sweetly

kotori

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後編

7

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そしてなんとか、テスト期間が終わった。

……俺の成績が下がったら、ぜってーあいつのせいだ…

まあ、そんなヘマはしないけど。





テスト前日。

――あのさ先輩…ご褒美とかあったら俺、相当頑張れると思うんだけど

あいつは俺をじーっと見て言った。
なんで俺が?意味わかんなくね?むしろお前が俺にお礼しないといけなくないか?
とは思ったが。

――……なんだよ、ご褒美

――……デート

――……あ゛?

――……じゃなくてー、次の休み、一緒にどこか行けたらいいな~なーんて…

――………

ざけんな、という罵声が喉元まで出かかったけど。

……一緒に出掛けるくらいなら…

その時の自分は、本当にどうかしていた。

――……いいけど、別に…

――……マジで?

吉河の顔が一気に明るくなる。

――マジで?ほんとに?うっそ俺、今なら満点取れる気がする!!

……それは絶対無理だ

――ただし、お前これで赤点だったらまじシバくから。今後一切、口きかねえから

最終的にそう脅しにかかった結果、あいつはなんとか切り抜けたらしい。
まだ結果が出てないので、なんとも言えないけど。

……はやまったかな…





「……すごいじゃない、季一くんっ」

戻ってきた答案を見て、あの人は目を丸くした。

「もー全部先輩とナミエさんのおかげですっ」
「……あれだけやって、四十二位って…」
「俺前のテスト、ケツから三番目だったんですよ?!」

……ああこいつ、ほんとにバカだったのか…わかってたけど…てゆうか、俺すげーな…



あの人が夕飯を作りにキッチンに行くと、あいつはじーっと俺を見た。

「……なんだよ」
「先輩…約束、覚えてます?」
「……なんの?」
「デートの!」
「……デートは知らねえけど、休みにどっか行くって話は覚えてる」

行きたくねーけどな。

「……先輩、嫌?」
「……一応、約束したし」

なんだかんだで、こいつ頑張ってたし。
かなり不本意だけど、仕方ねーからつきあってやるか…。


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