18 / 68
16.さすがお兄様!
しおりを挟む
不安に思っていた私はどこへやら、寝て起きたら考えが変わりました。
十分な睡眠のおかげで蓄積していた疲労が回復し、冷静になれたっていう方が正しいかな。ほら、ネガティブ思考って脳疲労が原因だって言うし。
学生生活は前世で経験済みだけど、この体にとっては初めてのことで、気付かないうちに疲れちゃってたみたい。
ぐぅ~。
ポーラに手伝ってもらいながら着替えていたら、お腹がなってしまった。
「………聞こえた?」
「昨日は夕食もとらずにお休みになられましたから」
「聞こえたのね」
髪も整えてから足早に朝食に向かうと、お兄様が既にいらっしゃった。
「おはようございます」
「おはよう。体調はもういいのか?」
「はい!」
お腹すいた~。
あっ! 今日はオムレツがあるのね!
元々、別の食材を入れる発想がなかったオムレツ。それに私は野菜をたっぷり入れて作ってもらっているの。ちなみにお兄様はチーズをたっぷりと。
ウィル様のダイエットのためにお願い! って料理長に頼んだのよね。
本当、頼んで良かったわ。朝から幸せ~!
「ウィルハルト殿下から聞いた」
ん? オムレツの話? じゃ…ないわね。お兄様、神妙な面持ちだから。
「温室でのことですか?」
「そうだ」
クリスハルト殿下の側近であるお兄様も、フラワーさんの情報を共有している。これは…昨日の言動で確実に要注意度が上がってるわね。
そうだわ! 先に私の計画をお兄様に話し、味方にしておきましょう。
「お兄様、私―――」
「王子妃というのは守られているだけではいけないからな。私は賛成する。ただ、必ずウィルハルト殿下の許可を取るように」
「はい。昼食時に話そうと思っていますので、援護射撃お願いしますね? お兄様」
「………俺を巻き込むな」
「イヤでーす」
「ディア」
ため息を吐いているけど、なんやかんや言いつつ協力してくれるって分かってるもんねー。
*
*
そして昼休み。
私のお願いを聞いてくれたウィル様の提案で、王族用のサロンで私達は昼食をとっている。メンバーは王子3人とそれぞれの婚約者、侍従を含めた側近の皆様。
多い…
でもフラワーさんのことが落ち着くまでは仕方ない。それに学園在学中の騎士希望者が、順に護衛業務に当たることにしたみたいなのよ。いい予行練習になると騎士団長も大賛成してるんだって。
お昼ご飯、いつ食べているんだろう…? 護衛後? 今度差し入れしようかな。
「ディア、今朝言っていた提案って?」
「あっ、はい。私、フラワー男爵令嬢と友達になろうと思います」
みんな『えっ!』とか『は?』とか、面白いほどに驚いている。
「もちろん彼女の人となりを確認してからです。友人に値しない場合、友人のフリをして情報だけ手に入れようと思っています」
「だめだっ!!」
うん。ウィル様は反対すると思ってたよ。
「最初から素性を明かすつもりはありません」
「だめだ」
「でも彼女の目的を探るべきです」
「ディアがする必要はない」
温室で見聞きしたことから、不明点が残るが私の推測が正しいのでは? と昨日話し合ったことをお兄様から聞いている。
これ以上の情報を手に入れるには、彼女に近づくのが手っ取り早い。だからきっと女性の影を潜入させる話もあがったと思う。
でも正直…更生の余地ありなら、本当に友達になりたいと思っちゃったのよね。さすがに言えないけど。
「俺が探る」
「それはだめです!」
「なぜ?」
「危険だからです」
さすがヒロイン、見た目は可愛かったもの。何があるか分からないし、ウィル様を近づけたくない。
「ディア自身も危険だと認識している相手に、なぜ近づこうとするんだ」
「それは…」
私が一番適任だからです。
「発言しても?」
「ブライアンか。構わない」
「ウィルハルト殿下。女装をする覚悟はありますか?」
はっ? お兄様!?
「どういう意味だ」
「殿下は妹1人を危険にしたくない。そして妹は殿下を……恐らくその男爵令嬢に取られたくないのでしょう」
「お、お兄様っ!!」
「なんだ。違うのか?」
違わないけどさっ。それを今言う!? 援護射撃ていうより私が攻撃されてる気分なんだけど!
