along-side(BL)

kotori

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「うわ…ありえねぇ…」

洗面所の鏡の前で呆然とした。
そこに映る自分の首筋には、はっきりと咬み跡が残っている。

「おまえ何してくれてんだよ、まじで!」

慌てて首元が隠れる服を探しながら、まだ寝ている那波にケリを入れる。
すると、うううという呻き声が布団の中から聞こえた。

「……怒鳴んなよ…頭、響く…」



明け方近くに、那波はフラフラの状態でやって来た。
連打されるインターホンに苛々しながらドアを開けた途端、ガバッとのしかかられる。

――重っ…てゆうか酒クサっ…

ずるずる引き摺るようにしてなんとかベットまで連れて行き、水を飲ませた。

――飲みすぎっていうか、ハメ外しすぎなんだよ…

既に呑気に眠っている那波の寝顔を見ながらボヤく。
俺には早く帰れって言っといて。

……人の気も知らないでさ…

溜め息をついて、隣りに潜り込む。
そして再びうとうとしかけた時、不穏な気配に目が覚めた。

――ちょっ…、寝とけよ大人しくっ

――ヤだ。目ぇ覚めちゃった

那波はそう言いながら、布団の中で俺の身体に触れてくる。
まだ冷たい指先が肌を滑って、鳥肌がたった。

――……っ、この酔っぱらいっ…

文句の途中で、唇を塞がれる。

――……んんっ…

腹立たしい事に、こうなると結局俺までその気にさせられてしまう。
那波はそのままよいしょ、と俺を膝の上に乗せた。

――……飲み会、かわいい子いた?

後ろから抱っこされて、甘い声で囁かれる。

――……あ、あッ…

胸と半勃ちのモノを同時に弄られると、もう抵抗できない。

――答えろよ、

ぐっと那波の硬くて熱いペニスを押し付けられて、ぞくりとした。

――……なな、那波っ…

両足を広げられ、冷たい指で後ろを解される。
けれどいつものようにそれに時間をかけることはなく、那波のモノは性急に俺のなかヘと入ってきた。

――あっ、あっ、…まだっ…!

その衝撃に、ヒクヒクと全身が震える。
那波は無意識に逃げようとする俺の腰を捕まえて、ぐっと引き寄せた。

――ひあ…あッ!

――……っ、

酔っていて加減がわからないのかいつもより乱暴に求められて、でもそれはそれでいい感じで。
もうお互いにとまらなくなった。

――あー…すげーイイ…こーすけのなか、あったけー…

――っ…、バカ…っ…!



結局起きる時間ぎりぎりまでそんな事をしていて、寝そびれた。

……寝込みを襲うって、どうなんだよ!

腹立ち紛れに二日酔いの薬の箱をベットに投げつけて、さっさと身支度を整える。

「俺もう行くから。鍵、ここ置いとくからな」

はーい…と力ない返事が布団の中から聞こえる。

「あー…腰も痛ぇ…」
「それは俺のセリフだ!しばらくエッチ禁止!!」
「……えええ?!」

飛び起きた那波を尻目に、俺は家を出た。





……なんか結局、あいつのペースに巻き込まれてるし…

欠伸を堪えつつ、授業を受けた。
そういう運命なんだろうか。
だとしたら、先が思いやられる…。

「メシ食い行こーぜ」

午前の講義が終わり、和田に誘われて学食に向かう。

「昨日、大丈夫だった?」
「……え、何が?!」

咄嗟に首もとに手をやった。

「何がって、彼女。怒られなかったか?」
「あ、ああ…おかげさまで」

色々大変でしたよ、と心の中で呟く。

「なんだ、うまくいってんだな」
「うまく…、振り回されっぱなしだけどな」

無料のお茶を注ぎながら、苦笑いを浮かべる。

「おまえさー、結構そういうタイプの子に好かれるんだな。ほら、沙也香ちゃんもさー…」
「サヤカって誰ー?」

ぎくっとして振り向けば、トレイを持った梨香が立っていた。

「またサバ定…」
「うるさい。ねーこうちゃん、サヤカって誰?」
「え、えっと…」
「浩介の元カノ」
「ふうん。で、その子がどうしたの?」

彼女は席に座りながら言った。

「昨日偶然合コ…、飲み会に来たんだよ」
「へえ~」
「………」

……なんかやな予感…

「てか、おまえあの後どうしたの?」
「え?」
「ほら、なんか二人で先に帰っちゃったじゃん」

和田はいい奴だけど、いまいち空気が読めない。
俺が箸を持ったまま固まっていると、何それと梨香が言った。

「いや梨香、ちょっと待って、」
「何それ何それ、どういう事?」

和田がアレ?という表情になる。

……遅いんだよ気づくのが!

「まさか、こうちゃん…」

梨香の疑惑の眼差しに俺はぶんぶんと首を振った。

「や、別にただ駅まで一緒に帰っただけで…」

なんで俺が言い訳してる感じになるんだ…。

「……ふぅん…元カノねぇ…」

彼女は口元だけ笑っていた。

「……梨香?」
「それ、今カノは知ってんのかなぁ…」
「ちょっと、梨香さん?」
「二人で先に、ねぇ…」

……なんでそうなるんだ!

「あれ?梨香、浩介の彼女知ってんの?」
「……まぁねー。ある意味、有名だから」
「梨香っ、ちょっと待ってそれ」

冗談にならないから!
前回の恐怖を思い出して、本気で焦った。

「まじでー?じゃあ知らねぇの俺だけ?浩介なんで俺には紹介してくんねーの?」

紹介も何も、おまえの友達だよ!とはさすがに言えなくて口をパクパクさせてると、梨香が声を殺して笑った。

「ええっ、てめまさか、ここの学生じゃねぇだろうな!」

我慢できなくなったらしく、梨香が吹き出す。
ははは、と力無く笑って俺はお茶を飲んだ。

……先が、思いやられる…


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