可侵協定はあるが本人が同意すればいいのじゃから頑張っておったか。ああ、メアもいたなあそっちも頑張っているのか?」
「大丈夫よ間抜け時空発生装置に癒やしてもらっているだけだから。」
「私は、マッサージ器ですか。」
「ああ、確かになあ。どれわしもそうするか」
体にシャワーを浴びたモーラが湯船に入って私のタオルの掛かった股の所に座り込む。
「お、なんじゃ堅いモノが。おお、なんじゃ発情していたのか。少しは男としてましになってきたなあ。でもそなたの世界では、ロ・・・」言いかけたモーラの頭にチョップを入れた。
「最後まで言わせんか。まったく。少しはましになってきたなあ。」
「そうなのでしょうか。」
「ああ、おぬしの愛は肉親への愛情じゃ。まあ家族という定義ではそれはまずいのであろうが、わしらは家族と言っても血のつながりはない。欲情しても問題はなかったのじゃ。」
「モーラ様、それでも皆さん種族が違います。」とメアがフォローを入れてくれた。私は、ただ黙っている。
「確かになあ、わしなんかドラゴンだ。こやつは、最初にあの姿を見ても動じぬ珍しい男だからな。この形態になったら少しはと思ったが、思いのほかダメな男であった。おお、真面目な話になるとさすがに収まるか。おぬしの理性は鋼のようじゃな。」
「モーラ様もご主人様から癒やされているのですか。」
「こやつのすごいところは、今言ったとおり、どんなかたちのものでも、それを容認する包容力というかなあ。ものを目で解析できるというのは、逆になにを見ても驚かないし、自分の見たものを信じられるのであろう。もののありようを素直に受け止められるのであろう。じゃからわしのようなドラゴンを股の間においても動じないし、受け入れもする。わしらはそれに安心する。だから間抜け時空発生装置なのじゃよ。」
「モーラ様、納得しました。」
「さて、本題に入ろうか。」
「今回の件、残るは、3国戦争の停戦が残っている。」
「ええ、そうです。」
「日取りも決まり、会談が終われば終了じゃ。」
「そうですね」
「問題は、見えない手がどう動くかじゃ。」
「そういえば、ロスティアの王女はどうしたのかしら。放置したわよねえ。」
「会談の日時も決まったということは、受けたのでしょうね。」
「さて、わしらはどうすればよいのかな。」
「もうなにもしませんよ。あきらめました。パムも撤退させます。」
「そうじゃな。」
「あの子はきっと最期まで見届けたいと言うわよねえ。」
「やっぱりそうなるか。」
「でしょうねえ。」
「そういえば、森を騒がせた魔法使いさん達は、今どうしているのですか。」
「孤児院を手伝わせていたけど、すぐに里には戻られないでしょうから、旅の支度をさせて、各都市に住む魔法使いのところに向かわせたわよ。」
「ああ、それが良いですねえ。」
その時扉がバタンと音を立てて開き、エルフィとレイが入ってくる。
「あー、みんなずるいー」
「あ、親方様ー」
そうして、2人ともシャワーも浴びず浴槽に飛び込んでくる。私の周りの3人はさっと逃げ、逃げ場のなかった私だけが取り残される。
スローモーションのように私の頭は、エルフィの胸に圧殺され、私の股間はレイが潜り込み、そのまま浴槽の中に沈む。ああ、ここで死んだ場合、死因は胸による圧死と溺死のどちらになるのかなあと考えながら、意識がなくなりました。
「だんざざまぁ~」
「をじゃがだざま~」
洗い場で意識が戻すとエルフィとレイが泣きながら私を見守っていた。
「大丈夫よ。安心しなさい。頭打っただけだから。」
あきれ顔でアンジーが言った。いや、タオルで前くらい隠してくださいよ。こちらが恥ずかしいです。
「「ごべんだざい~」」
私は半身起き上がって、2人の土下座を見ている。そういえば裸土下座は新鮮ですねえ。
「なにくだらないこと考えているんじゃおぬしは。安心させてやれ」
私は起き上がり、2人の頭に手を当てて、
「そんなに私に会いたかったんですね、久しぶりです。元気にしていましたか?」
そう言った途端、土下座の2人は飛び起き私に抱きつく。
「ざびじがった~」
「ぉぐもでず~」
「よしよし」そう言って頭を撫でる。
へくちっ アンジーがくしゃみをしました。
「さあみんなでお風呂に入り直しましょう。」
さすがに生のエルフィの胸は刺激が強すぎます。そう言いながらも手を離そうとしない2人は両隣に座りうれしそうに私の両腕に胸を当てている。
「あ~これですよ~この暖かさですよ~」
「はい~よくわかります。親方様最高です~」
「どう、間抜け時空発生装置さん、あんたの立場は決まったわ。」ちょっとすねながらアンジーが言った。
「それよりもですねえ、さっきエルフィとレイが飛び込んできた時、3人とも私が動けないように両手両足を最後まで押さえていましたよねえ。」
「いいえ、ご主人様違います。逃げ遅れただけです。」
「一瞬、頭の中に私を3人で抑えるイメージが見えましたけどあれは錯覚ですか?」
「まあ、おぬしが勝手にイメージしただけじゃろう?このシチュエーションおいしそうとか思ったのではないのか。」
「わかりました。そういうことにしておきましょう。だからエルフィとレイはそこまで謝ることではないですよ。」
「もういいのです~」
「はい、僕、今、幸せなので~」
「そうそう、エルフィはエルフ族とこの町のみなさんとの間に立って色々していたのでしょう?えらいですね」
そうして腕を放してもらってエルフィをなでなでしまいます。
「そして、レイもすごいですね。あなたも獣人達のために頑張ったんでしょう?すごいですね。」
そうしてレイもなでなでしてあげる。
「これがたらしの実力か。」とモーラ
「はい、ご主人様の他種族たらしの実力です。」とメア
「さすがね。」とアンジー。いや、3人ともちょっと怒っていませんか?なんで?
そして、いつもは幸せな入浴タイムが、私は少し気まずい感じになりましたが、入浴後、居間の大きいテーブルで全員がくつろいでいます。
「さて、パムは誰が迎えに行くんじゃ?」
「アンジーがすでに俺様勇者のところに出向いているので、私が行きましょう。」
と私が言いました。
「それが一番まずいのではないか。」
「いいえ、会談前に連れ戻しましょう。」
「そうね、では、行ってらっしゃい。ちゃんと上手くやるのよ。」
「頑張ります。」
そうして、勇者会議の前日、私はロスティアの宿に現れ、パムの部屋を訪ねる。
「ぬし様どうしてここへ、これはまずいですよ。来てはいけません。お帰りください。」
「どうしてもパムに会いたくてこっそり来ました。」
「いけません。明日は勇者会議です。ここにぬし様がいることが知られたら、これまでしてきた事が全部無駄になるかもしれません。お帰りください。お願いします。」
「パムさん、ひとつお尋ねしたいことがあって私ひとりで来ました。聞いても良いですか。」
「はい、なんでしょう。」
「私のことを好きですか。」
「はい、大好きです。愛しています。」
「そうですか。では、私が魔王になっても好きでいられますか?」
「え、それは、魔王になられるのですか。」
「いいえ、なりません。」
「そうですか、よかった」
「では、私が勇者になると言ったらどうですか?」
「いいえ、それはぬし様の本意ではありませんよね。なりたくないとおっしゃっていました。あれ?どうして、私は」
そこで自分の矛盾に気付いたのか、パムの目から涙があふれてくる。そして小さな嗚咽を漏らす。
「では、もう一度聞きます。パムは私のことを好きですか。」
「でも勇者にならないと死んでしまう。それは、・・・・」
「どうしたのですかパム。私のことが嫌いですか?」
「いいえ違います。でもなぜでしょう。涙が止まりません。」私はパムを強く抱きしめる
「あなたは、今回誰かに操られていたのです。洗脳ですね。」
「私には、そんなものは効きません。耐性があるのですから」
「それが思い込みだったのです。敵は、はるかに狡猾なようです。」
「そんな、ぬし様のためになると思ってここまでしてきたのに。」
「それについては、ありがとうございました。ジャガーさんにアドバイスをして、ユーリに護衛を派遣して、たくさんのフォローをしてもらいました。それはパムさんの功績です。」
「はい、ありがとうございます。」
「でもこれからしようとしていることは、私の考えにはないことです。」
「しかし、戦争を止めて、永久にあの地で幸せに暮らすにはこれしかないと・・・」
「どうしてこれしかないと思いましたか?」