「そうなのか?」
ほらぁ。案の定、嬉しそうなウィル様が膝の上に乗せてくるじゃん。人が多いところでは恥ずかしいって何度も言ってるのに。
「ブライアン、続けろ」
クリスハルト殿下も無視せず、弟を注意してほしいんですが。
「はい。ウィルハルト殿下の顔立ちは側妃様に似ておられます。また成長途中の殿下の身長も、高身長の女性だとごまかせる範囲でしょう。ですので妹と2人で近づくのはどうでしょうか。ご存知の通り妹は頑固ですので」
「なるほどな」
「兄上!?」
さすがお兄様! その手があったか! もうっ。今朝教えてくれたら良かったのに。
「ではまずは2人に任せよう。ノエルも頼んだぞ」
「はい。お任せください」
実際に奇怪な行動を目にした、ラインハルト殿下やサブリナ達は心配そうにしている。大丈夫よ。私、誰のことも悪役令嬢になんかしないから。
「はぁ…。殿下、くれぐれもディアが暴走しないようお願いします」
「分かっている」
お兄様もウィル様も失礼ね。気にしないけど。
「ウィル様、お揃いのドレスを仕立てましょうね?」
「はいはい」
がっつりメイクして、ウィル様を完璧な令嬢にしよう。ウィッグと眼鏡を手に入れて…。
「もし目の色に疑問をもたれたら、遠い国出身でその国では一般的な色だということにしましょう」
「……ディアが楽しそうでなによりだよ」
十分な睡眠のおかげで蓄積していた疲労が回復し、冷静になれたっていう方が正しいかな。ほら、ネガティブ思考って脳疲労が原因だって言うし。
学生生活は前世で経験済みだけど、この体にとっては初めてのことで、気付かないうちに疲れちゃってたみたい。
ぐぅ~。
ポーラに手伝ってもらいながら着替えていたら、お腹がなってしまった。
「………聞こえた?」
「昨日は夕食もとらずにお休みになられましたから」
「聞こえたのね」
髪も整えてから足早に朝食に向かうと、お兄様が既にいらっしゃった。
「おはようございます」
「おはよう。体調はもういいのか?」
「はい!」
お腹すいた~。
あっ! 今日はオムレツがあるのね!
元々、別の食材を入れる発想がなかったオムレツ。それに私は野菜をたっぷり入れて作ってもらっているの。ちなみにお兄様はチーズをたっぷりと。
ウィル様のダイエットのためにお願い! って料理長に頼んだのよね。
本当、頼んで良かったわ。朝から幸せ~!
「ウィルハルト殿下から聞いた」
ん? オムレツの話? じゃ…ないわね。お兄様、神妙な面持ちだから。
「温室でのことですか?」
「そうだ」
クリスハルト殿下の側近であるお兄様も、フラワーさんの情報を共有している。これは…昨日の言動で確実に要注意度が上がってるわね。
そうだわ! 先に私の計画をお兄様に話し、味方にしておきましょう。
「お兄様、私―――」
「王子妃というのは守られているだけではいけないからな。私は賛成する。ただ、必ずウィルハルト殿下の許可を取るように」
「はい。昼食時に話そうと思っていますので、援護射撃お願いしますね? お兄様」
「………俺を巻き込むな」
「イヤでーす」
「ディア」
ため息を吐いているけど、なんやかんや言いつつ協力してくれるって分かってるもんねー。
*
*
そして昼休み。
私のお願いを聞いてくれたウィル様の提案で、王族用のサロンで私達は昼食をとっている。メンバーは王子3人とそれぞれの婚約者、侍従を含めた側近の皆様。
多い…
でもフラワーさんのことが落ち着くまでは仕方ない。それに学園在学中の騎士希望者が、順に護衛業務に当たることにしたみたいなのよ。いい予行練習になると騎士団長も大賛成してるんだって。
お昼ご飯、いつ食べているんだろう…? 護衛後? 今度差し入れしようかな。
「ディア、今朝言っていた提案って?」
「あっ、はい。私、フラワー男爵令嬢と友達になろうと思います」
みんな『えっ!』とか『は?』とか、面白いほどに驚いている。
「もちろん彼女の人となりを確認してからです。友人に値しない場合、友人のフリをして情報だけ手に入れようと思っています」
「だめだっ!!」
うん。ウィル様は反対すると思ってたよ。
「最初から素性を明かすつもりはありません」
「だめだ」
「でも彼女の目的を探るべきです」
「ディアがする必要はない」
温室で見聞きしたことから、不明点が残るが私の推測が正しいのでは? と昨日話し合ったことをお兄様から聞いている。
これ以上の情報を手に入れるには、彼女に近づくのが手っ取り早い。だからきっと女性の影を潜入させる話もあがったと思う。
でも正直…更生の余地ありなら、本当に友達になりたいと思っちゃったのよね。さすがに言えないけど。
「俺が探る」
「それはだめです!」
「なぜ?」
「危険だからです」
さすがヒロイン、見た目は可愛かったもの。何があるか分からないし、ウィル様を近づけたくない。
「ディア自身も危険だと認識している相手に、なぜ近づこうとするんだ」
「それは…」
私が一番適任だからです。
「発言しても?」
「ブライアンか。構わない」
「ウィルハルト殿下。女装をする覚悟はありますか?」
はっ? お兄様!?
