手をつないで(BL)

kotori

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入学式編

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「……だからっ、ちゃんと断ったから」

夕食後、まだ両親が帰ってきてない巽の家で話をした。

「………」
「いやほんとに!」

一瞬グラッときたのは、奴がイケメンなのになんかこう、かわいかったから…てかあんなん言われたら誰だってドキッと……っていやいや違うだろ!

「俺が好きなのは巽だから!!巽だけだから!!」
「………」
「……巽?」

ぐい、と腕を引っ張られた。

「ちょっ…、」
「……いつかさ、」
「……え?」

巽は俺の髪に顔を埋めながら言った。

「いつかおまえの親に、ちゃんと話せたらいいな」
「……え…」

そのままぎゅっと抱きしめられる。

「………。たぶん、すげえ驚かれるな」
「………」
「反対されるだろうし」
「………」
「……まぁ、諦めねーけどな」

巽はふわりと笑って俺の髪を撫でた。

……あぁ、どうしよう

なんかまた、泣きたくなった。

「……とゆうことでだ」
「……え?」
「まずは、さっきの膝枕の件だな」
「……っ!!」





「……あッ…んっ…」

敏感になった乳首を嫌というほど弄られて、もうそれだけで俺のモノは立派に勃ちあがってしまった。

「……っ、も、やァ…、たつ、」

身体が、熱い。
そして散々焦らされて我慢できなくなった俺は、そっと巽のモノに触れた。

「……淳?」

ソレを両手で包むと屈み込んで、まずは先端を舐めた。

「……っ、」

よく考えたら、巽にフェラするのって初めてだ。
指を動かしながら、上から下へ丁寧に舐めていく。
そして奥にある柔らかな袋を口に含んだ。
こりこりするそれを口の中で転がしていると、巽の苦しげな息づかいが聞こえてくる。

「………」

そのまま裏スジに舌を這わせて、先端を飲み込んだ。

「んっ…」

その行為自体は初めてではなかったけど。
巽にしてると思ったら、なんだかすごく興奮した。

「ふ…うっ…」

大きく固くなったソレから口を離して、座っている巽を見上げた。

「巽…、気持ち、い?」
「………」

巽が何も答えないので再びそれを口に含むと、ぐい、と足を持ち上げられる。

「……っ!」

巽の手が、もうぬるぬるになっていた俺のモノに触れた。

「…ん…あ、」
「……こっちまで、どろどろ」

しばらくソコをなぞったあと、いやらしく濡れた指がなかに入ってくる。

「……んんっ…!」
「舐めてたら興奮した?」
「……っ」

恥ずかしくなって、巽にしがみつく。
どくんどくんと聞こえる心臓の音は、もうどっちのものなのかわからない。

「あ…、あ…」

片腕で俺を抱き寄せるようにして、巽の長い指がなかの小さなしこりを弄る。

「…だ…めっ…!」
「なんで?ここ、好きだろ?」
「……っ、あぁ…っ!」

恥ずかしくて堪らない。
なのに俺の身体は、もっと刺激を欲している。

早く、早く…。

「……も…挿れ、てよ…っ」

我慢できずにそう言うと、巽も余裕がなかったのか太くて硬いソレをあてがった。
俺の腰を支えるようにして、ゆっくりとなかに入ってくる。

「……あ、ああッ!」
「……っ、おい」
「やっ、たつっ…!!」

ビクッと身体が跳ねて、抑えきれずにびゅ、と勢いよく吐きだされた精液が巽の腹にかかった。

「……はぅ、んッ…!」
「……っ、ばか」

無意識に収縮するソコは、入ってきたばかりの巽のモノにからみつく。

「……は……あっ…」
「……感じすぎだろ」

てゆうか、巽のそれが今自分のなかにあるって想像するだけで、なんか…やばい。
もう恥ずかしいとかそれどころじゃないけど、自分じゃどうしようもなくてぼろっと涙が零れた。

「……た…つ、」
「……っ、」

巽はまだ震えている俺の肩を抱き寄せると、乱暴に唇を塞いだ。



「……っすげえな、おまえんなか…」
「……あ……っ!」

まだ余韻が残るうちに激しく突き上げられて、一瞬意識をとばした。

「……っ、淳…」
「や…あッ…、激し…」

強引に腰を掴まれ、ぐちゅぐちゅとなかを掻きまわされる。

「あぁ……っ!!」

そしてソレがしこりを押し潰しながら奥を突いた瞬間、また軽くイった。

「おま……イキすぎっ…」
「…あ…あぁ、も、おかしく、なる…っ」
「……元から、だろっ…!」

巽は俺を抱きすくめてまた律動を再開させ、俺は懸命にソレを受け止めた。
それから時が過ぎるのも忘れて、俺たちはただひたすら求めあって、あいしあった。





目が覚めるとベットのなかにいた。
巽は、窓の傍で煙草を吸っている。

「……巽、」
「平気か?」
「……うん」

毛布にくるまったままベットから降りて、ぎゅう、とその背中にしがみつく。

「……なんだよ」
「好き」

好き。大好き。
大切だって言ってくれて、嬉しかった。
すごくすごく嬉しかった。
巽は煙草を灰皿に押しつけると、抱きしめてくれた。

先のことなんて、わからないけど。
大変なことだって、きっといっぱいあると思うけど。
でも俺だって、諦められないよ。
このぬくもりを手放すなんて、絶対ムリだ。


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