「ええ、どうしてそう思ってしまったのでしょうか。」
「それが洗脳だったのです。魔法によるものではなく。言葉により思い込まされたのでしょうね。」
「誰ともそんな話をしていませんよ。もしかして私は、それさえも忘れさせられたということですか。」
「それはわかりません。でも、今考えれば私の望みではないことがわかりますね。」
「はい、」
「なにをしようとしていたか憶えていますか?」
「はい、勇者会議の時に光の柱が会議場のそばの都市に打ち込まれ、これは魔族の仕業であると言い、この脅威に太刀打ちできる者は、ぬし様しかいないと言うつもりでした。」
「やはりそうだったのですね。」
「私は、なぜそのようなことを。それが一番ぬし様のためになると思い込んでいました。」
「なるほど、その理屈は何か、憶えていますか。」
「このまま会議が開催されれば、魔族が牽制のために何か仕掛けてくると想像しました。その仕掛けによって会議の収拾がつかなくなり、会議がご破算になる。すると戦争が再開される、再び戦争を止める人材としてぬし様に注目が集まる。さらにこの会議を裏で手を引いたのがぬし様だとばれて。その先は英雄に祭り上げられるか、糾弾されるかどちらかであると。そうしないためには、3国をまとめるためには、ぬし様の存在が必要・・・はは、そんなことはありませんね。」乾いた笑いをするパム。
「本当に私のことを家族のことを心配してくれていたのですね。ありがとう。」
「いえ、こんな事になって、申し訳ありません。でも、私もぬし様が大好きです、愛しています。これまでの恩や愛情にどうやれば報いられるのかずっと悩んでしました。なのに・・・」パムは膝をついて、私にすがり、声も出さずになく。私は再び強く抱きしめてこう言った。
「私はね、幸せ者なのですよ。パムみたいな誠実な人と巡り会い、愛してもらっています。それ以上求めるものは無いんです。ですからそばにいてください。無理しないでください。」
「はい、はい、大好きです、愛しています。ずっとずっと私もそばにいたいです。」
パムは私の口に強くキスをする。私もそれに応えてさらに抱きしめる。長い長いキスをしています。しかし、息がつまったのか、唇を離すパム。
「ぬし様肺活量すごいんですね。」
「パム、キスの時は鼻で呼吸しても良いんですよ」
そう私が言うとパムは真っ赤な顔になって下を向いてしまう。
「ごめんなさいね。そんな簡単なことも教えられない私です。」
「いいんですひとつ勉強になりました。」
「では、私達は帰りましょう。」
「いいえ、やはり最後まで見届けませんか。いや、ぬし様はここにいたら不都合がありますね。私がひとりで残ります。結果をこの目で見届けたいのです。こんなことがあったのに許されないとは思いますが。ぜひお願いします。」
「わかりました。では、パムがいるのなら私がいても同じでしょう。私達は、隠れてそでのほうで見ていましょう。」
「はい。では、それをジャガーさんとフェイさんに告げて参ります。」
「私は、ここで待っていますので、あとで会いましょう。」
「ふたりだけは初めてですね。」
「ああそういえばそうですね。ちょっと緊張してきました。」
「いえ、協定がありますのでそれは我慢します。ではあとで」
『ずるい~』とエルフィの声がします。
『なんじゃ、おぬしがそこに残るなら、意味がなかろう。最初の前提が崩れるであろう。』
『なら私達が行っても良いわね』
『そうです僕も一緒にいたいです。』とレイ
『あの~僕も行って良いですか?』
『おやユーリですか。元気にしていましたか。』
『はい。僕もそろそろそちらに合流したいのですが。』
『そっちはカタがついたのか?まだ停戦にはなっておらんぞ。』
『うちの傭兵団のリーダーから話がありまして、この辺に落ち着きたいと考えている者だけ連れてきたそうです。ですので、リーダーと他数名はファーンに帰るのですが、残りの人たちはここに残って生活するそうです。なので、私にもう帰って大丈夫と言ってくれました。』
『ほほう、ユーリよ、ちゃんと言葉にせぬか。』
『モーラ様、まったく。私、ユーリはみんなのところに戻りたいです。寂しかったです。』
『さすがユーリ、素直で良いわね。』
『どうして皆さんユーリさんをいじるんですか。』とレイ
『ああ、レイは、もふる、ユーリは、いじる、エルフィは、反省させると言うところかのう』
『あとあんたは、いじめるね。』
『ああ。違いない。』
『とほほ』
そうして、パムはレティに知らせに行きました。私は、ついつい街をぶらつきます。
そして、ロスティアの宿屋に全員が合流した。そして、宿の裏に結界を張って、久しぶりの露天風呂です。
「やはり全員揃ってやっとしっくりきますねえ。」
「家の湯船も円形にすればよかったんじゃないの?」
「ダメです。岩風呂は円形でも良いですが、檜風呂は四角くなければ。まあ、丸いと桶みたいになるので、私が作ると格好悪いのですよ」
「こだわりか。」
「今回も皆さんバラバラに動き回っていたので、本当に寂しかったですよ。」
「僕もいつ戻れるのかわからなかったので、寂しかったです。」
「家から出たり入ったりしていると~、旦那様が~地下に籠もっていたりして~、会えないんですよ~、家に居ても寂しいなんてつらかった~」
「それは、僕もです。人の世話って大変なんですね。」
「ではこれからは、私のことも気にしてもらえますね。レイ」とメアさんが言った
「ブクブクブク」レイが顔をお湯に沈めて何か言った。一同笑っている。
翌日、私達は、会談場所であるロスティアの首都の横にある平原にある都市に移動した。
「物々しい警備ねえ。」
「仕方ないであろう。不始末でもあったら一大事じゃからなあ。」
「関所が出来ていますよ。」
「そんな物はなかったはずですが。」とパムが驚いている。
「臨時に作りおったな。さすがじゃのう。なにがなんでも成功させるつもりか。」
「そうでしょうねえ。」
大きい方の馬車の3頭立てでその関所に到着すると、人相書きを見ながら兵士達が顔を合わせ
「こちらへどうぞ」と、対応が変わった。
「ばれましたかねえ。」
「おぬしは顔を出しておらんじゃろう。今回はパムが御者をしておる。それだけで対応が変わるか?」
「しかもどうやら会議場へと連れて行かれているみたいですよ。」
そうして到着すると、すでに3勇者達が揃っているようだ。
「どういうことですか。」
私達は馬車を降ろされ、その3組の前に出される。中央のロスティアの王女が跪くと勇者達は全員跪いた。
「ようこそいらっしゃいました。旅の賢者様いえ、マジシャンズセブンの皆様。」
「待ってください、私達はそのような者達ではありません。」
「はい、存じております。しかし、このような形でないとお話しできないと思い、こちらにおいでいただいたものでございます。」
「ふ、やられたのう。さすがにここまで読まれていてはどうにもならぬな。では、会議におぬしの頭にあるオブザーバーとして参加しようではないか。」
「腹をくくるしかありませんね。皆さん立ってください。私達は、会議には何の権限もありません。その事は念を押しますがよろしいですね。」
「はい、そのように聞いております。」
「パムさんまさか」
「いいえ、私も洗脳が解けてからはなにもしていません。」
「まあいいわ、とりあえず会議場へ行きましょう。とっとと会議を終わらせましょうか。」
「ありがとうございます。では、こちらへ。」
『どうやらこやつら全員が』
『ええ、そうみたいね。これは、やられたわね。まあ、なるようになれね』
『しかたありません。』
そうして、会議は開催された。
-続く-
「やっぱりお風呂は良いわねえ。」そう言ってアンジーは湯船につかっている。
「アンジー様、本当にそうですね」とメアが応えて言った。
「なぜかすんなり入ってきますねえ。」と先に湯船に入っていた私が言う。
「いつも通りじゃない、なにが「なぜか」なの」
「一応、「入浴中」の札を下げておいたはずですが。」
「今、ここにいるのは、あんたかモーラしかいないじゃない。モーラは今出かけているわ。」
「そうですが、一応ルールでは、ひとりになりたい時に札を下げることにしたはずではありませんでしたか。」
「ああ、エルフィあたりが札を無視してあんたを襲っていないか心配したのよ。」
そう言いながら私に近づいて腕に無い胸をくっつける。
「そうです。不在の間ご主人様に何か起きていないか心配でしたので。」
そう言いながら反対の腕に小ぶりな胸をくっつけるメア。
「あーあんたの魔力落ち着くわね。なんか安心したわ」
「はい、ご主人様の魔力には何か鎮静作用があるのでしょうか。」
「あ!あれよ間抜け時空発生装置。」
「たしかに、安らぎます。」
「まあ、わたしも一応男ですし、最近はちょっとまずいのですよ。」
そう言ってタオルを股間にあてる。
「ああ、すこしは感情が戻って来ているのねえ。というかこれまでも大した不能者だったわよあんた。」
「はい、自覚しています。」と言って私は赤くなっておとなしくなる。
扉が開き、モーラが入っている。
「なんじゃ、アンジー積極的じゃのう。不可侵協定はあるが本人が同意すればいいのじゃから頑張っておったか。ああ、メアもいたなあそっちも頑張っているのか?」
「大丈夫よ間抜け時空発生装置に癒やしてもらっているだけだから。」
「私は、マッサージ器ですか。」
「ああ、確かになあ。どれわしもそうするか」
体にシャワーを浴びたモーラが湯船に入って私のタオルの掛かった股の所に座り込む。
「お、なんじゃ堅いモノが。おお、なんじゃ発情していたのか。少しは男としてましになってきたなあ。でもそなたの世界では、ロ・・・」言いかけたモーラの頭にチョップを入れた。
「最後まで言わせんか。まったく。少しはましになってきたなあ。」
「そうなのでしょうか。」
「ああ、おぬしの愛は肉親への愛情じゃ。まあ家族という定義ではそれはまずいのであろうが、わしらは家族と言っても血のつながりはない。欲情しても問題はなかったのじゃ。」
「モーラ様、それでも皆さん種族が違います。」とメアがフォローを入れてくれた。私は、ただ黙っている。
「確かになあ、わしなんかドラゴンだ。こやつは、最初にあの姿を見ても動じぬ珍しい男だからな。この形態になったら少しはと思ったが、思いのほかダメな男であった。おお、真面目な話になるとさすがに収まるか。おぬしの理性は鋼のようじゃな。」
「モーラ様もご主人様から癒やされているのですか。」
「こやつのすごいところは、今言ったとおり、どんなかたちのものでも、それを容認する包容力というかなあ。ものを目で解析できるというのは、逆になにを見ても驚かないし、自分の見たものを信じられるのであろう。もののありようを素直に受け止められるのであろう。じゃからわしのようなドラゴンを股の間においても動じないし、受け入れもする。わしらはそれに安心する。だから間抜け時空発生装置なのじゃよ。」
「モーラ様、納得しました。」
「さて、本題に入ろうか。」
「今回の件、残るは、3国戦争の停戦が残っている。」
「ええ、そうです。」
「日取りも決まり、会談が終われば終了じゃ。」
「そうですね」
「問題は、見えない手がどう動くかじゃ。」
「そういえば、ロスティアの王女はどうしたのかしら。放置したわよねえ。」
「会談の日時も決まったということは、受けたのでしょうね。」
「さて、わしらはどうすればよいのかな。」
「もうなにもしませんよ。あきらめました。パムも撤退させます。」
「そうじゃな。」
「あの子はきっと最期まで見届けたいと言うわよねえ。」
「やっぱりそうなるか。」
「でしょうねえ。」
「そういえば、森を騒がせた魔法使いさん達は、今どうしているのですか。」
「孤児院を手伝わせていたけど、すぐに里には戻られないでしょうから、旅の支度をさせて、各都市に住む魔法使いのところに向かわせたわよ。」
「ああ、それが良いですねえ。」
その時扉がバタンと音を立てて開き、エルフィとレイが入ってくる。
「あー、みんなずるいー」
「あ、親方様ー」
そうして、2人ともシャワーも浴びず浴槽に飛び込んでくる。私の周りの3人はさっと逃げ、逃げ場のなかった私だけが取り残される。
スローモーションのように私の頭は、エルフィの胸に圧殺され、私の股間はレイが潜り込み、そのまま浴槽の中に沈む。ああ、ここで死んだ場合、死因は胸による圧死と溺死のどちらになるのかなあと考えながら、意識がなくなりました。
「だんざざまぁ~」
「をじゃがだざま~」
洗い場で意識が戻すとエルフィとレイが泣きながら私を見守っていた。
「大丈夫よ。安心しなさい。頭打っただけだから。」
あきれ顔でアンジーが言った。いや、タオルで前くらい隠してくださいよ。こちらが恥ずかしいです。
「「ごべんだざい~」」
私は半身起き上がって、2人の土下座を見ている。そういえば裸土下座は新鮮ですねえ。
「なにくだらないこと考えているんじゃおぬしは。安心させてやれ」
私は起き上がり、2人の頭に手を当てて、
「そんなに私に会いたかったんですね、久しぶりです。元気にしていましたか?」
そう言った途端、土下座の2人は飛び起き私に抱きつく。
「ざびじがった~」
「ぉぐもでず~」
「よしよし」そう言って頭を撫でる。
へくちっ アンジーがくしゃみをしました。
「さあみんなでお風呂に入り直しましょう。」
さすがに生のエルフィの胸は刺激が強すぎます。そう言いながらも手を離そうとしない2人は両隣に座りうれしそうに私の両腕に胸を当てている。
「あ~これですよ~この暖かさですよ~」
「はい~よくわかります。親方様最高です~」
「どう、間抜け時空発生装置さん、あんたの立場は決まったわ。」ちょっとすねながらアンジーが言った。
「それよりもですねえ、さっきエルフィとレイが飛び込んできた時、3人とも私が動けないように両手両足を最後まで押さえていましたよねえ。」
「いいえ、ご主人様違います。逃げ遅れただけです。」
「一瞬、頭の中に私を3人で抑えるイメージが見えましたけどあれは錯覚ですか?」
「まあ、おぬしが勝手にイメージしただけじゃろう?このシチュエーションおいしそうとか思ったのではないのか。」
「わかりました。そういうことにしておきましょう。だからエルフィとレイはそこまで謝ることではないですよ。」
「もういいのです~」
「はい、僕、今、幸せなので~」
「そうそう、エルフィはエルフ族とこの町のみなさんとの間に立って色々していたのでしょう?えらいですね」
そうして腕を放してもらってエルフィをなでなでしまいます。
「そして、レイもすごいですね。あなたも獣人達のために頑張ったんでしょう?すごいですね。」
そうしてレイもなでなでしてあげる。
「これがたらしの実力か。」とモーラ
「はい、ご主人様の他種族たらしの実力です。」とメア
「さすがね。」とアンジー。いや、3人ともちょっと怒っていませんか?なんで?
そして、いつもは幸せな入浴タイムが、私は少し気まずい感じになりましたが、入浴後、居間の大きいテーブルで全員がくつろいでいます。
「さて、パムは誰が迎えに行くんじゃ?」
「アンジーがすでに俺様勇者のところに出向いているので、私が行きましょう。」
と私が言いました。
「それが一番まずいのではないか。」
「いいえ、会談前に連れ戻しましょう。」
「そうね、では、行ってらっしゃい。ちゃんと上手くやるのよ。」
「頑張ります。」
そうして、勇者会議の前日、私はロスティアの宿に現れ、パムの部屋を訪ねる。
「ぬし様どうしてここへ、これはまずいですよ。来てはいけません。お帰りください。」
「どうしてもパムに会いたくてこっそり来ました。」
「いけません。明日は勇者会議です。ここにぬし様がいることが知られたら、これまでしてきた事が全部無駄になるかもしれません。お帰りください。お願いします。」
「パムさん、ひとつお尋ねしたいことがあって私ひとりで来ました。聞いても良いですか。」
「はい、なんでしょう。」
「私のことを好きですか。」
「はい、大好きです。愛しています。」
「そうですか。では、私が魔王になっても好きでいられますか?」
「え、それは、魔王になられるのですか。」
「いいえ、なりません。」
「そうですか、よかった」
「では、私が勇者になると言ったらどうですか?」
「いいえ、それはぬし様の本意ではありませんよね。なりたくないとおっしゃっていました。あれ?どうして、私は」
そこで自分の矛盾に気付いたのか、パムの目から涙があふれてくる。そして小さな嗚咽を漏らす。
「では、もう一度聞きます。パムは私のことを好きですか。」
「でも勇者にならないと死んでしまう。それは、・・・・」
「どうしたのですかパム。私のことが嫌いですか?」
「いいえ違います。でもなぜでしょう。涙が止まりません。」私はパムを強く抱きしめる
「あなたは、今回誰かに操られていたのです。洗脳ですね。」
「私には、そんなものは効きません。耐性があるのですから」
「それが思い込みだったのです。敵は、はるかに狡猾なようです。」
「そんな、ぬし様のためになると思ってここまでしてきたのに。」
「それについては、ありがとうございました。ジャガーさんにアドバイスをして、ユーリに護衛を派遣して、たくさんのフォローをしてもらいました。それはパムさんの功績です。」
「はい、ありがとうございます。」
「でもこれからしようとしていることは、私の考えにはないことです。」
「しかし、戦争を止めて、永久にあの地で幸せに暮らすにはこれしかないと・・・」
「どうしてこれしかないと思いましたか?」
「ええ、どうしてそう思ってしまったのでしょうか。」
「それが洗脳だったのです。魔法によるものではなく。言葉により思い込まされたのでしょうね。」
「誰ともそんな話をしていませんよ。もしかして私は、それさえも忘れさせられたということですか。」
「それはわかりません。でも、今考えれば私の望みではないことがわかりますね。」
「はい、」
「なにをしようとしていたか憶えていますか?」
「はい、勇者会議の時に光の柱が会議場のそばの都市に打ち込まれ、これは魔族の仕業であると言い、この脅威に太刀打ちできる者は、ぬし様しかいないと言うつもりでした。」
「やはりそうだったのですね。」
「私は、なぜそのようなことを。それが一番ぬし様のためになると思い込んでいました。」
「なるほど、その理屈は何か、憶えていますか。」
「このまま会議が開催されれば、魔族が牽制のために何か仕掛けてくると想像しました。その仕掛けによって会議の収拾がつかなくなり、会議がご破算になる。すると戦争が再開される、再び戦争を止める人材としてぬし様に注目が集まる。さらにこの会議を裏で手を引いたのがぬし様だとばれて。その先は英雄に祭り上げられるか、糾弾されるかどちらかであると。そうしないためには、3国をまとめるためには、ぬし様の存在が必要・・・はは、そんなことはありませんね。」乾いた笑いをするパム。
「本当に私のことを家族のことを心配してくれていたのですね。ありがとう。」
「いえ、こんな事になって、申し訳ありません。でも、私もぬし様が大好きです、愛しています。これまでの恩や愛情にどうやれば報いられるのかずっと悩んでしました。なのに・・・」パムは膝をついて、私にすがり、声も出さずになく。私は再び強く抱きしめてこう言った。
「私はね、幸せ者なのですよ。パムみたいな誠実な人と巡り会い、愛してもらっています。それ以上求めるものは無いんです。ですからそばにいてください。無理しないでください。」
「はい、はい、大好きです、愛しています。ずっとずっと私もそばにいたいです。」
パムは私の口に強くキスをする。私もそれに応えてさらに抱きしめる。長い長いキスをしています。しかし、息がつまったのか、唇を離すパム。
「ぬし様肺活量すごいんですね。」
「パム、キスの時は鼻で呼吸しても良いんですよ」
そう私が言うとパムは真っ赤な顔になって下を向いてしまう。
「ごめんなさいね。そんな簡単なことも教えられない私です。」
「いいんですひとつ勉強になりました。」
「では、私達は帰りましょう。」
「いいえ、やはり最後まで見届けませんか。いや、ぬし様はここにいたら不都合がありますね。私がひとりで残ります。結果をこの目で見届けたいのです。こんなことがあったのに許されないとは思いますが。ぜひお願いします。」
「わかりました。では、パムがいるのなら私がいても同じでしょう。私達は、隠れてそでのほうで見ていましょう。」
「はい。では、それをジャガーさんとフェイさんに告げて参ります。」
「私は、ここで待っていますので、あとで会いましょう。」
「ふたりだけは初めてですね。」
「ああそういえばそうですね。ちょっと緊張してきました。」
「いえ、協定がありますのでそれは我慢します。ではあとで」
『ずるい~』とエルフィの声がします。
『なんじゃ、おぬしがそこに残るなら、意味がなかろう。最初の前提が崩れるであろう。』
『なら私達が行っても良いわね』
『そうです僕も一緒にいたいです。』とレイ
『あの~僕も行って良いですか?』
『おやユーリですか。元気にしていましたか。』
『はい。僕もそろそろそちらに合流したいのですが。』
『そっちはカタがついたのか?まだ停戦にはなっておらんぞ。』
『うちの傭兵団のリーダーから話がありまして、この辺に落ち着きたいと考えている者だけ連れてきたそうです。ですので、リーダーと他数名はファーンに帰るのですが、残りの人たちはここに残って生活するそうです。なので、私にもう帰って大丈夫と言ってくれました。』
『ほほう、ユーリよ、ちゃんと言葉にせぬか。』
『モーラ様、まったく。私、ユーリはみんなのところに戻りたいです。寂しかったです。』
『さすがユーリ、素直で良いわね。』
『どうして皆さんユーリさんをいじるんですか。』とレイ
『ああ、レイは、もふる、ユーリは、いじる、エルフィは、反省させると言うところかのう』
『あとあんたは、いじめるね。』
『ああ。違いない。』
『とほほ』
そうして、パムはレティに知らせに行きました。私は、ついつい街をぶらつきます。
そして、ロスティアの宿屋に全員が合流した。そして、宿の裏に結界を張って、久しぶりの露天風呂です。
「やはり全員揃ってやっとしっくりきますねえ。」
「家の湯船も円形にすればよかったんじゃないの?」
「ダメです。岩風呂は円形でも良いですが、檜風呂は四角くなければ。まあ、丸いと桶みたいになるので、私が作ると格好悪いのですよ」
「こだわりか。」
「今回も皆さんバラバラに動き回っていたので、本当に寂しかったですよ。」
「僕もいつ戻れるのかわからなかったので、寂しかったです。」
「家から出たり入ったりしていると~、旦那様が~地下に籠もっていたりして~、会えないんですよ~、家に居ても寂しいなんてつらかった~」
「それは、僕もです。人の世話って大変なんですね。」
「ではこれからは、私のことも気にしてもらえますね。レイ」とメアさんが言った
「ブクブクブク」レイが顔をお湯に沈めて何か言った。一同笑っている。
翌日、私達は、会談場所であるロスティアの首都の横にある平原にある都市に移動した。
「物々しい警備ねえ。」
「仕方ないであろう。不始末でもあったら一大事じゃからなあ。」
「関所が出来ていますよ。」
「そんな物はなかったはずですが。」とパムが驚いている。
「臨時に作りおったな。さすがじゃのう。なにがなんでも成功させるつもりか。」
「そうでしょうねえ。」
大きい方の馬車の3頭立てでその関所に到着すると、人相書きを見ながら兵士達が顔を合わせ
「こちらへどうぞ」と、対応が変わった。
「ばれましたかねえ。」
「おぬしは顔を出しておらんじゃろう。今回はパムが御者をしておる。それだけで対応が変わるか?」
「しかもどうやら会議場へと連れて行かれているみたいですよ。」
そうして到着すると、すでに3勇者達が揃っているようだ。
「どういうことですか。」
私達は馬車を降ろされ、その3組の前に出される。中央のロスティアの王女が跪くと勇者達は全員跪いた。
「ようこそいらっしゃいました。旅の賢者様いえ、マジシャンズセブンの皆様。」
「待ってください、私達はそのような者達ではありません。」
「はい、存じております。しかし、このような形でないとお話しできないと思い、こちらにおいでいただいたものでございます。」
「ふ、やられたのう。さすがにここまで読まれていてはどうにもならぬな。では、会議におぬしの頭にあるオブザーバーとして参加しようではないか。」
「腹をくくるしかありませんね。皆さん立ってください。私達は、会議には何の権限もありません。その事は念を押しますがよろしいですね。」
「はい、そのように聞いております。」
「パムさんまさか」
「いいえ、私も洗脳が解けてからはなにもしていません。」
「まあいいわ、とりあえず会議場へ行きましょう。とっとと会議を終わらせましょうか。」
「ありがとうございます。では、こちらへ。」
『どうやらこやつら全員が』
『ええ、そうみたいね。これは、やられたわね。まあ、なるようになれね』
『しかたありません。』
そうして、会議は開催された。
-続く-
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