「どういう意味だ」
「殿下は妹1人を危険にしたくない。そして妹は殿下を……恐らくその男爵令嬢に取られたくないのでしょう」
「お、お兄様っ!!」
「なんだ。違うのか?」
違わないけどさっ。それを今言う!? 援護射撃ていうより私が攻撃されてる気分なんだけど!
「そうなのか?」
ほらぁ。案の定、嬉しそうなウィル様が膝の上に乗せてくるじゃん。人が多いところでは恥ずかしいって何度も言ってるのに。
「ブライアン、続けろ」
クリスハルト殿下も無視せず、弟を注意してほしいんですが。
「はい。ウィルハルト殿下の顔立ちは側妃様に似ておられます。また成長途中の殿下の身長も、高身長の女性だとごまかせる範囲でしょう。ですので妹と2人で近づくのはどうでしょうか。ご存知の通り妹は頑固ですので」
「なるほどな」
「兄上!?」
さすがお兄様! その手があったか! もうっ。今朝教えてくれたら良かったのに。
「ではまずは2人に任せよう。ノエルも頼んだぞ」
「はい。お任せください」
実際に奇怪な行動を目にした、ラインハルト殿下やサブリナ達は心配そうにしている。大丈夫よ。私、誰のことも悪役令嬢になんかしないから。
「はぁ…。殿下、くれぐれもディアが暴走しないようお願いします」
「分かっている」
お兄様もウィル様も失礼ね。気にしないけど。
「ウィル様、お揃いのドレスを仕立てましょうね?」
「はいはい」
がっつりメイクして、ウィル様を完璧な令嬢にしよう。ウィッグと眼鏡を手に入れて…。
「もし目の色に疑問をもたれたら、遠い国出身でその国では一般的な色だということにしましょう」
「……ディアが楽しそうでなによりだよ」
143
あなたにおすすめの小説
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
好きだった人 〜二度目の恋は本物か〜
ぐう
恋愛
アンジェラ編
幼い頃から大好だった。彼も優しく会いに来てくれていたけれど…
彼が選んだのは噂の王女様だった。
初恋とさよならしたアンジェラ、失恋したはずがいつのまにか…
ミラ編
婚約者とその恋人に陥れられて婚約破棄されたミラ。冤罪で全て捨てたはずのミラ。意外なところからいつのまにか…
ミラ編の方がアンジェラ編より過去から始まります。登場人物はリンクしています。
小説家になろうに投稿していたミラ編の分岐部分を改稿したものを投稿します。
白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!
ユウ
恋愛
辺境地に住まう伯爵令嬢のメアリ。
婚約者は幼馴染で聖騎士、親友は魔術師で優れた能力を持つていた。
対するメアリは魔力が低く治癒師だったが二人が大好きだったが、戦場から帰還したある日婚約者に別れを告げられる。
相手は幼少期から慕っていた親友だった。
彼は優しくて誠実な人で親友も優しく思いやりのある人。
だから婚約解消を受け入れようと思ったが、学園内では愛する二人を苦しめる悪女のように噂を流され別れた後も悪役令嬢としての噂を流されてしまう
学園にも居場所がなくなった後、悲しみに暮れる中。
一人の少年に手を差し伸べられる。
その人物は光の魔力を持つ剣帝だった。
一方、学園で真実の愛を貫き何もかも捨てた二人だったが、綻びが生じ始める。
聖騎士のスキルを失う元婚約者と、魔力が渇望し始めた親友が窮地にたたされるのだが…
タイトル変更しました。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ
みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。
婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。
これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。
愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。
毎日20時30分に投稿
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
最愛の人に裏切られ死んだ私ですが、人生をやり直します〜今度は【真実の愛】を探し、元婚約者の後悔を笑って見届ける〜
腐ったバナナ
恋愛
愛する婚約者アラン王子に裏切られ、非業の死を遂げた公爵令嬢エステル。
「二度と誰も愛さない」と誓った瞬間、【死に戻り】を果たし、愛の感情を失った冷徹な復讐者として覚醒する。
エステルの標的は、自分を裏切った元婚約者と仲間たち。彼女は未来の知識を武器に、王国の影の支配者ノア宰相と接触。「私の知性を利用し、絶対的な庇護を」と、大胆な契約結婚を持ちかける。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる