【本編完結】運命の番〜バニラとりんごの恋〜

みかん桜

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1.プロローグ

 運命だ。


 俺の運命の番。


 アルファもオメガも抑制剤を飲む時代。オメガの抑制剤には自身のフェロモンを抑える成分が、アルファの抑制剤にはオメガに対してフェロモンを抑える成分が入っている。

 だからベータ家系に生まれ、ベータに囲まれて育ち、例えすれ違った人がいい匂いをさせていたとしても、さっきの人の香水、いい匂いだったねってなるだけ。
 そんな環境で、アルファの匂いなんて知る機会なんてなかった。だから運命とか、想像すら困難。

 そう思っていた。

 知ってるアルファもオメガもみーんな芸能人。そりゃ身体的特徴なんかで分かる人もいるけど、推測の域を出ないし。会った瞬間に運命が分かるなんて迷信だって。

 そう思ってたんだよ。

 思ってたのに……会った瞬間、分かったんだ。あいつが運命だって。

 駆け寄りたいと本能が訴えてくる匂いっていうか…あいつが教室に入ってきた瞬間、目が合った瞬間、分かった。多分あっちも気付いたと思う。

 でも俺はベータを装っているから間違っても駆け寄ったりなんてしなかったし、向こうも俺なんかが運命なのが嫌なんだろう、何もしてこなかった。

 ……本当に何もなかったんだ。声をかけられることがないのはもちろん、こっちに来ることすらなく、割り振られた自分の席に向かったんだ。


 アルファの強い独占欲を抑えられるほど、番が俺だって事が嫌なのかな。


 会った瞬間抱きしめられるとか、ドラマや映画の世界だけ。


感想 7

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