18 / 65
私の気持ち
しおりを挟む
「ねぇ。いじめてくるのは私が可愛いから?」
えっと…?
「何のことかしら」
アルフレッド様達は剣の実技授業、私とアマンダは刺繍の授業にそれぞれ向かっていると、ルーシーに冤罪をかけられた。
「入学式の日だってアルフレッド様に寮まで案内を頼んだのに、リリーナが勝手に断ったじゃない」
なるほど。アルフレッド様達がいないと敬称がなくなるのね。
「どうせまた身分が、とか言うんでしょ。でも恋をするのに身分は関係ないわ。今はまだアルフレッド様の婚約者みたいだけど、それって幼い時に親が勝手に決めたとかよね? 公爵家だから身分が釣り合ってるとかそんな理由で。今どき許嫁って。ふっ。……じゃないんだから」
今、昭和って言ったわね。バカにしたように笑いながら。
「しょうわ?」
「時代遅れって意味よ」
「一つ聞きたいんですが、ご兄弟はいらっしゃる?」
「は? 一人っ子ですけど」
「お母様は、本邸に住んでいるのかしら」
「当たり前でしょ。なんなのよさっきから」
庶子ではなさそうね。
「例え恋に身分が関係なかったとしても、男爵令嬢だと王族と婚姻はできませんよ」
「そんなのどうとでもなるわ。どこかの高位貴族の養子になればいいんだから」
そんな簡単にいかないのだけどね。教える義理もないし言わないけれど。
「何故、アルフレッド様があなたを好きになるとお考えになったのかしら」
「だって、リリーナってまさに悪役令嬢って感じじゃない」
「悪役令嬢、ですか」
「公爵家で、王子の婚約者。かたや男爵令嬢。よくある話よ」
「言っている意味がよく分からないのですが」
「ふ~ん。なるほどね。まぁいいわ」
そう言って1年生の棟の方へ戻っていった。
「リリーナ…殿下に報告したほうが良いわ」
ずっと側で待っていてくれたアマンダ。
「………言わないわ」
「どうしてなの!?」
恋をするのに身分は関係ない……か。
「報告したら、どんな理由であれアルフレッド様はあの令嬢を気にするでしょう。今はまだアルフレッド様に憧れを抱いている令嬢の一人でしかないのに」
「さっき言われたことを気にしているの? 大丈夫よ。リリーナが公爵家じゃなくても殿下はリリーナを好きになってるわ」
「そんなの、分からないわよ…。私が男爵家だったらきっとその他大勢にしかならないわ…」
「リリーナ…」
そういえば、婚約者に決まった頃はメアリーに横取りされるって思っていたわね。ルーシーが実在したら面倒になるから無難な道を選ぼうって、そう思っていたのに。
メアリーの我が儘で嫌な思いをしても、アルフレッド様と会うだけで嫌な気持ちを忘れてしまえるようになったのは、いつからだったかしら。
ルーシーの存在を思い出し、私は主人公じゃないからって不安に思って。
蜂蜜オイルをメアリーに取られそうになった時、本当はあの時には気付いていたのに。
蜂蜜より、ラベンダーより、薔薇の方が好きなのに。
アルフレッド様が好きな香りを纏いたくて、ずっと同じ物を使い続けていて。
王太子妃になる覚悟はしていたくせに。
心の何処かでモブだからと、ずっと自分の気持ちに蓋をしていた。
私はいつの間にかアルフレッド様を好きになっていたんだ。
「アルフレッド様に会いたい…」
*
*
*
「リリーナ? 何かあったのか?」
「アルフレッド様…」
刺繍の授業を終え教室に戻ると、先に戻られていたアルフレッド様が私の様子がおかしい事に気付いてくれた。
好きだと認めた途端、メアリーなのか、ルーシーなのか、アルフレッド様に憧れを抱いている令嬢なのか、誰かにアルフレッド様を取られてしまうんじゃないかって不安に思う気持ちをうまく隠せない。
自分がこんなにも弱いなんて知らなかった。
「アマンダ嬢」
「はい。先程ホワイト男爵家のルーシー様にお会いしまして…」
*
*
「ダニエル」
「はい。次の担当教員には伝えておきます」
アマンダから話を聞いたアルフレッド様に連れられ、高位貴族専用のサロンへ向かった。
えっと…?
「何のことかしら」
アルフレッド様達は剣の実技授業、私とアマンダは刺繍の授業にそれぞれ向かっていると、ルーシーに冤罪をかけられた。
「入学式の日だってアルフレッド様に寮まで案内を頼んだのに、リリーナが勝手に断ったじゃない」
なるほど。アルフレッド様達がいないと敬称がなくなるのね。
「どうせまた身分が、とか言うんでしょ。でも恋をするのに身分は関係ないわ。今はまだアルフレッド様の婚約者みたいだけど、それって幼い時に親が勝手に決めたとかよね? 公爵家だから身分が釣り合ってるとかそんな理由で。今どき許嫁って。ふっ。……じゃないんだから」
今、昭和って言ったわね。バカにしたように笑いながら。
「しょうわ?」
「時代遅れって意味よ」
「一つ聞きたいんですが、ご兄弟はいらっしゃる?」
「は? 一人っ子ですけど」
「お母様は、本邸に住んでいるのかしら」
「当たり前でしょ。なんなのよさっきから」
庶子ではなさそうね。
「例え恋に身分が関係なかったとしても、男爵令嬢だと王族と婚姻はできませんよ」
「そんなのどうとでもなるわ。どこかの高位貴族の養子になればいいんだから」
そんな簡単にいかないのだけどね。教える義理もないし言わないけれど。
「何故、アルフレッド様があなたを好きになるとお考えになったのかしら」
「だって、リリーナってまさに悪役令嬢って感じじゃない」
「悪役令嬢、ですか」
「公爵家で、王子の婚約者。かたや男爵令嬢。よくある話よ」
「言っている意味がよく分からないのですが」
「ふ~ん。なるほどね。まぁいいわ」
そう言って1年生の棟の方へ戻っていった。
「リリーナ…殿下に報告したほうが良いわ」
ずっと側で待っていてくれたアマンダ。
「………言わないわ」
「どうしてなの!?」
恋をするのに身分は関係ない……か。
「報告したら、どんな理由であれアルフレッド様はあの令嬢を気にするでしょう。今はまだアルフレッド様に憧れを抱いている令嬢の一人でしかないのに」
「さっき言われたことを気にしているの? 大丈夫よ。リリーナが公爵家じゃなくても殿下はリリーナを好きになってるわ」
「そんなの、分からないわよ…。私が男爵家だったらきっとその他大勢にしかならないわ…」
「リリーナ…」
そういえば、婚約者に決まった頃はメアリーに横取りされるって思っていたわね。ルーシーが実在したら面倒になるから無難な道を選ぼうって、そう思っていたのに。
メアリーの我が儘で嫌な思いをしても、アルフレッド様と会うだけで嫌な気持ちを忘れてしまえるようになったのは、いつからだったかしら。
ルーシーの存在を思い出し、私は主人公じゃないからって不安に思って。
蜂蜜オイルをメアリーに取られそうになった時、本当はあの時には気付いていたのに。
蜂蜜より、ラベンダーより、薔薇の方が好きなのに。
アルフレッド様が好きな香りを纏いたくて、ずっと同じ物を使い続けていて。
王太子妃になる覚悟はしていたくせに。
心の何処かでモブだからと、ずっと自分の気持ちに蓋をしていた。
私はいつの間にかアルフレッド様を好きになっていたんだ。
「アルフレッド様に会いたい…」
*
*
*
「リリーナ? 何かあったのか?」
「アルフレッド様…」
刺繍の授業を終え教室に戻ると、先に戻られていたアルフレッド様が私の様子がおかしい事に気付いてくれた。
好きだと認めた途端、メアリーなのか、ルーシーなのか、アルフレッド様に憧れを抱いている令嬢なのか、誰かにアルフレッド様を取られてしまうんじゃないかって不安に思う気持ちをうまく隠せない。
自分がこんなにも弱いなんて知らなかった。
「アマンダ嬢」
「はい。先程ホワイト男爵家のルーシー様にお会いしまして…」
*
*
「ダニエル」
「はい。次の担当教員には伝えておきます」
アマンダから話を聞いたアルフレッド様に連れられ、高位貴族専用のサロンへ向かった。
214
あなたにおすすめの小説
【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!
白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、
《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。
しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、
義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった!
バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、
前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??
異世界転生:恋愛 ※魔法無し
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました
Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。
そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。
それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。
必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが…
正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした
Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。
同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。
さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、
婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった……
とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。
それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、
婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく……
※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』
に出てくる主人公の友人の話です。
そちらを読んでいなくても問題ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる