一億回の転生者

きのっぴー♪

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第一章「『魔法少女☆マジカラ』編」

第9話(Bパート)

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「…という訳で、一旦話を整理しましょうか」
「かさみちゃんの様子は?」
「先生によれば気絶してるだけだそうで、一先ずベッドに寝かせました」
「良かった…」
怪人組織という如何にもな所から宣戦布告という名の戦争の予告を受けた魔法少女達、それに原因不明のまま倒れてしまったかさみ
一行は宣告の後にかさみを案じて学校の許可を得て、帰宅したのだった
アイリスも事の大きさというか学校を出て隠れる必要も無くなったので、通信を一旦切って少女達の目の前に顔を出している
「で、もう率直に言っちゃうけど…どうするのよ?」
「どう…とは?」
開口一番に切り出したゆめみの言葉に首を傾げるのぞみ
「決まってるでしょ?あの厨二放送の事よ、対策にせよ何か考えないと」
「確かに…」
「最初に解決するべきはその問題ッスよねぇ」
今回の中で一番の問題はその放送の事だ
街に攻め入ると街全体に宣告したあの事、もしも本当に実行するのならば最悪の事態も含めて対策せねばならない
「…でも、本当にするのかなぁ」
「どういう事です?」
だがしかしその宣言事態を疑う声も無くはなかった、故に『もしも』なのだ
「だってあんな敵に回す事大々的に言う必要ないでしょ普通、戦略ゲーでもやるならコッソリ準備して一気に襲撃!…の方が確実だしさ
なーんか罠って感じもするんだよなぁ、態々大袈裟にって感じ」
「おぉ…毎度毎度ッスけど、こういう時だけはバカじゃなくなるんスね」
「頭カチ割ったろか」
そりゃあ普通はこんな宣告なんてせずにいきなり襲撃の方が確実ではあるし、そもそもそんな敵に塩を送るようなマネは誰もしないだろう
何よりその方が絶対かつ確実に勝てるから
そうなると何故、そんな嘘をついたという事になるのだが…
「いや、それは無いわね」
そう思っていた瞬間、ゆめみがそれをバッサリと否定する
「どうしてですか?」
「そもそもの話、私達はアイツら自体知らなかったのよ?
罠なら宣戦布告なんてしなくてももう少しやりようはあったでしょ、組織自体を偽って何処かに誘い出して私ら倒してから街を…とかさ」
まぁ知名度的にもネダスというのは街の皆も勿論のこと知らない様子、ましてそもそもそれ関連の担当であるアイリスも無知識であったのだ
「いやでも、アイツらがその事誤解しててポカミスしたって線は…」
「アイツら怪人使って監視してるって言ってたし実際に状況も把握してたでしょーが、なら私達も前からある程度監視はしてんでしょ
それに前からジャドーが私達と話してる手前、それは考えにくいわよ」
勿論ジャドーが元々バカだったという線もあるし、監視もその場だけしかしてなくてただのハッタリ…いやそもそも此方の過大解釈かもしれない
だが無いと言い切るのは流石にとしても、攻め入る可能性のが妥当だろう
「まぁ罠にせよ何にせよ、何かしらの準備はしておく必要があるわ」
「それもそうですね…対策は必要かと」
「しっかしアレ以上に大規模になると街自体が今頃エライ事になってる気もしまスが…とりま私の仲間にも協力を取り合ってみまス」
「頼んだわアイリス」
言葉を皮切りにそれぞれはゆめみの主導でやる事ドンドン決まっていく
対策をどうするかは兎も角やるべき事をやるだけするのが一番だ、そう言わんが如くスパスパと魔法少女の対策計画が進められていった
「さて、そっちはどう対策するのかしら?




ただしさん」
「毎度言うけど俺を勝手に巻き込まないでくんない?」
ただしが住んでいるアパートの一室にて
「そうは言いまスけどね、今更そんな事出来ないでスって
魔法少女を凌駕する力があるならそりゃあ…味方に入れたくもなるッスよね?」
「その場合一度事務所を通してからまたの起こしをお待ちしております」
「わぁおこれまでになく事務的な完全拒否」
いよいよさり気なく魔法少女とはほぼ無関係の人の家に上がり込み作戦会議室にするのが定例と化したところで
「まぁただしさん家が私達の秘密基地なのは置いておいて…」
「置いとかないでくんない?」
「置いといて!」
強引に脱線した話を戻しながらも、ただしから目を逸らしつつ目の前の問題である作戦会議を再開しようとする
勿論人の家に入るのは問題じゃないのかとかは無視の方向で
「…で、お前らの問題ってのは何?あの五月蝿かった県内放送の事か?」
「あっは…はい、私達も訳が分からないのですが…」
この場にいる全員はひとまず、一応居るただし含めて一度状況や事の始まり等を一旦全て整理した
「はぁ…成程ねー、随分とメンドーな事に巻き込まれてんじゃんw」
「草生やすな」
まるで無関係の如く部外者顔をしながら言い放つただし、いや確かに実際部外者に近いのだが
しかし問題自体は割とデカく、寧ろヤバすぎる案件
「しっかしどうすれば…」
何から手を付ければ良いのか分からず時間も限られている上に人でも全く足りない、魔法少女達はただひたすらに悩んだ
敵の軍勢から街を守り、もしくは罠を暴くにはどうするのが良いか…と

「まぁそうなるとやる事は一つしかないよな」
「そうです…えっ、一つ?」
するとただしがいとも簡単そうに、またも空気をぶち壊す言葉を放った
「…どうしてそう思ったのかしら?」
「え?まさか気づいてないのお前ら、本気で?」
いやに煽ってる…雰囲気ではなく、多分ほぼ素で首を傾げている目の前の男
どうやら突破口が思いついたというか何かに気づいたらしい
「教えて達八先生!」
「誰が腐った蜜柑だこの野郎」
「それ違う、生徒の方ッスそれ」
「いや生徒の方も腐ってないですけど!?」
何て小ネタを挟みつつ泣きながら助けを乞い始めるかない
「ヒント、せめてヒントだけでも!」
「ヒントだって?いやそんなモン…
えっと、あのでかい声の…カルナだっけ?アレが言ってた事思い出してみ」
「言ってた事…?」
魔法少女メンバーの各々は何度も頭の中で思い出しながらヒントになりそうなものを探しているも、見つかる気配がない
そんなこんなで最初に音を上げたのは勿論赤の少女
「あぁもう分からん!タダえもん何とかして!」
「俺が言えた義理じゃないけどいい加減怒られろ」
泣きつき縋り付くその姿はまさに駄々っ子
「しっかし、かないじゃないけど分からないわね…」
『何かあったッスかねぇ…?』
「教えてくれませんか?ただしさん」
そして次第にゆめみよとのぞみもも分からないとただしに聞き始め、そして勿体ぶっていたただしもやっとそれに答える
「えっとな…あのカルナとかいうヤツ、確か『自分は側近と城で様子でも見てますよ』的な事を言ってただろ」
「そういえば確かに言って…たッスねぇ」
ただしの言う、カルナの言葉はこうだ
『ボクと幹部達は北の拠点でその様子でも眺めさせてもらうよ、精々街をちゃんと守りきっておく事だね…くふふふっ』
と、そう魔法少女はおろか街全体にまで言っていた
一見するとただ魔法少女のメンバーをおちょくっているだけにしか聞こえない、が実はコレにヒントが隠されていたのだ
「宣戦布告が陽動ってのならまだ分かる…さて、では改めて問題です
どうして敵は正体どころか?」
「…あぁっ!」
ようやく合点がいったのか、先に声を上げたのはのぞみだった
「それもわざわざ別の場所に居るって言ってるんだぜ?こりゃつまりだ
当然誘ってんだろ、敵のボスが雁首揃えてよ」
「「「「!!!!」」」」
つまり話をまとめてみると、だ
怪人組織ネダスのボスであるカルナは魔法少女を遠回しに招待し自分の城にわざわざ幹部と共に待ち構えている、という事になる
「さ、流石ただしさん…
凄くなろう小説とかに割とそこそこ居るくっさい主人公っぽいドヤ顔みたいな表情になってるよ」
「うっせぇチートの専売特許だそんなもん」
確かにそれっぽい雰囲気は結構あるけども、否定はしないけども
「い、いやでもそれも罠って事も!」
と、此処でアイリスがさっき出たまるっきり似た様な質問を投げかける
が此処でただしはそれを即座にキッパリと否定した
「流石に回りくどいわ、それに…」
「それに?」

「さっき行ってコッソリ確認してきたからね、確実に居るねアレ」
「「何してんだお前!!!?」」
「…正直やらかすと思ってましたッス」
「あ、あはは…」
そりゃあ勿論サラッと何食わぬ顔で如何にもなヤバい事を言うのはなろうチート主人公の基本技術ですよね
とまぁ、それさえ分かればという事はするべき事と言ったら
「うんまぁ、過程はどうあれ…そうと決まればやる事は一つ!」
「何をするんですか?」
かないが徐ろに立ち上がり、気を取り直して言う
「決まってんでしょ、そのネダスとやらに乗り込み!
そして一気にカルナとかいうふざけたやつをぶっ飛ばぁす!」
そう、分かりやすく簡単に言えばただ敵陣地に正面から一気に殴り込んで敵のボスに降参宣言させるという手なのだ
かないが言い放った瞬間、今度はゆめみとのぞみが反論し始める
「いやいや待ちなさいよちょっと、早合点し過ぎだって!」
「そうですよそれは流石に不味いですよ!」
「どうしてさ!」
そりゃあ突撃だけって脳筋プレイで上手くいくわけがない
「まず待ち構えてるって事はそれ相応の罠もあって当然でしょ、下手をしたら街に行く筈の怪人も居る可能性もある…
どう考えても死にに行くようなもんでしょうが!」
「そ、そんなもん…魔法でどうにかすりゃあ良いでしょ」
「いやそれ結局だたのゴリ押しッスけど」
かないから出た言葉は当然の如く如何にも能筋的な考え
「そ・れ・に!街はどうすんの、さっき出て来た巨大なアレ以上に怪人が攻め込んでくる可能性だってあるのよ!?」
「うっ…それは、その…」
だがやはり幾らバカだとしても怪人が攻め込んでくる可能性がある以上、どうしても最後に突っかかって来るのはその問題である
敵の本拠地でボスを倒さないと怪人は退散しないのに肝心の攻め込んでくる怪人を対処しないといけない、というジレンマ
その問題が特に、かないを悩ませていたのだった
「うぐぐ…」

「仕方が無いなぁ、かな太クンは」
「オイ待て誰がテスト0点の運動音痴眼鏡小学生だ」
「テスト0点の所はあながち間違ってないッスけどね」
「シャラップアイリス!」
と、此処で危険球っぽいダミ声を挟みつつも助けに入るはまたもやただし、二つの問題を一体どうやって解決するのか
「取り敢えず罠は兎も角怪人が街に行くかは見て判断出来るだろ、もし来たならその直後にバレないように回って目的地に行けば良い」
つまりはこうだ
敵が大勢来るとなると流石にアイリスの探知にも引っかかるし人の目で視認も出来る、ならば街を襲う軍勢が来たと同時にバレないように裏からコッソリ行く
これならば街を襲いに来たのをきちんと確認した上で、そのまま敵のボスの元へ行く事が出来る、という事なのだ
安直ではあるが確かに確実にではある、だが
「あのね?怪人が攻め込んでる時にわざわざ無視して行くなんで出来るわけ無いでしょ、もう少し考えてから物を言いなさいよ…」
ゆめみの言う通り魔法少女がそっちに行ってしまえば当然ながら敵の軍勢は街を襲いにかかるだろう、それを放っておく事も出来まい
まぁもっとも…
「面倒臭ぇーなぁー…

もう俺がソイツら倒しとくから勝手に行ってこいよ」
「わぁーい、強力な助っ人だぁー…」
この人居ればそんなもん、有って無い様なものなのだが
だがこれで一応何とか街に関しての心配は全く無くなったと言っても良い、寧ろ攻め込んでくる怪人のが心配すべきなレベルで 
「ま、要約するとコッチは俺がテキトーに何とかしておくからソッチはさっさとラスボスでも倒して来いって話よ」
「いやま、まぁ助かるんスけど…何か腑に落ちないッス」
「ほんとそれな、略してほんそれ」
最早略す必要無いですよね、それ
と、そんな感じで魔法少女達は何かこうもにょっとした気分になりながらも、何とか解決策を見いだす事に成功したのだった
しかし勿論まだやる事はある、明日の準備が
「さてっと、そうと決まったら準備してこなくちゃね
朝来る可能性もあるし夜通しで泊まる必要もあるわね、明日の学校も休むってお母さんに言う必要もあるわ!」
「そうだね、泊まる場所はそのまんま正さん家ココで良いでしょ」
「えっ」
やる事が出来て張り切り出すゆめみ、家主の許可なくかつさり気無くそのまま他人の家にお泊りしちゃおうとしてるかない
それぞれ明日へと思惑を露わにしつつ行動に移し始めた
「それじゃあ私も学校と両親に連絡してきますっ!」
「私は町中の仲間達に声をかけて来ますッス!」
のぞみもアイリスもそれに乗じる様にそそくさと立っていく
「家主の意見ガン無視か君ら」
イエのヌシの意向っつか都合ごと全力でおもっくそガン無視しながら
しかしまぁそれでも何とか目標がアバウトながらも大体決まった魔法少女達は、次の日の対決に向けて準備に取り掛かろうとするのだった




「っとと、ちょっと待て」
と、魔法少女達が行動に移そうと部屋を出ようとした時、何故かただしがそれを引き留め何かを伝えようとする
「どしたの?この部屋でお泊まりは決定事項だよ?」
「いやそれも勝手にやめてくんない?てかそうじゃなくて…」
また何かとんでもない事かと、ただしの言葉に全員の足が止まった
「っつってもまぁ…そこまで重要な事じゃない」
お前がそう言ってコッチが重要じゃない事なんて絶対無いだろ、と言いかけるも寸でのところで飲み込み静かに聞きに回る四人
そんな中でただしが言い出した事とは
「ただちょっとさ
お前ら、家族とか…親しい奴なんかに挨拶くらいはしておいておけってな」
意外にも本当に大した事なくて、しかも唐突なものだった
「はいぃ?何で急に…」
その言葉が最初に聞いた四人全員の思った事だった
「んにゃ、今生の別れってワケじゃねーんだけどさ…まっ一応気合を入れるために残す事無い様にってな」
どうやらただしが言っているのは、デカい戦いになるなら思い残しとかをキチンと無くしてからにしろって事らしい
どう考えても大げさすぎるといえばいえるのだが
「そりゃ幾ら何でもやりすぎだって、ただの怪人退治でしょ?」
「そうよ、確かに事は大きいけどそんな最終決戦みたいな…」
なんて冗談かと思ったのか、かないがへッと笑い飛ばそうとしつつそのの横でゆめみがフラグめいた発言をしだすと

「…………」
その回答にただしはただ黙りながらにっこりと笑顔で返した、実に清々しそうな妙に気持ちのいい満面の笑顔を
そしてその瞬間、部屋の中がこれまた妙な空気になる
まるで、『アレ、これマジなやつじゃね?』という様な感じの
「…………
…あ、私ちょっと用事思い出したからちょっと遅れるわ」
ゆめみがわざとらしく、そそくさと部屋を出ようとする
「え、あっちょ…わ、私もッス!」
「へっ?あ、あのその…じゃあ私もですっ!」
「待った待ったかかさみちゃん回収すんの忘れてるから、てかお願いだから私だけ置いてかないでよぉ!」
それに続いてアイリス、次にのぞみ…と未だに寝てるかさみを置いて連中は足早にさっさと出て行ってしまった
「…ふぁあ、どうしたのかない」
「は、早く行くよかさみちゃん」
「えっ、ちょ」
そしてかないも丁度良くやっとこさ起きたかさみを連れて部屋を出る、一応かさみも結構な重要ワードをついさっきポロリと置いていたのだが、そんなモンお構い無しにと言わんばかりに
「…ふっかけすぎたか?」
当然の結果です




ーーーーー

それから魔法少女達の行動はかなり早かった
泊まりの準備に様々な用意をした他に、ただしが言った通り本当に悔いが残らない様にきちんとかつ自然に軽い挨拶だけをしていった
勿論魔法少女の事は内密のままに、だ

ある場所では自分の家で両親に
「お母さんとお父さん、私今日からちょっと友達ん家に数日泊まるわ」
「ちょっ、急に言わないでよ!夕飯の買い出ししてきちゃったじゃない!」
「母さんの言う通りだ、もう少し早めにだな…」
「ご、ゴメン!二日後には戻るから!」
「あっ待ちなさい!」
(そう、必ず…戻ってくるから)
またある時には馴染みの喫茶店で店長に
「店長、私今日からちょっと…」
「…何かあったんだろう?
ならちゃんと済ませてまた来れば良いよ、私はずっと待ってるからね」
「店長…
…せめて傍に置いてある【イヤーンな本】隠して言ってください」
「正直雰囲気で誤魔化せると思ってたよ」
「そうですか、ぶっ叩いて良いですか?」
「辛辣!?」
(でも…ちゃんとまた、戻ってきます)
またまたある時には色んな場所の仲間達に
「えーという訳で魔法少女担当こと私アイリスは明日、敵の拠点に魔法少女達と共に制圧に向かう事に決めたッス」
「おう、ポッとでの怪人なんぞ俺たちに任せなァ!」
「普段は隠れてるけど、念の為こっそり皆で貯めてた魔力で倒すよ!」
「「「「打倒自称怪人組織!えいえい、オォーッッ!!!!」」」」
「えっいやあの、ただしさん居れば充分なんでスけど…」
(…まぁでも、これ程頼りになる奴等もそう居ないッスけどね)
という感じで各々は挨拶や準備などを急ピッチでどんどん進めていく
そうして色々やっているウチに辺りはすっかり暗くなっていき、気づいた頃には街中の時計の針は既に六時を回っていた

…だが二人、準備だけを終わらせて部屋に戻り退屈している者も居る
「まぁそもそも私家族死んでるし顔合わせる人も居なかったわ」
「記憶喪失だけど、同じく…」
「よくそんなサラッとクソ重い事を言い出せるなお前等」
という感じでかないとかさみの二人はそんな訳でさっさと家に帰りお泊まり用具を持って、結局なんだかんだでちゃんと全員が集合するのを待っているただしとダラダラしているのだった
「にしても暇だなー、何かゲームとかないの?」
「お前此処俺ん家って分かって言ってる?」
それもまるで自分の家かの様な遠慮のなさ、少し前まで引きこもっていた少女の面影なんてもう何処にあるのやら
そういった感じで、残りの三人の帰りを待っている
「はーやーくーこーなーいーかーなー、っとニン〇ンドーS〇ITCH発見」
「私も、やりたい…」
「もうやりたい放題だな君達」
そしていよいよ挙句の果てには勝手に部屋の物を漁り出したのだった

とそんな時、ふとかないはそこら辺を適当を弄り回しながらもかさみの方に気になっていた事を軽く聞きだす
「っとそうだかさみちゃん、そういえば気になってたんだけど…
教室で倒れたじゃんか、アレ結局なんだったの?」
さっきそのままスルーされた、教室でかさみが突然倒れた件の事だ
そんな軽く聞く事では…というのは最早いつもの事ではあるが
「…さぁ?」
「いや、さぁって…サラッと聞いたのは私だけどさ」
しかし実際に聞いてみると、かさみ自身が首を傾げていた
「あの時何か思い出したとか無いの?いかにもなタイミングだったし
例えばあのボスがかさみちゃんの幼馴染だったとかさー」
「毎回毎回結構な無茶言うよね君」
気絶しててそんなもん思い出すのも難しいだろうに、 かないは部屋漁りを一旦止めてかさみに徐々に詰め寄っていく
「えっとその、分からないの…思い出そうとすると、頭が痛くなって…あの声、何処かで聞いた事が…ある様な気も、するんだけど」
何とか平静さを保ちながら少しずつ話し続けるかさみ
だがどうしても思い出そうとすると倒れてしまうのか、頭を抑えている
「何処か、懐かしい様な…
っぐ…あぁっ、がっ…!」
「か、かさみちゃん!?」
そして遂にはその場で、膝から崩れ落ちてしまった
「やーらかしたやーらかした見えてたフラグなのにやーらかしたー」
「うるせぇ早くかさみちゃん介抱しろや!」
自分で巻いた種なのにやれとはどういう事か、分からなくは無いが
かないはよっこらせと面倒臭そうに立ち上がったただしと共に、再度倒れたかさみを慎重に寝かせ何とか落ち着かせた
「まぁ様子からするにただの記憶の混濁だろ、少し寝りゃ治る」
ただしは少しばかりかさみの容体を見てそう言った後、眠たそうにまたさっきの場所に胡坐をかいて座った
「ゴメンねかさみちゃん、私…」
「…大丈夫、それより…頼みがあるの」
「な、何?」
かないの脳裏に嫌な予想が浮かんでくる
「明日…私も一緒に、連れてって」
そしてそれはものの見事な位に、しっかりと的中した
「…だ、駄目駄目駄目駄目っ!あの巨大なスライム怪人よりも更に強いやつが居るんだよ、絶対に連れてけないって!」
勿論の事にかないは口に出された途端に怒鳴り込む勢いで猛反対し、何が何でも連れて行かないと言い聞かせようとする
それもその筈、今のかさみはただの一般人もいいとこだ
「も、もしかしたら…私とあのカルナって子、何か関係があるのかなって…」
「だから駄目だって言ってるでしょ!多分だけどかなり危ないの!
それにかさみちゃん、この前みたいに魔法少女に変身も出来ないでしょ!?それなのに行くなんて駄目、危険すぎるって!」
「…あぅ」
強く釘を刺されたかさみは下に俯き明らかに落ち込んだ
「うっ…そんな顔しても駄目!下手しなくても死んじゃうって!」
しかしかないも折れない、というよりかは自分のトラウマ的な過去もあってか絶対に死なせたくないから止めている様に見える
そんな様子の二人に、またただしが見兼ねて間に入ろうとすると…




「…連れて行けば良いじゃないのよ」
「!?」
ふとかない後ろが背後からの謎の声に気づき、振り向く
そこに居たのは、色々な準備と挨拶回りその他諸々がやっとこさ終わり戻ってきたゆめみとのぞみとアイリスの三人だった
「ゆめみちゃん帰ってきてたのね」
「丁度そこで二人と合流しててね、話は全部聞いてたわ」
ゆめみ含む三人が部屋に入り荷物を置いた後、すぐにわざわざかないの目の前に座った
「いやいや何でさ、連れて言ったら即アウトだよ?コンテニュー一回のみのオワタ式だぞこの子」
「ちょっと何言ってるか分かんないです」
「何で分かんねぇんだよ!」
ゲーム用語たっぷりで解読難な文章はさて置くとして、普通に考えればかさみを連れていくのはかないの言う通り難しい
しかしゆめみは何故か仕方ないという感じでサラッと許している、彼女ならば真っ先に止める筈なのにこれはどういう事か
「や、本当に何で?普通止めるやん?」
「だから何語よ、というかだってさ…

かないと似て何かすっごい意地でも来そうだもん」
「あぁ…」
「ちょっとオイ、待てオイ」
良く考えたらそりゃそうかとでも思ってそうな顔をするただしと今にも文句でも言いそうな様子のかない
まぁ実際そこそこ納得な答えだった
「そんなバカな事あるか、幾ら私でもそんな事しない!」
「多少の自覚はあったんですね」
「かさみちゃん!?」
此処で偶に出てくるのぞみの言葉の火の弾ストレート
「兎に角やらないって、ねぇかさみちゃ…」
流石にいたたまれなくなりかさみに無理矢理話を投げるかない、だがこの時点で振った時点で結果はもうお分かりだろう
「かさみさん、どうッスか?」
「意地でも行く、かないならやると思うから…」
「ほれみた」
「アッレ私そんな破天荒に見えてたのかさみちゃーん!?」
当然の結果である
「…ま、今更何言おうと決まった事なんだから覚悟決めなさいよ」
「畜生後で覚えとけよこの野郎」
「正論言っただけなんスでけど」
往生際が悪かろうが既に背水の陣と化したこの空気には、幾らかないでもどうする事も出来ない様だ
「はぁ…分かったよ、ただし絶対に私達の傍から離れないでよね」
そしてこの状況になって、かないもやっと諦めてかさみの同行を許した
「…こういうのって、確かにゆめみさんが言う思ってたんですけどね」
「仕方ないでしょ…アイツみたく何か折れそうな気がしないのよ」
「経験者は語るッスねー」
何て呑気な雰囲気の三人
…だが此処はもう既にギャグパート、かないがタダで終わる筈も無し
「だが貴様らは別問題だ、何か腹立つからイタズラしてやるぅー!」
ノータイムで振り返りつつかさみ含めた四人に飛びかかっていくかない
「えっいや…アイリスさんガード!」
「ちょっのぞみさん最近かないさんに毒されtグゥブェッ!?」
「戦略的撤退よかさみ」
「あいあいさー…」
最早場は修学旅行の枕投げモード、時刻は既に六時を過ぎている

「…やれやれだぜ」
ただしは何処ぞの不良学生みたいなセリフを、ため息混じりに吐いたのだった




ーーーーー

…そして、次の日の朝
「…来たわね」
「うん」
街の外れにある海に面した建物の屋上
そこに攻城戦役の魔法少女のかないとゆめみとのぞみとアイリスとかさみ、それに街の防衛役であるただしの全員が揃っていた
魔法少女達は予め既に変身し、いつでも戦える様に戦闘態勢となっている
「にしても、これは…」
そしてそこで目にしたものとは
「はい…流石にちょっと…多過ぎるッスね」
今までのものとは比べ物にならない程の圧倒的な量の暴力、それははまさに怪人の軍勢と言うべきに相応しい程の数だった
壮観ですらあるその光景に、全員が少しばかり仰け反る
「た、ただしさん…」

当然一人を覗いて
「よーしアレ全部やればいいだな、おじさん頑張っちゃうぞー」
「あぁうん余裕で大丈夫そうだわコレ」
普段面倒臭そうにしてる男がガラにもなく片腕ブンブン回しながら張り切ってらっしゃる、というか本気で全滅させそうなのが怖い
味方ながら恐ろしいモンを仲間にしてしまった、改めて四人はそう思った
「そんじゃそんなワケでテキトーにやっとくから、そっち宜しく」
「テキトーて…まぁ良いッス、それじゃあ皆!」
アイリスの掛け声と共に魔法少女達はお互い順に手を重ね合う、云わば出陣前の気合い入れというヤツだろう
「うん!」
「ハイハイ…」
「はいっ!」
「……ん」
アイリスの小さな手の上にそれぞれかない、ゆめみ、のぞみ、かさみの順に少女達の掌が次々にと乗せられていく
それを横から眺め、フッとほんの少しだけ笑うただし
そして
「っし…それじゃあ

『魔法少女マジカルカラーズ』、ファイッオーッ!」
「「「「オォーーーーッッ!!!!」」」」
五人の大きな掛け声と共に魔法少女達の勝負が今、始まったのだった




「水差すと悪いけど敵近くまで来てるから大声出すとバレるぞ」
「「「「あっ…」」」」
妙な体育会系みたいな変なノリかつ、締まらないオチ付きで

《第10話へ続く…》
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