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しおりを挟む平日の昼間だからか、電車は空いていた。
座席に座って心地よい揺れに身を任せていると、なんだか眠たくなってくる。
ウトウトしかけたその時に、ポケットの中の携帯が震えた。
一瞬那波かと思ってどきっとしたけど、LINEは和田からだった。
『さっきの話、梨香には内緒な。あいつ絶対キレるから』
……たしかに、
文面を見て、つい苦笑いを浮かべた。
――自分の気持ちもハッキリしてないのにつきあうなんて、相手に失礼じゃない
眉間にシワを寄せて怒る、梨香の顔が目に浮かぶ。
梨香はつきあう相手はよく変わるけど、恋愛に関しては真剣だしとても一途だ。
――あいつ何気にハマるタイプだよな
いつだったか、和田もそんな事を言っていた。
買い物をして部屋に戻ると、すぐに窓を開けて換気をした。
秋の日差しが心地よく、空がとてもきれいだった。
まるで昨日の雨が、嘘みたいだ。
「………」
昨日風呂に入った後、今度はベットの上でキスをした。
やっぱり胸が痛くなるくらいどきどきしたけど、もう苦しくはなかった。
むしろ気持ちがよくて、頭がぼーっとしていた。
――浩介…
那波は、何度も何度も唇を重ねてきた。
そして、少しだけ赤くなっていた手の火傷の跡にも口づけた。
いつもだったら、何してんだよと押しのけていただろう。
……恥ずかしい…
既にキャパオーバー寸前だったのに、那波は更にありえないことをしてきた。
――……?!ちょっ…待てよっ
いきなり下半身に触れられて、驚いたというよりは慌てた。
――なんで?
――なんで、って…
まっすぐな眼で見つめられて、思わず俯く。
顔が、熱い。
――嫌?
――……そうじゃ、ないけど…
戸惑いは隠せなかった。
――とめらんないって、言ったじゃん
――………
――それにもう、充分待ったよ?俺
その言葉に、胸が熱くなる。
もう、拒めなかった。
――……わかった…
でもやっぱり怖くて身体を硬くしていると、那波はちょっと笑った。
――大丈夫だって。いきなり痛いコトなんてしないから
……痛いコトって、何
思わず考えこんでいると、あっという間にスウェットと下着を脱がされた。
そして俺が何か言う前に、露わになったペニスをその手で握る。
――……っ!
ビクンっ、と身体が震えた。
見られていることへの羞恥と、触れられていることへの動揺。
初めての女の子ってこんな気持ちなのか?と一瞬本当にどうでもいい事を考えた。
俺は完全に、混乱していた。
那波はなんの躊躇いもなく、俺のモノを口に含んだ。
那波の唇が、俺に触れてる。
那波の舌が、俺を舐めてる…。
――……力、抜けよ
――そんなん、無理っ…
こういう事をされるのは、初めてじゃなかった。
でもその時の相手は女の子だったし、今それをしているのが那波だという事が何よりも信じられない。
――……ふ、
だけどそんな気持ちとは裏腹に、身体は素直に反応していく。
硬くなり脈打つスジを濡れた舌でなぞられ、奥の柔らかいところを生温かい口腔で優しく揉みほぐされる。
時々きつく吸われると、その痺れるような快感に思わず声を漏らしそうになった。
染めすぎて痛んだ那波の髪を、ギュッと掴む。
――……ん、あっ…
――……気持ちい?
――……っ
ぶんぶんと首を振る。
――……よくない?
またしても首を振った。
――どっちだよ
――……も、やめ…っ、出そ…
声が震えた。
腰を引こうとしたけど、那波はそれを許さなかった。
――なっ…那波っ、もう
逃げようとすればするほど、与えられる刺激は更に強くなる。
――……ん…ッ!
まるで搾り取られるかのように激しく吸われた瞬間、全身が強張った。
――…な、なみっ…っあ!
ぎゅっと那波のシャツを掴む。
――……あ…
びくびくと身体が小刻みに痙攣した。
我慢していたものを全部吐き出してしまうと、一気に力が抜けた。
そのまま倒れ込むようにベットに横たわり、腕を額の上に乗せて目を閉じる。
まだ上手く、呼吸ができなかった。
――……大丈夫か?
その声にうっすらと眼を開けると、那波は飄々とした顔つきで自分の手を舐めていた。
――……ごめん、
――何が?
――口ん中で…その、
――あぁ、うまかったよ?
ぎょっとして起き上がる。
――飲んだのか?!てゆうか、うまいの?!
俺が茫然としていると、那波はちょっと笑って俺を抱き寄せた。
そして額に、短いキスをする。
唇は、瞼、鼻、頬の順に触れ、俺はまたしてもされるがままになっていた。
――………
――顔、赤い
そう言われると、更に恥ずかしくなる。
俺の反応に満足したのか那波は立ち上がり、さて帰るかなと言った。
――……帰んの?泊まっていけばいいのに
ついいつもの調子で言ってしまってから、ハッとする。
那波はにやっと笑った。
――……泊まってってもいーの?
――え…っと
口ごもっていると、じゃあそうしよーかなぁ、と言って那波は再び隣りに座った。
――……っ、
急に変な汗が出てきて、思わず後ずさる。
――なっ、那波、あのさ…
――大丈夫だって。今日はもう、なんにもしない
いつもの笑顔でそう言うと、ぎゅうっと抱きしめてくる。
――……那波…
……今日はって…
でもさ、と言って那波は俺を抱きしめたまま言った。
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